「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして10

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「3番テーブルお2人様おすすめディナー2つ。一つはトマト抜きでお願いします。」

「5番テーブルのお子様用はぬるめでお願いします。」

「了解。7番テーブルパスタあがりっ。」

「7番パスタ運びます。」

「1番テーブルのお客様、お歳を召した方が一名いらっしゃいます。パスタは柔らかくして欲しいとのご希望です。」

「了解。凪っ、特別なパスタゆでるのは頼んだぞ。お子様用も柔らかめだ。3歳くらいの子供だからな。」

「了解。お子様用とお歳を召した方用に2つ柔らかめですね。」

「そうだ。トマト抜きの皿には分かるようにアンチョビ少しのせとけ。黎が来たらちゃんと伝えろよ。」

「了解。」

土曜日は厨房もフロアもあわただしい。(フロアにいるアキさんと志希は優雅に動いて見せているだろうが…。)
最近はアレルギーの人が多く、貝がダメだとかトマトがダメだとか、卵がダメだとか…。それを間違わずに提供しなければいけない。フロアから厨房に。厨房からフロアに。しっかり伝達出来ていないとトンでもない事になる。そば粉アレルギーの人がそば汁のついたおはしを舐めて呼吸を止めかけたことがあるのだから。まあ、イタリア料理の店に小麦粉アレルギーの人は来ないとは思うけど…。

そこにさっきの3番テーブルに料理を運ぶために黎が来る。

「3番テーブルにオードブル運びます。」

「あっ。中原くん、そのアンチョビののってるのはトマト抜きの人のだから間違えないで。」

「…。こっちですね。凪さん了解です。」

ふぅー。オレ普通に黎に話せてるよな。

ちょっと嫌な汗をかいた。

「はい。次あがりっ!!志希早く持ってけ。冷めちまうだろ。」

夏は室内に冷房がかかっているからすぐに料理が冷めてしまう。冷めた料理なんて出したら店のなおれだって陵耶さんはいつも怒る。料理人なんだから当たり前だ。出来たてをおいしく食べてもらいたいんだ陵耶さんは。そんでみんなが笑顔になれば料理人冥利だといつも話している。

フロアではきっと厨房の喧騒なんて思わせないで、おいしい料理を友達で、家族であるいは恋人同士が楽しんでいるのだろう。それをフロアのスタッフが見守り、心地よい場を提供している。アキさんが全体を見回し、志希が料理を運び、黎をサポートしているのだろう。こんな夜はあっという間に時間が過ぎる。

「お疲れ様でした。最後のお客様がお帰りになられました。黎くん外の明かりを消して外の掃除とゴミ出しを、志希はフロアの片付けを陵耶さんと凪くんは厨房を頼みます。」

「了解。」

「「「はい。」」」

それぞれの持ち場の片付けをしていつも通りにフロアの2人は挨拶をすると帰って行った。

「さーて、アキくん終りそう?」

「はい。帰り夜間金庫に寄っていいですか?」

「もちろん。さて凪のジャンクピザが楽しみだ。」

3人で裏から出るとアキさんの家に向かう。オレはアキさんの家に行くのは初めてだ。

「アキさんマンションに住んでるんですか?」

「凪行ったらビックリするぜ。」

「ふふっ。」

店から10分ほど歩いただろうか。オレの目の前にはマンションではなくえらくどデカイ洋館がそびえたっていた。

「?アキさんってお坊ちゃま?」

「さあ、入って。」

「相変わらずムカツクほどでけぇ家だなあ。」

2人の後にあわてて続く。ほんとに玄関もでかい。シャンデリアまであるし…。オレ、シャンデリアなんて初めて見たかも…。

お屋敷に圧倒されてるオレは唖然として言葉もなかった。

「凪くん、ボクはお坊ちゃまでも何でもないよ。ここはボクの恋人の家なんだ。ボクはここで一緒に住んでるの。マンションに住んでたんだけどね、ここにいる方が多いから引っ越したんだ。家賃無駄なんだもの。」

「こんな広い屋敷なら下宿人でも入れりゃ儲かるだろうな。」

「ダメだよ。あの人が嫌がるし、第一あの人の兄弟や恋人や友達も来るんだもの。それにかわいい子供達もね。」

「ああ、そうだったな。」

あの人って事はきっと恋人さんは年上なんだろうな。お金持ちで年上で子持ち?どんな人なんだろうな。ハーブティの会社の社長だったっけ。

「今日は恋人さんはいないんですか?」

「どうだろ。多分仕事じゃないかな。飲み会の事は知ってるから気にしないでいいよ。じゃ、みんなでキッチンに行こうか。」

「おう。そうだ。定番のパスタソースいつものと変えてみたんだ。ペンネにかけるから食べて感想くれ。オレ的にはいい味だと思うが第三者の意見が欲しい。」

こんな時でも仕事バカな隆耶さんの一面が見える。

「わかったけど、今日は隆耶さん飲み会だからね。楽しもうね。お子さんの話も聞きたいし。」

「わかってるよ。じゃ、さっさと作って飲もうぜ。」

それぞれ3人でつまみを作る。オレはピザ。隆耶さんはオードブルとペンネに数種類のソースをかけている。アキさんは…。

「アキさん何作ってるんですか?」

「ん?卵焼き明石焼き風。これに大根おろしをかけるとおいしいんだよ。」

柔らかそうな卵焼きをだし汁につけて大根おろしを盛っている。その上には彩り良くかいわれ大根が乗っていた。

「あとね、これもお酒のあてに簡単でおいしいんだ。大根の短冊切りにツナ、ホタテの刺身を大根と同じくらいに切ってマヨネーズで合えるだけ彩りが寂しいからかいわれ大根を乗せる。同じくらいに何と、いかくん(おつまみのイカの燻製)と胡瓜の薄切りとセロリをフレンチドレッシングであえて1日置いたもの。」

「へぇ。いかくんがお料理になるんだ。」

「サキスルメも小麦粉つけて揚げるとおいしいよ。辛いのが好きなら衣に一味とか七味とか入れてもいい。」

「すごく参考になります。ほんとにおいしそう。」

「で、ジャンクピザは出来たのか?」

「はい。もう焼けます。」

辺りに焼き肉のような香りがしてくる。

「焼き肉か?」

「似てるけど違います。ほら出来た。」

オーブンからピサを取り出すとオレは糸唐辛子と細くきったのりをパラパラとまぶす。

「じゃーーーんっ!!凪風プルコギピザですっ。これ案外うまいんですよ。」

「韓国料理とイタリア料理のコラボか。」

「ほんと、食欲の湧く匂いだね。さっそくリビングに移動しよう。」

「よし運ぼう。」

「じゃあ、オレは飲み物出しますね。最初はビールでいいですか?」

「いいぜ。」

「そうだね。」

テーブル一杯に料理が並ぶ。

いろんな種類のチーズや生ハムまで出てきた。

テーブルに座ってはくつろげないとローテーブルのリビングに運ばれたそれらはまるで宝石の様だった。

「なんか店のまかないより豪勢になったな。」

「ですよ。隆耶さんパスタのソースに伊勢海老使うのは反則でしょ。」

「ですね。原価割れすぎで店が潰れちゃいます。」

「まっ、飲み会の時ぐらいいいだろ。」

「後で志希にばれたら恨まれますよ。あいつ食い物の恨みはいつまでも覚えておくタイプですから。」

「マジか。アキくん、凪っ、志希には絶対ナイショなっ。なっ。」

必死な隆耶さんにアキさんとどうしようかと顔を見合わせて笑う。

「頼むって。アイツのしつこさは2人とも知ってるだろ。お願いっ!!」

「じゃあ、乾杯しよっか。」

「おいおいオレは放置かよっ!!」

「泣かないで下さい。隆耶さん。志希には言いませんよ。ね、アキさん。」

「そうだね。ボク達の尊敬するシェフ様だもの言わないよ。」

「ありがとう。じゃ、乾杯は年長者でキミ達の尊敬するシェフであるオレがしよう。『Calda casa』がいつまでも温かい家でいられますように。みんなが幸せになりますように。せーのっ。」

「「「Cincin!!!」」」

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いつも読んで頂いてありがとうございます。いつもながらにお話の進むスピードが遅くてスイマセン。飲み会は明日も続きます。酔った凪が昔の事をポロッと話してしまいます。アキくんの恋人のあの人も登場する予定です。

さて、今日の乾杯の言葉はイタリア語です。『Cincin』フランスからきていて、外来語のような使われ方のようです。チンチンはまさに、グラスのぶつかり合う音だそうです。『Salut』サル-テ(イタリア語で健康と言う意味)と言う事もあるそうですが『Cincin』の方がくだけてて良く使われると某サイトより引っ張って参りました。もし間違ってたらごめんなさい ペコリ(o_ _)o))


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