キミが思い出になる前に

キミが思い出になる前に105(最終話)

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母さんが戻ってくるまで良太と残り少ない時間を過ごす。

さっきまで離れたくないと不安の気持ちが大きく揺れていた心が嘘のように穏やかでいられるのは良太が深い愛でボクを包んでくれているから…。

ボクと同い年とは思えない。

妹がいるからかな?

一人っ子のボクとは精神年齢が違う?

ボクが子供すぎるのか…。

ついつい良太に甘えたくなってしまう自分を戒める。

良太が傍にいなくても、負担をかけないように強くならなくちゃいけない。

じゃないと良太は無理してすぐにこっちに来そうだし、ボクも来てほしいって言ってしまいそうだから…。

そんなボクの気持ちを見越してか、今はいいんだとボクを抱きしめてくれる。

コテンと良太の肩に頭をもたせ掛け、良太の声を聞く。

「上総、電話なってる。静香さんじゃないのか?」

「あ、うん。」

良太に言われて電話にでるとやっぱり母さんからで、今からハノイとゼインを連れて帰ると言うとすぐに切れてしまった。

「何だって?」

「なんか今からハノイとゼインを連れて帰るって。何でハノイとゼイン?」

「さあな。でもあの二人仲良くないんじゃないのか?ハノイはなんかライバル心燃やしてる感じだぞ。上総の横にいるのは自分の役割なのにゼインに取られたって言ってた。」

「ハノイってば…。ハノイもゼインも大切な友達なのに仲良くして欲しいよ。」

「ま、オレもハノイがゼインにライバル心燃やす気持ちがわからなくもないけどな。」

「どうして?」

「上総がゼインに甘えすぎるからだろ。オレもそこんとこ正直心配。つうかムカつく。オレの上総に触んなみたいな?」

「もう良太まで。ゼインはお兄ちゃんみたいなものだって言ったでしょ。」

「わかってるって。もうオレと上総は心も身体も繋がったから大丈夫だ。変なヤキモチは焼かないと思う。多分…。」

「ほんとかなあ。」

そんな話をしていたら母さんたちが帰って来た。

「ウフフ。その顔。上手く行ったみたいね。上総おめでとう。」

「母さんってば…。でもありがとう。」

「カズサ良かったな。ボクは二人の気持ちを知ってたからじれったくて仕方なかったよ。これで安心だ。あ、敦也には報告した?」

「してないよ。」

「じゃ、ボクがしようっと。」

「ダメだよ。ハノイ。日本はまだ夜中だよ。敦也寝てるから。」

「ちぇーーーっ。最近敦也が冷たいから、せっかくいい話ネタだと思ったのに…。」

「時間考えてしないと敦也に嫌われちゃうよ。」

「そうだな。ウザイとか言われるぞ。敦也は自分の時間を大切にするタイプだから、あんまり追いかけると無視されるぞ。」

「もう十分無視されてる…。最近あんまり電話に出てくれないんだ…。」

あんまりにもハノイがしょんぼりしているから気の毒になる。

「ボクが敦也に言ったげようか?」

「いい。カズサに泣きついたなんてアツヤに思われたくない。」

「オレがそれとなく敦也に言ってやるよ。」

「リョウタッ‼頼んだよ。」

「良太には頼むんだ。」

「カズサ。ボクとリョウタは心から友達になったんだ。タクマとアツヤみたいな感じだよ。ね、リョウタ。」

「それ違うと思うぞ。」

ボク達の会話を聞いていたゼインが拭きだして笑う。

「ゼインでもそんな風に笑うんだな。」

「おい。リョウタはオレの事をどんな奴だと思ってるんだ?」

「オレの上総に近づくライオン?」

「へえ。ライオンか。悪くない。」

良太が急にボクを抱きしめてゼインにこれ見よがしに見せつける。

「もう上総はオレのだからちょっかい出すなよ。」

「出さないよ。オレはリョウタが反応するからからかっただけ。カズサが幸せなのがオレは一番嬉しいんだ。今のカズサは今まで見た中で一番幸せそうな顔してる。良かったなカズサ。」

「ゼインありがとう。うん。ボク幸せだよ。」

「ここにいるみんなに聞いて欲しい。」

突然、良太が真剣な顔して居住まいを正したのでみんな何事かと良太を見る。

飲み物を持ってきた母さんもそこに座った。

「上総、オレの横に来て。」

言われるままに良太の横に立つと良太がボクの肩を抱いた。

「オレ、上総の事を本気で愛してます。上総もオレの事を好きだって言ってくれました。男同士だから、普通の恋愛じゃないって言われるかもしれないけど、オレには上総しかいないと思ってます。まだ未成年のくせにって思うかもしれないけど、オレは一生を上総と添い遂げる覚悟で上総に告白して上総はそれを受け入れてくれました。ここにいる静香さん、ハノイ、ゼインにはオレの覚悟をちゃんと知っておいてほしい。上総と幸せになる事を3人に誓います。」

「ボクも良太と同じ気持ちです。一度は諦めたけど、こんなボクを良太は未来も一緒にいたいって言ってくれて、ボクも良太とずっと一緒にいたいって思う。日本とイギリスで離れてるけどそれでも一緒にいたいって思う。これから先の未来を二人で考えていこうって話し合ったんだ。」

「そうね。未来をどうしていくかはあなたたち次第ね。母さんは応援するけどダメな事はダメって言うわよ。あなたたちはまだ子供なんだから、間違わないとも限らない。母さんは上総が大事だから不幸になるような事はさせたくないの。だから母さんにもちゃんと話をしてね。勝手に二人だけで決めないでね。」

「うん。母さんはボクの一番の理解者だもの。これからもそれはかわらないよ。」

「良太くん、上総は一人で貯めちゃうところがあるから気を付けてね。」

「はい。何でも話せるように気を付けます。静香さんも何かあれば教えてください。ボクの相談にものって下さいね。」

「ええ。何でも二人のためならするわよ。」

「オレ達はこっちでのカズサのフォローをしよう。離れていても大丈夫なようにな。」

「もちろんボクもだよ。」

「みんなありがとう。」

「じゃ昼ご飯の用意をしましょうか。ハノイとゼインは手伝ってちょうだい。上総は良太くんと二人で話しなさいな。出来たら部屋に呼びに行くわ。」

「うん。じゃボクの部屋にいるよ。」

良太と二人でボクの部屋に行く。

良太がベッドサイドに出していた箱を見ていたので、その箱を持って良太の横に腰掛ける。

「ボクはずっと良太に片思いしてた。転校してきたのは良太を諦めるためだって話したよね。これは諦めるために集めた良太との思い出の宝箱なんだ。」

箱を開けて寄せ書きを見せる。

「これ、中学の時の?」

「うん。転校しなくちゃいけなくなって良太がボクに渡してくれた。」

「そうだ。あの時ちゃんと上総の顔を見たんだ。それまで同じクラスだったのにちゃんと顔を見て話した
事なかった。だからあの時、上総の笑った顔がすごく眩しく感じた。」

「そうだね。あの頃のボクはずっと下を向いてたから。でも良太のおかげで上を向くようになった。」

「このノートは?」

「これは良太に再会してからの思い出を綴ったノート。これ見てこっちでは頑張れたんだ。」

「思い出ノートか…。オレが上総への気持ちに気が付かないままだったらオレは上総の中で思い出になってたんだな。」

「そうだね。お互いに思い出で終わってた。」

「はあ~~~~。思い出になる前にこの気持ちに気が付いて良かったよ。オレ上総の事を思い出なんかにしたくない。これからは二人の思い出を作ってノートに綴っていこうな。」

「うん。何冊も増やそうね。」

二人で思い出を重ねていく。

嬉しい事、楽しい事、悲しい事や喧嘩したことも全部綴っていこう。

お互いに歳を取った時に笑って話せるように…。

自然に目と目があって顔が近づく。

これから先も一緒にいると誓うようにキスをした。

それからみんなで昼ご飯を食べて良太を空港まで送る。

寂しいけど、あと1ヶ月したらまた会える。

未来がある。

「上総。この曲オレのそのまんまの気持ち。後で聞いて。」

「うん。ありがとう。」

最終案内が流れて泣きそうになるのをグッと堪える。泣き笑いになってるかもしれないけど、それでも笑顔で手を振る。

良太も手を振って搭乗口の手前まで行って振り返ってボクを見た。

「良太ぁっ‼」

気が付いたら良太に向けて走り出してて、良太もボクの方に走って来てお互いにぎゅっって抱きしめてキスをした。

周りなんか関係ない。

「すぐに会いに行くから。」

「ああ。毎日電話する。」

それだけ言ってもう一度キスして離れた。

「良太またね。」

「上総またな。」

そして良太の飛行機は日本に向けて飛び立っていった。

ボクは泣かなかった。

だって泣く必要はないから…。

帰りの車の中で良太がくれた曲を聴く。

良太の気持ちが詰まってて泣くつもりはないのに涙が出た。

「良太愛してる…。」


                       ~Fin~



- They Don't Know About Us -(One Direction)

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読んで頂きしてありがとうございます。
良太と上総の物語にお付き合い下さいましてありがとうございました☆長編になってしまいましたが、最後までお付き合い下さいました事に感謝申し上げます。
良太と上総のこれからは機会があれば書きたいなって思っています。

最後に良太が上総に贈った曲はある方から教えて頂きました。よろしければお聞きくださいませ。曲名をクリックして頂ければ訳詩も載せていますので合わせてどうぞ☆

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