キミが思い出になる前に

キミが思い出になる前に31

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次の日もカズサの周りには2人がいてオレの心をざわつかせる。

3人でデジカメで写真を撮ったりして楽しそうな姿が嫌でも目に入る。

最近はオレと絡むと強張った顔や、悲しそうな顔しか見ない。

楽しそうなカズサの表情だけ見れば心は落ち着くのかもしれないが、カズサを見れば絶対に後藤か横田の顔が見える。カズサの「琢磨」「敦也」と2人を呼ぶ声まで聞こえてくる。

耐え切れなくて、オレは意識的に3人から目をそらして玲奈を見てみた。

取り巻きに囲まれて笑っている玲奈を見ても心は落ち着かないし、何も感じない。かえって冷えていくような感じがする。

その玲奈がオレの視線に気が付いて嬉しそうに傍に来る。

「良太が玲奈の事を見てるなんて嬉しい。やっと玲奈を見てくれてるね。」

「ああ。ちゃんと見極めてるところだ。」

「ふふっ。修学旅行が楽しみだね。一緒に回ろうね。」

「そうだな。それで答えが出そうだ。」

今度の修学旅行で答えを出すつもりだった。いつまでもこんな状態が良い訳ない。

今日は部活があるから玲奈と一緒に帰る必要はない。

部室で着替えていると後藤が入って来た。

「うーーっす。良太じゃん。写真撮らせてくれよ。」

教室でカズサを写していたデジカメでオレを撮る。

「やめろよ。撮ってもいいなんて言ってないだろ。」

「ケチくさい事言うなよ。おっ。よく撮れてるぜ。俯き加減でカッコイイ!!しかし今日はたくさん撮ったなあ。良太も見るか?カズサめっちゃ可愛いぞ。」

見るとも言ってないのに勝手に見せてくる後藤の手をを振り払おうとしてカズサの写真に目を奪われる。

「なっ。な。カズサ可愛いだろ。カズサってさ黙ってると綺麗だけど、心を許すと可愛い顔見せてくれるんだよな。最近わかったんだ。」

オレにしか見せてなかった顔がデジカメに収まっている。この表情を見たのはどれくらい前だっただろう。

「これ良太にもやろうか?」

「いらない。」

「何だよ。せっかくいい顔してるから仲の良かった良太も欲しいかなって思ったのによ。まあ、カズサの事を好きなのはオレと横田だけで十分だけどさ。」

「お前カズサの事好きなのか?」

「ああ。好きだぜ。横田もな。」

「お前わかってるのか?カズサは男だぞ。女じゃない。」

「だから何?」

「だからって…。男が男を好きになるっておかしいだろ?」

「おかしい…。おかしいのかもしれないな。うん。おかしいのかもしれない。でもよ。好きって思っちまったんだから仕方ねーじゃねーか。好きになるのに理由なんかあっか?気が付いたら好きになってたんだ。意識した時にはもう掴まっちまってたんだよ。理屈じゃねーだろ。人を好きになるのなんてさ。良太は好きになるのに理由がいるのかよ。」

後藤の言葉が頭の中で響く。

「だいたいさ、そいつに触れたいとか思った時点で好きになってるだろ。どうでもいい奴なんかに触れたいとはオレは思わないぜ。」

オレはカズサに触れたいと何度も思った。触れたくて無意識にキスもした。

オレはカズサが好きなのか?カズサが好き…。

そう考えるとここ何日かの苛立ちの理由も説明がつく。オレは後藤や横田に嫉妬してたんだ。いつもカズサの傍にいる2人に。

そしてその2人に心を許すカズサに。

今まではオレにしか見せなかった表情に、名前呼びにヤキモチを焼いてたんだ。

ふっと何もかもがわかった気がして心が落ち着く。

そうだ。オレはカズサの事が好きなんだ。オレだけのものにしたい。オレだけの特別に。

「なあ良太。何かくれない?オレってばさ良い事言ったんじゃない?何かスッキリした顔になってるぜ。良太のそんな顔って久し振りに見た気がするなあ。」

「ああ。おかげでスッキリしたよ。何でもやるよ。」

「じゃ、お前がつけてるそのネックレスくれよ。前からいいなって思ってたんだよな。」

「これか?」

このネックレスは中学2年の時にすごく気に入って一目ぼれして、その時持っていた小遣いをはたいて買った物だった。それ以来ずっと付けていたもの。

「これすごい気に入ってるんだ。」

「知ってる。ずっとお前とは一緒にバスケしてたからな。中学の時からだよな。」

「ああ。中学の時からずっと付けてる。でもやるよ。これよりも大切な事がわかったから。」

「そっか。じゃ遠慮なくもらう。後で返せとか言うなよ。」

「言わないよ。」

そう言って笑った時に写真を撮られた。

「だから勝手に撮るなよ。許してないし。」

「いい顔してたからさ。じゃ、オレ帰るわ。」

「帰るわって部活しに来たんじゃないのかよ。」

「あ、そうだった。今日はちゃんと出ないとさすがにまずいか。」

「まずすぎだろ。顧問怒ってるぞ。ちゃんと練習すればすぐレギュラーなのに練習に来ないって。」

「しゃーねーな。前は女の子と遊ぶのに忙しかったし、今はカズサが不安定だからな。傍についててやらなきゃいけねーだろ。」

「その役目、今はお前達にまかしてるけど取り返すから。」

「は?何言ってんの?」

「今は無理だけどそれはオレの役目だって言ってるんだよ。」

「何それ?ライバル宣言?てかオレ渡すつもりねーし。それは横田も同じだと思うぜ。オレ達2人に勝てんのか?」

「もちろんだ。」

「ま、玉砕覚悟でかかってこいよ。カズサを悲しませる奴も傷付ける奴もオレ達は許さない。カズサの傍に簡単に行けると思うなよ。玲奈ごときに振り回されてるようじゃ無理なんじゃねーの?」

ニヤリと笑う後藤のボディーに一発くらわす。

「冗談じゃないから。玲奈の事もはっきりさせる。」

「そうかよっ!!」

お返しとばかりに後藤からもボディーブローをくらった。

「これは玲奈がカズサを傷付けた分だ。今、彼氏やってるお前に返しとくぜ。カズサは玲奈の事を悪く言わないでくれって言うからな。玲奈は良太の事を本当に好きだから自分に当たるんだって庇うんだぜ。そんなカズサをこれ以上傷付けないように玲奈との事ちゃんとしろよな。」

「ああ。わかったよ。」

「じゃ、オレ帰るわ。」

「何だよ結局部活出ないのか?」

「誰かさんにボディー殴られてアバラやられて走れねーからバスケ無理。」

「見学だけでもしとけば?それなら少しは顧問も納得するだろ。」

「うーーん。そうだな。バスケ部のみんなの写真撮るってのも有りか。卒業アルバム用にいいかもな。うん。見学するわ。」

卒業なんてまだ先の事なのに変な奴だ。

後藤と一緒に体育館に向かう。

手はいつものクセでネックレスを触ろうとして後藤に持って行かれた事に気が付く。

「なんか首元が心もとないな。違うネックレスでもするか。」

「オレがプレゼントしてやろうか?」

「何で後藤にプレゼントしてもらわなくちゃいけないんだよ。」

「だな。好きな奴に選んでもらえよ。てか、好きな奴のもらえば?」

「それもありだな。」

後藤は嬉しそうな顔をしてオレを見てた。好きな奴のをもらえって言ったけど、玲奈とは言わなかった。後藤はオレが玲奈を好きじゃないってわかってるのか?

久し振りに顔を見せた後藤に部員達は集まり、顧問は文句を言ってたけど、明るい後藤はムードメーカーだ。本当に卒業写真を撮るつもりのようで、デジカメで写真を撮りまくっていた。オレも写っているだろうけど、きっと楽しそうな顔をしていたと思う。自然と笑えてたから。

その日の部活は思いっきり走り回って汗を流した。久し振りにスッキリとした気分で身体がよく動いた。身体を動かすのが楽しいと思ったのも久し振りだ。玲奈とお試しで付き合い出してから部活は玲奈と離れるためになっていたから楽しめていなかったのかもしれない。

玲奈と付き合うつもりはないけど、断り方もちゃんと考えないと何をするかわからないと思う。カズサを傷付けないように慎重に考えないといけない。

玲奈の事が片付いたら、カズサに好きだと言おう。カズサがどう思うかはわからないけど、断られても振り向いてくれるまであがくつもりだ。

カズサの事が好きだ。そう思ってゴールにダンクした。

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読んで下さいましてありがとうございます。何だか拍手が多くなってドキドキしています。皆様ありがとうございます。
ところで今日からブログのテンプレートを変えました。こういう絵が好きです。ゴシックも好き。ずっと変えたいと思っていました。あまり好みでない方はごめんちゃい(o*。_。)oペコッでも気に入っています。ブログに入りにくくて面倒かもしれませんが、変わらずに訪問していただけたら嬉しいです☆


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進展 

毎日日付が変わって、暫くした頃アクセスしてます。

テンプレ変えたのですね。文字が大きくなって見やすいです。
以前はPCで見ると左の寄っていたのが、真ん中に納まっています。
色って選択できるんですか?
黒オンリー?
文字は白で見やすいですね。
お花もかわいいです。

やっと良太が、自分の気持ちに気付いたようですね。
カズサの応援する為に、後藤がひと肌脱いでくれましたね。
これから進展があるようで、楽しみです。

Re: タイトルなし 

鍵コメC様こんばんは☆

ジリジリする2人の恋ですが、やっと良太が自分の気持ちに気がついて少しは進展しそうかな?でもC様の仰る通り、カズサの気持ちには気がついてません。自分の気持ちを追い書ける事でいっぱいなので、そこまで余裕のない良太なんです。良太はカズサの気持ちに気がつくのかしら…。ちょっと不安…。

琢磨と敦也はほんとに良い奴です。カズサを放っておけません。琢磨と敦也がいるからカズサはそこにいられるんだと思います。1人だったら、イギリスに行っちゃいそうです(笑)

鍵コメC様コメありがとうございました。又遊びに来てくださいませ☆

Re: 進展 

蝶丸様お久し振りです。こんばんは☆

いつも読んで下さっていたのですね。すごく嬉しいです。ありがとうございます☆

はい。テンプレ変えました。文字の大きさについても蝶丸様にご指摘頂いてから悩んでおりました。いろいろなテンプレを見ていて、始めはこの絵が気に入って決めたのですが、にほんブログ村から入ると文字が大きく、通常ブログにすると文字は小さく、サイドバーも出るようです。ついでに通常ブログの方は雪の降るパーツも貼り付けちゃいました。アメブロで使ってたパーツでとても気に入っていたので…。色が選択できるかは?です。ごめんなさい。黒がバックなので見にくいかもしれないと思っていたのですが見やすいとの事。良かったです☆

ゆるゆると進んでいましたが少し進展してきました。やっとって思われてるかな(苦笑)でもノーマルの良太が自分の気持ちに気付くのも、認めるのもすごく葛藤すると思ったので、気がつくまでに時間をかけました。

みんなが幸せにハピエンなんて贅沢なのかもしれないですけど、みんなが納得のいくようにお話を進めたいなと思っています。

蝶丸様コメありがとうございました☆

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Re: お・・どろいた・・・! 

鍵コメM様こんばんは☆

ビックリされました?フフフッ☆

このテンプレはFC2やりだした頃から気に入っていてずっと保存(?)してました。このテンプレに私の話では拙いなって思ってて、我慢してたんです(笑)

でももうすぐ初めて1年になるし、思いきって変えちゃいました。今は満足しています。

文字の色ですが、色々試してみますね。ほんと青はないわ(笑)自分で見てチカチカしました。ごめんなさい。そこまで見てなかった私…。

色変えて見ましたので、また見にくいようでしたら教えてくださいませ☆

良太のネックレス、カズサはすごく嬉しいと喜んでいます。カズサはちゃんとボタンを止める子なので玲奈に見つかる事はないと思いますが、琢磨に言わせておきます。

良太は自分の気持ちに気が付いたけど、玲奈は手ごわいですからねー。素直に引き下がるとは思えません。さて、2人の恋はどうなるのか…。嵐の予感…。

鍵コメM様コメありがとうございました☆
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