「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいKissをして83

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やっと開放されたのはもう日付をまたいだ深夜2時。

ホテルの前に止まっていたタクシーで家に帰る。

タクシーの運転手がオレの顔をミラーで見ているのに気がついて、顔を隠すように横を向いて外の景色を見た。

深夜でも明るいネオンは寂しく空虚に写る。

オレの顔はきっと殴られたとわかるほどに腫れているのだろう。

唇は切れて血の味がする。

奴の気に入るキスが出来るまで何度も叩かれた。殴られなかっただけマシなのかもしれない。

途中からは手が痛いからと30センチの定規を取り出し、それで叩かれた。

納得のいくキスが出来た頃にはオレはもうボロボロに疲れていて…。

「フフフ。いい顔になりました。これは今日の記念に残しておきましょう。」

最後に髪の毛を掴まれて写真を撮られた。

「これは次に会う時にキミにもあげますからね。今日は初日ですからこれで許してあげましょう。その顔がきれいになった頃にまた連絡します。さ、さっさとこの部屋から出て行ってください。」

屈辱的な扱いを受けてもオレにはどうしようも出来ない。

今度は何をされるのか…。

マンションの前でタクシーを降り、部屋に戻ると風呂に入った。

身体を触られたわけではないが、ひどくシャンパンの匂いや、アイツの匂いがまとわりついてるような気がして気持ち悪い。

「顔、冷やしとかないと。明日は2コマからの講義だけど腫れ引いてくれるかなあ。」

歯磨きも何度もする。歯磨きしたって感触が消えるわけではないけど、すごく汚れてるような気がして傷に染みるのもかまわずに磨いた。

薬箱から冷湿布を出して頬に貼り。その上から氷で冷やした。これで腫れが収まるといいんだけど。

ベッドに横たわり、頬を冷やしながらアイツの顔を思い出す。

オレを好きなわけじゃない。

オレを見るアイツの目はおもちゃを手にして喜ぶ狂気の色が見えた。

オレがアイツの思い通りになった時にオレは解放されるのだろうか?それとも壊れてしまっているのだろうか…。

腫れあがった唇。

達樹のキスは優しかったな。

「達樹…。」

思い出して涙がこぼれる。

達樹が好きだ。

本当に達樹の事が好き。

だからオレが守らなくちゃいけない。

例えオレが壊れてしまおうとも達樹は壊させはしない。

次の日になってもやはり顔の腫れは引かなくて、大学に行けば遠巻きにみんなが見て噂してるのがわかる。けど、そんな事どうでもいい。

他人にどう思われようがオレは達樹を守れればそれでいいんだ。

それから1週間ほどして顔の腫れも引いた頃に再びアイツから連絡が入った。

21時2110号室。

この前と同じ時間。同じ部屋。

オレは時間きっかりにそこを訪れる。

「いらっしゃい。凪。今日も時間に正確ですね。いい子です。顔もすっかり綺麗になって今日も麗しいですね。さあどうぞ。」

顔は笑顔だけど目は笑っていない。そいつの後ろに続いて部屋に入る。

「っ…。」

「おや。驚かせてしまいましたか?」

そこにはベッドに全裸で横たわる若い男がいた。

首輪をされ鎖はベッドにつながれている。

「な、何なんだよっ。これっ。」

「おやその口の聞き方は下僕として許されるものではありませんね。」

そういってオレの頬を打つ。

「っつ…。」

「これからは口の聞き方に気をつけなさい。今日はこれから凪にしてもらう事を勉強してもらおうと思いましてね。もちろんすぐにしてもらってもいいのですが、イチイチ教えるのは面倒ですから。見て覚える方が寛太かと思いましてね。」

そう言うとベッドに繋がれた男の鎖を引っ張った。

「さあ充。いつものように私を喜ばせなさい。出来なかった時はお仕置きをしますよ。キミは前回は失敗ばかりでしたね。今回も失敗した時はわかってますね。もう貴方は必要ない。いりません。」

「下條様。わかっています。今日は御満足していただけるように誠心誠意お勤めいたします。だからどうかボクを捨てないで。そばにおいてて下さい。」

何だ。こいつは奴に好きにされていたいのか?

「フフフ。凪もこうなりますよ。充も最初は嫌がってましたけど今ではすっかり私に従順な下僕になりました。さあ充。私の足の指をきれいに舐めなさい。」

充は恍惚の表情を浮かべながら言われたとおりに舐める。

「ぅぐっ…。」

オレはその光景に胸焼けがしたように気分が悪くなる。

それからもそいつと充の行為は続き、充は下條に何をされても喜び歓喜の声を上げる。

「凪ちゃんと見てますか?これを凪がするんですよ。次はあなたにしてもらいますから。っつ‼充っ‼」

「下條様申し訳ありません。」

何をしたのかわからなかったが充はしてはいけない事をしてしまったらしい。

「てめぇ歯を当てやがったな。この間もやったよな。そんな歯いらねえ。全部抜いてしまえ。」

急に人格が変わったようになり下條は充を殴る。

充の口からは血が流れているが充は恍惚とした表情のままだ。

「ああ、聡様。申し訳ありません。充は聡様を傷つけてしまいました。どうぞお仕置きをしてください。」

「言われなくてもしてやる。お前はお仕置きが好きだからな。わざとオレを呼び出すんだからとんだ淫乱だ。」

もう一人の下條はオレを見てニヤッと笑いながら充を縄で縛りあげる。

「よお。凪。あの時以来だな。あの時はよくもオレに酷い事してくれたもんだぜ。まあいいさ。おかげでお前がそっちから転がり込んできたんだ。見てな。オレがどんな風に抱くのか。お前も抱いてやるからな。あの時のお返しをたっぷりしてやるよ。」

そういいながら充を痛めつけながら抱く。

充はそれさえ嬉しいようで涙を流しながら下條の名前を繰り返し呼んでいる。

部屋の中は青臭い匂いと血のにおいで意識が飛びそうに気分が悪かった。

下條が満足した時には充は意識を失っていて、下條がどこかに電話すると黒い服を着た男が充を連れて行った。

「安心しな。あいつを手当てしなくちゃいけねーから屋敷に連れて行っただけだ。別に放りだしたり捨てたりなんかしねー。あいつは気に入ってるからな。今日はもう終わりだ。お前も帰れ。次はお前が充の変わりだ。充はしばらく使えないからな。次からは凪を抱く。」

オレは返事も出来ずに部屋を出て外をさまようように歩いた。

どうやって家に帰って来たのかわからない。

次に呼び出されたときはオレは下條に抱かれてしまう…。

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Re: タイトルなし 

鍵コメC様こんばんは☆

いきなりの辛いシーンからで申し訳ないです。
このまま完結まで進めて参りますのでお付き合いくだされば嬉しいです。

ううっ。しかし再開がこんなシーンからで読まれる方も落ちますよね。次からはハピエンに向けて好転していくので安心してお待ちくださいませ。

カズサももうすぐです。みんなの春は近いです☆

C様コメありがとうございました☆

NoTitle 

こんばんわ&はじめましてです(^^)/
凪の達樹を思う切ない気持ちとかに、一緒になって心の中がキューとなってしまいました(><。。。
達樹と凪が又一緒にいられるようになるまで、なんだかドキドキ、ハラハラです・・・。凪苦しいだろうけど負けないでくださいね。
Rin様がきっと達樹の元に帰してくれるから!!(ですよね・・・?)
これからも楽しみにしています☆ミ

Re: NoTitle 

湊様こんばんは☆

遊びに来て下さったのですね。ありがとうございます。
お話まで読んで下さって…。

凪の気持ちに共感して下さって凪もまた味方が出来て喜んでいると思います。
凪は必ず達樹の元に返します。もうすぐなんですよ。

私もじっくりと湊様のお話を読みたくて時間がまとめて取れる週末に伺うつもりです。待てるかな私(笑)

伺ったときにはコメしますのでよろしくお願いします☆

湊様コメありがとうございました☆
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