キミと空とネコと

キミと空とネコと44

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「男と男なんて気持ち悪い。」

「あいつ、ゲイなんだってさ。」

「キレイな顔してんじゃん。これなら男でも出来るんじゃねーの?」

「おまえとずっと一緒なんて考えた事もない。」

「おまえは人と上手く関わっていける人間じゃないんだよ。」

「どうしてお前はお兄ちゃんなのに弟や妹のほうが優れてるんだろうね。」

やめろ~~~~~!!!やめてくれ。オレが何したっていうんだよ。人に関わっちゃいけないのか?死ぬまで友達も作らないで一人で生きろっていうのか。やっとここで生きて行けると思ったのに。いい人達に巡り会えたと思ったのに。オレはずっと一人でいないといけないの?生き残った事が悪いの?どうして。気がついたら真っ暗闇の中で鎖につながれていた。

この鎖を外せ~~~~~~~~!!!!!

びっしょりと汗をかいて飛び起きた。夢。夢だ。

ドクドクと耳元で音がする。上手く呼吸できなくてヒューヒューと喉がなる。苦しい。手がしびれたみたいな感覚。久し振りの症状だ。落ち着け。落ち着け。ペーパーバック・・・。取りあえず呼吸が落ち着かないことにはどうにも出来ない。『過換気症候群』が久々に起きた。いわゆる過呼吸。コウキとの仲が怪しくなってから起きるようになった。精神的なものからだろうと言われ病院にも通院してた。けど、引っ越して悪夢も見なくなったし、ぐっすり眠る事も出来るようになり、仕事も遊びも充実して忙しい毎日を送っている中でオレは病院に行く事をしなかった。大丈夫だろうと素人判断して・・・。

「はぁ・・・はっ・・・ひっ・・・」

パジャマの胸を掴んで呼吸を整えようとするけど、息が吸えなくて脈拍が速くなっているのがわかる。オレの過呼吸症状はペーパーバック法で効果があるので、なんとかベッドからずり落ちるようにして紙袋を入れている引き出しから紙袋を出し口に当て呼吸をゆっくりと繰り返す。はじめは呼吸出来なかったけど、何とか呼吸が落ち着くように繰り返す。

「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・・」

ベッドに背を預け放心状態で動けない。これは病院に行かないとヤバイな。でも一人で行くには不安が付きまとう。ユウ付いてきてくれるかな?休みだといいんだけど・・・。

話すのは辛いので何とかメールを打ち込み送信する。

武蔵が心配そうに傍に来てオレを見上げるけど、メールを打ち込んだだけで力が入らず頭をなでてやる事も出来ない。声もかけてやれない。目で「大丈夫だから。ごめんな武蔵」って訴えかけることしか出来なかった。

しばらくするとユウから着信が鳴る。

「カイくん大丈夫?」

「ゆ・・・・は・・・・っ・・・。」

「カイくんしゃべれないんだね。いいよ。そのまま聞いて。ボク今仕事で外回りに出ててすぐに行けないんだ。だから代わりに社長が行くから。勝手に社長に話してごめん。でもカイくん心配だから。苦しいんでしょ。まだ。鍵、悪いと思ったけど社長に貸したからね。もうそっちに着くと思う。」

「あ・・・。はっ・・・。」

「じゃ、一度切るよ。後はボクと社長に任せて。カイくんは深呼吸して。」

オレはユウに部屋のスペアーキーを持ってもらっている。何かあった時に助けてもらえるように。それほどオレはユウを信用している。ある意味家族なのかもしれない。オレの中では・・・。鍵預けててよかったな・・・そう思ってたら、ガチャっと鍵の開く音がして聖夜さんが飛び込んできた。

「カイくん大丈夫か?話せる?」

首を横に振るのもしんどそうなオレを見て聖夜さんはどこかに電話し、オレに自分の着ていたダウンを羽織らせるとオレをおぶって車に乗せて病院へ連れて行ってくれた。

聖夜さんとユウは連絡を取り合ってくれていたようで、オレの症状が『過換気症候群』の過呼吸症状であることを伝えてペーパーバック法をして今にいたることをDrに伝えてくれ、Drにより精神安定剤の注射を受ける。聖夜さんはオレの症状が収まり、Drから帰っていいと言われるまで付き添ってくれた。


「聖夜さん。すいませんでした。お仕事大丈夫ですか?もうオレ一人でも大丈夫ですから、戻ってください。」

「カイくん。ちっとも大丈夫そうじゃないよ。不安で仕方ないって顔してる。こういう時は遠慮せずに人に甘えていいんだよ。仕事の事なら大丈夫だから。ボクは社長だからどうにでも出来る。水野くんにカイくんをお願いしますって頼まれたからね。水野くんが帰って来るまではボクが傍にいるから安心して。」

「ありがとうございます。じゃ、すいません。甘えさせてもらってもいいですか?」

「もちろん。じゃ、カイくんの家に帰ろうか。」

家に帰ると聖夜さんはオレに甘いカフェオレを入れてくれ、お風呂の用意をしてくれた。

「カイくん、長湯はダメだけど汗かいて気持ち悪いだろうからお風呂に入っておいで。ちゃんと温まってね。」

「ありがとうございます。そうします。」

お風呂に入っている間に聖夜さんは武蔵ご飯をしてくれてベッドのシーツも交換してくれていた。

「カイくんこっちにおいで。」

とリビングのソファーに座らせるとタオルで髪の毛の水滴を拭き、濡れた髪をドライヤーで乾かしてくれた。

なんだか響夜にしてもらったことと同じだ。くすぐったい気分でそのまま甘える。響夜も優しく乾かしてくれたな。ふと懐かしく響夜の顔を思い出した。そうだ、誰かに似てると思ったら聖夜さんは響夜に似てるんだ。

「はい。終り。じゃ、カイくんはベッドで横になって。」

「聖夜さんは?」

「水野くんが来るまでちゃんといるから安心してお眠り。ベッドの横にミネラルウォーターを置いてあるからね、ちゃんと水分補給するんだよ。麗華には話しておくから明日は大事を取って休むこと。いいね。頑張りすぎはダメだよ。カイくん。薬もちゃんと飲む事。」

「はい。」

聖夜さんを初めて見た時の冷たい人だという印象はもうすっかりなかった。とても優しく強い人なんだと思う。オレは安心してベッドへ潜り込む。武蔵も横に潜り込んできて安心して目を閉じる。布団の中で武蔵を抱え込んで丸くなり胎児のように眠りについた。

「カイくん。響夜はキミの事を必死で探してるみたいだよ。でもボクは響夜にカイくんの事を教えたりしないから安心して。まだ、キミが響夜と逢う時期じゃないと思うし。カイくんと響夜がほんとに巡り会う相手なら神様が引き合わせてくれるはず。キミは天使なんだからね。ボクはカイくんの味方だよ。」

聖夜さんがボクの髪の毛をなでながら、そんな事を行っていたとは知らずにオレは安心しきって眠っていた。





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過換気症候群過呼吸について症状や治療法など記載しておりますがあくまで素人が調べた一般の情報であり、ペーパーバック法も賛否両論ありますのでフィクションとして話の流れで受け止めてくださいませ。



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~ Comment ~

海人くんがっ(;゚Д゚)! 

海人くんのピンチにまさかの聖夜さんがw 無事でよかったよかった(*´∀`*)
聖夜さんは全て知ってそうですね。響夜くんが海人くんを探してることとか。兄弟だから知ってるってことですよね。仲が良い兄弟やなぁ。
海人くんは今まで沢山の事を自分の中で抱え閉じ込めて生きてきたんだろな。繊細で傷つきやすいってことは逆に返せば人の痛みも判るってことだと思うんですよね。大切な事ですよね。
一歩ずつでも前に進んでる海人くんは頑張ってますよね。歩き出したから麗華さんとかユウくんとか、こんなに素敵な人たちと出会いもあるわけだし。
聖夜さんの言う、神の引き合わせはいつかな。早くくればいいですよね。

同じ筆者として…
色いろとありますよね。まぁ自分は趣味で書いてるんだしと開き直ってる感はありますけどねw
けど時々、これでいいのかなと考え込む事もあります。けど、一番に自分が楽しむことだと、ある方から言われ、ああそーだとw つい忘れてしまいがちだけど必要な事ですよね。
てか、偉そうなコメですみません;

Re: 海人くんがっ(;゚Д゚)! 

音夜様(。◠‿◠。)♡【✾こんばんは✾】♡(。◠‿◠。)

聖夜は長男なので今回は見守り&キーマンにもなるんかなぁ。聖夜は雪夜の持つ面と響夜の持つ面の両方を持っているイメージ。32歳の大人やし。兄弟仲はいいんです。響夜の暴走&監視は雪夜がして大きな目で聖夜が見守り手引きをして行く。この3兄弟でそれぞれに話は頭の中にあるのでいつか書けたらいいなって思います。海人から出来た話だったのに杉野3兄弟に乗っ取られた感じです( ̄m ̄〃)ぷぷっ!

音夜様の言葉。胸に響きますたよっ。自分が楽しめればいいんですよね。もともとそんなに読んでくださる方が出来るとも思わず始めたページやもん。指摘を下さるのもポジティブに受け止められるようにしていかなね。
ありがとーございましたv(〃☯‿☯〃)vあぃ!
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