たとえこの世の終りが来ようとも

たとえこの世の終りが来ようとも27

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「聖蓮、もう遅いから寝ないとな。」

やっと思いが通じた2人は日付が変わっても離れられずにいた。

何も言わない聖蓮の頭にキスをする。

「聖蓮はまだ本調子じゃないだろ。それにこれからはずっとオレが傍にいるんだから心配すんな。」

「ダメだよ。学校じゃ今まで通りにして凌駕。」

「何でだよ。それじゃ聖蓮は学校じゃ1人になっちまうじゃねーか。」

「いいの。暁水がいるから大丈夫。凌駕がボクを好きでいてくれる事がわかっただけでボクは大丈夫。」

「オレは納得出来ねー。何で暁水と一緒だからいいなんて言うんだよ。暁水は紫炎のとこに行っちまう事が多いじゃねーか。」

「急にボクと仲が良くなったら、凌駕もボクと同じように見られるかもしれない。それがイヤなんだ。暁水は身内みたいなものでしょ。たとえ紫炎の所に行こうがボクは今までと変わらないからかまわないんだ。」

「オレは平気だ。暁水たちが良くてオレがダメなんて納得出来ねぇー。」

「凌駕が平気でもボクは平気じゃないっ!!」

言い出したら聞かない聖蓮の頑固さがむっくりと出てきやがったと思う凌駕だが、そんな聖蓮さえ愛しいと思ってしまう自分に苦笑する。

「そんなんじゃオレ学校で聖蓮不足で聖蓮の唇を襲っちまいそうだ。」

「だっ、ダメだよっ。凌駕、それはダメ。」

あわてる聖蓮がジタバタする姿でさえ愛しい。一度、好きだとわかってから、いや、聖蓮と心が結ばれたとわかってから凌駕の聖蓮に対する愛のバロメーターは限界を振り切ってしまっていて、暁水が見たらあきれるだろうなと思う。

「きっと無理。いや絶対に無理だ。聖蓮を襲っちまう。」

「じゃ、じゃ、ボクの秘密の場所を教えるからそこで会お。ねっ。だから教室でとか、それ以外でもダメ。」

「チッ仕方ないな。それで折れてやるよ。」

「ありがと凌駕」

凌駕が我儘を言ってて礼を言われる事じゃないのに聖蓮は気が付いてもおらず、ホッとした表情をしている。本当に凌駕が襲うと思っていたのだろう。そんな聖蓮もかわいい。

(でも、こんな調子じゃ、ホントに一つになれるのはいつの事やら・・・はぁ・・・)

凌駕の心の溜め息にも気が付かず、凌駕を見つめる聖蓮。でも今の聖蓮の顔は昨日までの憂いはなく、明るい顔をしていて、凌駕はそれが嬉しい。まあ、明日学校に登校してきた聖蓮を見つめる目が熱っぽくなって凌駕を不安にさせるのだけれど・・・。

「じゃ、凌駕おやすみなさい。」

「聖蓮、おやすみ。」

それでも凌駕は聖蓮を離してくれないので聖蓮は「?」の顔で凌駕を見上げる。

「聖蓮忘れ物だろ?」

「え?何かボク忘れてる?」

「ああ。」

そう言うなり凌駕は聖蓮の唇を塞ぐ。

「あ・・・」

すかさず滑り込んでくる凌駕の舌に聖蓮の吐息が甘くなる。

何度も何度も深いキスをされ聖蓮はそのキスに身体を震わせながらもおずおずと自分の舌を動かせるようになっていた。でも凌駕の動きには翻弄されるばかりで・・・。

「・・・んっ・・・リョウガ・・・んんっ・・・」

「フッ」

少し潤んだ瞳で見つめられ聖蓮を追い詰めたはずが自分が煽られてしまっている事に気が付く。

「聖蓮そんな目でオレを見るなって。それ反則。」

「どんな目?わかんないよ。それに又、反則って言った。何が反則なの?」

「聖蓮にはわかんないよな。ごめん。自爆したって事。」

「自爆・・・」

「深く考えなくてもいいって。おいおいわからせてやるよ。」

「ん。わかった。」

軽く音を立てて触れるだけのキスをして身体を離す。

お互いに温もりがなくなって寂しいと思っている事がお互いの表情から読み取れクスッと笑いあう。

「じゃ、凌駕ほんとにおやすみなさい。」

「聖蓮、おやすみ。先にオマエ家に入れ。聖蓮が家に入るまで見送るから。」

うんと頷き聖蓮が家に入ったのを確認してから凌駕は家に帰る。

「しっかし、あの聖蓮を前にしてよく耐えたなオレ。えらいぞ凌駕。いつまで耐えれるんだろう・・・。」




⋆   *   *

「おはよう」

「おはよ」

教室のあちこちで朝の挨拶が交わされている。

聖蓮も暁水もまだ登校していない。

凌駕は自分の机でクラスメートととりとめのない話をしながらも早く聖蓮が来ないかと教室の入り口ばかりを気にしていた。

(まだ聖蓮は来ねーのか)

「オレちょいトイレに行ってくっから。」

トイレに行き戻ってきた時、クラスがざわついているのに気が付く。

(何だ?このざわつき・・・。)

恐怖とか何かが起こったのではない。視線は一つに集まっている。何処を見ているのかと視線を追えば、そこには頬をうっすらと染め、何時も以上にキレイな聖蓮が暁水といた。唇は艶々とし、表情までもがバラ色に見える。

(おいおい聖蓮ダメだって。何だよ。みんながオマエ見て目が離せなくなってるじゃんかっ。聖蓮はオレの物だっての)

イライラした凌駕はつかつかと聖蓮の所にくると何も言わずにむんずと聖蓮の腕を掴み教室を後にする。

「凌駕!?」

聖蓮の声など聞こえてないかのようにずんずん進む。

聖蓮のいなくなった教室では、あちこちにほぉーーーっと溜め息があふれている。

「凌駕ってばあわててやんの。」

ひとりほくそえんで見ている暁水のそばに紫炎がやってきた。

「暁水、今日庄之助さんが帰ってくる事を凌駕にも伝えた?」

「いんや。伝える暇もなく凌駕の奴は聖蓮を連れ出して出て行っちまったぜ。ありゃジェラシーだな。聖蓮も大変な焼きもち焼きを好きになったもんだ。これから大変だぜ聖蓮は。」

「だろうね。今の聖蓮は誰が見ても幸せオーラで何倍もキレイに見えるからね。ボクも暁水を聖蓮に取られやしないかと心配だもん。」

「バカ。オマエの方がキレイに決まってるだろ。」

「ふふっ。ありがと暁水。」

「まあ、庄之助さんのことは聖蓮が言うだろ。」

「でも凌駕も一緒に夕方家に来いってどういう事なんだろうね。」

「庄之助さんの考えは庄之助さんにしかわからねーよ。でもあの人のことだ。何か考えがあってのことだろう。」

「そうだね。夕方になったらわかる事だもんね。」

一方の聖蓮は凌駕に手を引かれて校舎から離れて行く。

「凌駕。凌駕ってばっ!!手痛いよ。」

頭に血がのぼっていた凌駕もハッと我を取り戻し、ギュッと握っていた聖蓮の手を離す。

「聖蓮ごめん。」

「どうしたの?凌駕変だよ。何かあった?」

「聖蓮が悪い。」

「え?ボク何かした?」

聖蓮自身は自分の持つ雰囲気が変わったのに気が付いてないようで不安気な表情で凌駕を見る。

「だから、そんな目で見るなって。反則なんだよ。聖蓮のその顔。」

「又、反則って言う・・・。」

「ダメだ。我慢出来ねー。聖蓮にキスしたい。」

「わっ。こんなとこでダメだよ。誰に見られてるかわかんないし、もうすぐH.R始まっちゃうよ。」

「聖蓮はオレとキスしたくない?」

凌駕に悲しそうな目で見られると聖蓮はきゅんと胸が鳴る。

「そ・・・そんな顔してもダメ。ここは学校だから。」

「そっか。いっつも聖蓮と触れ合っていたい、キスしたいと思うのはオレだけなんだ。」

「ちっ、違うよ。ボクだって凌駕に触れ合いたいよ。キスもしたい。けど一度凌駕に触れてしまうと離れられなくなっちゃいそうなんだもん。」

「聖蓮ってばオレを煽りすぎ。そんな嬉しい事言われたらますますキスしたくなった。てかキスする。」

「ひゃっ。凌駕ってば顔近すぎだよぉ。お願いここじゃダメって。」

もうすぐキスするって時に白い何かが聖蓮と凌駕の口の間に現れる。

「ダメって聖蓮が言ってるからダメだよ凌駕。」

「久遠!?」

「久遠、空気読めよ。邪魔すんなって。」

「昨日はボク邪魔しなかったでしょ。ここは学校なんだからダメ。」

「昨日の久遠見てたの?」

「うん。見てた。でも聖蓮が嬉しそうだったから邪魔しなかったの。ボクってえらいでしょ。主様に喜ばれるように考えて行動するのが使い魔だもんっ」

いい子いい子と頭をなでている聖蓮とキスを邪魔されてぶすったれている凌駕。

「じゃ、3人で秘密の場所に行こ。」

「久遠、オレ達の邪魔すんなよ。」

「聖蓮が嫌がったら邪魔する。」

「なんだと。嫌よ嫌よも好きのうちなんだぞ。」

「何それ。凌駕ふるっ。」

「使い魔に言われたくねーな。」

「もう2人とも仲良くしないならボクだけで行くよ。」

「聖蓮ごめん。仲良くするって。」

プイッと横向いて歩く聖蓮の後を久遠と凌駕が追いかける。

穏やかな日常。

やっと思いを伝え合い、愛を育み出した2人だが厳しい闘いがもうすぐ目の前に来ている事など知る由もなかった。



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いつも読んで下さる皆様、初めましての皆様、ご訪問ありがとうございます。何だか新しく訪問してくださる方もいらして嬉しい限りです。少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

はい、気がつかれましたか?プロフィールの所の絵を又変えました。昨日までは薄桜鬼の土方さんの隊服姿でしたが、今日からは大好きな「原田 左之助」様。新撰組が洋装になった頃の左之様です。うんっ。カッコイイ゚.+:。(〃ω〃)゚.+:。 キャァ♪ヨダレがーーー。1人悦に転び回る† Rin †でおま。こんな腐な私ですがよろしければお付き合い下さりませ ペコリ(o_ _)o))


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