「キミと空とネコと」
やさしいkissをして

やさしいkissをして93

 ←月と太陽がすれ違う時43 →凪と海人のイラスト頂きました☆


目を覚ましたら心配そうにオレの顔を見ている達樹と目があった。

どうしてオレは寝てるんだろうとまだはっきりしない頭で考える。

オレは下條から達樹と一緒に逃げて、足がいう事を効かなくなって…。

充が下條を刺そうとしてもつれて刺されて…。

「達樹っ、充は?充は大丈夫なのか?」

「凪。目が覚めて気にするのがそこ?まあ凪らしいけどさ。」

「充はどうなんだよ。」

達樹の腕をぎゅっと握る。

「痛いって。大丈夫だ。足を刺されたけど縫っただけ。跡は残るけど足がどうにかなる事はないって。まあ問題は足よりも心だな。ずっと泣いてるらしい。」

「充…。あんな奴でも充にとっては大切な人だったんだな。」

「そうだな。オレ達の知らない二人の何かがあったんだろう。」

「充大丈夫かな。」

「ご両親がずっと探してたみたいで調べを受けたらご両親の元に帰るみたいだぞ。ただし不起訴ならの話だ。充も下條の悪事に加担してるからな。」

「オレ下條は憎いけど充の事は憎くないんだ。充も最初はオレみたいに下條に下僕にされて引きずり込まれた。そのうちに憎みながらも下條の事を愛するようになったのかな。下條がすべてになっていった。」

「それでも悪い事は悪い事だ。下條は他にもいろいろと埃が出てきてるみたいだ。」

「そう…。」

「凪。警察の人が詳しい事を聞きたいって言ってた。凪が回復したらいろいろと聞かれると思う。後、ご両親がもうすぐ来る。オレが連絡した。お前が話をしたほうがいいだろ?後で聞かされるよりちゃんと話を聞きたいはずだ。オレもそうだったからな。凪は自分で何とかしようとするけど、それは周りの人間を悲しませるだけだって今回の事でわかっただろう?一人で抱え込まないでちゃんと話せ。」

「うん。ごめん達樹。もう一人で何とかしようなんて思わないようにする。結局一人では何も出来なかった。一人で何とか出来るなんてオレのおごりだった。」

「わかればいいんだ。元気になったら覚悟しとけよ。聖夜さんもアキさんも黎も滝くんも陵耶さんもすごく怒ってたぞ。みんなに殴られるとおもっておけ。」

「うわっ。それ嫌だ。みんなに囲まれてネチネチ言われそうだ。」

二人で笑いあう。

こんな日がまた訪れるなんて一人でいる時は思いもしなかった。

暗い未来しか見えてなかった。

「凪。これからは何かあったら一人で背負い込まないでオレを頼ってくれよ。」

「ああ。そうする。」

少し悲しそうな顔で言う達樹に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

オレが意地を張って一人で何とかしようとしてオレだけでなく達樹の心をたくさん傷つけ事を達樹の顔が物語っている。


すぐに退院出来るかと思っていたのに、夜眠れず、ろくに食べていなかったオレは数日の入院を余儀なくされた。

その間に両親が来て話をすると酷く泣かれた。実家に帰って来るようにと言われたが、達樹がちゃんと見守る事と実家に1ヶ月に1度は戻る事で許してもらった。

黎達にもひどく怒られた。病院だったから少し押えていてはくれたけど、それでもたくさんお小言を言われ、クドクドと言われた。

みんなに怒られるのはそれだけオレの事を心配してくれたから。

怒られながらもそれをすごく感じて申し訳ないと思った。

みんなが助けてくれようとしてたのに、真っ先にオレが諦めていた。

「ごめんなさい。」と一人一人に謝ると最後には「無事でよかった。」ってみんなが言ってくれた。

今日は退院の日。

達樹と二人でDRやNSさん達に挨拶をしてアキさんの店に行く。

そう『Calda Casa』に…。

店を臨時休業にしてオレの退院祝いをしてくれるんだ。

「こんばんは。」

ドアをくぐると一斉にクラッカーの音がパンパンとなって少し火薬臭い中、テープだらけのオレの目の前にみんなの笑顔がある。

「凪くんおかえり。」

「凪おかえり。」

「凪さんおかえり。」

みんなが「おかえり」って言ってくれて涙がでた。

「オレ…。ただいま。」

途端にみんなに囲まれて頭をくしゃくしゃにされた。

「バカだと思ってたら本当にバカだったんでオレはビックリしたぜ凪。」

ニヤニヤと笑いながら陵耶さんに言われる。

「すいません。」

「ほんとにバカですよ。自分の事より他人の事ばっかり考えちゃって。」

まだ怒った顔をしている黎。

「ごめん。」

「もっと自分を大切にしてほしいものです。」

呆れた顔をした後でホッとした顔を見せた滝くん。

「でも本当に無事で良かったです。ボクも生きた心地がしなかったんですよ。」

「アキさんすいませんでした。」

「でもカイくんと出会えて良かったね。響夜も役に立ったようだしね。オレと雪夜も頑張ったんだけどね。」

「聖夜さんありがとうございます。聖夜達が協力してくれてたこと響夜さんから聞きました。下條の事をいろいろ調べてくれたのは聖夜さんだって。」

「オレ達だけじゃない。みんなが凪くんを助けたくて一生懸命だったんだ。特に達樹くん。あの日、就職先の顔合わせがあったんだ。県外の人とかは来ない人もいたらしいけど普通はのし上がっていくためにも顔を売るところなのに達樹くんはあっさりと凪くんを助ける事を選んだ。顔を売る事は会社に入ってからするし、そんな事しなくてもオレは上に行くからって言ってね。凪くんはいい恋人を持ったね。」

「達樹ほんとか?」

「聖夜さんそれは言わないってお願いしたじゃないですか。」

「こういう事は言っておかないとダメなんだよ。達樹くんはきっと言わないと思うからオレが言っただけ。」

「達樹ありがとう。」

「凪がいてこそのオレだから。心配しなくてもオレはのし上がっていくから凪が引け目を感じる事ないぞ。オレが勝手にした事なんだからな。」

「わかってる。」

達樹はこれからもそうしてオレに負担にならないように影でフォローしてくれるんだろうなって思う。

「さあ、みんなで乾杯をしよう。」

それからは陵耶さんの料理と滝くんのカクテルで久し振りにみんなでどんちゃん騒ぎをして楽しむ。

あとから雪夜さんとユウさん、響夜さんとカイトさんも来てくれてとても賑やかな退院祝いとなった。

「じゃ、気を付けて帰れよ。」

「凪さん退院したからって油断しないでちゃんと食べないとダメですよ。」

「ありがとう、気を付けるよ。」

みんなに送られて達樹とオレは一足先に店を出る。

みんなはもう少し騒ぐらしい。

「もう春だな。」

月明かりに照らされた桜を見ながら達樹が呟く。

「うん。春だね。」

オレは達樹の手を握る。

暗いから誰にも見えない。見えてもいいと思った。

「凪。帰ろうか。」

「うん。」


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読んで頂きましてありがとうございます。久しぶりの私信です。
もう昨日になりますが地震がありました。18年前を思い出させましたが、私は何事もなく日中も仕事に励んでおりました。心配して下さった方ありがとうございました。†Rin†も家族も元気でおります☆

この地震で怪我をされた方はお年寄りの方が多くて、心が痛くなります。一人きりで暮らしてらっしゃる方、老夫婦でお暮しの方が多くなってます。仕事柄そういう方と接するのですが、「この前みたいな地震が来たら死にたい」と口にされる方がいらして悲しくなりました。

皆様のご家族様で一人暮らしや年老いたご夫婦でお暮しの方がいらしたら、電話で「大丈夫か」と一言だけでも声をかけて差し上げて下さい。「その声を待っているんだ」と皆さん仰られていました。
偉そうに言って申し訳ないのですが、今日実際に聞いた声なのでこの場から発信させて頂きました。


最後まで読んで頂きましてありがとうございます。『やさしいkissをして』もう数話で完結予定です☆

†Rin†

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