キミと空とネコと

キミと空とネコと71

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マンションに帰ると武蔵が走ってオレの所に来た。まるで何かあったのか知ってるみたいに心配そうにオレを見上げて「にゃー」と鳴く。

「今日は武蔵が傍にいてくれないとダメみたいだ。」

武蔵を抱きあげ頬に武蔵の頭を擦り付けながら武蔵の温もりを感じていた。

「カイくん、少し窓を開けて空気の入れ替えしよう!!カイくんは武蔵と遊んでて。ボクがおいしいハーブティーを入れるからね。」

「うん。」

ユウはオレが一人になるのを怖がっているのがわかっているのか、今日は一緒にここで過ごしてくれるらしい。
武蔵と二人でも大丈夫だとは思うけど、安心出来る人が多い方がいいような気がするのでユウの優しさに甘える。

「あっ。ユウ仕事大丈夫なの?仕事中だったんじゃ・・・。」

「気にしないで。大丈夫。呼び出したのは社長だからね。それにパソコンさえあれば出来るから。」

「そう。良かった。ってオレ聖夜さんにも雪夜さんにも失礼な事を言ったし、挨拶もしないで出てきちゃったよ。」

「そんなこと気にしない。状況がわかってるし、二人は大人なんだから。終わった事は気にしないのっ。それよりハーブティ入ったよ。飲もうよ。」

「うん。」

ユウの入れてくれるハーブティは心まで温まる。

「おいしい・・・。」

「そう?よかった。それより晩ごはんどうしようか?」

「オレあんまり食べたくない・・・。」

「それはダメ。ボクは先生にちゃんと食事させて薬飲ませるって約束したんだからね。そうだ、うどんすきなんてどう?これならボクでも作れる。切った材料がパックで売ってるし、お鍋のつゆも売ってるもん。つくねも入れよう。餅入り巾着も。」

ユウはどんどん考えて楽しそうにしている。うどんなら食べれそうだな。

「うん。じゃあ、うどんすきにしよう。それなら食べれそうだ。」

「じゃ、ボクが買い物してくるから、その間、武蔵と遊んでリラックスしてて。変な事考えない事!!何かあればすぐボクに電話してよっ!!」

「大丈夫だよ。ここはオレでいられる場所だし、武蔵も居るから。ユウってばお母さんみたいだ。」

「えええっ。お母さん?せめてお兄さんとかにして欲しいなぁ。何せ心配ばかりかける弟を持った気分なんだから。」

「ごめん。じゃ、お兄ちゃんお買い物頼みました。待ってるから気をつけて行って来てね。」

ユウが出かけると武蔵とベランダに立つ。桜の花びらが舞い落ちて流れていく。

「キレイだね。武蔵。」

キレイに咲いて舞い散っていく桜の花びらは、オレの響夜への愛のように思えた。好きだとわかって愛が咲いて、響夜を拒否したことで散ってしまった。響夜のためにはこれがいい。オレは相変わらず響夜を愛してる。消える気持ちなんかじゃないような気がする。でも、今はユウの言う通り、このオレでいられる時間を何も考えずに大切にしよう。

でも、ユウに料理まかせて大丈夫なのかな?

ユウが帰って来てから夕食までは大騒動だった。

土鍋は外は水で濡れると割れちゃうから濡れないように中だけ洗ってって言うと???の顔。結局オレが用意し、ユウは野菜やつくねなどを入れただけ・・・。

「カイくんごめんね。」

「いいよ。オレのためにしようと思ってくれた事が嬉しいし、ユウには無理だと思ってた(笑)」

「カイくん、それひどーーーーいっ!!まぁ実際そうだけど・・・。」

「でも、味はおいしいよ。」

「わぁ、ほんとだぁ。おいしいね。うどんは讃岐うどんにしたんだぁ。ボク讃岐うどん大好きなんだ。」

「じゃ、今度うどんツアーとか行っちゃう?」

「さんせーい!!みんなでいろんな所に行こうよ。」

「そうだね。」

「カイくん、今日はボクとカイくんと武蔵三人でお風呂入ろうッ!!ボクね、カイくん用に入浴剤を作ってみたんだ。聖夜さんのは聖夜さんの香りだもん、カイくんのイメージとはちょっと違うと思ってたんだよね。

聖夜さんのは「ブルーの香り」が基調で「ブルームーンやブルーパーヒューム、シャルルドゥゴール」とかを使ってダマスク・モダンティーの香りの成分が混ざった独特な香りに仕上げてる。聖夜さんらしい香りでしょ。

カイくんには「ティーの香り」にして見た。「ガーデンパーティやディオラマ、秋月、香貴」とかを配合して香り立ちは中程度だけど、上品で優雅な印象を与える香りなんだ。今日、使ってみようよ!!」

「ユウ、ボクの香りまで作ってくれたんだ。うん。3人で入ろう。」

食事の片付けを二人でしてお風呂の用意をする。武蔵はちゃっちゃとバスルームの前で待機している。

「カイくん、オレ入浴剤入れておくから3分したら入ってきて。」

「了解。」

ユウと風呂に入るのに抵抗なんてない。家族が一緒に入ってるみたいなものだから。

「ユウ入るよぉ。」

「いいよ。」

「わぁーーー。すごい良い香り。これも薔薇だよね。聖夜さんのブルーの香りとは全然違うんだね。」

「でしょ。カイくんはこのイメージなんだ。そんなに強い香りではないのに印象に残る上品な香り。気にいってくれたかな?」

「もちろんだよ。うれしい。ユウありがとう。世界に一つしかないオレの香りだね。」

「たくさん作ってるから持って来るね。社長にはナイショだよ。」

「「(゚m゚*)プッ」」

二人で笑い合ってしっかり温もる。こんなにゆっくりとお風呂に入ったの久し振りのような気がする。

「カイくん、ボクと武蔵は先に上がるから、カイくんはゆっくりしなよ。」

「いいの?ありがとう。ユウ。」

二人が上がった後、静かになった湯船にざぶんと頭まで浸かる。嫌な事を全て忘れるかのようにお湯の中で息をとめる。静かな水音が聞こえる。

息が続かなくてぶはっと顔を出し頭を振る。水の中って好きなんだ。

少ししてユウがアロマのろうそくを持ってきた。

「せっかくのリラックスタイムだし、武蔵もいないから火も大丈夫でしょ?ライト落としてアロマライトで気持ちをほぐすといいよ。」

そういってユウは色とりどりのキャンドルに火を灯し湯船に浮かべる。

お風呂場の電気を消すと、すごく神秘的で美しい水の世界が広がる。

アロマの優しい匂いとユラユラ揺れるキャンドルにしばし見とれる。

これを一人じゃなく響夜と楽しめたら・・・。もう終わった事、何も言うまい・・・。

しばらくこの幻想的な雰囲気を楽しみ、火を消してあがる。

布団の中ではすでにユウと武蔵が眠りについていた。

ユウは今日、とても忙しい目をさせてしまった。何も言わないけど疲れ切っているに違いない。

オレは布団の端から入るといつものように武蔵を真ん中にしてユウと向かい合わせになってユウを見る。

「・・・。ん・・・。カイくん?大丈夫だよ。一緒に寝ようね。」

そういうとユウはオレの頭をなでなでして手を握ってくれた。

「怖い夢を見たらボクの手を握るんだよ。」

「うん。おやすみユウ。」

「おやすみカイくん。」

静かな静かな夜はこうして更けていった。

夜半から振り出した大雨に3人は気がつくこともなく静かな時間が流れていた。





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