☆空に浮かぶ月(The Missing Moon)☆

キュンと琴線に触れるようなBL目指しています。拙い文章ですがよろしければお立ち寄り下さいませ。(๑→‿ฺ←๑)♫ ♫♬♪♫

さよならが言えなくて。39 

[ さよならが言えなくて。]


隆也を思いながら自慰をしてしまってから、少しの間隆也の家に行くと、気まずいような気持ちになったりもいたけど、隆也が変わりなく僕に接しているので、ぎこちなくしている方が怪しまれると思い、平静を保つようにしているうちになんとか落ち着いて仕事が出来るようになった。

もちろんあれ以来、間違っても隆也を思っての自慰はしていない。

表面上は平穏にバイトとしてのハウスキーパーの仕事をこなしている。智也が遊びに来る事も増え、3人で夕食を取る事も多くなった。

相変わらずそんな日は智也は隆也の家に泊まっているけど、僕は必ず家に帰る。何度か智也に一緒に泊まろうとさそわれたけれど、隆也から言われたわけではないし、同じ空間で寝るなんてそんな心臓に悪い事は無理だと思って頑なに拒否し続けている。有紀に言うのも億劫だ。反対されるに決まってるし、有紀を納得できるほど上手く話せるとも思えないし。

この1ヶ月ほどで隆也の好き嫌いもわかって来た。しめじは大丈夫なのにシイタケは食べれないとか。バナナは匂いが嫌いだとか、大きな魚は大丈夫なのに。シラスとかちりめんじゃこは嫌いだとか…。何でも食べれそうなのに、食べれないものがあるなんて不思議な感じだ。

隆也が食べれないといったわけじゃない。出しても一口も手を付けない。それが何度か続いて、嫌いなんだなと次からは出さないようにしている。相変わらず1品リクエストは続き、繰り返し言われるメニューもあれば、作った事のないメニューを言う事もある。その中でも『肉じゃが』は何度も繰り返されるメニューで、2日続いても良いからたくさん作れと言われた事もある。ただ、僕が同じメニューを出すのが嫌で肉じゃがコロッケにしたり、牛肉じゃなくて豚肉を足したりして出している。それに関して隆也からクレームが来る事はないので、好きなようにしている。

このバイトを続ける中で変わってきた事と言えば、時折、隆也と視線が合うようになった事だ。前は僕が何をしていようが隆也は部屋にこもったり、TV を見たり本を読んだりして好きなようにしていたから視線が合う事なんてなかったのに、この頃よく目が合う。

目が合ってもすぐに隆也は視線を外すから何も言ってないけど、僕に何か言いたい事でもあるんだろうか?そうは思っても聞けずにいたのだけど…。

まただ。隆也と視線が合って目をそらされた。

僕は洗濯物を畳んでいるとふと視線を感じて顔を上げたら隆也が僕を見ていた。目が合うと視線をそらして手元の本へと目を向ける。

「あの隆也、もしかして僕に何か言いたい事ある?仕事の事?隆也が気に入らない事があったら教えて欲しいんだけど」

「いや。別にない。ポチは十分に働いてくれている。まあポチが来るようになってから智也が止まりに来る回数が増えたし、部屋が生活臭くなったような気がしないでもないが」

確かに家で料理をするようになった事もあって料理の匂いでも壁に浸みこんでいるのだろうか?洗濯もクリーニングじゃなく洗濯機で洗ってるし、布団は干す様にしているから陽向の匂いがするかもしれない。カーテンもこまめに洗ってるし…。でも僕はまだ生活臭なんて感じられないんだけど、隆也には感じられるというのだろうか。それが嫌?

「ごめん。僕はあんまり生活臭とか感じてないんだけど、今までの生活とかわっちゃったから?ごめん。隆也が何も言わないのを良い事に僕は隆也に聞きもしないで好きにしてた」

「別に責めてるわけじゃない。このままでもいい」

「じゃ他に何か言いたい事がある?自意識過剰と思わないで聞いて欲しいんだけど、この頃良く目が合うから何か僕に言いたい事があるのかなって思ったんだ」

「ポチは女と付き合った事はあるのか?」

いったい何を言い出すのか。隆也の突拍子もない質問にすぐに答えられなかった。

隆也が初めて好きになった人なんだし、好きな女の子なんていなかった。淡くこんな女の子ならいいなって思った子はいたけど、だからって付き合いたいとは思わなかった。

「僕は隆也と違って女の子に好かれるような顔じゃないし、こんな性格の男なんて嫌がられるに決まってる。付き合いたいと思うような女の子はいなかったし、言われた事もないよ。そんな事聞いてどうするの?」

「ポチは可愛いし、そこいらの女より綺麗だと思うぞ。ただしちゃんと見た目を良くしたらな。俯きがちな顔とか、ダメな男だと自分を卑下するところを無くして、少しおしゃれでもしてみたら変わると思うぞ」

「いいんだ。そんな事言ってくれなくても自分の事はわかってる。女の子たちだって隆也や智也みたいな男の人の方が好きなんだよ。僕は今は付き合いたいとも思わないし、今のままでいいよ」

「ポチは女に免疫がないという事だな。慣れればどうって事ないぞ。俺が女を紹介してやろうか?」

「いいって。紹介なんて要らない」

「18にもなってロクに女との付き合い方も知らないとか、童貞だとか男として損してるぞ。お前は性格もいいし、見た目さえちゃんとしたらイケるんだから付き合って見ろって。まあでもいきなり二人とかはキツイか。ポチにも女の好みもあるだろうしな。よし俺がポチの為に合コンを開いてやる。俺とポチだけじゃ女もそんなに呼べないから智也も誘うか。あと何人か男も集めて…。ポチのコーディネートは俺が見立ててやる。任せておけ」

「隆也、僕の為にって考えてくれるのは嬉しいけど、その気持ちだけもらっておくよ。合コンなんかしなくてもいい」

合コンなんてしたら隆也が女の子を口説くのをまじかで見る事になるかもしれない。隆也が口説かなくても女の子の方から隆也を口説いてくるだろう。そんなのを見たくないんだ。そのまま隆也が女の子と消えてしまったらと考えただけで胸が痛い。見なかったら知らずにいられる。だから隆也と一緒の合コンなんて出たくない。

僕は隆也が好きなんだから合コンで好きな女の子を作るなんて出来っこないんだから合コンをする意味なんてないんだ。そう言いたいけど言えない。隆也は僕の気持ちなんてお構いなしに合コンのメンバーを集めて行く。智也も僕が行くならと来るらしい。



その次の日、隆也に連れられて美容院でカットされ、セレクトショップで服を上から下まで一式見立てられた。

「隆也、せっかく見立ててもらったけど、こんなに高い物買えないから」

いくらバイトしてるからと言っても自分の出せる金額などたかが知れている。欲しい本もあるし、服なんて今持っているのだけでも十分に事足りるから買う必要はない。着換える時にタグを見たけど、10万近くもする服を買う気にはならない。

「そうか。わかった。じゃ脱いで来い。脱いだらその服は店員に渡せ」

買えって言われると思ったのにあっさりと引いてくれたので違和感を感じながらも着ていた服を脱いで店員に返した。

着換えて試着室を出ると、頼んでいた服を取って来るから外で待ってるように言われて外で待つ。ショップの袋を抱えた隆也と並んで歩き今日は外で食べると言う隆也に付き合った。

「じゃ、明日はバイトはなしだ。夕方俺のマンションに来い」

そう言って持っていたショップのバックを僕に渡す。

「え?ちょっと隆也何これ?」

僕の声は雑踏に吸い込まれ消えていく。隆也の耳に届く事も無く夜の街に消えて行く。渡された紙袋を覗くと、中には買わないと返したはずの服や靴が一式入っていた。


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さよならが言えなくて。38(R15) 

[ さよならが言えなくて。]


※注意‼前半緩いですが性的描写が入ります。苦手な方はご遠慮下さいませ。












ただ何も考えずに走り、気が付いた時にはいつの間にか家に帰って自分の部屋の中にいた。

グルグルと隆也のキスの場面が繰り返し再生されていて、息が紡げない。

走ったせいで額には粒の汗がうき、頬を伝って雫が垂れていた。

「……っ」

あんな官能的なキスをまじかで見たことはない。TVでしかあんなキス見た事ない。それもごく自分の近くの人間が、自分の好きな人が他の人にしているキス…。

誘っている唇を舌を絡め取るような深い口づけ。

隆也のするキスはとても淫靡で…。もしあんなキスをされたら…。

身体の中心が熱を帯びる。想像したら身震いした。ダメだと思うのに一度考えてしまった事が頭から離れてくれない。

いつの間にか隆也とキスをしているのが自分になり変わり、あのキスを受けている。

「……んっ…ふっ…」

頭の中でさっきのシーンが蘇り、頭の中で隆也と自分になってキスを貪る。

その熱に浮かされるように下着の中に熱がこもり形を成していく。

「うそ。僕感じてる…」

日頃は自慰なんて下着を汚さないようにするくらいでこんな風に身体が熱くなる事なんてなかった。今は身体の奥から熱を帯びて身体中が熱い。

そっと手を下着の中に入れるとすでにそこは露にまみれ、ぬめりを帯びていた。

握るとクチュリと音がする。すごく卑猥な音。

隆也のキスの場面を見て、隆也と自分に置き換えて、自慰行為をしているという後ろめたさや背徳感でいっぱいなのに、いつもよりも感じてしまっている。先端から蜜が触れて来て、クチュリクチュリとますます大きな音がして耳からも犯される。

「あ、ダメだって…。こんなので感じたらダメ…。隆也のキスでなんて…」

いつもなら扱いて出す時だけ気持ちいいと感じるのに、今日は触っているだけで気持ちいいと思ってしまう。感じてしまう。

「はっ……っ……ぁ…」

硬くなって蜜をあふれさせる茎を緩く上下に扱く。

頭の中は隆也の顔を思い出し、動き回る赤い唇が僕の口の中を蹂躪していく。

気が付けば口の中に自分の指を入れ舌で愛撫するように舐めまわしていた。

「こんなの…僕じゃない…こんな事…」

そう思うのに耽りだしたこの行為が止められず、次第に手は激しく扱き、舌はますます指を犯す。

「あっ…りゅ…や…っ」

部屋の中にはぐちゅぐちゅという音と、荒い自分の息と、独特の匂いが充満して、カーテンを引いた部屋の中はいつもの部屋とは違う空間になっていた。

頭の中で一瞬、隆也の視線が僕の目を射抜き、深く舌を吸われたと同時に頂点を極め、張りつめた欲望が爆ぜる。

「あっ……っ……」

自分の手の中に放たれた白い液体がドロッと手のひらを滑り落ちた。

「っ……」




いつもなら終わって手を拭いて、身体の汚れたところを拭って身なりを整えてから洗面所で手を洗う。なのに今日ははぁはぁと肩で息をして、髪の毛も額にかかり汗でへばりついている。青臭い匂いが部屋中にこもっていて、中途半端におろしたズボンと下着が間抜けだ。

隆也のしていたキスで自慰するなんて…。

いたたまれない気持ちと後悔と…でも…。

今までしてきたのとは違う。気持ちいいと思ってしまった。今までになく感じてしまった。それが一層の罪悪感を感じさせた。

近くにあったティッシュを取り、手の中の白い液体を拭う。

丸めて投げたティッシュはゴミ箱を外れて下に落ちた。

「僕何してるんだろう…隆也でこんな事するなんて…隆也ごめん」

隆也が見ていたわけじゃないのに、隆也を穢してしまったような気がして謝らずにいられなかった。熱かった身体が急速に冷えていく。まるで隆也に覚めた目で見られているかのように…。

でも確実に感じてしまった事は身体が、頭が覚えていた。それを忘れようと、した事をなかった事にしようと、ノロノロと立ち上がり身なりを整え窓を開ける。

下に降りて手を石鹸で洗うと顔も一緒に洗った。

思い出すとまた熱を持ちそうになる身体を戒めるように頬を両手で叩くと、隆也にメールする。




『今日は何時頃に帰って来る?夕飯のリクエストがあったら教えて欲しい』



送信してから気持ちを切り替える。もう少ししたら大学に戻って講義を受けよう。今日は隆也とも智也とも一緒の講義はないから平常心で過ごせるはず。

しばらくして隆也からの返信が返って来た。


『今日は帰らないから夕飯は要らない。洗濯と掃除をしておいてくれ』


あの女の人と一緒なのかな。

チクリと刺さる胸の痛みは隆也が好きだから仕方ない。この胸の痛みをどれだけやり過ごせば僕は隆也を一人の友人として見られるようになるんだろう。

耐えきれなくて隆也と距離を置くようになるんだろうか?

不安は探せばきりなく溢れてくる。

隆也の事を好きになれた事だけでもいいと思わなくてはいけない。

初めて人を好きになれたんだから。それだけでいい。十分だよね。

有紀にメールで夕食を作る事を伝える。いつも作ってもらってるから、今日は少しくらい遅くなっても良いよとも…。

久しぶりの我が家の食卓は洋食にしよう。パスタでも作ろうかな。


゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚*。,。*゚
読んで下さいましてありがとうございます。
ブログ村がメンテのようですね。なのでいつもより1時間早くに更新してみました。20時までって書いてあったけど20時に終わらない可能性が高いですよね。なので早めの更新です。村から見て下さる皆さんに気が付いて頂けるといいのですが…。無理かなあ(> <。)

†Rin†


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さよならが言えなくて。37 

[ さよならが言えなくて。]


今頃隆也と智也は何してるのかな?

二人でいてもきっと隆也は隆也のまんまで、智也が一人でしゃべってそうだ。でも隆也は智也の話をうっとおしそうにしながらもちゃんと聞いてる。話しかけるなとかいいながらも結局智也に付き合う。

もしかしたら二人でDVDとか見てるかも。二人とも趣味は違うのにお互いが選んだDVDなら文句を言いながらでも見てそうだ。

隆也と智也の関係を羨ましく思う。僕とは数ヶ月の付き合いだけど、二人には何年もの付き合いがある。僕とでは紡げない空気があの二人の間にはあって、その中に入れる人はいない。


「で、これ又あいつが持たせてくれたの?ここちょっと有名なんだよ。食べて見たかったんだよね。まあ気が利くっていっとこうかな」

「有紀。またそんな風に言う。それにあいつなんて…。智也の友達でもあるんだよ」

「何か今日智也さん泊まりだって?」

「そうだよ。よく知ってるね」

「さっきメールが来た」

「有紀、智也とよくメールしてるよね」

「樹が心配だからね。智也さんに情報もらってんの。二人でケーキ食べに行ったりもしたよ。智也さんおいしいケーキの店よく知ってるんだよね」

「いつの間に…。智也そんな事言ってなかった」

「樹に言わないでってお願いしたもん。智也さんにケーキ食べに連れて言ってもらうなんて言ったら樹絶対にダメだって言うでしょ」

「当たり前でしょう。智也が気をつかうじゃないか」

「誘って来たのは智也さんだよ」

「それでもついて行ってのは有紀でしょう。普通は断るんじゃないの?」

「智也さんだよ。断るのもったいないじゃない」

「有紀…。」

大きな口を開けてケーキをほおばる有紀にもう少し女の子らしくできないのかとため息が零れる。僕がバイトの時は有紀が夕食を作ってくれてるんだから文句も言えず、残ったケーキは冷蔵庫に入れて敦兄にも食べてもらうように言ってから自分の部屋に戻った。

隆也と智也一緒のベッドで寝るって言ってたな。確かに隆也のベッドはキングサイズだから男2人で寝ても余るぐらいだ。変に意識してしまうのは僕が隆也を好きなせいだからだ。

もし僕が隆也の家に泊まるとしても同じベッドで寝るのは無理だな。きっと緊張してドキドキして眠れないもの。もし隆也の身体に触れてしまったら意識しちゃって身体を動かす事も出来なくなるだろう。熱が出てしまうかもしれない。そもそも家族以外の人と同じ布団で寝た事なんてないのだ。敦兄となら平気で寝られるだろうけど、隆也とは無理だ。

想像しただけでぶわっと顔が熱くなり、そんなバカな事を考えている自分にバカじゃないかと突っ込む。恋愛ってほんとにバカになっちゃうもんなんだな。

初めての恋はバカな事を考えてばっかりだと思う。それでも好きな人を思う夜は切なくも甘いような気持ちになる。

「本当に隆也の事好きなんだ」

隆也に言う勇気もない。告白されても隆也に迷惑をかけてしまうだけだからと言い訳してるけど、本当には告白する勇気がないんだ。気持ち悪がられるだけだから。嫌われるのは嫌だ。怖い。だから言わない。言えない。



*  *  *

「おはよう樹ちゃん。昨日は美味しい料理ありがとうね」

「おはよう。昨日は楽しかったね。あれ?隆也の家に泊まって一緒に来たんじゃないの?」

「んー。何か隆也、女の子に呼ばれてどっか行っちゃった」

「そうなんだ…。相変わらずモテるね」

「ふふっ。樹ちゃんヤキモチ?心配しなくても隆也は今は好きな女の子なんていないよ。樹ちゃんとの時間が一番長いんじゃない?」

「や、ヤキモチなんか焼かないよ。変な事言わないでくれる?」

「樹ちゃん顔真っ赤。わかりやすいよね」

「……。」

「ま、気が付いてるの俺くらいだから安心しなよ。あ、有紀ちゃんは怪しんでるから気を付けないとダメだよ。女の子ってそういう勘ってするどいからね」

「違う。違うって。何でそんな事言うかな。隆也と僕は友達なの。智也何勘違いしてるの」

ズバズバと確信をついてくる智也の言葉に翻弄されないように必死で言葉を取りつくろう。智也って妙にする胃ところがあると思ってたけど、こういうところでその鋭さを発揮しないで欲しい。恋愛にうとい僕は経験の豊富な智也をけむに巻くなんて難し過ぎる。

だんだん言いつくろう言葉がなくなって来て、このままでは僕の隆也に対する気持ちに完全に気が付かれてしまう。ここは一刻も早く智也と離れるべきだ。

「と、とにかく何を勘違いしてるのか知らないけど、変に勘ぐるのはやめてよね。有紀にもいらない事言わないでよ。じゃ僕、講義の準備があるから行くね。またね」

「あ、樹ちゃんってば……。あーあ行っちゃった。からかいすぎたかな。でも隆也を好きだってまるわかりの目をしてるのにな。わかってないのは本人と隆也だけなんじゃない?樹ちゃんにはああ言ったけど、有紀ちゃん気が付いてると思うんだけどな。認めたくないって思ってるだけでさ。しかし不器用な二人だね。見ててイライラする」

智也の大きなため息なんて知らずに僕は赤い顔で中庭を横切って歩いていた。

「あれ?今の…」

知った顔を見たような気がして少し後戻りをする。

「あ隆也だ。」

無表情の覚めた横顔を見つけて呼ぼうとしてあげかけた手と足が止まる。僕に気が付かない隆也は木の陰で女の子と向かい合っていた。

隆也の顔が女の子の顔と重なる。

(キスしてる…)

軽く啄むようなキスじゃなかった。女の子の赤い舌と隆也の舌が絡みあう。ぴちゃぴちゃと音が聞こえるような淫靡なキス。女の子は両手を隆也の首に回し身体を隆也にしなだれかけて、まるで誘うように目で誘惑している。

ここは中庭なのに。誰がいつ通るか知れないのに、平気でそんな淫らなキスをしている二人が信じられない。隆也は無表情だけど、女の子は明らかに欲情している目で隆也を見ている。

(嫌だ。こんなの見たくない。嫌)

そう思うのに足が動かない。目がそらせない。隆也の女性関係が派手なのは知っているつもりだったけど、聞くのと実際に見るのでは衝撃が全然違う。あんな風に隆也は女の子とキスするんだ。色欲にまみれたキス。

誰か話し声が近づいて来て、隆也と女の子は何もなかったかのように歩いて行く。

ふっと脱力して膝が折れそうになるのをなんとか堪えた。

「あれ?樹ちゃんどうしたの?もう教室に…って樹ちゃんどこ行くの?」

その声に隆也が振り返ってみていたのにも気が付かず、僕はそこから外へと走り出していた。どうして走ってるのかもわからない。だたそこに居たくなかった。見てしまったものを見なかった事にしたかった。

悲しいのか悔しいのかわからず、ただ心の中nモヤモヤとした黒い物が覆っていて、それを認めたくなくて唇を噛んで涙をこらえていた。


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さよならが言えなくて。36 

[ さよならが言えなくて。]


「おかえりなさい」

「ああ」

隆也がまだ家に帰っていない時に僕が隆也を出迎える事もある。そんな時はいつも玄関に隆也を迎えに行くのが当たり前になっていて、今日もいつも通りに隆也と智也を迎え入れた。そんな僕に隆也がケーキの入った箱を手渡してくれた。

ケーキ屋に寄った。夕食の後に食べれそうなら食べてもいいし、食べられなかったら持って帰れ」

「いつもありがとう。隆也の買って来てくれるケーキはいつもおいしいから楽しみなんだ。ここは初めてのケーキ屋さんだね」

「最近出来たばかりだが評判がいいらしいぞ。智也のお墨付きだ」

「そうなの?智也は新しい情報が早いんだね。ありがとう」

「うっわ~~。何か新婚さんみたい。隆也いいなあ。こんな風に樹ちゃんにお出迎えしてもらってさ。評判のケーキ屋を知らないかって隆也が言うから何かと思ったら樹ちゃんにお土産だったんだ」

「は?何言ってるんだ?頭に何か飼ってるのかお前。ポチが出迎えるのは当たり前だ。ケーキはたまたまそんな気になっただけだ。」

「頭に何か飼ってなんかいないよ。まあいいけどさ。ケーキは俺も食べたかったし…。でも樹ちゃんエプロン似合うね。いいよなあ。玄関まで夕食のおいしそうな匂いしてるし、樹ちゃん可愛いし。お嫁さんみたいじゃん」

「智也、僕はハウスキーパーだから。男だしお嫁さんとか有り得ないから」

「変な事ばっかり言ってると家に入れないぞ。まったく」

隆也は呆れたように智也を見ると靴を脱いで中に入ってしまう。

「冗談も通じないんだから。こんな奴のどこが良くて女の子は寄って来るんだろうな」

智也も靴を脱いで隆也に続く。智也が隆也にうるさく話しかけて隆也がめんどくさそうに答えるのはいつもの事なんだけど、本当にこの二人は仲がいいと思う。

夕食には少し早い時間だから二人にコーヒーを出す。僕はまだお風呂場の掃除が残ってたので残りの掃除をしてしまい、それから夕食を並べる。

3人分の料理をテーブルに並べる。いつもは隆也の真向いに僕は座るんだけど、そこは智也が座ってしまって隆也の横に座る。いつもと違う距離感に少し戸惑う。

「そうして二人で並ぶと違和感ないね。一人ずつみたら合いそうにないのに二人でいると合うんだよなあ」

「さっきからお前は何を言ってるんだ。食べないと冷めてしまうぞ」

「智也の口に合うかな?和食ばかりでごめんね」

「智也の口なんぞに合わせなくてもいいぞ。俺の口に合えばいいんだ。和食が嫌なら食べなければいい」

「隆也そんな風に言っちゃダメだよ」

「はいはい。食べるに決まってるだろ。樹ちゃんの料理なんだから。樹ちゃんの作るものは美味しいから和食でも洋食でも何でもいいよ。うん‼おいしい。な、隆也」

「まあまあだな。思ってたのと少し味付けが違うが、まあいいだろう」

「何偉そうに言ってんだか。素直に美味しいって言えないのかね」

「言葉なんかなくても残さずに食べてくれたらそれだけで嬉しいよ」

「樹ちゃんはほんとに良い子だね。隆也のとこのバイトが嫌になったらいつでも俺が雇ってあげるからね。俺の家でハウスキーパーしてくれる?」

「ここをクビになったらお願いするよ」

「始めたばかりなのにクビにするわけないだろう。ポチが来るようになってまずい外食を食わずにすんでるんだ。いまのところポチをクビにする予定はない」

「そう言えば隆也あんまり外食しなくなったな。泊まりで遊ぶとかしてないよね。相変わらず女の子とは遊んでるみたいだけど」

「ポチが俺が居なくても夕食を作ってるからな。俺の上辺だけを好きな女と食べる外食より、一人でポチの作った飯を食べる方が何倍もいい」

「そりゃそうでしょうよ。樹ちゃんの愛情がこもってるんだから」

愛情…。隆也に美味しいものを食べてもらいたいと思う気持ちに隆也を好きと言う気持ちをのせていつも作ってるのが智也にわかってしまったのかと思った。

「隆也には美味しいものを食べてもらいたいから、その気持ちを込めて作ってるよ」

「だから樹ちゃんの料理はおいしいんだよ。有紀ちゃんも言ってた。」

「智也、有紀とよく話すの?」

「メールとかね、時々交換してる。有紀ちゃんは樹ちゃんの事が気になってしょうがないみたい」

「どっちが年上かわからないな。ポチは妹に心配されてるのか」

「僕が頼りないからだろうな。そんなつもりはないんだけど、敦兄や有紀はそう思うみたい」

「樹ちゃんらしいというよりも有紀ちゃんらしいって言った方がいいのかな。有紀ちゃんってほんとに樹ちゃんの事が大好きだよね」

「おかげで俺は嫌われてるけどな」

「あ、そう言えば言ってたな。隆也って何なのっ‼って言われちゃったよ俺」

何だか有紀の話が出て来ていたたまれないような気持ちになる。隆也の機嫌が悪くなっていくのがわかるから。口数の減った隆也と僕に気づいているのかいないのか智也は一人しゃべり続けている。

でも隆也の地雷加減がわかるのかそれ以上は踏み込まずに違う話題に切り替える辺りはさすがだと思う。伊達に何年も隆也と付き合って来ているわけじゃないんだ。

有紀の話題がそれた事にホッとしながら残りの食事を食べた。

食後にケーキをと思ったけど、いつもよりもたくさん食べてしまったからか食べたいとは思わない。食べれない事はないけど、せっかく隆也が買って来てくれたケーキだからどうせなら美味しく食べたい。二人は食べたいかと思って聞くと全部持って帰れと言われた。

いつもそうなんだ。二人で食べるには多すぎるケーキを買って来る隆也。本人は否定するだろうけど僕の家族にって買ってくれてるんだと僕は思っている。

その効果はてきめんで、敦兄は隆也の事を僕の家族の事まで気にかけてくれるいい人だと思っているし、なんだかんだいいつつ有紀も少し態度が軟化してる部分がある。

「じゃ僕はそろそろ帰るね。智也はどうするの?」

「あれ?樹ちゃん帰っちゃうの?俺は泊まるけど」

「勝手に決めるな。お前も帰れ」

「そんな事言うなよ。めんどくさいもん帰るの。だから泊めてくれ」

「じゃ布団出さないとね」

「いらないよ。こいつのベッドキングサイズだろ。一緒で構わないって」

「またか。お前は。俺は嫌だって言ってるだろう」

「布団出したら片付けるの面倒じゃないか。どうせ樹ちゃんにやらせるんだろ。樹ちゃんの仕事を増やすなって言ってんの。いいじゃん。前にも一緒に寝たんだし」

「誤解を与えるような良い方をするなよ。酔っぱらったお前が俺のベッドにいつの間にか潜り込んで寝て鷹之だけだろうが」

「だから今日もそのていで。だから樹ちゃん布団いらないから」

「もう好きにしろ。レオは風呂に入る」

隆也は怒ったのかそのまま風呂場に行ってしまった。

「樹ちゃんも今度は一緒に泊まろうね」

「そんな事したら有紀が何言うかわからないよ」

「俺も一緒なら大丈夫だって」

「いつかね。じゃ僕本当に帰るね。あんまり遅いと敦兄や有紀が心配するから」

「そうだね。樹ちゃんは兄妹に愛されまくりだからね。樹ちゃんを恋人にする人は大変だね」

「当分そんな人は出来ないと思うよ」

僕は隆也に貰ったケーキの箱を抱えて智也におやすみを告げると帰路についた。

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さよならが言えなくて。35 

[ さよならが言えなくて。]


まだ講義の残っている二人と別れ、僕は隆也の家に向う。隆也の家に行く時にスーパーに行くのは日課になっていて、スーパーのおばさんやおじさんの中に顔見知りの人が出来て「今日はこれがいいよ」とか「明日の特売はこれだよ」とか教えてくれるようになった。

メニューの相談にのってくれるおばさんもいる。やはり何十年も主婦をやって来た人はいろんなメニューを知っていて僕には思いつかないようなメニューを教えてくれたりする。それがすごく助かっている。

僕は同年代の人とはなかなか打ち解けにくいんだけど、なぜか年上の人には可愛がられる事が多くて、それは僕が話しかけなくても相手の方が包み込んでくれる包容力があるからだと思うんだけど、スーパーの人たちもすごく僕を気にしてくれてかわいがってくれている。

多分この歳で毎日のようにスーパーにくる男っていうのが珍しいからなんだろうけど、いつも声をかけてくれるんだ。

「よう樹ちゃん今帰りか?今日の献立は何だい?」

「鯖の味噌煮だよ」

「おっいいねえ。ちょうど今日は鯖のいいのが入ってるんだぜ。ちょっと待ってな。いい奴見繕ってやるよ」

魚コーナーに行くとケースに魚のパックを並べていた繁蔵さんが声をかけてくれる。魚を買う時はいつも繁蔵さんが見繕ってくれて今まで魚で失敗したことはない。魚の見方とかも教えてくれておいしい魚を選ぶのも料理のコツだと教えてくれた。

「ほいよ。これなら脂ものってて味噌煮にしても身が負けない」

「あ、今日は3切れいるんだ。友達が食べに来るから」

「そうなのか。珍しい事もあるもんだな。だって今まで友達が来るような事なかっただろ」

「うん。でも今日は3人なんだ。3切れがなかったら2切れを二つ買うよ」

「4切れ買っても1切れ余るんだろ。樹ちゃんの為に3切れのパックを作ってやるよ。まかしときな」

「ありがとう。それなら無駄もでないし助かる。無駄なお金は使いたくないもんね」

「樹ちゃんはしっかりしてるな。良い嫁さんになれるぞ」

「繁蔵さん僕は男だから良い嫁にはならないよ」

「全く樹ちゃんが女なら俺の息子の嫁にもらいたいくらいだ。ほんとに何で男なんだろうなあ」

「繁蔵さん…。」

いつもこれを言われるけど僕は苦笑するしかない。だってそんな事を言われても困ってしまうだけなんだもの。悪気があって言ってるんじゃなくて本気で言ってるから何も言えなくなる。繁蔵さんは良い人なんだけどね。

繁蔵さんからパックを受け取り、他の食材を買ってる間も何人かのおばさんに声をかけられ鯖の味噌煮に合う献立を教えてもらったりしながら買い物してたら思ったよりも時間がかかってしまった。

「早く帰って掃除と洗濯しないと隆也と智也が帰って来ちゃうな」

スーパーの荷物を抱えて慣れた道を歩きマンションの中に入る。合鍵の使う事にも慣れて、最初は隆也のいない家に入る時に感じた抵抗感も薄れてきた。

「さて、今日はシーツ洗濯しないとな」

冷蔵庫にスーパーで買ったものをしまい、隆也の寝室へと向かう。

「やっぱりな」

隆也って神経質そうに見えるのに案外おおざっぱなところがあって、シーツは起きたままぐしゃぐしゃなんだ。脱いだ服もその辺に落ちてる事が殆どで寝室の床にはお風呂に入る前に脱いだと思われる服が散らばっている。

「どうせ脱ぐんだから脱衣所で脱げばいいのに」

脱衣所には洗濯機が置いてあるからそこで脱いで欲しいと言っても寝室で脱いで行くのだ。何度言っても直らないので今は何も言わなくなった。本人に変える気が全くないのがわかったから。言っても無駄な事は言わない。

「僕は隆也のお母さんじゃなくてハウスキーパーだもんね。あんまり口うるさく言うと隆也にクビにされちゃう」

僕の言う事なんか隆也にとってはどうでも良い事なんだろうと思う。僕がお願いして直してくれた事なんてないから。でも最近はたまに気が向いた時だけだけど食器を下げてくれたり、コーヒーを淹れてくれたりすることがあって、僕に優しくしてくれる時が増えた。

毎日のように隆也の傍にいるからか、前みたいに雑用を頼まれる事が減った。まあその分、家にいる時に言われる事もあるからメールじゃなくて直接言われるようになっただけの事かもしれないけど…。

でも直接隆也の口から言われる方が何倍も嬉しいんだって気が付いた。

毎日毎日、僕の中にいろんな隆也が蓄積されて、隆也と僕との関係は少しずつ近くなってきていると感じていた。隆也と智也との友達関係とまではいかないけど、その他の友達よりも受け入れられているのかと自惚れている。まあ隆也にしてみれば友達なんかじゃないって言われそうだけど…。

ぐしゃぐしゃのシーツを剥がしてきれいなシーツをかける。ピンと張ったシーツはすごく綺麗で凛とした隆也にぴったりだ。シーツを洗濯して思うけど、ほんとにここには女の人を入れてないのがわかってホッとしている自分もいるんだ。女のとと一緒に寝た後のシーツを知ってるわけじゃないけど、多分何かあればわかる自信はある。何度も洗濯してるし、部屋の掃除もしてるから。今まで女の人の影や、他の人が来た形跡はみなかった。

別に意識してるわけじゃないんだけど、気になってしまう。隆也に近い人がいつかここに来るんじゃないかって思ってしまうんだ。隆也の家だからそんな人が来ても当たり前で、僕には関係ないんだけど、いつのまにかここは隆也と僕の空間みたいに思ってしまっている自分がいて、そんな事を隆也に知られたら気味悪く思われて友達でもいられなくなるってわかってるんだけど止められない。

「僕ってすごく気持ち悪いよね。隆也の傍にいれるだけでも幸せなんだから、それ以上は望まない。絶対にこの気持ちだけは知られないようにしなくちゃいけない」

洗濯機にシーツを突っ込み、掃除をする。無心に掃除機をかけて雑巾で埃を拭う。毎日掃除してるからそんなに埃っぽい事もないんだけど、僕の中では当たり前みたいに掃除機と雑巾がけはセットになっているからしてしまう。隆也にはそこまでしなくていいっていわれてるんだけどね。バイト代を払ってもらってるんだから、そのお金だけの働きはしないとって思う。

「さてと、夕食の準備をしなくちゃね」

冷蔵庫から材料を出して夕食作りに取り掛かる。

今日のメニューは鯖の味噌煮に豆腐とわかめのお澄まし、温野菜のサラダ、ほうれん草の白和えと南瓜のそぼろあんにした。スーパーのおばさんたちに聞いたメニューばかりだ。

「ほんとにおばさんたちはすごいや。僕ならこんなにスラスラ考え付かないもんな。聞いてすぐに出て来るところはほんとに主婦なんだなあ。毎日作ってるのに僕とは全然違う」

味噌煮を作るんなら味噌汁よりもお澄ましの方がいいと言ってくれたのもおばさんで、メニューの味が被らない方が食事を楽しめるといってくれたのもおばさんたちだ。

僕には母親はいないけど、生きていたらこんな風に教えてくれたのかな?

全ての料理が出来上がった頃に二人が帰って来た。

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小説が大好きで読んでるだけで物足りず自分で書き始めました。拙い文章ですが、読んで頂けたら嬉しいです。

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