S.S

願い事叶えてくれる?(前編)

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「貴志、お願いがあるんだけど?」


「またか・・・。勇人のお願いはキリがないからな・・・。」


オレは貴志のことが好きだ。


友人として好きなのではなく、恋愛としての好きだ。


どうして貴志なのかはわからない。


普通に女の子が好きだと思っていたのに、気がつけば貴志のことで頭がいっぱいになってた。


男子校で傍にいたのが貴志だったからそう思うんだ、気の迷いだと思おうとしたけど、貴志が笑うとその笑顔が眩しかったり、話しているとついその薄い唇に触れたくなったり、その力強い手で抱きしめて欲しいと思ったりしてる自分に気がついて、貴志のことを好きなんだって自覚した。


いろいろな願い事を言って、貴志がそれを叶えてくれるたび、貴志がオレの事を疎ましく思ってないか確認してしまう。



「何だよ。お願いって・・・。」


オレは少し間をおいて、覚悟を決めて口にする。


「貴志。オレとずっと一緒にいてくれるか?」


明確ではないけど、コレはオレの告白だった。


「何だよ。そのお願い・・・。ずっとなんて無理に決まってるだろ。大学に行き出したら環境も友ダチも変わる。彼女が出来たらそっちが優先になる。ましてや社会人になったら、それこそ無理だろ。それにいつかは結婚して家庭が出来るんだから・・・。まぁ、友人としてなら出来るかもしれないけどな・・・。」


あきれたように貴志は言う。貴志にはオレの告白は通じない。当たり前だけど・・・。


貴志の頭の中にオレは友人としてしか残らないのはわかってたのに・・・。


会わなくなったら、頭の片隅に追いやられ、その内忘れられてしまうかもしれない存在がオレなのだ。


「そう・・・だよな・・・。変な事言って悪い・・・。」


オレは涙があふれてきて顔を俯けたまま後ずさると「腹いてぇから先に帰る」と走り出す。


「おいっ。勇人!!」



呼吸が出来なくなるほど走り、足がもつれて転倒する。


とたんに嗚咽がこぼれ涙がコレでもかってくらいに流れ出す。


「そうだよな。オレがずっと貴志の傍にいれるハズないじゃん。バカだ。オレ・・・。こんなに貴志の事が好きなんだ。」


オレと貴志の未来・・・。


確かに友人と決めれば何とか一緒にいられるかもしれない。それもオレが貴志に連絡をしてなら・・・。貴志から連絡がくるとは思えない。


オレの一番の願い事は貴志の恋人としてずっと一緒にいることだから・・・。


叶えられることのない願い・・・。











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