貴方の腕の中で

貴方の腕の中で12

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「いえっ。ボクも悪かったんです。からかわれてると思って。ごめんなさい。」


勢いよく頭を下げると、人ゴミの中で急に立ち止まって頭を下げたもんだから人にぶつかり前につんのめってしまう。


あっ、こけちゃう・・・。


地面に倒れるのを覚悟して目をつぶるがいつまでも衝撃は来ない。


「すいませんでした。」彼がボクがぶつかった人に謝罪している。


ボクは彼の腕の中にいた。


「蓮はそそっかしいな。大丈夫か?こんな人ゴミで急に止まったらあぶねぇし周りの迷惑だぞ。」


彼は抱きとめていたボクをのぞきこんでそう言う。


彼の腕の中はとてもいごこちがよくて安心した。このまま包まれていたいと思ってしまって、離れられずにいた。


「蓮?」


彼の声にあわてて彼の腕から離れようとして、そのときにすっと冷たい風が拭き抜けてボクは泣きたくなった。



冷たい風が拭き抜けた隙間がボクと彼の間を表してるように思えた。


彼はボクの恋人じゃない。


彼は女の人が好きに決まってる。


ボクが男の人しか好きになれない、彼のコトが好きなんだと知られたら気味悪がるだろうと思うと睫毛が濡れてくるのがわかり、必死で涙がこぼれないように歯をくいしばる。顔を見られないように俯いてしまう。


「蓮?気分悪くなったのか?」


昨日倒れたコトを気にしてか彼は少しあわててボクを見る。


あわてて頭を振ると、つつーっと目から涙が一筋流れてしまった。



「あっ・・・。だいじょう・・・ぶです。何でもない。」


あなたのコトが好きで涙が出たなんて言えない。当たり前だけど・・・。


彼はボクを路地裏へと連れて行く。


「蓮?ホントに大丈夫なのか?気分悪いんじゃねぇの?無理してんじゃないのか?」


昨日の今日だしなぁ・・・。オレって考えなしだよなぁ・・・。とつぶやく彼にどこまでも優しい人なんだなって思った。


「ホントに大丈夫です。ご飯食べに行きましょう。」


ボクは彼に微笑む。


「ほんとか?今日はやめとくか?」


いやだ、彼と一緒に居たいとボクの心が叫ぶ。


昨日会ったばかりなのに、こんなに好きになるのはおかしい?


でも今、どうしようもないくらいに彼のコトが好き。


少しでも一緒に居たい、離れたくない。彼の声を聞いていたい。


「大丈夫です。せっかくタクシーまで乗って来たのに帰るなんて・・・。」


ハッと口をおさえる。


たかだか一駅ほどなのにタクシーに乗って来たなんてきっとあきれてる。絶対引くよね。


「ぷぷ-ッ笑。蓮・・・。そんなに腹減ってたのかよ。わかった。わかった。行こうぜ。」


彼はボクの頭をくしゃくしゃとなでて「大丈夫なんだな?」と確認すると通りへ出て二人でお店に向かった。








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