キミが思い出になる前に

キミが思い出になる前に30

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ムカツク。何でだかわからないけど最近のオレはいつも苛立っていた。

オレの傍にはいつも玲奈がいて、カズサの傍には後藤と横田がいた。

病院でカズサのお母さんに後藤と横田が毎日見舞いに来ていると聞いて何だかショックだった。オレはやっと玲奈から離れてやっとの思いで見舞いに行ったと言うのに…。カズサを玲奈から守るためにオレはカズサの傍に行けない。

カズサのお母さんにもカズサを守れないなら近づくなと言われて、尚更カズサに近づけなくなった。

1人になっているカズサを見て心配だったから始めはカズサの事を気に掛けてくれる後藤や横田の存在がありがたいと思った。

でも、後藤も横田も必要以上にカズサに構っている気がする。カズサの傍には必ずどっちかがいて最近はカズサもよく笑うようになっていた。

「後藤くんも横田くんもどうしちゃったんだろうね。カズサくんにべったりだね。」

玲奈がカズサを目の敵にするからだろうと思ったけど言わない。

「もう良太ったら最近怒った顔ばっかりしてるよ。玲奈の事ちゃんと見てる?」

「見てるだろ。」

「嘘。気が付くとカズサくんの事見てるの玲奈が気が付かないと思ったの?」

「見てない。」

「気が付いてないだけじゃないの?無意識?今は玲奈の事だけ見てって言ってるのに。」

そんなにカズサの事を見てたのか?何で?

黙ってしまったオレを見て玲奈がカズサを睨んでいたなんて気が付かなくて、次の日に玲奈の爆弾が落とされるなんて思わなかった。

次の日、いつものように玲奈と登校すると教室で玲奈の取り巻きと、後藤と横田が言い合っていてカズサが黙って俯いていた。

「てめーらブスがカズサの事をそんな風に言う権利はねー。黙りやがれ!!」

「オレも後藤と同じだな。カズサがお前らより綺麗だからって当たるのやめろよな。みっともないぜ。良太と玲奈の事にかまけてカズサを攻撃して本当にお前ら醜い。カズサに清めてもらえ。」

「ちょっと、後藤も横田もカズサくんに騙されてるのわかんないの?」

「カズサは人を騙したりしません!!お前らとは違うってんだろっ!!」

「ほら、もう騙されてる。カズサくんは男が好きなのよ。わかる?ホモ!!ゲイ!!なのっ。あーー気持ち悪っ!!」

え?って思った時隣の玲奈の顔が嬉しそうになっている事に気が付いた。

「カズサくんってゲイなんだ。」

玲奈の言葉に昨日の自分達のやり取りが思い出された。

玲奈はまたカズサに当たっているんだ。オレがカズサの事を気にして玲奈の思い通りにならないから。そう思うと自分がカズサに酷い事をさせてるような気がした。

そんな事をする玲奈にも苛立つ。ムカツクけどここで言ったら玲奈の思うツボだ。泣いて同情を集めてますますカズサを窮地に追い込む事になる。そう思うと怒りを沈めようと何も言わずに自分を落ち着けようとした。それがムスッとした表情になってたなんて思わないし、カズサが見ていたなんて気が付かなかった。

その後も後藤と横田と取り巻き達の言い合う声が続いて、横田がカズサに抱きついた時はキシキシと何かが軋むような音がした。その後、後藤まで抱き付いた時は後藤を殴ってやろうかとさえ思った。

その後3人は出て行き、教室の中がざわざわとしていたのにも苛立つ。

出て行く時に後藤と横田を睨み付けると、あいつらオレを見てわざとカズサに引っ付きやがった。その目は文句あるのかって言ってるようでオレは睨み返すしか出来なかった。

「良太見た?あの3人出来てるんじゃない?男同士で気持ち悪いよね。」

「そうそう。良太くんは騙されなくてよかったよ。後藤と横田みたいにならなくてよかったね。玲奈のおかげだよ。」

「うるさいっ!!いちいちオレにそんな事言うな。」

オレの剣幕に取り巻き達は玲奈を見る。

「ごめんね。良太。みんな良太のためを思って言ってるんだよ。」

「ほっとけ。もうウザイからカズサの事でオレにかまうな。オレは今玲奈といるだろうが。」

「良太。嬉しい。ちゃんと玲奈の事見ててくれてるんだね。」

あっさり機嫌のよくなった玲奈にあきれる。

取り巻き達も玲奈の機嫌がよくなった事に喜んで玲奈に良かったねなんて言っている。そのほかの奴らは関わりにはならないつもりなのか無視するようだ。

オレがカズサの事を無意識に見ていたから今日みたいにカズサに攻撃が行く。

オレはカズサの事を見ないようにしないといけない。

それからの3人は前よりも親密になっている気がした。

「今日は玲奈の買い物に付き合ってね。」

学校が早く終わって、その日は玲奈と約束していたからショッピングモールで玲奈の買い物に付き合った。いろんな店であれこれと服を持ってきてはどっちがいいか聞いて来る。

周りの男がチラチラと玲奈を見ている。普通ならかわいいって思うんだろうな。玲奈の持ってくる服はどれも玲奈に似合ってると思う。でもオレはカズサの何気ないパジャマ姿とか制服とかそんな姿の方がいいなって思っていて、そんな自分にとまどう。

「たくさん歩いたから玲奈疲れちゃった。お腹もすいたしご飯食べようよ。」

「そうだな。何にする?玲奈の食いたいものでいいよ。」

「えーー。じゃハンバーグがいいな。」

そうして入った店でカズサ達3人と出会うなんてどんな偶然だよ。

カズサの横には横田がいて向かいに後藤が座っていた。

玲奈がカズサに牽制するように言う。

「あら。3人で仲良くご飯食べに来てたんだ。お邪魔しちゃってごめんね。私達もデートの帰りなの。たくさん買いすぎて疲れちゃった。でも良太が荷物全部持ってくれてるの。玲奈に優しいの良太って。玲奈の服も見立ててもらったの。」

また始まったとうんざりした気分になる。それが顔に出ていたのだろう

「ふーん。よかったんじゃねーの?のわりに良太はシケた顔してんな。嬉しくないのかよ。」

後藤の言葉に嬉しいわけあるかと突っ込みを心の中で入れる。

「後藤やめとけ。隣がオレ達で悪いけど気にしないでくれよな。そっちはそっち。こっちはこっち。」

横田のオレ達には興味ありませんって感じの言葉にもムカついた。

カズサが服にこぼしたソースを拭いた横田に礼を言った時に固まった。

「ありがとう…敦也。」

敦也?敦也って横田の事か?この間までいや学校では横田くんって言ってたぞ。それになんだよっ!!口の横舐めるってどういう事だ?どういうつもりだ横田!!

それだけでも頭が爆発しそうなのに後藤まで舐めやがって。

爆発しそうなのを押さえていたら後藤のことも琢磨って呼ぶカズサ。

今まではオレの事しか名前で呼んでなかったのに、オレの事を呼ばなくなって変わりに後藤と横田の名前を呼ぶのか。

玲奈が何か言っていたが何も耳に入っていなかった。

それからも楽しそうに食事する3人が気になってイライラしていた。

「ほんとにカズサは少食だなあ。」

「後藤が食べすぎなんだよ。」

「た…たく…まはすごい食べるね。」

「おう。これからもカズサの食べれない分はオレが食ってやるからな。」

「後藤はカズサのを食べすぎそうだからダメだ。カズサの食べれない分はオレが食べてやるから。」

「あ…あつや…おねがい…します。」

聞くつもりはなかったけど会話が聞こえてイライラがピークに達して聞きたくなくてテーブルを叩いていた。カズサの身体がビクリとしたのが見えて我に帰る。

その後3人は帰って行ったけどオレの苛立ちは増すばかりで。これ以上玲奈といると余計にイライラする事はわかっていた。

「玲奈、家まで送る。もう遅いから帰ろうぜ。」

「うん。」

玲奈の手がオレの腕に巻き付いている。カズサが持っていたなら熱くなったななんて思う。今は冷たいとしか感じない。

オレは玲奈を好きになる事はないとその時に思った。

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