「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして49

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達樹に好きだと言われ、オレも達樹に好きだと告白してお互いの気持ちを確信しあってキスをした次の日。オレは昼休み、いつものベンチではなくカフェテラスで黎と待ち合わせした。

黎の気持ちを知ってながら、黎に追い討ちをかけるように報告するのは少しためらわれたけど、オレはちゃんと自分の口から黎を見て言いたかった。

1人カフェテラスでアイスカフェオレをストローでかき回す。黎を待っている間は落ち着かなくて…。黎にさんざん甘えておきながら、黎ではなく達樹を選んだんだという事を伝える事が正直辛かった。でもオレに正直に真正面から来てくれた黎に、ちゃんと返事をしなければお互いに居心地の悪いままなのだと自分の気持ちを奮起させる。

カフェオレを一口飲み、息を大きく吐き出した時に黎が真っ直ぐにこっちに向かってきた。

「先輩、待たせてすいません。」

「黎…。先輩って…。」

「だって凪さんって呼ぶにはね。」

「黎…。ごめん。黎の気持ち知っててさんざん甘えてたのに…。オレやっぱり達樹が好きなんだ。」

「わかってますよ。言ったでしょ。先輩の気持ちはわかってるって。それでもオレの方に向かせて見せるって思ってたけど、オレじゃ先輩を心から幸せにする事は出来ないってわかってました。いつでも先輩の頭の中にも心の中にも達樹さんがいたから。覚悟はしてたんです。いまでもオレ先輩の事好きです。高校の時からですから、そんなに簡単にこの気持ちが消えるわけないです。」

「黎…。」

「ほんとは今日はその話だろうなってわかってて、先輩に諦めないって言うつもりだったけど、先輩の顔みたら諦めるしかなさそうですね。今日の先輩はすごく幸せそうな顔してる。1人で居た時と違う穏やかな優しい顔してますよ。高校の時のようなキラキラした感じがします。オレが先輩をそうしたかったけど、そう出来たのは達樹さんなんですね。すごく悔しいです。」

「黎。ごめん。」

「謝らないでください。オレは先輩が幸せならそれでいいんです。でも、達樹さんが先輩をなかせるような事があったらオレ、遠慮なく先輩の事奪いますからね。それだけは覚えておいて下さい。オレ案外しつこいですよ。」

黎は笑いながらオレに負担のないようにおどけて言ってくれる。黎の優しさが胸に痛かった。

「ありがとう黎。オレの事を好きになってくれて。」

「先輩。これからもオレの先輩でいてくれますか?今はまだちょっと辛いけど、先輩に事を人間として好きなんです。友達でいたい。」

「当たり前だ。黎さえよければオレも黎と友達でいたい。黎は可愛い後輩である事に変わりはないんだから。」

「よかった。達樹さんと先輩を見てるのはちょっと辛いけど、ちゃんと見て置かないと達樹さんが先輩を悲しませるかもしれないから。達樹さんにもその事言っておいて下さいね。」

「ああ。言っておく。黎バイトは?」

「もちろん続けますよ。あの店オレ好きなんです。スタッフのみんなも。先輩に振られたから辞めますなんてカッコ悪いじゃないですか。」

「そうか。よかった。アキさんが黎の事よく褒めてて助かるって言ってたから。」

「そうなんですか?嬉しいなあ。オレ頑張ります。志希さんに負けないように。」

「黎なら大丈夫だよ。志希なんかすぐに超えるさ。」

「そんな事言ったら志希が泣きますよ。」

「ほんとだ。黎、志希には内緒な。」

「はい。じゃ先輩オレ次の講義の用意があるので先に行きます。」

「ああ。ありがとう黎。またな。」

黎は怒る事もなじる事もしなかった。

「黎、覚悟してたって言ってたな…。」

カランと氷が溶け落ちて窓の外を見ながらぼーーっとしていた。

「凪、黎と話は終ったのか?」

いつの間にか達樹がテーブルに座ってオレを見てた。

「何時来たんだ?気が付かなかった。」

「さっき。凪ずっと外見てたな。」

「うん。黎にちゃんと言った。黎、覚悟はしてたって。オレの気持ちわかってたって言ってた。」

「そうか…。」

達樹がオレの頭をポンポンと叩く。

「黎が達樹にオレの事を悲しませたら奪うからって言っといてって。」

「残念だけどそれはないな。黎に凪を渡すような事はしない。」

「うん…。」

2人の間に沈黙が訪れるけど、それは嫌なものではなく何も言わなくて良いという達樹の気持ちの表れだった。オレは少しの間切ない気持ちで外を眺める。達樹のそんな小さな心遣いが嬉しかった。


「達樹、今日はバイトだから。」

「凪は毎日バイトだろ。日曜日以外は入ってるじゃないか。」

「はは。そうだな。でも早あがり出来る日もあるから。」

「そうなんだ。じゃ、今度その早あがりのある日はオレの家でメシ食わないか?」

「いいけど、達樹が作るのか?」

「ああ。オレも自活長いからな、それなりには作れる。何か食いたい物あるか?」

「イタリアンとか洋食が多いから和食がいい。」

「わかった。じゃ、早あがりの日がわかったら教えてくれな。」

「達樹の料理か。楽しみだな。」

「それまでに、今度の休みはデートしようぜ。」

「デートとか言うな。遊びに行こうでいいだろ。恥ずかしい奴め。」

「凪赤くなってるぞ。」

「達樹が変な事言うからだろ。」

「まあいいや。じゃ遊びに行こう。どっか行きたいトコあるか?」

「思いつかないなあ。達樹に任せるよ。」

「よし、最高のデートプラン立ててやるよ。」

「だからデートとか大きな声で言うなっ。」

バコッてカバンで達樹の頭を殴ってその場を離れる。周りのテーブルから痛いほどの視線を浴びてるのに達樹は気が付かないのか平気なのか。達樹の心臓は鉄で出来てるんじゃないかと思う。

「おい凪待てよ。」

達樹があわてて追い掛けてくると怒ってた顔が緩んでくるのが自分でもわかる。好きな人と一緒に時間を共有出来ること、同じ空気を吸う事、好きな人を傍で感じる事が出来る事すべてが嬉しくて愛しくて…。大切にしたいなって思う。

「何ニヤニヤしてんだ?」

「何でもない。」

「オレは今凪といれて幸せだなって思ってる。前もそう思ってたけど、気持ちが繋がった今はより深くそう思う。」

達樹も同じ事を思ってた事に喜びを感じる。

「オレも今達樹と同じ事を思ってた。」

バカみたいだけど同じ事を感じれるっていいなって思う。この前までは友達だったのに、今は恋人でそれだけで感じる事が違うんだ。いつまでもこのまま幸せが続けばいいなって思う。でも今は心が満たされてるけど、そのうち心だけじゃなく身体も結ばれたいと思うだろう。その時オレはちゃんと受け止められるのだろうか。幸せなのに少し不安が心の底にあることは達樹には言えなかった。



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~ Comment ~

 

拍手が22でした。これってふーふ・とも読めるんですよね?

なんかくすぐったいです。

はれて両想い、凪、達樹、おめでとう。
第一ステージクリア、ですね。
次は初デートかぁ・・・。

まだ障害はたくさんあるけど、ゆっくり、協力して一つづつ乗り越えていってほしいなあ。
あ、達樹、くれぐれも凪を泣かせないように。
すぐ後ろに黎が待ってるよ―。

Re: タイトルなし 

ますみ様こんばんは☆

返コメが遅れてごめんなさいですm(o・ω・o)mゴメンヨ

拍手22でふーふって確かにくすぐったいかも…。みなさんが拍手してくださるのでとても励みになります。多かった時はすごくビックリしました。過去作みたらすごい増えててオロオロしました(笑)

さて、達樹と凪ははれて恋人同士ですがなんせ女の子との恋愛もロクに経験しておらず、ましてや男の子との恋愛は凪にはハードルが高そう?達樹がどこまでリード出来るのか我慢出来るのかにかかってる?後には、はいますみ様の言うとおり黎が目を光らせております(゚m゚*)プッ

不器用な凪の行く末を見守ってやって下さいませ☆

ますみ様コメアリガトウ✾“ヽ(。◕‿◕。)ノ”ございました☆
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