貴方の腕の中で

貴方の腕の中で10

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「そんなに・・・。そんなに笑うことないじゃないですか!!」


優しい、安心できる声だから、助けてくれたからいい人だと思ったけど、それはボクの勝手な思い込みだったんだ。


ちっともいい人なんかじゃないっ!!


最悪だ。


ボクは久しぶりに感情を爆発させる。


いつも、人を見て争いたくないから自分の感情を押し殺していたから、こんなに大きな声で人に意見するなんて久しくしてなかった。


一度、爆発したら止まらない。


「ボクはちゃんとお礼を言おうと・・・。なのに、どうしてそんなに笑うんですか?顔が赤くなったり、青くなったりしたら笑われるんですか?笑われるなら、あなたとは話をしたくありません。助けて頂いたコトには感謝します。ありがとうございました。御礼をしろと言われるのでしたね。あいにくボクはお金をあんまり持ってないのでたくさんの御礼は出来ませんが・・・。どうしたら気が済むのですか?」


一気にまくしたて彼を睨む。


彼はもう笑ってはいなかった。


少し驚いたような顔をしていたけど、ボクがしゃべり終わるとブスッとした顔になる。


「ふーん。金ね。そんなもんが欲しくて助けたんだと思われたのか。オレはそんな奴に見えるんだな。」


彼の温度が一気に下がったような気がする。


「言葉のあやで『それだけか』って言ったんだけどな。別に何か見返りを求めて助けたわけじゃない。でも気が変わった。」


彼の目が意地悪な色に変わる。


「オマエ、携帯貸せ。」


有無を言わせぬ調子の声に、抗うことなく携帯を渡してしまう。


彼は自分の携帯を取り出し、赤外通信でボクの携帯に登録する。


「オマエ、オレの携帯に電話かけろよ。」


携帯の電話帳を開くと『広野 友哉』と見知らぬ名前が登録されている。


その番号へ電話を掛けると彼の携帯が鳴る。


「『蒼井 蓮』」


彼がボクの名前を呼ぶ。


ドキッとして体温が上がった気がする。


いやいやあくまでも気がするだけだ。


気は許せないと再び彼を睨む。


「ふん。夕方6時に電話するから、ちゃんと出ろよ。出なかったら出るまで電話するからな。」


そう言うと彼はボクの返事も聞かずに現場の中に入って行った。


ボクは何も言えなかった。


あの調子じゃ、ホントにボクが電話に出るまで電話してくるのだろう。


何なの?いったいあの人はっ!!


頭が痛くなってきた。


ハァ・・・。夕方までまだ時間あるなぁ・・・。


少し頭の中を整理しなくちゃ。


ボクは頭を抱えつつ家に戻ったのだった。









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