たとえこの世の終りが来ようとも

たとえこの世の終りが来ようとも35

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お弁当をキレイに食べてしまった凌駕は昼寝を始める。聖蓮はあわてて凌駕を起こす。

「ダメだよ凌駕。異界の者がいつ来るかわからないのに隙を見せたらダメだ。」

「聖蓮、オマエはいつもこんな闘い方をしていたのか?切羽つまって悲壮な顔して、死んでも仕方ないって・・・。休みもせずに一日中。それじゃかえって効率が悪いだろう。」

「・・・。」

「聖蓮。オレの考えは甘いのかもしれない。でもな、まだまだ敵は数知れずいるんだろ。それなのに何時も気を張っていると大事な所で失敗する。それにオレはこのチカラがわかってきたような気がするんだ。ずっと闘ってきた聖蓮はもっとわかるだろう。自信持てよ。敵だってまるで気配を消して近寄る事は無理に等しいだろ。オレは奴らの気配が読めるようになってきてるぜ。今は周りにはいない。そうじゃないか?」

「うん。その通りだよ。凌駕はすごいね。闘いだして1日目なのに、オレや久遠よりも洞察力がすごいよ。」

「だてに空手や剣道で鍛えてきたわけじゃないってことさ。」

「安心したよ。」

「だから、聖蓮も久遠も自分のするべきことをしてくれ。オレは荷物になりたくない。助けが必要になったら素直に助けを呼ぶから。」

「わかったよ。でも散ばるのは危険だ。固まって行動しよう。久遠、傷は大丈夫かい?」

「聖蓮の治療のおかげで痛みはない。だた、長期戦は難しいかもしれない。」

「久遠無理するなよ。オレも久遠の分まで闘うから。」

「くやしいけど仕方ない。オレは凌駕と聖蓮の補助にまわるよ。」

「「ああ、頼んだ。」」

その時だった、聖蓮めがけて脇差が飛んできた。凌駕はためらう事なく聖蓮を抱きしめると背中で庇い森の下へ転がり落ちる。

そこは深い草の茂った場所で草の匂いで聖蓮や凌駕の匂いを遮断してくれていた。久遠は反対方向に走ったらしく、異界の者が傷を負った久遠を追う気配はなかった。

「ドコダ・・・オレノ・・・エ・・モノ・・・ダレニモ・・・ワタサ・・・ナイ・・・キット・・・ツカマエル・・・。」

足音が遠ざかり凌駕は聖蓮の口を押さえていた手を離した。

「どうして?どうしてボクは掴まえられなくちゃいけないの?何かしたのかな?」

凌駕には異界のモノが聖蓮を狙うわけがわかるような気がした。聖蓮の潔癖さ、清純さ、純粋さが自分の汚れた心を救ってくれるような気がするのだ。だれだって汚れた身体ではいたくない。おまけに聖蓮にはチカラがある。聖蓮といる事でその過ちが救われるような気がするから聖蓮を自分の物にしたくなるのだ。実際、聖蓮の傍にいると浄化され気持ちが癒される。聖蓮は闘いの中にあっても菩薩のようなのだ。

泥だらけの聖蓮の顔を森の泉でキレイに洗う。久遠も傷を洗っていた。

「凌駕、大変だ。背中に傷が・・・。血が出てる。早く止血しなきゃ。」

「こんな傷、聖蓮のに比べたらどって事ないさ。」

その時凌駕の頭の中がグラリと揺れズキズキと血管がはちきれそうな痛みに襲われる。

「ううっ。・・・ぐっ・・・うわぁ・・・・。」

頭を押さえてのたうち回る凌駕を聖蓮はどうすればいいのかわからない。

「凌駕、凌駕・・・。」必死で抱きとめようとするが凌駕はそんな聖蓮の身体も跳ね除ける。

「・・・うっ・・・クッ・・・。リョ・・・ガ・・・。」

それでも聖蓮は凌駕の身体に縋りつく。何度放り投げ飛ばされようが、蹴られようが、殴られようが、聖蓮は必死だった。

「凌駕。大丈夫だよ。ボクが傍にいる。凌駕は大丈夫だよ。」

血だらけになりながら聖蓮はそれでも凌駕を抱きしめて頭をなでる。「大丈夫、ボクがいる」とずっと繰り返していた。

そのうち凌駕も落ち着きを取り戻しだす。しかし思い出した事が大きすぎて放心状態だった。聖蓮の腕の中でいつの間にか涙が流れていた。

「凌駕?落ち着いた?大丈夫だよ。凌駕の傍にいるのはボク聖蓮だよ。大丈夫?」

何度も頭をなでられ、子供のように聖蓮の腕の中で涙を流す。

「凌駕、先に怪我の手当てしようね。背中の傷は術をつかうけど、あとの傷は切り傷とか打撲とかだから市販薬を使うね。抗生剤は一応飲んでおこうね。」

凌駕は返事をすることもできず、聖蓮の言われるままに手当てをしてもらう。自分の事で精一杯で、思い出した過去の後悔の念に苛まれていた。聖蓮がどんな様子なのかなんて考えている余地もなかった。

「ふぅ・・・。背中の傷は・・・そん・・・なに深く・・・な・・・いよ。回・・・復の・・・・・・術で・・・き・・・れいに・・・ふさがった・・・・から・・・。」

「リョ・・・ガ・・・・ゴメ・・・ンだけ・・・ど紫炎・・・呼ん・・・で。」

凌駕が振り向いた時、顔に血の気のなくなった聖蓮が凌駕の腕の中に崩れ落ちてきた。

「聖蓮?」

声を懸けるも聖蓮は滝のような汗を流し、身体はガタガタと震えて唇はチアノーゼを起こしていた。

オレは一体何をした?あれはオレなのか?聖蓮にあんな酷い事をしてたのはオレ?

膝から崩れてそこに座りこむ。聖蓮はぐったりとしまるで死んでいるようだった。ピクリとも動かない。どうしよう。オレは何て事を・・・。そこへ異変を感じた紫炎が走ってくる。

「凌駕っ!!ぼっとしないで。先に帰って聖蓮の布団敷いておいて。お湯たくさんわかして、きれいなガーゼとか消毒薬とか用意して。暁水にも連絡して。」

紫炎に言われた事しかできなかった。どうすればいいのか皆目見当がつかなかった。

「聖蓮が死んだらどうしよう」

そんな事ばかりが頭の中を渦巻く。

「凌駕。君血液型何?」

「えっ?えっとAB。」

「OK!!聖蓮もABだ。血が足りない。凌駕の血分けてくれないかな聖蓮に。」

「もちろんだ。いくらでも取ってもかまわないから聖蓮を助けてくれ!!」

「ボクが医師免許持ってよかったよ。大丈夫。傷はそんなに深くないよ。出血は酷いけど。聖蓮の背中に又傷ができちゃったね・・・。」

そういうと紫炎は暁水を伴って手術室に消えた。聖蓮の家は大きいだけあって病院の設備も兼ね備えているらしい。怪我の内容が内容だけに一般の医者にはかかれないからだそうだ。

手術は1時間ほどで終った。麻酔も切れていて聖蓮は凌駕を見つけると「ごめんね」と謝っていた。

「なんでオマエが謝るんだよ。謝るのはオレだろ。」

「だって、凌駕を危険な目にあわせた。守れなかったし怪我までさせた。ボクの責任だ。」

そういうと麻酔が残っていたのか聖蓮は再び目を閉じてしまった。

「違うんだ。聖蓮が悪いんじゃない。オレが闘えないから悪いのに・・・。聖蓮はいつも自分のせいにするんだ。オレは悔しいよ。」

「凌駕、口で言うのは簡単だ。オマエは闘い方を自分のものにする為にも、練習しなきゃいけないんじゃないか?口だけでなら何とでも言える。聖蓮もオレも紫炎も血の滲むような練習をしたんだぜ。それを1日2日覚醒したような奴がすぐにできると思うか?聖蓮のためを思うなら、聖蓮に迷惑を掛けたくないなら強くなれ。オレは凌駕の相手になってやる。久遠だってそうだろ。」

「あたりまえだ。聖蓮をこれ以上苦しめたくないんだ。聖蓮とオレはこの6年で息も合っている。オレと凌駕の息が合わなければ凌駕の力は覚醒しないんだ。聖蓮の力もな。」

「よし、これから特訓だ。泣き言は許さない。竜王との対決はいつになるのかわからないんだからな。」

「ああ頼む。暁水、久遠。遠慮なくやってくれ。」

3人は境内で特訓を始める。

「あーあ。これじゃ。夕飯どころの話じゃないだろうね。おにぎりでも作ろうか。あと救急箱だな。」

紫炎は聖蓮が寝ているのを確認すると昼食を用意し、縁側で3人の様子を見守る。

なんやかんやと仲の悪そうな面々だが団結力はすごい。これも聖蓮の人の良さの現われなのだろうなと思う紫炎なのだ。

しかし竜王があれきり現れないのが気になる。おまけに庄之助は何の動きもしない。

ボク達の思惑の外でなにか大きな歯車が回っているような気がした




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読んで下さいましてありがとうございます。ファンタジーって難しいです(苦笑)開き直って書いております。でもちゃんと人物には愛着があるんですよ。ファンタジーは許容がすくないのでしょうかね。ただ私がヘタクソだからか(笑)

プロフィールの写真を又変えました。今度は『薄桜鬼の 斉藤 一』様です。カッコ良くないですか?刀さばきがすばらしいです。女の人になれてない初心さがまたかわいいのです。『薄桜鬼』いいですっ゚.+:。(〃ω〃)゚.+:。 キャァ♪



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Re:   ヾ(*´∀`*)ノ ♪ゆっくりゆったりいきましょう! 

H様コメありがとうございました。
鍵でなくてよかったんですよ。んと、私は何か文章を表に出したくなくて鍵にしてしまいました。
私の見方は他の人と違うのではないかと急に不安になって、私の書くコメで迷惑をかけてるんではと思って鍵にしただけなんです。ややこしくてごめんなさいです。

下手な文章にちょっと落ちてたんですが、応援して下さる方もいてくださって、励ましを頂いたりして・・・H様にもいつも応援してもらって、優しいお言葉や助言を下さるのでもうちょっと頑張って見ます。やりかけで放り投げるのは嫌いなのでやって見ます。


聖蓮が主役だったのにいつのまにか凌駕目線になってますよねー。凌駕って単純で書きやすいキャラなんですよ。これからますます男っぷりをあげて行きますので応援してやって下さい。

H様コメント&アドバイス&労りのお言葉ありがとでした。
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