たとえこの世の終りが来ようとも

たとえこの世の終りが来ようとも33

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次の日、いつもと違うふんわりとした気持ちのいい感触に包まれている中で聖蓮は目を覚ました。目の前には凌駕の胸があり、見上げると凌駕が寝息を立てて眠っている。

何時も朝早く起きて、朝食とお弁当を作り、境内の吐き掃除をしている聖蓮はいつも通りに起きたのだが、しっかりと凌駕に身体をホールドされていて起きられない。でも凌駕の腕の中が心地よくて、思わずスリスリと凌駕の胸に顔を埋めてしまう。

「ん?・・・聖蓮?」

「おはよう凌駕。」

「ん・・・おはよ・・・」

凌駕はまだ眠りの中に半分いるようだ。

「凌駕はまだ寝てていいよ。ボク朝ご飯と境内の掃除に行ってくるから。」

「・・・んんーーーっ・・・。」

起きようとする凌駕の仕草がかわいい。

「いいんだ。まだ早いよ。ご飯出来たら起こしに来るからね。」

「んーーー。聖蓮、おはようのキスして。」

恥ずかしかったけど、凌駕はねぼけてるしキスにも慣れてきた。

凌駕にちゅっとキスをする。そして寝ぼけ眼の凌駕から身体を離すと、普段着に着替え顔を洗い、キッチンヘ行くと紫炎がもう起きていて味噌汁を作っていた。

「おはよう聖蓮。昨日は夕飯ありがとね。おいしかったよ。替わりに今日はボクが作ろうと思ってたのに。だって身体辛いでしょ?」

「おはよう紫炎。どうして身体が辛いの?グッスリ寝て元気だよ」

「え?凌駕と結ばれたんじゃないの?」

「///やだな///どうして知ってるの?」

「だって昨日境内で仲良くしてるの見かけたから。」

「うそっ。見てたの?キスしたのも?」

「ごめん。見ちゃった。だから昨日の夜は凌駕も泊まったからてっきり身体も結ばれたと・・・。」

「身体も結ばれるって何?」

「ええっ。えと聖蓮?SEXは知ってるよね。」

「何?いきなり。知ってるよ。男の人と女の人が結ばれる事でしょ。」

「それは知ってるわけね。やり方は知ってる?」

「多分・・・。した事ないからわからないけど・・・。興味ないし。」

「興味ないって・・・。聖蓮ってもしかして自分で自慰行為とかしないの?凌駕を見ててムラムラしない?凌駕はああ見えてカッコイイと思うけど。」

「他の人がどうなのかわからないけど、しなくちゃいけないの?あんまりしたことない。凌駕がカッコイイのは言われなくてもわかってるよ。」

「聖蓮、キスでお終いなんて、それじゃ凌駕がかわいそうだよ。男をわかってないよ聖蓮は・・・。今度、暁水とボクでその辺りについて教えてあげる。知らないにも程があるよ。」

「凌駕とはたくさんキスしてるからいいんじゃないの?凌駕は我慢してるの?ボクが悪いの?」

「聖蓮が悪いんじゃないよ。こういう事は中学生ぐらいから興味を持ち出して友達同士で情報交換するもんなんだと思うけど、聖蓮はそん時友達いなかったもんな。仕方ないよ。今からでも遅くないからね。」

「わかった。って紫炎、味噌汁吹きこぼれてるよ。」

「あちゃ。」

紫炎はあまりにも聖蓮が奥手すぎるのでビックリしていた。と同時に凌駕に同情する。

(凌駕、聖蓮の性教育はボク達がするから、それまでは我慢するんだよ)

心の中で凌駕に言う。暁水にも教えて聖蓮に無理のない性教育をせねばと兄のように思うのだった。

聖蓮と言えば性教育の話なんか興味ないのでさほど気にした様子もなく朝ご飯に取りかかっている。

「味噌汁はワカメと豆腐でしょ。小松菜があるから小松菜とうすあげのお浸しにして、鮭焼いて、生卵は凌駕がダメだし、ウインナー巻き卵焼きにしよう。どう?紫炎。」

「いいんじゃない?お弁当も作るの?」

「うん。みんなの分作るからね。暁水と紫炎は修行でしょ。ご飯食べに帰る暇ないだろうし、お爺様は食べるかわからないけど作っておいて置くよ。ボク達は異界の者退治だけど、凌駕は絶対にお腹すいたとか言いそうだし、森の中には何もないからね。退治にお弁当って変だけど。」

「いいんじゃないの。食べなきゃ体力回復しないし。じゃ、ボクは朝ご飯作るから、聖蓮はお弁当お願いするよ。」

「わかった。おにぎりの方が食べやすいよね。」

そうして朝ご飯と、お弁当が出来た頃、暁水と凌駕が起きてきた。

「「おはよう」」

2人とも顔も洗っていない起き抜けの顔だ。

「ちょっと、2人ともちゃんと顔を洗ってきて。みっともないよその顔。暁水、いい男がだいなし。そんな顔ヤダよ。」

紫炎に言われてあわてて顔を洗いに行く暁水。そうとう紫炎に尻にひかれているようだ。凌駕もあわてて洗面所に向かう。

そんな2人の様子に、紫炎と聖蓮は顔を見合わせて笑う。

テーブルに料理を並べたところで4人が揃ったので朝食を頂く。庄之助が姿を現す事はなく紫炎が部屋に運んで行った。

「修行って何させられるんだろうなオレ達。」

「庄之助さんの事だから甘くはないでしょうね。」

「だよなー。異界の者相手の方が楽じゃねーか。」

「暁水、そんな事言ったらダメだよ。凌駕は幼い頃に闘っていた事さえ覚えてないのに、怖いし、大変なんだよ。」

「そっか。凌駕悪い。」

「いいよ。確かに怖いケド、闘ってたら思い出すかもしれない。それにオレには聖蓮がつけててくれた勾玉があるから。それに聖蓮と久遠もいるしな。」

自分の名前を呼ばれて久遠が出てくる。

「凌駕は一番新入りなんだからボクのいう事ちゃんと聞いてね。この3人の中で一番下っ端なのは凌駕なんだからね。聖蓮、ボク、凌駕の順なんだから。」

「はいはい。心得てますよ。久遠様よろしくお願いします。」

「わかってたらいいんだ。よし、ボクが教えてあげるよ。」

「はぁ。オレはどこでも下っ端なんだな。聖蓮おかわり。」

「あはっ。落ち込んでてもおかわりなんだ。」

「あったり前だろ。腹が減ってはなんとかだよ。」

笑いの絶えない食卓だが、それぞれにこれから起こる事に緊張し、わざとふざけてごまかしているのだとその場に居るそれぞれが感じていた。



⋆   ⋆   ⋆



「それじゃ凌駕行こうか。久遠もいい?」

「おう。」

「凌駕、大丈夫だから。ボクも久遠もいる。凌駕は戦い方を思い出す事を目標にして。」

「わかってる」

緊張した顔持ちの凌駕を聖蓮が労る。怖くないはずがない。闘い方もわからない。どんな異界の者が出てくるかもわからない。ましてや命の危険があるのだ。聖蓮は凌駕を守ることを念頭におく。それは久遠にも言ってある。

3人で森の中へ入る。入り口付近は日の光も差していたので何も感じなかったが、奥に進むにしたがって暗く、空気が重く感じられる。

少し先に 重い空気とは別の禍々しい雰囲気を感じた。

「聖蓮、あの奥変じゃないか?」

凌駕にも感じるらしい。やはり凌駕にもチカラはあるのだ。

「そうだね。慎重に進もう。」

禍々しいものはやはり異界の者だった。3人の異界の者がこちらを睨み付けている。

「イタ・・・イタゾ・・・チカラ・・・クウ・・・」

そういうなりこちらに走ってくる。その速さは人間のものではなくあっという間に立ちはだかり、大きな口からヨダレをたらしている。

「チカラアル・・・モノ・・・オイシ・・イ・・・クウ」

聖蓮に飛びかかろうとしたものを大きくなった久遠が吹き飛ばす。

「聖蓮に近づくな。近づくものはオレが相手だ。」

久遠の威嚇に一瞬ひるんだ敵だったが態勢を立て直し、吹き飛ばされたもののすぐに立ち上がる。

「オマエ・・・ジャマ・・・コロス」

久遠にむかって2匹が飛びかかる。

聖蓮が印を結び術を唱えると久遠の前に結界が出来て異界の者を弾き飛ばす。

「ギィエエエエエ。コシャクナ・・・。」

凌駕はその様子にただ見ている事しかできなかった。圧倒されていた。足が動かなかった。

その間にも久遠と聖蓮は攻撃と防御を繰り返して異界の者を全て倒していた。

「凌駕、凌駕大丈夫?怪我してない?」

「なんだ、威勢のいい事を言っておいてオマエは動く事も出来なかったのか?そんなんで聖蓮が守れるのか?」

「久遠、そんな事言わないで。凌駕は初めてだったんだから。」

「幼き頃の方が勇敢ではあったな。」

「久遠!!」

久遠はするするともとの大きさに戻る。

「ごめんね凌駕。久遠は大きくなると口が悪くなるんだ。大人になるからかな?小さい時とは人格さえ違うんだから。」

苦笑して言う聖蓮の言葉を聞いてるのかいないのか、久遠は尻尾をゆらゆらと揺らして知らん顔をしている。

「確かに久遠の言う通りだ。オレは動けなかった。怖かったし、何が出来るのかわからなかった。でも逃げようとは思わなかったぜ。聖蓮、しばらくはオレこんなかもしれない。でも一緒に連れて行ってくれ。迷惑かけないようにするから。」

「わかってる。いつも一緒って昨日も話したじゃないか。凌駕が危なくなったらボクと久遠が守る。凌駕は闘い方を思い出して。」

「ああ。ごめんな。」

「ううん。ボクは凌駕と一緒で心強いよ。久遠だってそう思ってるんだ。」

「さあ、まだ始まったばかりだよ。もっと奥にも行くよ。」

「ああ。行こう。」

まだ見ぬ敵に向かい3人は森の奥へと進んでいく。

凌駕の頭の中でチクリと何か思い出しそうな痛みがあるのだが凌駕は言わずにいた。

「もうすぐ何か思い出しそうな気がする・・・。」





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~ Comment ~

(@∇@;)甘いのは‥今回までですか‥? 

Rinさま、こんにちは(^^♪

そんな世の中甘くないですね(笑)
期待はしてませんでしたが‥だって聖蓮はなにも知らないんだもの~(^_^;)

無垢なんですね。
その無垢なるものを凌駕が守って‥
いつの日か‥ひとつに‥‥キャーー―‥爆妄しましたv-10

凌駕がなにか思い出しそうなのが怖い。
でもそれが、その記憶が大事なのですね?
諸刃の剣のような‥凌駕な気がします。

あまり苦しまないでほしいのですが
幸福に向う道はいばらの道ですね、
けもの道ならぬ魔物道ですか、

はぁーー‥想ってしまうと辛いです。
時々甘いと嬉しいです。
でもこれからはもっともっと痛いのでしょうね。

でも頑張りますっ←なぜあんたが頑張る‥?

えへへへへ‥頑張らないと、泣いちゃうので(笑)

ではまた参りますm(__)m

Re: (@∇@;)甘いのは‥今回までですか‥? 

ハル様こんにちは

せっかくコメかいたのに「不適切・・・とか不当とか」で消されちまいました。どういう事なんでしょ。そんな不適切な言葉とか使ってへんのに(。◕ฺˇε ˇ◕ฺ。) モォッ!!

ハル様の期待を裏切り甘い夜でなくてごめんね。聖蓮の事を思えば出来なかったんです。まだお子ちゃまなんですもの。そこいらの中学生より幼いです。だから聖蓮にはステキな初体験をしてほしいのです。優しく甘くピンク色のね。まあ、すんごく痛いのは覚悟してもtらわないといけないけど・・・。愛の力で乗り越えれますって(。◠‿◠。✿)ぅんぅん
繋がる時はお楽しみです。でも当分は竜王対策で無理かもです。

あと、ハル様の苦手な痛いのはないです。竜王の事も普通の悪役にするつもりはないので・・・。すべて過去からつながってきます。

凌駕があの日を思い出したら、急速に話は進むかもしれません。その時に凌駕の心は自我を保てるのか電王に乗っ取られるのかはまだわかりません。お楽しみにして下さい。

聖蓮の両親の事もお爺様、お婆様の事も関わりがあります。あんまりかくとネタバレになりますね。
でもファンタジーって好みが激しいんですね。普通の話よりも人気がないようで少し凹みます。でもみんなに愛着があるのでちゃんと書き上げます。きっとハル様は読んでくださると勝手に思ってますから。なのでこれからもヨロシクです。

落ち込み気味だけど、ハル様にコメもらうと元気が出ます。私もハル様のところへ行きたいのですが、たくさんの方がおミ絵なので躊躇して書けていません。ゴメンなさいです。また、一が少ない時に行きますね。

ハル様、温かいコメありがとうございましたm(o・ω・o)m
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