たとえこの世の終りが来ようとも

たとえこの世の終りが来ようとも26

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キスの後凌駕は優しく聖蓮を抱きしめていた。

聖蓮もそんな凌駕に擁かれ幸せな気分で背中に自分の手を回している。

今まで欲しくてたまらなかったけれど手に入らないと諦めていた凌駕の温もりが手の中にある。

異界の者との闘いの事は心配ではあるが、それよりも今の温もりがとても甘くて温かくて聖蓮の心を満たしていた。

凌駕も自分の中にすっぽり収まっている聖蓮の身体を抱きしめている事に幸せを感じている。今まで欲しかったものはこれなのだと思う。気がつけた事と聖蓮が凌駕を受け入れてくれた事に安堵する。

今、2人をさえぎるものは何もない。お互いの熱を共有している時間がとても幸せに思え離れることの出来ない2人。やっと距離が縮まり、今まで離れていた分を取り戻すかのように抱き合う。

重ねるだけのキスでも震えていた聖蓮。この手の事に関しては全くと言っていい程経験がないのでキスと言えば重ねるだけだと思っている。

凌駕にしてみれば物足りないのだが、聖蓮の様子を見ていればキスがどんなものかわからないのだろうと簡単に推測できる。

「聖蓮、『あ』って言ってみ。」

「え?『あ』って言えばいいの?」

「そう『あ』。」

「あ」

疑いもなく言われた通りに発音する聖蓮の開いた口に舌を滑り込ませ聖蓮の口腔内を味わう。

「!!」

聖蓮は驚きで口を離そうとするが凌駕にしっかりホールドされていて身動きがとれない。

凌駕は聖蓮の舌を突いたり裏舌を舐めたり上顎を舐めたりと執拗に聖蓮の中で動き回る。

「・・・んっ・・・ん・・・」

熱い舌の動きに聖蓮は頭がパニックになりながらも凌駕からの愛撫に熱い吐息が漏れだす。

「・・・はぁ・・・んっ・・・」

凌駕の背中に回していた手も力を失いダランと下がってしまっている。

凌駕は一度唇を離すと聖蓮を見た。

聖蓮の頬はうっすらとピンクに染まり、目は潤んで口は閉じられる事なく半開きの状態で凌駕の方を見ている。

「やっぱ聖蓮はキレイだな。」

この聖蓮がオレの事をずっと好きでいてくれた事に凌駕は嬉しい。小さい頃から自分以外の人を好きになった事がない。つまりは今まで聖蓮に触れたものがいない事が嬉しかった。自分色に染める事が出来ると思っている自分を「オレは光源氏か」と突っ込む凌駕。

再び聖蓮の唇に重ねると舌で上唇と下唇を舐め、そっと開いたままの口の中へ舌を滑り込ませる。聖蓮の舌を絡めとるとひっぱるように吸い上げたり甘噛みする。聖蓮の唇は麻薬のように凌駕に侵食する。いくら味わってもきりがないほど甘い。聖蓮は息も出来ないほどとろとろに溶けてしまいそうになっていた。

「リョ・・・ガ・・・ダメ・・・」

すっかり身体の力が抜けてしまい脱力してしまった聖蓮は唇を離した凌駕の胸にコテンと頭を寄せた。

「聖蓮?大丈夫か?」

「・・・も・・無理・・・」

顔を上気させ、はぁはぁと息をつく聖蓮が愛しくて頭をなで聖蓮の頭の上に自分の顎を乗せる。

「オレ今すごい幸せだ。」

「ん。ボクも。凌駕とこうなれるなんて夢にも思ってなかった。一生1人だって思ってたから、幸せすぎて怖い。」

「バカだな。聖蓮。幸せのハードル低すぎないか?これからはずっと一緒だ。」

「凌駕とずっと一緒なら、もう何にもいらない。毎日が幸せだもん。」

「オレが傍にいるだけで幸せなんて・・・。」

もう一度ちゅっと聖蓮の唇にキスをする。

「こんなんじゃ、物足りない。聖蓮が足りない。けど、これ以上は今はやめとく。」

「これ以上?これ以上なんかあるの?」

「そんな聖蓮だから大切にしたいんだ。ま、いつまでオレが我慢出来るかわかんないけど、頑張ってみるよ。てか大丈夫かなあオレ・・・。」

「変な凌駕。」

「聖蓮を大切にしたいんだ。傷付けたくないと思う。今まで付き合ってきた女にそんな事を思った事はなかったなあ。悪いけどやっぱ聖蓮はオレの中で特別みたいだ。」

「ボクの中でも凌駕は特別な存在だよ。誰よりも大切で誰よりも好き。愛してる。」

一度、お互いの口から出た好きという感情が2人を包みこみ、何度も口にする。何度も言う事で今まで離れていた距離を埋めようとしているのかもしれないと思いつつも気が付いたら『好き』と言ってしまっている。

星がきらめき、三日月が優しく照らす月光の中で重なり合う影を暁水と紫炎は微笑みながら見ていた。

聖蓮の竜笛が聞こえなくなったのに帰って来ない聖蓮を心配して探しに来たのだが声を掛けようとした時に重なり合う影に出しかけた声を潜めたのだ。

「聖蓮良かったね。凌駕と思いが通じあって・・・。」

「ああ。聖蓮は凌駕の事だけを愛してきたからな。凌駕もそうなのにわかってなくてもどかしかったけど、よかったよ。これで凌駕がパートナーであったらいいな。」

「そうだね。そうすれば聖蓮もチカラを覚醒出来るね。きっと。」

「ああ。凌駕もな。そうすればもしかしたら竜王は倒せるかもしれないな。」

「しれないなじゃなくて倒すんだよ。」

「ああ、そうだった。」

暁水が熱を持った目で紫炎を見る。

「何?あの2人に触発されちゃったの?」

「かもな。あんな幼いキスなのにな。」

「そうだね。ボク達も最初の頃はあんなだったのかな?」

「最初のキス覚えてるか?」

「忘れるわけないよ。お互い初めてで暁水が勢い良くきたから歯がぶつかって痛かった。」

「オレどうしていいのかわかんなかったからな。」

「ボクもだよ。その後二人で笑いあってもう一度唇を重ねたんだったね。」

「そうだ。唇を重ねただけのキスだったな。」

「うん。」

「紫炎の唇はとても甘かった。今でも甘いのは変わらない。」

「暁水の唇はいつも熱を持ってる。熱いんだ。でもその熱さがボクに伝わってボクも熱くなっちゃう。」

「紫炎・・・。」

「暁水、キスして・・・。」

暁水は聖蓮の腰に手を回しもう一方は頭を持ち唇を重ねる。

何度も触れるだけのキスを交わしているうちに紫炎の手も暁水の首に回る。

「凌駕に負けてられないからな。」

「もう暁水ってば負けず嫌いなんだから。でもそんな暁水も好きなんだけど・・・。」

「紫炎もう黙って。」

深いキスになりお互いを求め合ううちに身体にも熱がこもってくる。

「紫炎が欲しい。」

「ボクも・・・。」

「部屋に行こうぜ。」

「すっかりボク達はあの2人に煽られちゃったね。」

「ああ。2人の邪魔したら悪いから行こう。」

二つの影が自分達を見ていたとは露ほども知らず、聖蓮は凌駕の肩に寄りかかり、凌駕は聖蓮の肩を抱いて星空を見上げながら愛を囁き合っていた。


*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚゚*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚¨゚゚・*:..。♡*゚
わちゃーーー!!やっちゃいました!!書きながら寝落ちしてしまい朝寝坊までしてしまいました((유∀유|||))起きたのは職場からの電話で・・・。ああ、皆勤5000円飛んじゃいました!!!▄█▀█●ガーン

更新は今日の0時ごろにもUPしますので許して下さい。取り合えずのUPです。何時も以上に誤字脱字あったらごめんちゃい(o*。_。)oペコッ





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~ Comment ~

  ヾ(*´∀`*)ノ キャッキャッ♪聖蓮、可愛い‥ 

Rinさま、こんにちは!

大変でしたね、お疲れじゃないですか?
元気出して下さいね(*^_^*)
私も寝坊して子供のお弁当が間に合わなかったことがあります^_^;

このふたりは‥やっと想いを伝えあって‥
でも聖蓮は‥‥なにも知らない子なのですね、可愛いっ!
でも、どこまで凌駕が我慢できるのか
非常に不安ですが(笑)

それより不安なのは‥凌駕の体が
乗っ取られることですね。
そんな凌駕が聖蓮に牙をむいたら‥
どうなるの!?
怖いですね。

そんなことにならなければいいのですが。

可愛い触れ合い‥i-237i-176
これから色んな事が変化していくのですね。

ではまた参りますm(__)m

Re:   ヾ(*´∀`*)ノ キャッキャッ♪聖蓮、可愛い‥ 

ハル様こんばんは☆

ええ、ええ、今日は最悪でした(*´・ω・。)σィヂィヂ
モーニングコールが室長で・・・。まあ室長は優しいし、職員のみんな優しいので誰にも責められたりしないんですけどね。かえって体調悪くない?とか聞いてくれるんで(体調を崩して休んだ事があったり、早退したりした事があるので・・・)申し訳ないのです。でも、まあ心の状態は波打ってるので夕方、病院には行ってきました。薬も切れたままで、先生に叱られちゃいました( ⓛฺ m ⓛฺ ) クスッ
ハル様も心配してくださってありがとです。ハル様の体調はいかがですか?無理はなさいませんようにね☆

さて聖蓮ちゃん、この子は自分の性にも疎い子です。なにせ自慰行為さえまともにしない設定です。(ほんとにそんな子がいるのかは疑問ですが、ここは† Rin †ワールドなので自由にさせて頂きます(゚m゚*)プッ)紫炎、暁水が教え、凌駕が実践するのでしょうか・・・。

真っ白な聖蓮を凌駕色に染めていく。まさしく光源氏ですなぁ。幼い頃に苦痛を味わった分、いい思いをさせてあげなくちゃと・・・。
そのためにも凌駕は禁欲生活です( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
乗っ取り・・・の辺りはチカラの発動にかかわってきますよねぇ。なんか話が壮大になりすぎてるような・・・。
凌駕だけでなく、竜王も狙ってるみたいなので聖蓮の貞操危うし!!なのですっ(。◕ฺˇε ˇ◕ฺ。)

この2人もどんどん大人になって行きます。ハル様見守ってやって下さいませ。

ハル様コメありがとでした☆

NoTitle 

初コメです♪
はるのといいます(^∀^)♪♪

やっと結ばれましたね!!よかったぁ~(*∀*)
お急がしいとは思いますがこれからも頑張ってください♪♪♪
応援してます(・∀・)ゞ

Re: NoTitle 

はるの様こんばんは☆

コメくださってたのにお返事が遅くなってごめんなさい。

今はコメを閉じているので気が付くのが遅くなってしまいました。ほんとに(*_ _)人ゴメンナサイ
これを書いたのがすごい昔なんだなって思いました。

読み返してみて、よくこんなの書けたなって思います(笑)
傷ついても好きな気持ちは変えられなくて、やっとつながる事が出来た2人です。

でも離れていた時間が二人の愛を深めてくれたんだと思います。今頃はきっとイチャコラしてると思います。

はるの様優しいお言葉、応援ありがとうございます。これからも立ち寄って下さったら嬉しいな☆

はるの様ありがとうございました☆

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