「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして21

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今日のディナーのアンティパスト(前菜)は旬の白身魚にぶどうの実をあしらったもの、生ハム、鶏胸肉の炙りスライス、茸のキッシュ、モッツァレラチーズとトマトで、綺麗に皿に並べるとフロアに出来た事を告げる。

「アンティパスト出来ました。1番テーブルにお願いします。」

1番テーブル…。達樹の座っているテーブルだ。

すかさず志希が来て興味津々って顔をしてたので一言添える。

「間違っても話かけるなよ。お客様だからな。余計な事を話すな!!」

「何も話しませんよ。じっくり見てくるだけです。」

そう言うと、優雅な仕草でプレートを運んでいく。

チッ、志希は確信犯だな。達樹に興味を持って観察してるな、きっと。達樹がその誘いに乗らなきゃいいんだけど…。


その間にも次の料理を仕上げて行く陵耶さんにあわせてパスタを茹でる。

プリモ・ピアットは陵耶さんの打った生パスタを九条葱とドライトマトのアンチョビ風味に仕上げたもの。

前菜の皿が空になって帰ってくるとすぐに次の皿ををアキさんが運んでいく。

陵耶さんのつくる生パスタはとんでもなく上手い。1度オレも作って見たがどこがどう違うのか、同じ材料で同じ作り方、グラム数なのに全く別物になってしまった。やっぱり本場の3つ星レストランで修行しただけの事はあるのだ。

セコンド・ピアットは子羊肩肉のインバナータ、焼き玉葱添え。インバナータってカツレツの意味。
達樹が上手そうに食ってる姿が目に浮かぶ。あいつ肉が大好きだから。1度だけ達樹と焼き肉に行って、そのあまりの豪快な肉の食べっぷりにこっちが胸焼けしたほど達樹は肉を食うんだ。あいつとは二度と食べに行かない。割勘なのですっごく損をするのだ。

セコンド・ピアットは黎が運んで行った。何だか黎の達樹を見る目が怖いような気がするんだけど気のせいか?
空いた皿を下げてきた黎がオレの顔を見て何か言いたそうにしているが、結局は何も言わずにフロアに戻って行った。何なんだ?

ドルチェ(デザート)はティラミス・ジェラート・パイナップルのシャーベット。

一組残っていたお客様はすでに帰り、店内には達樹だけが残っている。

「あとはコーヒーだけだし、友達のとこに行ってきてもいいぞ凪。」

「皿洗いも終ってますしね。じゃ、隆耶さんすいません。すぐに戻りますので。」

「ああ、いい、いい。そのまま話してな。1人で食べるのもおいしくないだろ。」

「ダメですよ。仕事中ですから。すぐに戻ります。」

「まあ、戻れなくてもいいからな。」

ピン止めを見せたらすぐに戻るって言ってるのに…。

フロアに出るのは嫌だけど、相手が達樹なら別だ。笑顔を作る必要も無い。そしてフロアにはもう達樹しかいないのだ。

オレはドルチェを手に達樹のテーブルに行く。

「本日のドルチェはティラミス・ジェラート・パイナップルのシャーベットとなっております。」

達樹の前に静かに皿を置くと、目をキラキラさせて達樹がオレを見る。

「なんで目をキラキラさせてオレを見るんだよっ。それキモイ。」

「凪ぃ。上手いんだ。どの皿も!!この間も思ったけどやっぱここのは上手い。ああ、毎日ここに食べにこようかなあ。」

「バカか。お前は。そんな事してたらどんだけ食費がいると思ってんだ。それにこの店に毎日1人で来るなんて寂しいだろ。」

「凪がいるから寂しくない。」

「アホか。オレは厨房にいるからフロアにはいないだろうが。」

「同じ空気を吸ってるだけでいい。」

呆れて達樹の顔をマジマジと見る。

「お前どっか頭ぶつけたのか?」

「ぶつけてないよ。ひどいな凪は。」

「変な事ばっかお前が言うからだろ。」

「うわーこのティラミスなんだあ。今まで食べてきたのと全然違うぞ。」

「お前の食べてきたティラミスはコンビニとかのだろ。隆耶さんのティラミスと一緒にすんな。失礼だろ。」

「凪も食べてみろよ。ほら。」

「だいたい…んぐっ…ゴクン…。達樹てめぇ何すんだ。」

「なっめちゃ上手いだろ。」

確かにおいしいけど何で達樹のスプーンのをオレが食べなきゃ行けないんだよ。

オレの苛立ちを横にしてても動じない達樹は綺麗に完食する。

「ほんとに達樹はよく食べるなあ。」

苛立っていたのを忘れて達樹を見る。

「凪、ピン止め見せてくれよ。」

ああ、すっかり忘れてた。オレはコック帽を外して達樹の前に立つ。

「ちょー。目線合わせてくれないと見えないよ。」

めんどくせー。ちょーめんどくせーわコイツ。お客様のテーブルのイスに従業員が就業時間に座るわけにはいかない。オレは中腰になると達樹と目線を合わせる。

「これでいいか」と言おうとした時だった。

「ぎゃーーっ。ダメですよっ。こんなとこでキスしちゃー!!」

志希が大声で言う。食後のコーヒーを持ってきたらしい。ちょうどオレが中腰になって達樹の顔の前にオレの顔が合ったから後から見た志希はキスしてるんだと思ったんだろう。呆れる。こいつもほんとにバカだ。

「はあ?誰と誰がキスしてんだよっ!!」

「ええ、凪くんお店で就業時間中にそんなこと止めてください。規律が乱れます!!」

「ヒューッ!!凪やるねぇ。」

「違いますっ!!達樹と目線を合わしただけです。なっ、達樹。」

「オレ凪とキスしちゃった♡」

「はあ?達樹ややこしいこと言うなっ。ああ、ちょーウザイ!!」

調子にのった達樹がオレを後から抱きしめてくる。

「達樹、これ以上調子に乗るならオレはお前と一切の縁を切る。友達でも何でもないからな。」

達樹を睨んでボディに肘鉄をくらわす。

「げっ。凪ひでぇ。食べたもんリバースしちゃったらどうすんだよ。」

「お前が掃除するだけだろ。どうもしない。」

はははっとみんなが笑う中、黎だけがオレと達樹を睨み付けている。

「凪さん、この人は凪さんの何なんですか?」

怒気を含んだような声で黎が聞く。その雰囲気に店の中はシーンとする。

「何なんですかって友達だよ。」

「ていうかお前、大学でもオレと凪がいるところによくガン飛ばして来るよな。」

突然、達樹もさっきとは違う雰囲気で黎を睨み声を荒げた。


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読んで下さいましてありがとうございます。だいぶ人間関係がわかってこられてでしょうか?最初から登場人物が多くてわかりずらかったかなあと心配しております。何だか楽しかった雰囲気も険悪なものに…。黎、キミは何をしたいのか…。みなさんが思っている事かと…。もう少ししたらわかってくるので…。すいませんがお待ち下さいませ。

拍手コメを下さったK様。いつも読んで下さいましてコメまで下さってありがとうございます。凪は達樹の事をどう思っているのか…。多分、友達です。ハイ…。凪は鈍い子なので恋愛にも鈍いかと思われます。天然ちゅうか、物事をしらないっちゅうか…。周りが心配しているのもそこです。自分が甘えたいオーラを出してる事も気が付いてませんからねぇ。男の子同士の恋愛も認めていますが、まさか自分がとは思っていません。これからどうなるのか見守ってくださいませ。拍手コメありがとうございました☆

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