「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして22

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楽しかった雰囲気が一転して緊張を孕んだ空気に包まれる。

黎と達樹はお互いに睨み合ったままだ。

『大学でもオレと凪がいるところによくガン飛ばして来るよな。』って達樹は言った。

黎、オレと同じ大学なのか?オレそんな事知らない…。

「黎、オレと同じ大学だったの?オレ見た事ない。知らなかった…。」

「…すいません。凪さん…。」

「達樹は黎の事を知ってたのか?」

「こいつ凪の知り合いか?」

「高校の時の部活の後輩。」

「ふーん。オレと凪が一緒にいる時に何だか視線感じて見たらこいつと目が合って、そしたら睨み付けてきやがった。それからは見かけるたびにガン飛ばしてくる。」

「オレちっともそんなの感じなかった。」

「凪はニブイし、そもそもそいつがガン飛ばしてるのは凪じゃなくてオレにだから気が付かなくて当然だ。」

「いつから知ってた?黎の事。」

「初めて見たのは5月かな。」

「それって3ヶ月も前じゃないか。」

どうしてオレは黎に気が付かなかったんだろう。

「オレはお前を凪さんの友達だなんて認めないから。お前は凪さんに近づきすぎだっ!!」

「何だよ。それって嫉妬?ヤキモチ焼いてんの?自分が近づけないから?」

「っ…。」

達樹に殴りかかろうとした黎が隆耶さんに止められる。

「黎。彼は凪くんの友達である前にここのお客様です。今は貴方は仕事中なのですよ。お客様、従業員が不快な気分にさせてしまい申し訳ございません。今日はお勘定はいいので、このままお帰り願いませんでしょうか。」

アキさんの言葉は丁寧だったけど、声色は『このまま帰りなさい』って言っていた。

達樹はオレの方を見たが、そのまま荷物を持つ。

「こちらこそ、すいませんでした。今日は帰ります。凪ごめんな。」

達樹はそのままドアから振り返りもせずに出て行く。

達樹が出て行くと、隆耶さんが握っていた黎の腕を離した。

「黎、頭冷やせ。ここは大学じゃない。お客様が楽しんで食事する店だ。例え自分の気に入らない客でも客として来た以上はフロア担当としてちゃんともてなせ。アキくんに迷惑かけるな。」

「…すいませんでした。」

黎が深く頭を下げる。

「もういいです。黎くん。事務所に来てください。みなさんは片付けをして下さい。フロアの片付けが1人になりますので、凪くんは厨房の片付けが終ったら志希くんを手伝うように。」

「わかりました。」

アキさんが黎を連れて事務所に入って行くと、オレ達は何も言わずに片付けを始める。

オレのせいだよな。きっと。どうしたらいいんだろう。黎とオレとの確執みたいなもんが関係してるのは明らかだ。でも黎が何を考えているのかわからない。どうしてオレと同じ大学に来たんだ?まさか、オレを追って?そんな。まさかな。

オレの頭の中は黎とオレの事、黎と達樹の事でグルグルしていた。オレがあの場所から逃げ出したからこうなったのか?

厨房の片付けが殆ど終り隆耶さんが志希の手伝いをするようにオレに指示する。オレはフロアの片付けを黙々と志希とする。片付けが終っても事務所から黎が出てくる事はなく、オレは着替えて待っていた。アキさんに謝ろうと思って。達樹が来なければこんな事にはならなかった。オレが大学でピン止めをもらった時にして見せてれば済んだんだ。仕事中に達樹の所へ行ったのも悪かった。仕事中は仕事だけをするべきだったんだ。

「凪、お前自分のせいだと思ってるんだろう。」

「…。」

「お前のせいじゃない。」

「そうです。凪さんのせいじゃないですよ。」

「どうしてそんな事が言える?オレが達樹が店に来る事を拒んでればこんな事にはならなかった。黎が同じ大学にいる事を知ってたらここで言い会う事もなかった。別の場所で話す事だって出来たんだ。」

「凪、お前のせいじゃないって言ってんだろ。友達を拒んでたらとか黎が同じ大学なのを知っていたらとか全部仮定の話だろ。それにもう済んでしまった事だ。」

「そうですよ。」

「今、自分を責めることよりもこれからどうするかだろう。」

「はい…。」

「お前ら、今日はもう帰れ。」

「でも…。」

「帰れ。いた所でどうにかなるわけじゃない。」

隆耶さんは残ろうとするオレを追い出すように背中を押して店に出させた。

「凪さん、今日は帰りましょう。明日、何か教えてくれますよ。明日は黎もバイトは休みだし。」

「うん…。」

「もう、凪さん元気出してくださいよっ!!そんな凪さん見てられない。今日はオレん家に来ますか?一人嫌じゃないですか?」

「いい。大丈夫。1人で帰れるから。」

「ほんとですか?なんか心配だなあ。じゃ、凪さん帰ったらメールでいいんで帰って来た事を教えてください。」

「志希。大丈夫だって。」

「オレが安心したいんです。お願いします。」

「ん。わかった。メールする。じゃ、お疲れ…。」

「ちゃんとメールしてくださいよ。」

「ああ。」

志希はオレが見えなくなるまでそこに立ち止まっていたんだと思う。家に帰って志希に帰った事をメールしたら即行で返信が来た。

「オレは凪さんの味方ですから、いつでも何でも言ってください。何でも聞きますから。」

志希らしい。アイツああみえて優しいんだよな。面倒見がいいんだ。

『ありがとう志希。おやすみ。』って返信して携帯を閉じる。

達樹からのメールや着信はなかった。メールしようかとも思ったが、直接話をした方がいいだろうと思った。

黎とも話をしなくちゃいけない。逃げてられないんだ。黎が何をしたいのか聞かないと。

あの時のように黎は何も悪くないから気にするなって言って嘘の笑顔を見せていてはダメなんだ。あの時も黎は納得していなかったのかもしれない。それが今になって表面化してきたのではないかと思う。

黎は同じ大学に進学して来た。ここで見たオレをどう思ったのだろう。あの頃とは違う1人でいるオレを見てどう思っただろう。高校の頃はいつも友達に囲まれていたから。今のオレとは真逆なオレしか知らない黎はどう思ったのだろう。

考えてもオレは黎じゃないからわからないのに思考はグルグルとオレの頭の中を渦巻いて、結局一晩中寝る事が出来ずに朝を迎える。

今日は達樹と話をしなきゃな。

眠れなかった事で身体が重い。洗面所で見たオレの顔は最悪だった。

風呂に入ってなかった事を思い出し、熱いシャワーを頭から浴びるけどスッキリしない。

朝飯も食べる気にならずに重い身体と心のまま学校に向かう。

何だか講義を受ける気にもならず、オレはいつもの楠の木の下のベンチに座りぼーーっとしていた。

「やっぱりな。」

達樹の声がして振り向く。

「達樹…。」


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~ Comment ~

遅コメでスミマセン(>_<) 

Rinさま、またまた失礼します!

あららららららら‥‥
これは自覚してない凪くんを挟んで
三角関係?

どうしよう‥私は達樹くんが好きなので
勿論、達樹くんを応援しますけど‥

‥でも‥えーーーっ!
凪くんが黎くんのことを好きだったらどうしよう(/_;)
‥‥って、まだ分かんないのにオロオロして
どうするのでしょう(笑)

ほんとうの恋愛を知らない凪くん‥
三角関係は彼をますます混乱させてしまうのでは‥
わー‥大変だ。

オロオロしないで、動揺しないで
三人のことみつめていたいと思います。

でも達樹くんが好き~~i-237

連コメ失礼いたしました。
レスは気になさらないで下さい。
ほんとうにゆっくりで構いませんので。
お邪魔いたしましたm(__)m

Re: 遅コメでスミマセン(>_<) 

ハル様連コメ…。こちらにまで(TωT)ウルウル ありがとうゴザイマス☆

(゚m゚*)プッそうなんです。凪は何も知らないニブイお子ちゃまなんです((´∀`*))ヶラヶラ

何だか何も知らないコを書きたくなって始めましたが、凪をBLに持って行けるのかってちょっと焦ってたりオします。だってもう20話を超えているのにRが無いんです(゚m゚*)プッ
まあ、私のお話を読んで下さっている方は「またか」と思ってくださるでしょうが…。

達樹も黎もニブイ凪をどうしてくれるのか楽しみです。
ハル様は達樹がオ好きでしたものねぇ。黎もこれからわかってくると思いますので黎も好きになっていただけたら…。

黎も黎でいろいろと辛い気持ちを抱えているのです。そりゃそうですよね。凪の足を潰したのが自分だってわかっていますから…。

この3人の恋模様どうなっていくのでしょうか?まずは凪に恋愛させなくてはってそこからかいっ!!って話ですが・・・。

ハル様連コメありがとうございました☆

ゆっくりハル様の所にも遊びにいきますからねーー(。◠‿◠。✿)ぅんぅん
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