「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして17

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食事を終えると達樹は大人しく帰って行った。足の事や倒れた時のお礼にオレが奢るはずだったのに、ちゃんとお勘定を払ってアキさんや、志希、黎にまで挨拶している。

「今日は本当にご馳走様でした。マジで上手かったです。又食べに来てもいいですか?」なんてちゃっかり売り込んでいるのでオレは厨房から「もう来んなっ!!」って叫んでしまった。

「ふふっ。凪くんがあんなにはっきり言うなんて、よほど心を許してるんでしょうね。大学では1人だと言ってたので気になっていたのですが安心しました。これからも凪くんの事気にしてやって下さいね。甘えるのが下手な子だから。」

「ええ。知ってます。オレなりにちょっかいかけてるんですけど、なかなか棘棘なお姫様で…。」

「何くっちゃべってるんだ。明日も1限から講義だろ。遅刻しても知らないからな。代返もノートも貸さないからなっ!!」

「ねっ。棘棘でしょ。いつもあんななんですよ。」

「それだけキミに心を許してるんでしょうね。」

「じゃ、ご馳走様でした。凪に本格的に嫌われないうちに帰ります。あいつ怒ると口も聞いてくれませんから…。」

「ははは達樹くんも大変だね。今日はありがとうございました。又いつでも食べに来てくださいね。」

「はい。また近いうちにぜひ。それじゃ、おやすみなさい。」

「凪さんてあんな風に感情をだしたりするんですねぇ。」

志希が感心したように言う。

「元々は人見知りとかしなかったと思うよ。なんで人見知りになっちゃったんだろうね。達樹くんは凪くんをひとりぼっちにさせないようにしてくれてるんじゃないかな?」

「さあさあ、片付けするよ。どうしたの黎くん?」

黎は達樹の出て行ったドアを睨むようにみていたらしい。

「あ、何でもないです。オレ外掃除に行って来ます。」

オレは厨房で隆耶さんと後片付けと明日の仕込みをしていてフロアでの様子なんか全く知らなかった。


*   *   *


「ちょっと、アンタちょっと待てよ。」

黎が達樹を追いかけてきて肩を掴む。

「何だよ。オレはお前に気安く肩をもたれたくないんだけど。何か用?」

「凪さんと仲がいいって本当なのか?」

「仲が良いって言うのか、オレが追いかけてるだけだけどな。でも嫌われてはいないと思うぜ。言葉は辛らつだけどな。」

「あんたはどう言うつもりで凪さんにちょっかいかけてんだ?」

「おいおい。人聞きの悪い事言わないでくれよ。友達なんだから話してもかまわないだろ。第一なんでオレと凪の事を名前も知らないお前にとやかく言われなくちゃいけないんだよ。」

「ごめん。オレは『中原 黎』だ。おぼえといてくれ。オレはアンタとは又会う事になると思う。」

「ああっ、気が付いた。お前、オレと凪と同じ大学に通ってるだろ。どっかでその目を見た事があると思ったんだ。凪は気が付いてないみたいだけど、オレの事いつも睨んでるよな。何でだよ。」

「オレのライバルだからだ。」

「は?ライバル?オレと凪はもう1年以上連れ立ってんだぜ。昨日今日知り合ったお前にライバルなんていわれたかないね。」

「オレは凪さんとは高校で一緒だったんだ。年月でいけばオレの方が長いって事になる。」

「お前が凪と高校時代に一緒だった?お前年下だよな。」

「ああ、今年で19になる。」

「もしかしてお前、凪の足に関係あるんじゃないだろうな?」

「何でアンタが凪さんの足の事知ってんだよ。」

「当たり前だ。オレ達は友達なんだぞ。」

「凪さんは自分からそんな事を言うわけない。」

「お前、凪に会ってない間に凪の事を美化してんじゃないの?あいつだって人間だぜ。足の事でドンだけ悩んでたと思うんだよ。もう二度と思いきり風切って走れないんだぞ。あんなに走る事が、サッカーが大好きだったのに…。」

達樹の言葉に黎は下唇を噛んだまま両手を握りしめてブルブルと身体を震わせている事に気付く。

こいつも罪の意識に囚われてるのか?そもそもコイツが原因なのかわからないのにオレはコイツを責めてる。

「すまん。お前には関係なかったかもしれないな。ただ大学での凪の姿がいたたまれなくてな。甘えたいのに甘える場所がなくて一人で我慢してるんだ。だからオレは少しでも凪の心の重荷を取ってやりたくて構ってる。」

「それって凪さんを好きだからじゃないんですか?」

「えっ?オレが凪を好き?」

「オレ仕事残ってるから帰ります。オレ、あんたの事認めたわけじゃないです。オレはオレなりに凪さんに分かってもらえるように行動します。過去の事も含めて。じゃ、失礼します。」

黎は走るように雑踏に消え、後姿も見え無くなった。

「オレが凪の事を好きだって?確かに凪は可愛いと思うけど、あいつは男だぜ。オレと同じ男だ。まさか…。」

でもよく考えると凪以外の人間にここまで執着して引っ付いている事なんてない。気が付くとオレはいつも凪を探してる。これは恋なのか?でも、黎とかいったアイツは間違いなく凪のことが好きだと思う。オレを見る目が炎でも宿っているかの用に熱く燃えていた。凪をアイツに渡してもいいのか?今までの友達同士でオレは満足できるのか?

初めて気が付いた自分の思い。今までと違う。オレから好きになるなんて。それを他人に言われるまで気がつかないなんて、オレって何て間抜けなんだ。

そんな事を考えながらの帰り道、道端で露天のお兄さんが店を広げていた。そこには色とりどりの髪の毛を止めるピンが並んでいる。ふと、凪が色気の無い黒いピンで前髪をとめていたのを思い出す。

オレは道端にしゃがみこんで色々と手に取って見ていた。凪なら何でも似合いそうだけど…。その時かわいいネコの形をしたピンを見つけた。首の所にスワロフスキーがついていてキラキラと輝いている。他にもクマやウサギなどかわいいピンがたくさんあって、オレはネコとクマとウサギのピンを購入する。

「お兄さん、彼女にプレゼント?」

「そうだな。今一番大事な奴だな。」

「喜んでくれるといいね。そうだ、これおまけしとくよ。ホントは2本組みでワンセットのピンなんだけど一つなくなって売り物にならないからさ。」

それはピン全体にスワロフスキーをキレイに並べてあるのもので光の当たり具合によって色が変わるものだった。

「いいの?これスワフロスキーだろ。高いんじゃないのか?」

「いいんだ。彼女に似合いそうじゃないか?」

「似合うと思う。前髪をピンで止めてるんだけど、色気の無い黒いピンなんだ。アイツの髪、サラサラのストレートで淡い色してるからきっときれいだろうな。」

「じゃ、遠慮しないで持って言ってくれ。お兄さんありがとな。今度はその彼女と来てくれよな。」

彼女じゃないんだけどなって苦笑しながら店を後にする。凪のことだ。こんな女みたいなものって怒るかもしれないけど、何やかんやといいながら付けてくれるに違いないと思う。

しかしさっきのバイトくんはなんだったんだ。敵意丸出しの目。大学で時々見られてるような気がしたのはあいつだった。凪と高校の知り合いって言ってたな。あの2人の間に何かあったのか。足の事持ち出した時様子が変だったけど…。

明日凪に会った時に聞けばいいか。教えてくれない可能性は高いけど、何だかほっとけない。凪がおかしいのは黎って奴のせいなのか?

オレ気が付いたら凪の事ばっかだな。凪にかわいいピン止めとか買ってるし…。アイツの明日の反応が楽しみだ。でもその前にコテンパンに怒られるのは覚悟しとかなきゃな。

オレはピンの入った可愛いラッピングの袋を潰れないようにカバンにしまうと明日の事を想像しつつ帰る。きっとオレをみた人は変質者かと思っただろう。それほどにやけていたから…。その頃にはすっかり黎の事を忘れていた。

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訪問ありがとうございます。いつも読んで下さる方、初めて来てくださった方本当にありがとうございます。ほんとにいつもいつも患者しているのです。未熟で拙い文章でも一生懸命心を込めて書いてます。読んでいただけるだけでうれしいです。
今回は黎と達樹の絡みでした。黎の心はまだ描写する段階ではありませんが、達樹は黎の一言で凪を意識し。始めたようです。凪はボブくらいの長さでシャギーを入れてます。前髪は伸ばしたままなのでそのままにしてると顎の付近までくるんです。だから厨房にいる時は前髪を後に流してピンでとめてます。普通の黒いおばちゃんピンです。達樹がえらんだピンはそりゃ可愛くて…。凪が怒りそうですが、凪はモノを大切にするタイプなのでちゃんと使うでしょう。


鍵コメ下しいましたK様今日も拍手コメをありがとうございます。すんごく嬉しいですv(〃☯‿☯〃)vあぃ!張り切って書こうって思えます。アリガトウ✾“ヽ(。◕‿◕。)ノ”
凪は達樹相手なら感情のままにしゃべりますね。気が合う友達なのですが、凪は認めてませんけどね…。でも達樹が自分の気持ちに気が付いてしまった事で2人の間に変化がおこるのでしょうか?おまけに意味深な黎の行動。黎はどうしたいんでしょう。鈍感な凪はどこまで気がつけるのか…。今後も読んでくだされば嬉しいです。拍手コメありがとうございました☆




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Re: タイトルなし 

鍵コメ様こんばんは☆

ご指摘ありがとうございました。

スワロスキー → スワロフスキーでございます。訂正し直しました ペコリ(o_ _)o))

ほんとに誤字脱字、間違いだらけでごめんなさいm(。≧Д≦。)mスマーン!!

これからもあると思いますのでそん時は笑ってやってくださいまし(笑)
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