S.S
ずっと一緒に
「ずっと一緒って言ったのは尚だろ・・・。」
オレは目を醒ますと、いつも横にあった温もりがないコトに言いしれぬ寂しさを感じた。
一緒に暮らしはじめて向かえたX‘masは温かくて幸せだった。
一緒に過ごせる毎日を神様に感謝した。
「ずっと一緒だよ。誠。」そう言ったのは尚なのに・・・。
「尚、仕事はいつまで?」
「んと、今日が仕事納め。」
「オレ明日だ。」
「ボク今日昼までだし大掃除しとくね。」
「あさって二人ですればいいだろ。」
「ダメだよ。ボク掃除終わったら家に帰るから。」
「えっ。どうしても帰らなきゃいけないのか?」
「だって、家族に顔みせとかなきゃ。母さんに用事あるし・・・。」
「いつでも顔みせれるだろ。」
「何?いつも一緒にいるじゃん。何でそんなに怒るのさ。変だよ誠。」
年末は尚と過ごせるものとばかり思っていた。
いつでも家族とは逢えるのに何も年末に帰る事ないだろ。
新しい年を尚と二人で迎えたいんだ。
いつも一緒にいるのが当たり前だと思ってた。
オレは幼い頃に両親をなくしてて家や家族はいない。
オレの家族は尚だけだ。
でも尚はそうじゃない。
寂しいと思うのはオレの我儘なんだろうな。
「もう、勝手に怒ってなよ。ボクは仕事に行くから!!」
「おいっ。なおっ!!」
怒ったまま尚は出掛けて行く。
いつもなら駅まで一緒に行くのに・・・。
それからも尚は怒っているのか携帯にも出ず、メールの返事もなかった。
「ただいま・・・。」
いつもなら「おかえり」と笑って迎えてくれる尚はいない。
部屋は尚が掃除をしてくれて綺麗になっていた。
置手紙もなく、尚だけがいない。
いつ帰ってくるのか、もしかしたらもう帰ってこないのか・・・。
一人で暮らしていた頃は何とも思わなかったのに、人の温もりを知ってしまったオレは弱くなった。
メシを食べる気にもならず、ビールをあおる。
静かすぎてたまらなくなり見る気もないTVをつける。
携帯には尚からの連絡はない。
「明日で仕事収めか。あさっては尚と新年用に買い物に行こうと思ってたのにな・・・。」
仕事終わりに飲み会に誘われたが、行く気にもならず、もしかしたら尚が帰ってきてるかもしれないとマンションへ帰る。
「オレってバカだな・・・。」
もちろん尚がいるわけもなく、休みもダラダラと過ごす。
大晦日。もうすぐ新しい年に変わる。
芸人が面白くもないギャグを飛ばすTVをぼーーーーっと見るでもなくオレはソファに寝転んでいる。
ヒゲも伸び、寝癖のついた頭でだらしなくスエットで過ごす。
「尚が見たら『もぅっ。だらしなさすぎっ。オヤジじゃんっ。』て怒られるんだろうな・・・。」ぼそっと呟くと
「わかってんなら、ちゃんとしてっ。そんなだらしない誠やだっ。イケメン半減じゃんっ!!」
「エッ。な・・・お?」
「なおじゃないよ。早くちゃんとして。年越えちゃう。お風呂入ってきて。早くっ。」
わけがわからないまま、とりあえず尚に言われたとおりにする。
風呂から出ると、年越しソバが出来ていた。
「誠。早く食べないと年が明けちゃうよぉ」
「おお。いただきます。」
尚の作る料理はうまい。
尚がいなくなってから、メシもロクに食ってなかった事を思い出す。
「やっぱ、尚の作る料理はうまいな。」
嬉しそうに食べるオレを見て微笑む尚。
「ごめんな。尚。怒ったりして。尚と年末も年始も一緒にいたかったから。オレ大人げなかった。」
「ふふっ。誠が子供っぽいのはわかってるよ。寂しかったんでしょ。」
「うん。」
「ボクこそごめんね。連絡しなくて。忙しくて・・・。」
「いい。こうして帰って来てくれたから。」
ごーーーーーん。
除夜の鐘の音が聞こえる。
「今年が終わるね。」
「尚、今年もありがとう。」
「ボクこそありがとう。」
新年に向けてのカウントダウンをTVが始める。
5・4・3・2・1
A HAPPY NEW YEAR!!
オレと尚は自然と顔を近づけ口付けをかわす。
「今年もよろしくね誠。」
「こちらこそ。」
二人で笑い会う。
「姫始めだな。」
「もう、誠ってばっ。」
赤い顔をして俯く尚を横抱きにしベッドに横にする。
「何日も尚不足だったんだから、ちゃんと補充しないとな。」
「うん。ボクも誠不足だ。」
こうして新しい年が明けた。
次の日。
「わっ。すげぇ。尚が作ったのか?」
「そだよ。母さんに教えてもらって。大変だったんだ。誠に少しでも家族の味をと思って。」
テーブルの上にはこれでもかってぐらいのご馳走と。三段に詰め込まれたおせち。
「ビックリさせたくて、家に帰る訳が言えなかった。」と尚は呟く。
家族の味なんて忘れてしまったオレのために頑張ってくれた尚が愛しくて仕方ない。
「尚、ありがとう。嬉しいよ。」
「当たり前じゃん。ボクは誠のたった一人の家族だもの。さぁ食べよっ!!」
オレの愛しい恋人。
これからもずっと一緒にいてくれよな。
「誠。ずっと一緒だよ。」
Fin
お正月特別第二弾です。遅い時間の更新になってしまいました。んんん。拙いかな。少しでも楽しんでもらえたらいいのですが・・・。
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一緒に暮らしはじめて向かえたX‘masは温かくて幸せだった。
一緒に過ごせる毎日を神様に感謝した。
「ずっと一緒だよ。誠。」そう言ったのは尚なのに・・・。
「尚、仕事はいつまで?」
「んと、今日が仕事納め。」
「オレ明日だ。」
「ボク今日昼までだし大掃除しとくね。」
「あさって二人ですればいいだろ。」
「ダメだよ。ボク掃除終わったら家に帰るから。」
「えっ。どうしても帰らなきゃいけないのか?」
「だって、家族に顔みせとかなきゃ。母さんに用事あるし・・・。」
「いつでも顔みせれるだろ。」
「何?いつも一緒にいるじゃん。何でそんなに怒るのさ。変だよ誠。」
年末は尚と過ごせるものとばかり思っていた。
いつでも家族とは逢えるのに何も年末に帰る事ないだろ。
新しい年を尚と二人で迎えたいんだ。
いつも一緒にいるのが当たり前だと思ってた。
オレは幼い頃に両親をなくしてて家や家族はいない。
オレの家族は尚だけだ。
でも尚はそうじゃない。
寂しいと思うのはオレの我儘なんだろうな。
「もう、勝手に怒ってなよ。ボクは仕事に行くから!!」
「おいっ。なおっ!!」
怒ったまま尚は出掛けて行く。
いつもなら駅まで一緒に行くのに・・・。
それからも尚は怒っているのか携帯にも出ず、メールの返事もなかった。
「ただいま・・・。」
いつもなら「おかえり」と笑って迎えてくれる尚はいない。
部屋は尚が掃除をしてくれて綺麗になっていた。
置手紙もなく、尚だけがいない。
いつ帰ってくるのか、もしかしたらもう帰ってこないのか・・・。
一人で暮らしていた頃は何とも思わなかったのに、人の温もりを知ってしまったオレは弱くなった。
メシを食べる気にもならず、ビールをあおる。
静かすぎてたまらなくなり見る気もないTVをつける。
携帯には尚からの連絡はない。
「明日で仕事収めか。あさっては尚と新年用に買い物に行こうと思ってたのにな・・・。」
仕事終わりに飲み会に誘われたが、行く気にもならず、もしかしたら尚が帰ってきてるかもしれないとマンションへ帰る。
「オレってバカだな・・・。」
もちろん尚がいるわけもなく、休みもダラダラと過ごす。
大晦日。もうすぐ新しい年に変わる。
芸人が面白くもないギャグを飛ばすTVをぼーーーーっと見るでもなくオレはソファに寝転んでいる。
ヒゲも伸び、寝癖のついた頭でだらしなくスエットで過ごす。
「尚が見たら『もぅっ。だらしなさすぎっ。オヤジじゃんっ。』て怒られるんだろうな・・・。」ぼそっと呟くと
「わかってんなら、ちゃんとしてっ。そんなだらしない誠やだっ。イケメン半減じゃんっ!!」
「エッ。な・・・お?」
「なおじゃないよ。早くちゃんとして。年越えちゃう。お風呂入ってきて。早くっ。」
わけがわからないまま、とりあえず尚に言われたとおりにする。
風呂から出ると、年越しソバが出来ていた。
「誠。早く食べないと年が明けちゃうよぉ」
「おお。いただきます。」
尚の作る料理はうまい。
尚がいなくなってから、メシもロクに食ってなかった事を思い出す。
「やっぱ、尚の作る料理はうまいな。」
嬉しそうに食べるオレを見て微笑む尚。
「ごめんな。尚。怒ったりして。尚と年末も年始も一緒にいたかったから。オレ大人げなかった。」
「ふふっ。誠が子供っぽいのはわかってるよ。寂しかったんでしょ。」
「うん。」
「ボクこそごめんね。連絡しなくて。忙しくて・・・。」
「いい。こうして帰って来てくれたから。」
ごーーーーーん。
除夜の鐘の音が聞こえる。
「今年が終わるね。」
「尚、今年もありがとう。」
「ボクこそありがとう。」
新年に向けてのカウントダウンをTVが始める。
5・4・3・2・1
A HAPPY NEW YEAR!!
オレと尚は自然と顔を近づけ口付けをかわす。
「今年もよろしくね誠。」
「こちらこそ。」
二人で笑い会う。
「姫始めだな。」
「もう、誠ってばっ。」
赤い顔をして俯く尚を横抱きにしベッドに横にする。
「何日も尚不足だったんだから、ちゃんと補充しないとな。」
「うん。ボクも誠不足だ。」
こうして新しい年が明けた。
次の日。
「わっ。すげぇ。尚が作ったのか?」
「そだよ。母さんに教えてもらって。大変だったんだ。誠に少しでも家族の味をと思って。」
テーブルの上にはこれでもかってぐらいのご馳走と。三段に詰め込まれたおせち。
「ビックリさせたくて、家に帰る訳が言えなかった。」と尚は呟く。
家族の味なんて忘れてしまったオレのために頑張ってくれた尚が愛しくて仕方ない。
「尚、ありがとう。嬉しいよ。」
「当たり前じゃん。ボクは誠のたった一人の家族だもの。さぁ食べよっ!!」
オレの愛しい恋人。
これからもずっと一緒にいてくれよな。
「誠。ずっと一緒だよ。」
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- 願い事叶えてくれる?(後編)
- 願い事叶えてくれる?(前編)
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未分類

もくじ
✽✽✽目次✽✽✽

もくじ
ご挨拶

もくじ
貴方の腕の中で

もくじ
たとえこの世の終りが来ようとも

もくじ
キミが思い出になる前に

もくじ
月と太陽がすれ違う時

もくじ
S.S

もくじ
イラスト

もくじ
頂きもの☆

もくじ
雑記

もくじ
土曜の雨のジンクス

もくじ
さよならが言えなくて。

~ Comment ~
Re: ハートフルです (´∀`)!
chie様こんばんは☆
うぎゃー。恥ずかしいです(*ノωノ)
まだ書き出した当初で今読むと幼過ぎて恥ずかしい…。
めっちゃ短編で甘さだけを書いたような気がします。ほっこりできる一場面を想像して…。
読み返しまでしてくださって(。◕‿-) ありがとう ✿
次は海人と響夜ですか。色々と読んで下さってありがとです。ほんとに嬉しい‼
またこんな短編が書けたらいいのですが、最近の傾向は長編になっちゃってて…。短編って難しいです。
『キラキラ』も3話でやっと終えた感じで…。Chie様のお好みのお話がいつか書けるように頑張りますキラリo(`・ω´・+o) ぅぃ
Chie様も関西なのですね。暑いですよね。まだ日焼け止めがいるもんね。車に乗る時とか日焼け止めが手放せない。今日の朝は涼しかったけど…。早々と長袖で日差しカットです。
夏バテなんとか収まったんですけど、左手の腱鞘炎と頚椎を痛めててリハビリの毎日です。でも頑張って更新しますので又、お時間がある時に遊びに来てくだされば嬉しいです。
Chie様コメ゚・*:.アリガ。.ヾ(❀◕ω◕)ノ ゚・*トゥ:.。゚・*ゴザイマシタ☆
うぎゃー。恥ずかしいです(*ノωノ)
まだ書き出した当初で今読むと幼過ぎて恥ずかしい…。
めっちゃ短編で甘さだけを書いたような気がします。ほっこりできる一場面を想像して…。
読み返しまでしてくださって(。◕‿-) ありがとう ✿
次は海人と響夜ですか。色々と読んで下さってありがとです。ほんとに嬉しい‼
またこんな短編が書けたらいいのですが、最近の傾向は長編になっちゃってて…。短編って難しいです。
『キラキラ』も3話でやっと終えた感じで…。Chie様のお好みのお話がいつか書けるように頑張りますキラリo(`・ω´・+o) ぅぃ
Chie様も関西なのですね。暑いですよね。まだ日焼け止めがいるもんね。車に乗る時とか日焼け止めが手放せない。今日の朝は涼しかったけど…。早々と長袖で日差しカットです。
夏バテなんとか収まったんですけど、左手の腱鞘炎と頚椎を痛めててリハビリの毎日です。でも頑張って更新しますので又、お時間がある時に遊びに来てくだされば嬉しいです。
Chie様コメ゚・*:.アリガ。.ヾ(❀◕ω◕)ノ ゚・*トゥ:.。゚・*ゴザイマシタ☆
- #394 † Rin †
- URL
- 2012.09/19 19:27
- ▲EntryTop
聖夜に沁みました。。
Rinさん。こんばんわ。
S・S、2作読ませていただきました。。
「願い事叶えてくれる?」、第三者がいることで潜在意識に気づかされる感じと最後の今だけを見つめている感じが心に残こります。。
先の事なんてだれも分からないから、今、目の前にいる大切な人を見つめていたい。この想いを大切にしたい。
初々しくて純粋な愛情が好きです。
「ずっと一緒に」、尚不足・誠不足。お互いを思う存分補充し合う。。大好きな人に心も身体も満たされたい想い。。
こうゆう気持ち、堪らないです////
なんだか、纏まりなくてごめんなさいm(_)m
2作とも好き過ぎるシチュ。。満たされました。。
今宵もありがとうございましたヽ(*´∀`)ノ
Mill
S・S、2作読ませていただきました。。
「願い事叶えてくれる?」、第三者がいることで潜在意識に気づかされる感じと最後の今だけを見つめている感じが心に残こります。。
先の事なんてだれも分からないから、今、目の前にいる大切な人を見つめていたい。この想いを大切にしたい。
初々しくて純粋な愛情が好きです。
「ずっと一緒に」、尚不足・誠不足。お互いを思う存分補充し合う。。大好きな人に心も身体も満たされたい想い。。
こうゆう気持ち、堪らないです////
なんだか、纏まりなくてごめんなさいm(_)m
2作とも好き過ぎるシチュ。。満たされました。。
今宵もありがとうございましたヽ(*´∀`)ノ
Mill
Re: 聖夜に沁みました。。
Mill様こんばんは☆
去年の企画のS.S読んでくださったんですね。
あれは始めた頃ので、拙すぎて恥ずかしいのですが、愛いっぱいを書きたくて、みんなが幸せになれるようにとねがって書きました。
みんなが幸せになる事は難しいけれど、ちょっとした話を読んで、少しでもホッとしていただけたら嬉しいです。
Mill様はとても丁寧に作品を読んでくださるので、こちらも身の引き締まる思いです。
色んな事がありながらも純粋に愛に向かっていく2人を描けて行けたらなって思っています。
Mill様コメありがとうございました☆
去年の企画のS.S読んでくださったんですね。
あれは始めた頃ので、拙すぎて恥ずかしいのですが、愛いっぱいを書きたくて、みんなが幸せになれるようにとねがって書きました。
みんなが幸せになる事は難しいけれど、ちょっとした話を読んで、少しでもホッとしていただけたら嬉しいです。
Mill様はとても丁寧に作品を読んでくださるので、こちらも身の引き締まる思いです。
色んな事がありながらも純粋に愛に向かっていく2人を描けて行けたらなって思っています。
Mill様コメありがとうございました☆
- #699 † Rin †
- URL
- 2012.12/25 01:13
- ▲EntryTop
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ハートフルです (´∀`)!
「願い事叶えてくれる?」「ずっと一緒に」
ほのぼのとしたお話ですね。(//∀//)
午後のtea timeのような・・・・
こんな感じ、わたし大好きです。
「ずっと一緒に」は、何度も読み返ししちゃいましたよ。
次は、
「キラキラと蛍の舞う場所」に行って、海人くんと 響夜さんに会ってきます。
大阪の日中はまだまだ日焼け止めが入りそうなぐらいです。
雨が降ったら豪雨だし・・・
夏バテ・大丈夫ですか 気をつけてくださいね。