「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして18

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凪は次の講義のために中庭を通って別の棟へと歩いていた。次の講義は達樹と同じ講義だ。知り合いになったきっかけとなった講義。あれ以来、この講義の時は達樹は必ず凪の横に座る。最初こそ文句を言っていた凪だが、途中から文句を言っているのがバカらしくなって言わなくなった。もちろん、講義中に話しかけられても無視はしているのだが…。

凪は教室に入るといつもの席に座る。

もうすぐ講義が始まると言うのに達樹はまだ来ていなかった。

「あいつ、昨日店に来たから寝坊したなんて言わないだろうな。」

いつもはウザイくらいに話してくる達樹がいないと調子が狂うような気がする。

「オレ達樹に毒されてる。」

思わず苦笑してしまう。初めて会った時はこんなに仲良くなるとは思っていなかった。オレの達樹の印象は最悪だったから。なのに今はどうだ。あいつにはズケズケと言いたいように言っている。ウザイのも確かだが、達樹といると面白い事も確かだ。達樹がいなくなったらきっと寂しくなるんだろうな。

「おはよー!!凪。昨日はおいしい料理ありがとな。」

「達樹遅いぞ。遅刻したらこの教授は欠席扱いにするんだから気を付けろっていっつも言ってるだろ。」

「いやあ、二度寝しちゃってさ。」

「二度寝ってお前…。子供じゃないんだからさぁ。」

呆れ顔で達樹に向かって言うと目の前に可愛くラッピングされたピンクのリボンのついた紙袋を出される。

「何?」

「昨日のお礼。」

「昨日のお礼ってオレ何もしてないし。ていうか、達樹にオレさんざん電話とかメールとかしたのに全部シカトしやがって。」

「ごめん。ちょっと実家に行っててさ、携帯持って行くの忘れたんだよ。」

「携帯忘れるとかありえないし。」

「だってオレの実家って山奥でさ、電波が入りにくいんだよ。」

「嘘付け。今頃そんなトコあるか!!」

「だってマジでそうなんだから仕方ないじゃん。んで、きのうは携帯も見ないで店に行っちゃった。」

「行っちゃったって…。よく店の場所わかったな。」

「前に凪が店の名前言ってたからパソコンで調べたんだ。そん時に。だからわかってた。」

「んで、アキさんに又来るとか言ってたけど、本気じゃないよな。」

「え?もちろん行くに決まってるじゃん。料理どれもおいしかったし、アキさん?可愛いし、又来てくださいねって言われたし…。」

「アキさんには恋人がいるから手を出すな。お前アキさんの恋人に絶対に海の底に沈められるぞ。それに『又来てください』は社交辞令だ。だからもう来んな。」

「そんな事いうなよ。凪ぃ。他の誰にも教えないからさ。」

「当たり前だ。誰かに教えたりしたら達樹とはもう口も聞かない。絶交だ!!」

「凪、『絶交』ってお前ってば小学生かよ。」

そう言って達樹はオレの頭をポンポンと優しく叩く。

「もう、それもやめろよ。人の頭をポンポンするのも子供にしてるみたいじゃないか。」

「そっか?オレ凪の頭ポンポンするの好きだぜ。で、これは凪にプレゼント。凪、前髪伸びたな。」

「ああ、別に伸ばしてるわけじゃないんだけどな、なんか散髪行くのめんどくさくて。後は一つにくくればいいし、バイト中はそのほうが衛生的だろ。んで何なの?このピンクの袋はプレゼント?何でピンクのリボンなんだよ。オレ男だぞ。」

「知ってるよ。凪は男だけど、前髪は長くてバイト中は色気の無いピンで止めてる。」

「色気の無いピンでいいんだよ。どうせコック帽で隠れるんだから。」

達樹がくれたピンクのリボンの包みを開けると、中から何だ?ネコとウサギとクマのピン?えらいキラキラしたピンまで入ってる。


「たぁ・つぅ・やぁっ!!何だお前はオレにこれをしろっつうのかっ!!」

「かわいいっしょ。凪に似合うと思うんだよね。オレの一押しはネコだな。キラキラしたピンは露天のお兄さんがおまけしてくれた。せっかく買ったんだぞ。凪のために。どうせコック帽で隠れるんならこれをしてくれよ。」

まあ、見ればかわいいし、達樹がオレにって買ってくれたんだから使ってやらないと可哀想だな。オレはどんなピンでも構わないんだ。昨日してたのだってたまたまそのピンしかなかったからだ。100均で買ったピンだった。オレはよくなくすからピンなんかにお金を使う気はサラサラなかったし…。

「わかったよ。達樹ありがとう。大事に使わせてもらうよ。」

「そっか。うん使ってくれ。でさ、今ここでつけてみてよ。なっ。」

「バ…バカかお前はっ!!こんな人の多いところでつけれるかあっ!!使うのは店限定だ!!」

なんて事を言い出すんだ達樹は。ピンをしたオレを見たいなんて新手の嫌がらせなのか?でも達樹はシュンとした顔をしてる。なんだか罪の意識に囚われる。何でオレがそんな事思わなくちゃいけないんだよっ。はぁ…。

「達樹、そんな顔すんな。でもここでは嫌だ。今度店に来るんだろ。そん時に見ればいいじゃん。オレフロアには出ないけど、そん時ちょっとだけお前のとこに行くから。だたし見せたらすぐに厨房に戻るからなっ。」

「マジで。嬉しいぞ。凪っ!!てことは店に行ってもいいんだな。毎日行こうかなあ。」

「アホか。毎日来たらブッ殺すぞっ!!」

達樹なら本当に毎日来そうで即座に釘をさす。

でもこのピン止めをオレがする事でちょっとした騒ぎになるなんてこの時は考えてもいなかったんだ。


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