貴方の腕の中で

貴方の腕の中で27

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それからしばらくは何事もなかったように日々は過ぎて行った。

お互いに仕事の調整をしながらご飯を食べに行ったり、お互いの家でくつろいだりして過ごしていた。

友哉サンはたくさんキスをしてくれて、ギュッて抱き締めて「大好きだ。」ってささやいてくれるけど、それ以上進もうとはしなかった。

嫌われたり、淫乱だと思われたくなくてどうして抱いてくれないのか聞けない・・・。他の男の人に犯されたからイヤなのかな?繋がらない恋人同士もいるけど、ボクは友哉サンと繋がって一つになりたい。もともとノンケの友哉サンだし、たくさん遊んでたらしいから、ボクにはそんな気が起こらないのかもしれない。友哉サンの周りにはキレイな女の人やかわいい女の子がすぐに寄ってくることに最近になって改めて知ったボク・・・。


「友哉ぁ。最近美紅と遊んでくれなくなったぁ。誰かいるの?」

「えええっ。友哉に本命?嘘でしょ。こないだ律子と消えたじゃん。」

「私は里美とって聞いたわよ。」

今日は友哉サンに連れられて居酒屋さんで飲んでたんだけど、そこに友哉サンの女友達が乱入してきてボクは隅っこで顔も上げられずにいろいろな友哉サンの話に打ちひしがれて涙があふれてきそうになっていた。

「お前らいい加減にしろよっ。全く。オレを肴の種に飲もうって魂胆だろ。あいにくオレは本命一筋なの。」

「ふーーん。過去は酷いもんだったもんね。紗江子かなり未練たっぷりだから夜道に気をつけなよ。ホントにさ。友哉に好きな子が出来たなんて知ったら何するかわかんないよ。あの子。」

「そか。わかった。ちゃんとケジメつけないとな。ありがとな。真理。」

「いいよ。私友哉の事、友達として好きだからさ。寝なくてよかったわ。」

あはははは。とみんなで笑い、和やかな雰囲気の中、ボクだけはそこに溶け込めずにいた。友哉サンの過去の彼女の話に、改めて友哉サンはノンケなんだと知らされる。ボクを好きだと言ってくれるけど、それは本当に恋愛としてなのかわからなくなって・・・。
苦しくて何だか、いたたまれなくて「トイレに行ってくる」と席を離れた。


友哉サンは誰にでもわけ隔てなく優しい。怖そうに見えるけど、周りに気を使いみんなが楽しめるように気を配っている。わかっているけど、ボクは友哉サンと二人で居たかった。

キスと一度二人で逝ったことだけでは友哉サンがボクのことをホントに好きでいてくれるのか自信がなかった。

「好きだ」なんて誰にでも言える。

自信のないボクは友哉サンの『好きだ』の言葉が悲しく聞こえるようになっていた。信じられる確証がない。ボクは男なんだから。

まして、今日の会話はボクの心の傷を広げ血を流すような会話だったのだ。

友哉サンはやっぱり女の子の方がいいのかな・・・。

ネガティブに陥ったボクの心はどんどん暗闇に落ち込み、とめどなく涙があふれて嗚咽をこらえきれずに裏口から外へ飛び出した。

あんなに友哉サンと過ごせていたのが幸せだったのに、やっぱり男同士ではダメなんだ。

友哉サンはまだ元に戻れる。

女の子と付き合って、結婚して家庭を持って可愛い子供も出来て・・・。

ボクとでは無理なこと。

ボクといることで友哉サンは社会的にも不利になる。

いつまでも隠し通さないといけない関係。

いつの間にか雪が降っていた。

ボクは動くことも出来ず、しんしんと降り積もる雪を見上げていた。

このまま、消えてしまえればいいと思いながら・・・。








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