貴方の腕の中で

貴方の腕の中で21

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マンションに着き、お礼を言って降りようとすると、友哉サンに腕をつかまれた。


「何っ?」


「あっ。ごめん。これ薬渡そうと思って・・・。」


そう言って薬の入った袋を手渡された。


「彩華は医者なんだ。あっ。彩華ってさっきマンションにいた人な。彩華がオマエを見てくれたんだ。アンナ事だったから、オマエ病院は嫌かなって思ってさ。」


友哉サンは気を使ってくれたみたいだけど、彼女でなく病院の方がよかったなんて思ってしまう。


「軟膏はうしろに塗れよ。さっきは蓮、意識飛ばしてたからオレが塗った。なんか彩華に塗らせるのがイヤでさ。」


ズキズキと胸が痛んだ。彼女に他の男の後ろの穴に薬を塗らせるのはイヤだって聞こえた。実際そう思うんだろな。


「蓮!!ごめん、イヤだったよな。薬塗られるの。でも塗らないと治らないから・・・。だから泣くなよ。蓮・・・。」


いつの間にか涙が頬をぬらしていた。


自分でも思っていたよりボクは友哉サンのことが好きだったのだと改めて気づく。


「あっ。ご・ゴメンな・・さい。ボクこそ、友哉サンに嫌な思いさせてごめんなさい。じゃ、ボク帰ります。服はクリーニングしてお返しします。」


そう言うと、ボクは友哉サンが何か言おうとするのも聞かず、マンションに入って行った。


自分の部屋まで駆け込む。


玄関の鍵をかけるとたまらず、玄関先で声を出して泣き出してしまった。


どれほど泣いていたのだろう。


寒い玄関で暖房もつけず、シャツだけでいたためか寒気がする。


ボクはのろのろとリビングへ入ると、ソファーへ座り、コテンと頭をもたれかける。


もう忘れなきゃ。


これまでも一人だったもの。元の生活に戻ればいいだけ。


そう思うものの涙はいつまでも止まらない。


ボクはそのまま薬も飲まずに寝てしまった。


次の日の朝、身体は熱いのに寒くて目が醒める。


昨日、薬も飲まず、布団も着ずにソファーで寝たので風邪を引いたらしい。


職場に電話し休みをもらう。あまりのしんどそうな声に3日休めと主任が言ってくれたので、申し訳ないと思いつつもありがたく休みをもらう。


病院に行く元気もないので、とりあえず、水を飲もうとキッチンへ行こうとして立とうとして力が入らずこけてしまう。


「これ、マジヤバイみたい・・・。」


なんとかはいずって冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し昨日もらった薬だけでも飲む。


「軟膏・・・。塗らないと・・・。」


友哉サンに昨日は塗られたのだと思うと、恥ずかしくて赤面する。


見られちゃったんだな・・・。


恥ずかしいと思ってたのが一転し、穢れたものを見られた事、昨日の出来事を思い出し、ガタガタと振るえがきた。


「ヤバイ・・・。このままじゃ、落ちていく。早く寝なきゃ・・・。」


結局、軟膏は薬のおかげで酷くは痛まなかったので塗らずに、ボクははいずってベッドにもぐりこむ。


薬のおかげか程なく眠りに落ちていく。


夢の中で裕之兄ちゃんと過ごしていた。楽しく二人で過ごしていたのに彼女が呼びに来て、裕之兄ちゃんはボクを振り返りもせず、彼女と行ってしまう。


次は友哉サンだった。優しく、安心で切る声で『蓮』と何度も呼んで、頭をなでてくれる。


嬉しくて『友哉サン、好き』と言うと友哉サンは『やめろよ。そんなつもりねぇ。汚らわしい。オレには彩華が居るんだ』とボクを汚いものでも見るような目で見て去っていく。

「行かないでっ!!」


叫んだところで目が醒めた。


びっしょりと汗をかいていて気持ち悪い。


ますます熱は上がってるみたいだ。


身体の節々が痛くて悲鳴を上げる。


一人でいるのが寂しくて仕方なかった。


「今までも一人だったじゃないか。」つぶやくけど、暖かかった日々を知ってしまったボクはもろかった。


そのまま意識を手放す。


「ボクは死んでしまうのかな・・・。」


一人でいるとホントにそうなってしまう気がした・・・。


         ・

        
         ・


         ・




ボクのおでこに冷たいものがのっかった。


「冷たくて気持ちいいな」なんだか微笑んでしまう。


そして、もう大丈夫だよっていうように何度も優しく頭をなでられる。


くすぐったいけど気持ちいい。安心できるな。


「もう大丈夫だからな。ゆっくり休め」


頬をなでられ嬉しくてその手に頬ずりする。


その手を離したくなくて、「一人にしないで・・・。」とその手を掴むと


「ずっと傍にいるから、安心して寝ろ」と優しい声がする。


ボクは安心してそのまま深い眠りについた。


このまま、もう醒めなくてもいいと思いながら・・・。







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