貴方の腕の中で

貴方の腕の中で26

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「んーーー。そうね。身体の傷や打撲は大丈夫みたいね。後は後ろの裂傷と腫れはもう少し時間がかかるかもね。座ってて痛みはない?」


「はい。ちょっと痛いですけど、我慢出来ないコトはありません。」

「排泄は出来てる?後ろ・・・。」

ストレートに聞かれてぶわっと顔が赤くなる。

「・・・えと、まだ・・・。」

「出てないの?精神的にきてるのかなぁ。出やすいように下剤を処方しておくわ。便秘になってからじゃもっと辛いからね。」

「ハイ・・・。」

「じゃ、後ろ軟膏塗るから下着おろしてベッドに寝て下さい。」


いくら友哉サンのお姉さんでも、これだけは嫌なんだけど、そんなことも言ってられず、おずおずと脱ごうとする。

「おい。彩華。それはオレの役目だ。」

ずっと診察の間、傍に居た友哉サンが彩華さんに声を掛ける。

「アンタ、何言ってんの。これは医療行為なの。資格のないアンタに任せるわけにはいかないでしょ。」

「いいの。いいの。蓮のことはオレがすべて面倒見るんだから。いつも薬塗ってるのはオレなんだから。なっ。蓮。」


実際に友哉サンに薬は塗ってもらっている。自分ではちゃんと濡れないから・・・。

友哉サンに塗られるのも恥ずかしくて仕方ないけど、彩華さんに塗られるのはもっと恥ずかしい。

「ごめんなさい。友哉サンがいいです・・・。」

蚊の鳴くような声で言うと、仕方ないわねと彩華さんはカーテンをひいてくれる。

「友哉、このことは絶対に誰にも言わないでよ。始末書もんだわ。ハァ・・・。」

わざとらしい彩華さんのため息に友哉サンはニッと笑い薬を塗ってくれた。

塗り終わってから、ボクのお尻にキスを落とし驚いたボクの唇にも何度もキスを仕掛けてきたので、ボクは「んっ・・・。」と声をこらえるのに必死になる。

キッと友哉サンを睨み付けると耳元で「蓮のその顔はオレを煽るだけなんだけど・・・。かわいいな。蓮。」そういって髪の毛をクシャクシャとなでる。

「もぉ・・・。友哉サンてば・・・。」

顔を真っ赤にして俯いた時、ゴホンって彩華さんの咳払いがして

「ここ診察室なのよ。看護士は遠ざけてるけど、わかってんの?アンタ達。まったく、恋人になったばかりだからって色んなトコでイチャイチャしないの。アンタ達は普通の社会ではマイノリティなんだから、よく考えて行動しなさいよ。特に友哉っ。」

「チッ。わかってるよ。オレは蓮をちゃんと守るさ。」

「ありがとう。友哉サン。ぼくも友哉サンを守る。」

お互いに顔を見合わせて微笑む。

「はいはい。ここでお惚気やめてくれる?私わびしくなるわ。」

呆れ顔の彩華さんに「ごめんなさい」と言うと「いいのいいの。蓮くんは。もういいわよ。外で薬出してもらってね。友哉は残って。お説教よ!!」

「ええええええっ。マジ?」

「ええ。マジよ。」

仲のいい二人に笑いながらボクは診察室を後にした。


蓮が出て行った後、二人の間には緊張感の漂う空間となっていた。


「友哉。アンタ、ほんとに本気で蓮クンと付き合うのね。」


「ああ。オレはもう蓮しか愛せない。」


「ああ。勘違いしないで。男同士だからって蔑んだりしてるわけじゃないのよ。愛の形にはいろいろあって、人間として愛してしまったのがたまたま男同士だったってだけでしょ。」


「彩華がそういってくれると安心するわ。なんせ、男を好きになった事なんてないから、とまどってる部分も確かにある。」

「蓮クンも戸惑ってると思うわ。今は恋人になれたことで幸せなんだろうけど、これから先のこと。アンタはもともとノンケなんだから、捨てられると思うかもしれないし、アンタの過去の恋愛もロクなもんじゃないからね。蓮クンを傷つけたら許さないわよ。私蓮クン気にいってるんだから。」

「せいぜい、彩華に蓮を取られないようにするさ。」

「あと、これが肝心。アンタ達まだSEXしてないわよね。」

「ぶっ!!当たり前だろっ。アンナ事の後なのに・・・。」

「そう。友哉。ちゃんと聞いて。もし繋がるようになることになった時、蓮クンは精神的にどうなるかわからない。何事もなく出来るかもしれないし、フラッシュバックして精神的にまいってしまうかもしれない。だから、蓮クンの様子を見ながら自分の欲のままにすすめてはダメよ。」


「わかったよ。サンキュな彩華。」

「どういたしまして。何かあればすぐに言ってちょうだいね。」

「ああ。」


「早く愛しの蓮クンの元へ行きなさいよ。そのニヤケ顔みてらんないわ。」

「すんませんね。」




「蓮、お待たせ。」

「もういいの?」

「おうっ。メシ食って帰ろうか。」

「うんっ。ボク、パスタが食べたいっ!!」

「はいはい。じゃ、蓮の好きなパスタにしよう。」


楽しくしゃべりながらの帰り道。彩華さんと友哉サンが診察室でそんな話をしていたなんてボクは全く知らなかった。








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