「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして12

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聖夜さんも混ざっての4人での飲み会は楽しくて。

オレは聖夜さんに初めて会ったのに緊張とか気を張る事もなく、それは聖夜さんが大人なせいもあるんだろうけど、一緒にいて気持ちの良い人だった。冷たい瞳の印象も話し出すと温かさを帯びてきて…。あの瞳の色は初めての人を警戒している色なのかな?

「聖夜グラス空いてる。何飲む?」

「凪くんのピザでおなかも膨れたし、本格的に飲みたいな。」

「じゃ、ブランデー用意するね。ピスタチオとチョコでいい?」

「ああ。」

「オレもブランデー飲みたい。アキくんオレにもロックでくれ。」

「やっぱり隆耶さんといるといいですね。アキはブランデーは嫌いで飲んでくれないから。」

「凪だって飲めないから聖夜、凪には飲ませないでね。もうただでさえビールに日本酒にワインでちゃんぽんしてるから。」

「飲ませないよ。凪くんが欲しがらない限りはね。」

「欲しがってもダメ。」

アキさんの声も表情もお店の顔と違って聖夜さんに甘えてる?

アキさんはかわいい人だけど、もっと可愛くなって幼くみえる。

アキさんはブランデーとグラスと氷とタンブラーをお盆に乗せて来る。陵耶さんと聖夜さんにロックを作り手渡すとチョコとピスタチオやアーモンドなどの入ったきれいなガラスの器を持ってきた。

「アキ。こっちにおいで。」

「うん。」

「うわっ。凪が偏見持たないって思ったらいきなりかよ。凪、覚悟しろよ。ほんとにこの人達ラブラブだから。」

「?」

アキさんが聖夜さんの横にピッタリと寄り添うように座ると、聖夜さんはアキさんの腰に手を回してもっとアキさんを引き寄せた。

「アキ、愛してるよ。」

「聖夜ボクも愛してる。」

なんて隆耶さんとオレの目の前でキスした。軽く唇を合わせるだけのキスだけど。初めて見る男の人同士のキスだ。でも何だろ汚らわしいとか、気持ち悪いとか思わなくて、「ああ2人とも愛し合ってるんだな」って思った。

「ちょっと2人とも今日は2人だけじゃないんですよ。凪は初めてなんだからディープにしないでやって下さい。」

「愛を確かめ合っただけだよ。隆耶さんも奥さんとするだろう。」

「ウチと一緒にするな。ウチは人前ではしない。」

「そうなの?どうして?」

「どうしてってアキくん。聖夜さんと付き合い出して聖夜さん色に染められているアキくんにはわからないだろうけど、普通は人前でキスはしません。」

「ボクも知らない人達の中ではしないよ。」

「それはもっと当たり前だっ。凪に変な愛の形を記憶させるなよ。」

「変ですか?自分に正直にしているだけなんだけどなあ。」

「杉野3兄妹は普通のレベルが違うから、オレとか凪とか一緒にするな。」

オレは3人の会話を聞きながら、初めて見る光景におどろいてすごいピッチでお酒を飲んでいた事に気が付いていなかった。

「ああ、凪っお前ブランデーまで飲んでる。いつの間に…。」

「あ、ホントだ。ダメだよ凪くん。」

「あ、凪くん目がすわってる。」

「いいですよね。みなさん幸せそうで。オレなんかオレなんか…。」

「どうした?オレなんか何だよ凪。溜め込んでる事言えよ。スッキリするぜ。」

「お酒のせいにして言って見たら?」

「みんな酔ってるから明日には忘れてるさ。凪くん何か言いたい事溜め込んでるのかい?」

「アキさん、なんで黎なんですか?黎はなんでここに来たんだろう。」

「凪くん黎くん知ってるの?」

「知ってるも何も黎は同じ高校で部活一緒でしたから…。オレ、そこから逃げ出してやっとここで静かに暮らしてたのに。」

「部活一緒だったのか?じゃあ凪の足のことも…。」

「もちろん知ってますよ。だってオレの足をダメにしたのアイツだもん…。」

「「えっ」」

オレはつかえているものを吐き出すかのようにしゃべっていた。心に鬱屈したものが溜まり過ぎていたのかもしれない。

「オレと黎はミッドフィルダーで、いつもレギュラーを争ってた。でもいつも黎に負けてたんだ。あいつは高校の時から身長も高いし、身体も大きくて、なのに足早くて。オレはいつも当たり負けしてた。くやしくてくやしくてオレ3年の時は死ぬほど練習して春の大会にレギュラーを勝ち取ったんだ。でも、その大会に向けての紅白線でオレがフェイントしてとったボールに黎がタックルを仕掛けてきて、それがボールじゃなくて後からオレの足に当たって…。オレの足ダメになっちゃった。」

カランとグラスの氷が崩れる音が響いた。

「オレね、今はこんなだけど高校の時って友達たくさんいたんだ。部活してるから余計だよね。オレが怪我してサッカー出来なくなって、まわりはみんなオレを気にしてくれたよ。走れ無くなった事を誰も何も言わない。そうなるとオレが大丈夫なんだって心配させないようにしないとみんなが気を使うだろ。だからオレは大丈夫だって笑って、これで受験に専念出来るっていつも楽しそうに笑っていないといけなかった。黎はすごく責任を感じてて、何度もオレの所に謝りにきてそのたびにオレは「気にすんな。オレの変わりにサッカーを続けてくれ」って頼んでた。責任感じて黎もサッカーやめようとしてたから。」

「黎くんも辛かったけど、凪くんも辛かったんだね。」

「サッカーはね、すごく楽しいんだ。走り続けなくちゃいけないから体力的にもしんどいけど、丸い一つの玉を奪い合って、オレのパスが通ってセンターフォワードがシュート決めて点数が入ったり、オレのコーナーキックから点数が入ったらみんなで喜び合って汗でぐしょぐしょなのに抱き合ってんだ。走ってたら汗が光って風がブワーって身体に感じて…オレほんとに大好きだった。」

あの頃を思い出したら涙が出てきた。

「それまではいつも笑ってたけど、怪我してから笑うのがしんどくなっちゃって、それでも笑ってなくちゃいけなくて。黎に責任を感じさせたらいけないから、部活のみんなにも黎を責めない様に、オレが未熟だからだって黎を辞めさせるなって話して。みんなオレの気持ちがわかるから黎を責めるような事は誰も言わなかった。言わなくても黎は自分を責めているのがわかったから言えなかったのもあるかもしれないけど。」

「黎は今もサッカーしてるのか?」

「知らない。オレもう笑ってるのが辛くて、友達と一緒にいるのもしんどくて地元にはこっち来てから帰ってない。連絡も取ってないし。だから黎を見た時に唯一の逃げ場であるここも逃げ場でなくなるって怖くなった。オレが1人でいるのはもう笑いたくも無いのに笑ったりするのが嫌だから。足の事を知られて同情されるのも嫌だし、走れないオレをオレが認めたくないのかもしれない。認めてるつもりなんだけど逃げてるだけなんだ。」

「凪…。」

隆耶さんがオレの頭をぽんぽんとたたいた。

「頑張ったんだな。黎を守るために…。」

「黎を守るため?違うよ。オレが逃げてただけだよ。現実から。」

「違うよ。凪くんはそう思ってても黎くんを守ってたんだよ。」

「オレはそんないい奴じゃないよ。」

それまでオレの話を黙って聞いていた聖夜さんがおもむろに言う。

「じゃ、ここにその黎くんも呼ぼうか?」

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いつも読んでくださる皆様、初めて来てくださった皆様ありがとうございます。『キミ空』スピンオフの2本立て楽しんで頂けてますでしょうか?『やさしいKissをして』は『キミ空』を読んでなくても大丈夫だと思いますが、もし良ければ読んで見てくだされば嬉しいです☆
メールを下さったChie様またまたありがとうございます。メールにてお返事を返しております☆とっても嬉しくて励みになっております。にゃんこ好きなのかな?私は断然にゃんこ派なので(わんこは怖いのデシ)にゃんこ話大好きです。いつか機会があれば過去にゃんずですが写真載せますね。アリガトウ✾“ヽ(。◕‿◕。)ノ”ございました☆

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