キミと空とネコと

キミと空とネコと106

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「響夜、お弁当出来たからこのお重を車に積んで。多いから気を付けて。」

「ああ。わかった。てか海人ご飯粒ついてっぞ。」

ニヤリと笑って響夜は海人の唇を塞ぐ。

ちゅっと軽く音を立てて唇を離せば、そこには真っ赤な顔をした海人がいて・・・。

「もう、響夜っ。こんなところにご飯粒がつくわけないだろっ。まったく・・・。」

赤い顔を見せないようにそっぽをむく海人。何度口付けを交わしてもいつまでも初めての頃のように恥かしがる海人に目が細くなる。愛しくて仕方ない。

「ほらっ。響夜早くしないとみんな来ちゃうよ。」

「わかったよ。荷物こんだけだな。」

「うん。落とさないで。」

海人の言葉が最近ちょっと優しくなっている。前は響夜を遠ざけるようにわざとか乱暴だったり、男っぽくしゃべっていたのが本来の海人の言葉なのか優しい。本人はわかってないみたいだけど・・・。そんな些細な変化も自分といるからなのだと響夜は自負している。海人に言えば「響夜は傲慢だ。そんなことない。」ってきっと言うから言わないけど。

「えと、お弁当にデザートも持ったし・・・。あっ。おしぼり。ウエットティッシュもいるよね。そうだ。ゴミは持ち帰らないと・・・。」

独り言をブツブツ言いながらグルグルしている海人がかわいい。そんな響夜の視線に気がついた海人が頬を膨らませて怒る。

「もおっ。響夜まだ持って行ってないしっ。早くっ。」

「はいはい。オレのお姫様は怒りんぼだな。」

「オレは響夜のお姫様じゃなーーーいっ!!オレは男なんだからっ。」

「はいはい。じゃオレの王子様になってくれるのか?オレは別に姫でもいいぜ。」

一瞬固まって何かを想像したらしい海人が眉尻を下げて困ったような顔をする。

「それはヤダ。響夜がお姫様なんてオレには無理だもん。オレは響夜の胸の中がいい。安心するから。だからそんな事言わないで。」

そして不安そうに響夜の胸に縋りつく。

「当たりまえだ。オレは海人のお姫様になんかなるわけねぇだろ。オレは海人を守るって決めてるんだ。海人を守る王子はオレしかいないだろ。」

きっと海人は自分が響夜を抱くことなんか考えたりしたんだろう。ほんとは甘えたいのにずっと甘えられずに生きてきた海人だ。今、甘える場所が出来てほんとの自分でオレに甘えている。甘える場所が無くなるとでも思ったんだろうな。

オレの腕の中にすっぽり収まってしまうこの華奢な身体。海人を守るのはオレだ。

海人が熱い目でオレを見上げる。たまらずにその赤い唇を塞ぐ。

「・・・あっ・・・。」

海人が小さな声を上げるがそんなことはお構いなしに存分に海人の唇を堪能する。

オレが唇を離した時には透明な糸がお互いの唇から引いていた。海人が膝をカクンと折るように倒れそうになるのを抱き止める。

「続きは今晩な。みんなが来ちまう。」

「・・・響夜のバカ。」

もう一度軽く海人の唇に触れる。何度交わしてもお互いの熱が冷める事はない。それより何度も交わす口付けは、ますますお互いの思いを紡いでいるように思う。

海人の熱が収まるのを待ち、2人で荷物を持って車に移動する。

今日は海人の提案でみんなでピクニックに行く事になっていた。

聖夜、アキ、雪夜、ユウ、麗華、彰人、歩、麗夜、聖華に響夜と海人で11人のピクニック。車2台での大移動だ。運転は響夜と雪夜。

響夜の車に海人と麗華と麗夜と聖華。雪夜の車にはユウと聖夜とアキと彰人と歩。麗夜と聖華が絶対に海人と一緒じゃなきゃ嫌だと駄々をこね、麗華は聖夜と一緒は絶対に嫌だと言うのでこの組み合わせとなった。麗華にして見れば元夫が恋人といちゃつく姿など見たくもないということらしい。自分に恋人がいない事が彼女のプライドを刺激しているようだった。

「海人くん一人で11人分のお弁当を作ってくれたの?大変だったでしょ。」

「楽しかったです。自分ひとりの為に作るのは寂しいですけど、みんなが喜んでくれると思うと嬉しくて。それに皆さんにはたくさん心配かけたから、そのお詫びもあったし。」

「そんなの気にしなくていいのよ。みんな海人くんが好きだから勝手に心配してるだけ。それに私達は何の役にも立たなかったし・・・。」

「麗華さん、それは違います。みんながいてくれたから今のオレがいるんです。オレはそう思ってます。」

「麗華そうだぜ。オレ一人じゃ海人を守る事は出来なかったと思う。みんなに協力してもらって、みんなの思いを感じるからこそオレは耐えられたんだ。」

「そうね。そしてやっと2人は結ばれたんだもんね。ほんとじれったかったわ。」

「「ねーーーっ!!」」麗夜や聖華まで顔を見合わせて言う。

「もう。麗華さんやめて下さい。麗夜くんと聖華ちゃんまで・・・。」

「いいじゃねぇか海人。ほんとの事だし、みんな祝福してくれてるんだから。」

「響夜っ。オレ達は男同士なのっ。おおっぴらに出来る関係じゃないのはわかってるだろ。ましてや子供の前で・・・。」

「あら、海人くんはまだそんな事にこだわっているの?前に言ったでしょ。男同士だとか男と女だとか関係ないの。ちゃんと愛しあっているかでしょ。この子達は子供だけどちゃんとわかってるわよ。何たって聖夜と私の子供ですもの」

少し自慢げに子供達の頭をなでながら麗華は微笑む。

「なんだかオレ、みんなの中にいるとこだわっているのがバカらしくなります。」

「だぞ。海人気にすんなそんな事。オレが海人じゃないとダメだって言ってるんだ。海人だってオレじゃないとダメなんだろ?」

「そうだけど・・・。いいのかな?こんなオープンで。」

「いいのいいの。あなた達はほんとにお互いを愛してるんだもの。ちゃんと周りから見ても恋人同士よ。最近の海人くんは何もしてなくても魅力的だもの。殻を破ったって言うか男でも女でも関係なくあなたを見てしまうもの。」

「そうかな?」

「響夜大変ね。こんな魅力的な恋人を持っちゃって。きっとこれから大変よ。悪い虫が寄ってくるでしょうから。」

「エッ。やっぱり麗華もそう思うか?最近の海人はフェロモン垂れ流しって感じだもんな。聖夜にも言われたよ同じ事。」

「フェロモン垂れ流し・・・。オレそんなつもりないし、垂れ流してないと思うけど・・・。」

「本人にはわからないでしょうけどみんなそう思ってるわよ。今日も朝から熱烈なキスでもしたんじゃないの?海人くんの身体からあまーい匂いがしてるもの。」

「やっぱわかるか。」

「///響夜っ///」

車の中はキャッキャと騒ぐ麗華や子供達と平然とのろけまくる響夜、恥ずかしくて真っ赤な顔を上げられない海人を乗せて走る。

海人は恥かしいながらも、こんな楽しいピクニックは初めてだと思う。緑の匂いに窓を開けて空を見上げる。今日もキレイな青空が、眩しい光が海人を照らしている。

「今度は武蔵も連れて来てあげたいな。」

ポツリと漏らした独り言だったが響夜が「そうだな」と答えてくれる。響夜はいつでも海人を見てくれているのだと心があったかくなる。オレこの人を好きになってほんとによかった。

「もうすぐ着くぞ。」

車は山の中を走り、牧場へ到着する。

海人目的地を知らなかった。響夜に聞いても「秘密だ。お楽しみ。」と教えてもらえなかったのだ。車から降りて驚く。

「この牧場は・・・。」

少し困惑して悲しそうな眼差しを牧場にむけた海人の前に2人の人物が立っていた。



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いつもご訪問くださっている皆様、初めて来て下さった皆様ありがとうございます。毎日のようにカウンターの数字が増えてビックリしています。もうお話も残すところあとわずかです。これでもかってくらいに海人を幸せにしたい† Rin †です。この2人って?(*゚.゚)ホ・(*゚。゚)ホーーッ!! 明日、海人はもっと幸せになれるはずです。よろしければまたお寄り下さいませ(♥ó㉨ò)(♥→㉨ฺ←)ウン



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~ Comment ~

 

あの編集長がきたときはどうなることかと思いましたが響夜くんが間に合ってくれて本当に良かった。
けどそれがあって海人くんも元に戻ったのですからね、小田切にも感謝しとこうw
やっと海人くんも幸せになって、もちろん響夜くんも、良かった♪
二人は色いろあったからこその今なんかなぁと思います。海人くんの心の病も、以前のままの響夜くんだったら分かり合えなかったのかもしれないなと。
海人くんは沢山辛い思いをしたのですからこれでもかってぐらい幸せにしてあげてください(≧∀≦)
ん? 海人くんの前に立つ謎の人は??

Re: タイトルなし 

こんばんは音夜様☆

最近の晩ごはんは睡眠薬とりんごの† Rin †です。まあ食べてるだけマシっつうことで・・・(苦笑)

小田切も役に立ってもらいました。1ヶ月という期間は響夜にも海人にもお互いを受け入れるための時間だったと思います。その期間があればこそ、海人は響夜に甘えられるし、響夜は海人をネコっかわいがりしちゃうんですね。響夜はベタぼれですな(笑)

海人は幸せにします。そのために辛い思いをしてきたんですもん。人間生きてるからにはきっと良い事ガあると思いたいです。私だっていつかは・・・。秘かな野望です( ⓛฺ m ⓛฺ ) クスッ

音夜様ご訪問ありがとうございましたm(o・ω・o)m
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