キミと空とネコと

キミと空とネコと66

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仕事終り、スーパーで食材、お米と武蔵のご飯や、ネコの砂とか買ったら大荷物になってしまった。

自転車でこれはさすがに辛いかなって自転車の傍で佇んでたら、聖夜さんが車を横付けしてきた。

「やぁ。カイくん奇遇だねぇ。」薄ら寒い笑顔の横にはユウが「ごめん!!」って目で訴えてる。

「この荷持つはどこに運ぶんだい?」

「オレのマンションに・・・。」

聞くなり聖夜さんは車を降りるとトランクに荷物を詰め込み、無理やり自転車まで放り込むと後ろのハッチから落ちないようにロープでぐるぐる巻きにする。

「ちょwユウどういう事だよ。」

「ごめん、昼間のカイくんとのメールしてた時に誘導尋問にひっかかって、今日カイくんが一人でマンションによることがばれちゃって付いて来ちゃったんだ社長・・・。ほんとごめん・・・。」

荷物を積み込んだ聖夜さんはオレとユウに車に乗るように指示し、俺のマンションに乗り込む。

オレ、どうしたらいいんだろう。聖夜さんに「フリ」通じるかなぁ・・・。

又、胃がキリキリしてきた。

「カイくんが思ったより元気そうで良かった。少し痩せて顔色は青いな。隅も出来てる。カイくんは元の恋人の所へ戻ったってホントなんだね。」

「ええ。コウキも今はオレの事を離さないくらいで・・・。」

「カイくんはコウキって彼のこと愛してるんだね。」

「・・・。えっ・・・ええっ。もちろんです。命を賭けた相手です。その人がオレを永遠に離さないって言ってくれてるんですよ。」

「そっか、じゃぁ、響夜はカイくんに振られたんだな。」

ズキン、ズキンと心臓が痛くなって涙が溢れそうになる。響夜が好きって言えたならどんなに幸せだろう。

前髪が目に入ったのをよけるフリして涙を拭い

「聖夜さん、何言ってるんですか。響夜はオレのことに興味を持っただけ。女の人と幸せになれますよ。作家としても成功してるのにオレの存在で足枷になるのだけは嫌です。響夜よりコウキを愛してます。」

ほんとは聖夜さんの目を見て言わないといけないのに目が合わせられない。

「で、それは小田切にでも脅されたの?」

「・・・。違います。小田切さんは優秀な編集者で、響夜を必ず上へ登らせてくれる人です。オレが響夜の周りをうろついちゃいけないんです。」

「さすが小田切だね。カイくんの性格を見抜いての確実な攻撃だ。でもね、カイくん。響夜がそんなことで納得すると思うかい?本気の響夜を甘く見ないほうがいいよ。それにオレ達杉野兄弟もね。」

「オレはコウキが好きなんです。一生傍にいてくれるって約束してくれたんです。オレに最初に幸せをくれた人なんです。家族なんです。これ以上オレを苦しめないで・・・。お願い・・・。このままでいいんです。」

「カイくんの彼への愛は恋愛なのかい?家族愛なのかい?」

「・・・・・。」

「もう、ほっといて、帰ってください。聖夜さんと話す事なんてありません。響夜にももう、オレに関わらないでくれって言っといて下さい。迷惑なんです。」

オレは聖夜さんとユウを無理やり玄関から追い出すと鍵をかける。

聖夜さんのいう事は一々正論で、オレの心を捉えてる。

コウキにもこんな気持ちで傍にいることはとても失礼だと思う。どうしたら良いの・・・。

じわりと心から血が滴る。



PiPiPi・・・・

コウキから電話だ。

「もしもしカイ?今どこだ?」

「ユウの家。」

「タクシーで寄るから一緒に帰ろうぜ。」

「うん。」


エントランスで待ってると程なく一台のタクシーが寄ってくる。

「コウキお帰り。お疲れ様。」

「おう。どうしたカイは元気がないぞ。」

「うん。大丈夫。」

オレは響夜とコウキの間ですごく揺れていた。二人に失礼なのはわかってるんだけど、愛することしか知らないオレは、愛されるとどうしていいのかわからない。不安だけが押し寄せてくる。

響夜ともコウキとも一緒居ないほうがいいんじゃないのか?

タクシーの中で無言のオレにコウキは声をかけることもなく静かにマンションに着く。

玄関の鍵をコウキが開け、スーツを脱ぐと風呂にも入らず部屋義を着てリビングに座る。

「カイ、何があった?オレに話せ。」

こんな時のコウキは何があっても譲らない。納得するまで話を聞く。

「コウキ。オレはまだ前みたいにコウキの事だけを愛してないのはわかってるよね。好きな人の事を諦められない。オレといてコウキは辛くないの?幸せではないでしょ。」

「そりゃ、カイの心がオレだけじゃないのは腹が立つ。ムカツク。でも、そうしてしまったのはオレだ。カイはそんなオレにチャンスをくれてる。今度こそちゃんとカイを愛するんだ。オレは。だから辛いけど、傍にいれるのは幸せだ。」

「それとSEXのことだけど、ほんとにオレ辛い。コウキもオレがあんまり好きじゃないの知ってるだろ。」

「でも、カイは感じてるだろ。オレとのSEXに・・・。でも、無理させてるのは反省してる。カイに嫌われたくないしな。でも、オレがそれだけカイを求めてるのだけはわかってくれ。これからは節度を守るように努める。」

「コウキの事信じて言いの?もうオレはわけがわからないんだよ。元のコウキに戻って欲しいだけ。」

「元のオレ?」

「今のコウキはどこか怖いし。悲しそうな顔をする。目を離すと何かを起こしそうで怖いんだ。」

「前のオレはカイに愛されてる自信がなかった。カイは何をしても許してくれる。怒らない。悲しく笑うだけ。オレに何も言わなくなったから、無茶をしてカイの愛情を試していたのかもしれない。別れてカイが死のうとしたって知ってやっとカイを失いたくないって気がついた。今は家族としての愛でもいい。カイはもう一度オレを愛するようになる。」

「オレにはコウキしかいなかったから、コウキに捨てられらもう生きてる意味はないと思った。オレを必要としてくれる人なんて居ると思えなかったし、コウキをあんなに愛せたからもういいと思った。なのに助けられて好きな人が出来てしまった。オレはもうどうしたらいいのかわからないんだ。」

そのとき、コウキがふんわりとオレを抱きしめた。それは淫靡な抱き締め方ではなく愛しいというように優しく思えた。

それでも、オレの中では兄弟として抱きしめられた感情に等しく、『愛』と呼べる物なのか定かではなかった。





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Re: タイトルなし 

鍵H様コメありがとうございます。

何だか、すごくつらい思いをさせてしまってごめんんさい。
すごく海人を心配して愛してくれて嬉しいです。
コウキも海人を愛するあまりに酷い事をしてしまいました。我を忘れて欲望のままに・・・。

コウキも海人が他の人を好きなのはwかってるけど、一緒にいれば戻ってくると思いたがってます。
海人は響夜が好きなばかりに小田切の言葉が忘れられず、傍にいるべきではないと思っています。愛されることがわからない海人はどうしていいのかわからない。他の人にも相談できない。出来るのはユウだけ。

ユウのおかげで少しコウキとの間に緩やかな時間が持てるようになり、コウキにも言いたいことを少しずつですが言えるようになってます。好きな人がいることも、身体の繋がりが苦痛なことも、以前の海人ならいえなかったことです。海人も少しずつ変わって行ってるのです。ただ、コウキのことがほっておけない。これはコウキからしたら傲慢とも思えるのでしょうが、海人は必要とされているのならそばにいなければと頑なに思ってます。幸せをくれた初めての人だから・・・。

海人にはまだ辛いことがおきますが(決して暴力とかではないですっ!!)幸せになる為の最後の試練です。
H様が見守っててくださる限り、海人も† Rin †も大丈夫です。だから、もう少し見守っててくださいね。
> 体調は‥寝不足でへろへろですが精神はなんとか平常を保っております。
> 御心配嬉しかったです、ありがとうございました。
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