「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして13

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「いやだっ!!いやっ。黎に会いたくない。」

「どうして?」

「黎に会うのが辛い。あの頃の事を否応無しに思いださせるし、あの時の事を足にスパイクが当たった瞬間が蘇るから。」

「でも、自分で逃げてるって凪くんは言ったよ。ずっと一生逃げていくの?逃げれる?」

「…。わからない。でも今はダメ。もう会わないと思ってた黎にあってからオレは変なんだ。毎日毎日、黎に怯えてるような気がする。」

「逃げてる自分と逃げちゃダメだっていう自分がいるからじゃないのか凪。」

「わからない。」

「黎くんがここに来たのは偶然なのかな?」

ふとアキさんが考えるように言う。

「もしかして凪くんに会いに来たんじゃないのかな?」

「そうだね。今の凪くんを見て黎くんはどう思ってるだろうね。」

「高校時代に友達がたくさんいて、明るく振舞ってる凪を見てたならすごいギャップを感じるな。そしてやっぱり自分が怪我させたのが原因だと思うだろうな。」

「バイト先では凪くんが黎くんとの間に距離を取ってるからそばに寄れないしね。」

「でもその様子じゃ、凪から黎に近寄るのは無理そうだな。」

「…。もうちょっと時間が欲しい。まだ黎がここに居る事さえ受け入れきれないんだよ。オレが逃げ出したいと思ってしまう。」

「そうだね。ごめんね凪くん。オレが『ここに黎くんを呼んだら?』なんて無責任な事を言っちゃって。」

「いいんです。バイト先で爆発しちゃってたかもしれない。オレ。ここで聞いてもらえてよかった。」

「凪はほんとにいい奴だからな。真面目だし。だから自己犠牲して溜め込んじまう。」

「凪くん、ボク達は頼りにならないかな?ボク達では役に立てないの?」

「そんな事ないっ。今話を聞いてもらったのも、心のどこかで甘えてるからなんだ。足の事を話したのもそうなんだ。きっと。」

「凪くんはほんとに我慢しすぎだな。黎くんに対しても1人で対するのが無理ならアキと2人でとかみんなで対したらいいんだよ。いろんな選択肢があるんだ。1人で考えてるといいアイデアも対処法方も思いつかないよ。」

「…っく。…はい…。」

「こら聖夜、凪くん泣かしちゃダメっ。」

ポカリってアキさんが聖夜さんの頭を殴る。アキさんも泣いていて隆耶さんと聖夜さんは一瞬固まったけど

「そうだな。アキの大事な凪くんを泣かしちゃだめだな。凪くんごめんね。」

アキさんの頭をなでてオレに向かって謝罪する聖夜さんはオレに頭を下げている。

「うっ…。やだ。やめてください聖夜さん。頭なんか下げないで下さい。オレが泣いてるのはみんなが優しいからだから。アキさんもだから聖夜さんを怒らないで。」

聖夜さんは優しく指でアキさんの涙を拭う。

「アキが泣き止んでくれないとオレはどうしていいのかわからない。お願いだからアキ泣き止んで。」

そして聖夜さんはアキさんを愛おしそうに優しく抱きしめる。まるでオレの心が抱きしめられているような気分になる。だってアキさんはオレの事を思って泣いてくれてたから。

「ごめん。辛いのはボクじゃなくて凪くんなのに。聖夜もごめん。聖夜のせいじゃないのに殴ったりしてごめんね。」

「いいんだ。アキは凪くんの事を思ってだろう。そんな優しいアキが大好きなんだから。」

「もう聖夜ってば。」

「涙止まったなアキ。」

そう言って涙の残った頬にキスする聖夜さん。

「だからっ!!オレと凪の前でキスするなって言ってるだろうがっ聖夜っ!!」

「陵耶さんマズイって。名前呼び捨てだしっ。」

「いいのいいの。聖夜はオレの後輩なの。アキくんとこにオレを連れてきたのもコイツなんだわ。」

「へっ?聖夜さんと陵耶さん元々知り合いなんですか?」

「ああ、大学でな。オレが4年の時コイツが1年で何でかウマが合っちまってそれ以来ずっとだ。」

「でもさっきまで『聖夜さん』って言ってたじゃないですか。」

「まあ、ここコイツの家だしアキくんの恋人だしな。聖夜の顔を立ててやってたんだ。一応な。」

「そんな事してくれなくてもいいですよ。気持ち悪い。隆耶さんに『聖夜さん』なんて呼ばれるの嫌だから止めて下さい。」

「お前そんな事言うかっ。このオレが気を使ってやってるのに!!」

「それが余計な事っていうんですよ。オレはそんな事頼んでません!!」

「くぅーっ!!ほんとお前って昔からああ言えばこう言ってきて可愛くないよな。アキくんはこんなひねくれたオレ様のどこがいいんだか。」

「ハッ。良く言いますね。それを言うならあなたの奥さんもどこが良くって結婚したんだか。おまけに2人目が出来たそうじゃないですか。そっちこそ大学時代から付き合ってて15年もイチャイチャしてられますね。」

なんだか子供のケンカみたいだって思って見てたらアキさんと目が合った。

「この2人はいつもこんななの。子供みたいでしょ。だから気にしないで。いつものじゃれあいだから。」

「そうなんですか?」

「ボク達はボク達で飲みなおそ。ねっ。」

「はい。」

隣で言い争っている子供のような大人2人の横でオレ達は別の話で盛り上がって飲んでいた。心の中に溜め込んでいたものを吐き出したからかオレはご機嫌で、許容量をとっくにオーバーして飲んでいた。ちゃんぽんしたせいもあってそのうちソファーにもたれて完全に眠ってしまっていた。

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いつも読んで下さってありがとうございます。初めて来てくださった方はじめまして・・・('-'*)ヨロシク♪ です。
いつの間にか80,000HIT越えておりまして本当に読んでくださる皆さんに感謝です。゚+.*(+・`ω・)9 <アリガト。゚+.*てか挨拶が遅すぎますが…。こんな私でございますが、これからもどうぞヽ(→ܫ←ヽ)ハツ✰(ノ◕ܫ◕)ノヨロ✰ヽ(๑≿ܫ≾๑)ゞデシ
皆さんに楽しんでもらえるように精進して参りますシャキ─(。ì ‿​‿ í。)─ン!



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