キミが思い出になる前に

キミが思い出になる前に59

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翌朝、明るい木漏れ日の中で目が覚める。

見慣れない部屋、見慣れない家具や布団に一瞬?が浮かぶが、ここはイギリスでボクの新しい部屋なんだとぼーーーっとした頭で考える。

この部屋に慣れるまでは少しかかりそうだと思いながら、べッドを出て服に着替えた。

イギリスではエアコンを使う事はまずないらしく、ラジエーターを使うんだって母さんが教えてくれた。

でもついリモコンを探してしまうのはいつもの習慣だから仕方ない。

「顔を洗わなくちゃ。今8時過ぎか。良く寝たな。母さんはもう起きてるよね。」

洗面所で顔を洗い、キッチンに行くと母さんの姿が見えない。

「あれ?もう仕事に行っちゃったのかな?」

冷蔵庫からミルクを出して温めようとした時に。すごい勢いで母さんが部屋から出て来た。

「どうしよう。上総寝坊しちゃった!!」

「母さん落ち着いて。時間は後何分あるの?」

「10分もないのっ!!」

「じゃ、まず顔を洗って着替えてメイクして。ボクが髪の毛スタイリングするから。」

「上総。助かる。お願いね。」

きっと遅くまで仕事をしていたせいだろう。ボクがこっちに来る事で母さんに忙しい思いをさせたに違いない。母さんは絶対にそんな事は言わないだろうけど。

母さんが顔を洗って着替えている間に、昨日の残りだけど炊き込みご飯と魚は少し焼いて汁が出ないようにする。お浸しも小さな蓋つきの入れ物に入れ、卵焼きを作る。ブロッコリーとプチトマトを飾り、簡単な弁当が出来上がった。母さん、朝ご飯食べてる時間なさそうだから。弁当なら少し時間が空いた時に食べれるかな?

「上総、髪の毛お願い。」

「うん。わかったよ。」

母さんの髪の毛を首の少し上でシニヨンに結ぶ。これしか出来ないんだけどね。

ピンで崩れないように止めて、綺麗な柄のハンカチで根元をリボンに結ぶ。このリボンの大きさと長さが難しいんだ。

「はいっ。綺麗に出来たよ。時間大丈夫?」

「ありがとう上総。間に合いそうだわ。」

「あ、母さんお弁当持って行って。朝ご飯抜きじゃ昼までもたないよ。時間がある時にでも食べて。昨日の残りばかりだけど。」

「キャーーーーッ!!上総ってばなんていい子なんでしょ。よく短時間で出来たわね。ありがとう。持っていくわ。」

「おはしは中に入ってるから。お茶は用意出来なかったから適当に買ってね。」

「うん。じゃ行ってきます。鍵は必ずかけて、開けちゃダメよ。」

「わかってるよ。子供じゃないから。大丈夫。行ってらっしゃい。」

行ってくるわと投げキスしてバタバタと母さんは出て行った。

お茶ってこの辺でも売ってるのかな?明日からは、ちゃんと起こしたほうがいいかもしれない。今までは大丈夫だったのかと不安になった。

「さて、ご飯の用意してボクも食べよう。」

母さんにお弁当を作ったためか、さほど食欲もなく、キッチンの棚を探っていると、無糖のコーンフレークが出てきた。

「たしかヨーグルトと果物の缶詰あったよね。」

冷蔵庫からプレーンヨーグルトとみかんとパイナップルの缶詰を取り出す。

コーンフレークに果物の缶詰を入れて、ヨーグルトを掛ける。蜂蜜があったからそれも少し垂らした。

それとホットミルク。胡瓜と人参などで野菜スティックを作る。ドレッシングは作るのが面動なのでマヨネーズに少しお味噌を入れてまろやかにした。

「いただきます。」

1人で食べるのはやっぱりおいしくないから、明日からは母さんと2人で食べたいな。

広い部屋に1人でいると何だかすごく静かで寂しく感じる。

前も1人暮らしだったけど、広さが違うもんなあ。

あ、琢磨と敦也にメールしとかないといけない。

ボクは携帯を取り出し、無事についた事。学校はもう冬休みに入ってる事などを伝える。

今はこっちが朝だから日本は夕方くらいかな?

ご飯の片付けをしているとメールの着信が入る。

琢磨からだった。

「カズサがいなくて寂しいぜ。いつこっちに遊びに来るんだ?」

こっちにって…。琢磨、昨日こっちについたばかりなんだぞ。そんなに帰れるわけないじゃないか。でも琢磨らしくて笑える。

「カズサがいなくなって張り合いがない。そっちが休みなら、冬休みになったら遊びに行ってもいいか?」

一瞬嬉しいと思ったけど、国内旅行じゃない。海外なんだ。交通費だって馬鹿にならないはず。

「敦也が来てくれたらすごく嬉しいと思うけど。ここはイギリスだよ。そんな簡単に来れるところじゃないから。無理しないでいいって。」

「旅費ぐらいオレ貯めてるぞ。カズサの家に泊らせてくれたらホテル代もいらないだろ。それとも行ったら迷惑か?」

「迷惑なんかあるわけないじゃない。来てほしいってすごく思ってるよ。」

「じゃ、きまりな。冬休みにそっちに遊びに行くから。」

「おれも~~~~~!!!」

メールで敦也とやり取りしてるのに、琢磨から返事だけが入ってきて笑えた。きっとあっちでは「何でオレに声かけてくれないんだ」って琢磨がすねて、敦也が「お前は貯金ないだろ」って突っ込まれてそうだ。

「琢磨は旅費あるの?」

「バイトするから大丈夫だ。叔父貴のところの居酒屋手伝う。」

「バスケは?」

「大会も終ったし、あ、準優勝だったぜ。良太が大活躍してさ。」

「そうなんだ。おめでとう。よかったね。」

チクリって胸が痛む。

「良太の胸にはカズサのやったネックレスが光ってたぜ。よかったな。カズサ。」

「そうなんだ。うん。嬉しいよ。」

まだ、着けてくれてるんだボクのあげたネックレス。

「だからオレはバイトして旅費稼ぐ。バスケは少し休みだ。」

「ダメだよ。ちゃんと両立させないならバイトはダメ。」

「じゃあ、オレだけ行けないじゃないか。オレだけはみだしものかよ。」

「お金があるとすぐに使っちゃうお前が悪いんだろ。親に言って借りろよ。オレもバスケ休んでバイトするのはどうかと思うぞ。部活が休みの時とかならいいと思うけど。」

「おし。母ちゃんに言って借りるわ。んで、部活が休みの時とか早く終わったらバイトする。」

「それならいいよ。でも授業中に寝ないようにね。」

「ありうるだけになんとも言えないな。」

「横田ひでーよ。でも寝ちまったらノート宜しくな。」

「調子のいい奴。」

2人で海の向こうで話している事をボクが置き去りにならないようにメールで送ってくれる2人。

電話した方がよかったかなとも思ったけど。声を聞いたらきっと会いたくなるからメールがちょうどいい。


メールのやり取りを終え、片付けを終えてあまいカフェオレを飲みながら、今日はなにから片付けようか考える。夕方の手巻き寿司用に卵も焼かないといけないなって思っていると玄関のチャイムが鳴る。

「誰だろう。母さんは誰が来ても開けるなって言ってたから開けない方がいいだろうな。無視してよう。」

それでも何度もチャイムが鳴る。

「嫌だな。早く帰ってくれないかな。」

少し気味が悪くなって、恐る恐る玄関に近付く。

いきなり英語で話されてもちゃんと返せるか自信はないし、変質者だったらどうしよう。

警察に電話って何番?聞いてないよ。

かなりのパニックに陥りそうになって泣きそうになった。

「カズサ?カズサいないの?ボクだよハノイだけど。昨日約束しただろ。荷物の片付け手伝うって。だから来たんだけど。」

「…ハノイなの?」

「カズサいるじゃないか。ハノイだよ。」

「1人?」

「もちろん。すっごく寒いから、ここ開けてくれるとありがたいんだけど。」

「あ、ゴメン。すぐに開けるよ。」

ドアを開けると少し雪がハノイのブロンドの髪の毛に付いていた。

「ごめんね。母さんに知らない人が来てもあけるなって言われてたから。」

「そうだと思った。カズサ1人だもんね。ああ寒い。今日も寒いよね。」

「何か温かいもの入れようか?」

「じゃ、コーヒーをミルクだけ入れて。」

「わかった。ちょっと待っててね。」


母さんを送り出して静かになったと思ったらハノイが来てくれて、一人で考え事してる時間はなさそうだなとコーヒーを入れながら思った。

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~ Comment ~

息子だね~ 

カズサとお母さんのやり取りいいですね。
うちの下の息子は高校生だけど、なかなかこうは行きませんね~
上の子は大学生だから、もうちょい大人だけど。
「ごめん、適当に御飯作って食べといて」が通じるくらいには。
でも、バイトの成果だけどね。

ある意味カズサは大人なのかな。
Rinさんの息子だもんね。

敦也たちの優しさが染みてきますね。
こんな思いやりが遠く離れたカズサには嬉しい宝物になりますね。


今日は更新があったので、安心しました。よかった~
病は気からと言うように、気持ち、メンタルって大事なので、体調も気を付けてくださいね。
できたら、ポジティブシンキングで!!
っていっても無理はなしで。

Re: 息子だね~ 

蝶丸様こんにちは(๑´▿`๑)♫•*¨*•.¸¸♪✧

何だか、たくさん心配してくださったみたいで、本当にごめんなさいです。

まだ、ちょっと心が回復してないので、書くのは凄く怖いです。今回も書くだけで3時間かかりました。何度も読み直したり、途中で気分が悪くなったりすると休まないとダメなので。

言葉の威力って凄いですね。物を書く側として、言葉の暴力にならないようにしなければと反省しました。

家には弟がいるのですが、弟もして当たり前の教育方針で育ってるので、男の子が手伝う事は当たり前のように思っています(笑)だからカズサも自然とああなるんですよ(笑)

更新頑張りますが、遅れたり止まったりする事もあるかと思います。温かく見守って頂けたら嬉しいです。

蝶丸様コメありがとうございました☆

メリークリスマス(*^^*) 

Rin様、メリークリスマス!
こちらはクリスマス寒波で寒いです(>_<)

カズサってホントにイイ子(*^^*)ママの育て方が良かったのね~♪息子でも良いですが、弟に欲しい(笑)イッパイお小遣いあげちゃうかも(^-^;

ワタシは何とか出歩けるくらいに腰痛が治まってきました(^o^;)寒さが続くので気をつけないと、です(^^;
Rin様も頸椎を痛めてると、おっしゃっていたので、お大事になさってくださいね!首もツラいですよね~(^^;

カズサのお弁当が食べたいwakaでした(笑)



Re: メリークリスマス(*^^*) 

waka様こんばんは☆

Xmas寒波ってスゴイネーミングですが、大丈夫ですか?年末、忙しくなるでしょうからお身体にはご自愛下さいませね☆

さて、私は昨日また凝りもせずに梅田の画材屋さんに行きました。10時開店だから百貨店で鳴らばないと買えないスイーツを買おうと9時に梅田にいったら百貨店も10時開店。並んでしまってたのでまつこと1時間で「バトンドール」と言う江崎グリコが出しているお高いポッキーを5種類(ミルク、ホワイト、ストロべリー、カフェ、宇治抹茶)各3個買うつもりが、周りのおばちゃま達に5個は買っておかないと又買いに来なくちゃいけなくなるわよってカゴの中にポンポン入れられ、ちょっと精神的に落ちてる事もあっておばちゃまに負けました。12.022円也…。ぎょえ~~~~((유∀유|||))

その後、もう一件並んでいるところへ。ここは夕方には品薄で完売している事も多々あるので朝のうちじゃないとと行ったら3時間半待ち(llʘิДʘิll)えっ!!ですよ。寒い中外で並びました。負けてなるものかと。ハッピーターンってお菓子知ってはります?あのお店なんですけど『ハッピーターンズ』っていってハッピーターンにカマンベールチーズ(これが一番好きかな)、抹茶、木苺、和三盆、メープル、黒糖、紫芋のパウダーが付いてるんです。阪急百貨店はリニューアルオープンしたんですが、その頃からこの2件は行列で、時間がないと買えないんです。頑張りました。ハッピーターンズで6,457円也。

そして大きな荷物を抱えてトゥールズへ…。
コピックチャオを30本買い、エアブラシが欲しくてそれはコピックにしか使えないのでコピックも10本購入(今、10本かうと10%安くなるので)、他にもマルチペンを6本。チャオ用の入れ物を2個、修正用のホワイトに面相筆、エアーブラシ用のエア缶、コピックの本に用紙etc…。19,290円也。

かなりヤバイっす。これでパソ買えるのか…。もう百貨店にも画材屋にも行けません。

でもエアブラシっていいですね。背景苦手な私でも簡単に色を塗れると言う…。

ああ、リコメが長い((유∀유|||))画材の事になるとwaka様とならいつまででも話せそうです(笑)

waka様コメありがとうございました☆
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