「キミと空とネコと」
夕陽と紺碧の刹那

夕陽と紺碧の刹那~雪夜とユウの場合1~

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いつも読んで下さってありがとうございます。昨日『やさいいKissをして8』をあげた時には77,777HITに行ってなかったのですが、今みたらすでに越えていてビックリです。本当にありがとうございます。お礼企画の短編予定のお話をUPしました。良ければ読んで見て下さいね☆
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ボクは今完全なる片思いをしている。

今まで好きになった人なんて霞んでしまうほどのめり込んでいる。こんなに自分が押さえられないのは初めてで、どうしたらいいのかわかんない。

いつもなら余裕でかわしてたし、自分の魅力を充分に押し出して相手を思い通りにしてきた。でも今回は無理なんだ。出来ない。嫌われたらと思うと動けない。今の関係を崩してまで告白する勇気がでない。

振られたら立ち直れないのがわかる。でも傍にいたい。ボクを意識して欲しい。カイくんの友達のユウくんではなくて『ユウ』として傍に居たい。雪夜さんの傍に…。

でもヘタレなボクは何も出来ないまま時間だけを過ごしている。

カイくんはボクの気持ちを知っていて相談にのってくれている。カイくんと響夜さんで食事をする時にボクと雪夜さんも誘ってくれて仲良く出来るチャンスは作ってくれてるのに、雪夜さんはボクの事は完全な子供扱い。

雪夜さんがカイくんに興味を持ってた事は知っている。響夜さんがカイくんをしっかりと捕まえられないならカイくんは頂くと言ったほどだ。それも引っかかっている。でもカイくんは響夜さんのことしか愛してなくて雪夜さんの事は本当のお兄さんのように思っていて、雪夜さんはそんなカイくんを愛おしそうに見ている。

ボクには送られる事の無い視線…。

でもボクは負けないんだ。だってボクは雪夜さんの事本当に好きだから。諦めるなんて出来ない。

ボクと雪夜さんに繋がりがないわけじゃない。

武蔵が体調を悪くした時に診てもらって、不安げなボクに「困った事があったら電話していいよ」って携番とアドレスは交換している。カイくんの事と武蔵の事以外に使った事はないけど…。

カイくんにお願いして武蔵が病院に行く時は仕事が押して無い限り、ボクに行かしてもらってる。

ボク、頑張ってると思うんだ。だけど、4人で食事する事はあってもボクと雪夜さん2人で食事をするとか出かけた事はない。

まだ友達にもなれていない。雪夜さんにとってボクはカイくんの友達でしかないのが辛いし、寂しい。

カイくんは響夜さんや聖夜さんに相談してみればって言うけど、あの2人に相談したらトンでもない事になりそうだから出来ないよ。


そんなある日の事だった。仕事が速く終わって何だか疲れて公園のベンチで夕焼けを眺めてた。

夕焼けってすごく悲しくなる。子供の頃からそう思ってた。ボクの両親は共働きでいわゆる鍵っ子だったボクは公園で友達と遊んでても、夕方になってみんなママが迎えに来ても帰らなかった。迎えに来てくれるわけではないし、帰ったところで1人だったから。いつも夕焼けが赤く染まるのを見るたびに悲しくて涙を流してたな。

「ボクは1人でも強いから大丈夫なんだ。」って唇噛みしめながら言ってた。そして夕焼けが沈み紺碧の空色になる頃、トボトボと家に帰っていた。それでも忙しい両親は帰ってきてなかったんだけど、遅くまでいるとおまわりさんに送られちゃうから。一度送られてお母さんにひどく怒られた。「早く帰りなさいっ。」て…。

でもね、ボクは夕焼けが沈んで紺碧の空になる刹那が好きだった。

紺碧の空は暗いけど、星が瞬いている。月がボクの行き先を照らしてくれる。そん時だけは1人じゃなくて、星や月がボクの傍にいてくれているような気がしてたんだ。

「あれっ?ユウくんじゃない?」

よく通る優しげなテノールの声。これって雪夜さんの声だ。

ビックリして嬉しくて後を向くと、白衣のまま後に髪の毛を束ねている優しい頬笑みの雪夜さんが立っていた。

「雪夜さん。どうしたんですか?こんなところで。」

「それはボクのセリフ。ボクは仕事が終わってスタ☆バのキャラメルラテが飲みたくなってね。仕事終りは疲れてるのかな甘い物が飲みたくなるんだ。で、ユウくんのマンションとは駅3つ違うのにどうしてここに居るの?」

まさか雪夜さんの近くに行きたくて知らない間にここにいたなんて言えない。

「ここの近くに営業に来てて、なんだか疲れちゃって休んでました。」

「どれどれ。」

雪夜さんがボクの顔をじっと見て頬や額を触る。ボクの心臓はそれだけで破裂しそうだ。何度も恋愛はしてきたのにこんなになるのは雪夜さんだけで、苦しくてたまんない。

「うん。顔が紅潮してるし、脈が速いね。少し汗もかいてるし、熱中症か脱水か…。とりあえずボクの病院においで。もう診療は終ってるから誰もいないから安心して良いよ。」

2人きりなんてボクの心臓が持たないかもしれない。でも傍にいたい。すごい矛盾を抱えて動けないでいると、雪夜さんはボクの背中を優しく押して歩幅をあわせて歩いてくれる。それだけでも涙がでそうだ。

病院に入ると雪夜さんの診察室の奥の部屋に入りソファに座るように言われる。

ボクが大人しく座るとしばらくして雪夜さんがミルクティを入れてきてくれた。

「アッサムティだよ。ミルクに良く合う。ユウくんはコーヒーより紅茶派だったよね。」

「覚えてくれてたんですか?ありがとうございます。」

「響夜もコーヒーは苦手だからね。だから覚えた。」

そっか、ボクだから覚えてくれたんじゃないんだ。少し落ち込む。

「今日はユウくんは元気がないね。何かあったの?」

「えへっ。なんでもないです。ボクは何も出来ないのでよく落ち込むので気にしないで下さい。」

「ユウくんは何も出来なくなんかないよ。友達思いだし、カイくんの事では一番一生懸命カイくんの事を考えて気にして泣いてたじゃないか。」

「あれはカイくんだから。カイくんはボクの大切な友達だから。でもあんなにカイくん苦しんでたのにボクは殆ど役に立たなかった。」

「そんな事無いよ。」

俯くボクに雪夜さんは優しく頭をなでてくれる。

雪夜さんはみんなに優しい。ボクだからでなく誰にでも…。その優しさは今のボクには残酷だった。

「カイくんは何でも出来るんです。優しいし、料理も出来るし、人のために自分を犠牲にする。響夜さんのためならきっと何でもしちゃうくらい。響夜さんもカイくんのためなら何でもするんだろうな。ボクはあの2人が羨ましいんです。あんな恋人同士になれたら幸せだろうなって思います。雪夜さんも聖夜さんも優しく2人を見守ってるでしょ。ボクはそんな恋愛をした事がありません。いつも相手に合わせて少しでも嫌われたくて…。でもどんどん寂しくなって行って…。当たり前ですよね。相手に嫌われたくなくて自分を殺してあわせてる。相手も飽きてくるんです。重いって言われちゃう。」

「ユウくんは優しすぎるんだね。相手を愛し過ぎて相手の愛が見えなくなるんじゃないのかな?相手もユウくんを愛してるのにそれに気が付かなくて自分が悪いんだって思っちゃう。ボクはそんな子も可愛いと思うけどね。」

雪夜さんはボクの隣に座ってキャラメルラテを飲みながらボクの頭をポンポンと叩いてくれた。

ボクが好きなのは貴方なんです…。

きっと言えない言葉を胸の中で呟く。いつまで心が耐えれるだろう。今にも好きが溢れそうなのに。触られた頭が熱くて雪夜さんが飲み終えたボクの使ってたカップをキッチンに持って行った時にそおっと頭を自分で触る。胸が苦しくてキュンとして涙がでそうだった。このままじゃ絶対に泣いちゃう。ボクは急いでカバンを持つとキッチンにいる雪夜さんに声をかけた。

「紅茶後ご馳走様でした。もう遅いので帰ります。ありがとうございました。」

「ああ、ユウくん雨が振りそうだから車で送るよ。」

「大丈夫です。雪夜さんさよなら。」

雪夜さんがボクを見ているのは分かったけど、その時にはボクの頬には涙がボトボトと流れてて雪夜さんの顔を見る事なんて出来なかった。急いで靴を履いて出ると大粒の雨がザーザーと降っていた。丁度涙がわからなくていいとボクはそのまま歩いて帰る事にした。歩いている間も涙は止まらなくて雨と涙がごっちゃになって誰にも泣いてるとは思われなかったと思うけど、時折出てくる嗚咽をボクは押さえる事が出来なかった。

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読んで下さってありがとうゴザイマス。今回は『キミ空』のユウと雪夜の恋を描きます。『キミ空』の中では結ばれていないのでユウの健気な恋心を実らせて上げたくて2人にしました。響夜や海人のその後でも良かったのですが、それはまたいつか機会がありましたら書きたいですね。アキくんと聖夜は今の『やさしいKissをして』でもちょこちょこ出てくると思います。お楽しみにです☆最後まで読んで頂いてありがとうございました。尚、この短編は『やさいいKissをして』と平行して書いていくつもりです☆(一応13時UP予定ですがあんまり期待しないで下さいね)

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~ Comment ~

ドキドキがうつる~(>∇<) 

Rinさま、こんにちは!

大変遅くなりましたが‥キリ番、77777!
おめでとうございまーーす!!
遅くなってスミマセン(>_<)

あれれれれれ‥
ぎゃーー‥雪夜さんとユウくんじゃありませんかっ!♡♡
他人を思いやれて、とっても優しい天使なユウくん。
そのユウくんが恋に悩んでいるのですね。
カイくんのことあんなに助けてあげたユウくんなんだから
きっと‥神様は見て下さってますヨ!

でも告白するのは大変だ‥どうしましょ!
雪夜さん‥ユウくんのこと意識してますよね、多分。
ああ‥でも、こっちまで心拍上がってしまいます~(笑)
可愛い、一途な恋を見守っておりますね。

ではまたm(__)m

Re: ドキドキがうつる~(>∇<) 

ハル様こんばんは☆

キリ番お祝い゚・*:.アリガ。.ヾ(❀◕ω◕)ノ ゚・*トゥ:.。゚・*です☆お祝いいただけるだけで幸せですよおヾ( 〃ω〃)ッ キャーーーッ♪

はい、久々にユウと雪夜が帰って参りました。
海人&響夜篇では海人のためにと頑張っていたユウでしたが、自分の恋となると勝手が違うようです。海人の事が会った時はそれなりに雪夜との接点が多かったのですが…。今は…。

雪夜も海人と響夜の事が落ち着いて、仕事を頑張っているのでなかなか自由な時間が出来ないようです。ユウの事を気にはしているとは思いますが大人な彼は彼なりに考えてるのでしょうか?

ユウは恋愛の神様に祈っているんでしょうね。早く報いて上げたいのですがもうちょっとかかりそうです。見守って応援してあげて下さい。きっとそれだけでユウは百人力ですよ。

ハル様の心を痛めてしまった海人と響夜はとても幸せに仲良くしています。そのおすそ分けをユウにもして上げたい海人ですが、うまくいくのでしょうか。脇役の2人も頑張りますのでヽ(→ܫ←ヽ)ハツ✰(ノ◕ܫ◕)ノヨロ✰ヽ(๑≿ܫ≾๑)ゞデシ

ハル様コメ(✿ฺ◕‿◕ฺ)зア✿ฺリ✿ฺガ✿ฺト✿ฺウ✿ฺε(◕‿◕✿ฺ)з ございました☆
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