月と太陽がすれ違う時

月と太陽がすれ違う時44

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「日菜太、お父さんが帰って来たわよ。」

おばさんが下から日菜太の父親の帰宅を告げる。

「流星、お父さんのところに行こう。穏やかな人だから緊張しなくていいよ。」

そうは言われても初めて会う日菜太の父親なんだから緊張はする。

少し気を落ち着けてから日菜太に続いてリビングに降りた。

ラルクは日菜太が抱えている。

リビングで座卓に座る日菜太の父親は眼鏡をかけて新聞を読んでいた。

とても優しい目をして穏やかな雰囲気をしたその人は俺を見ると口角を上げて微笑んだ。

「目元が日菜太に似ている」そう思った。

きっと日菜太の本当の父親と似ていたんだろうな。確か亡くなった日菜太の父親の兄だと日菜太は言っていた。

「やあ、君が流星くんかい?いつも日菜太が世話になっているみたいですまないね。この子は思った事を口にするから迷惑をかけてないかい?ダメな事はダメってはっきり言っていいからね。」

「父さんも酷いよ。俺が流星に迷惑をかけてる前提じゃないか。」

「何だ。「父さんも」って言う事は母さんにも言われたのか?」

「そうだよ。まったく俺の事を何だと思ってるのさ。俺だって流星の役に立ってるんだから。」

「初めまして。蒼井 流星です。日菜太にはよくしてもらってます。食事も作ってもらったりして感謝してます。」

「日菜太が役に立ってるのならいいけれど、こちらこそよく泊まりに行っていて流星くんの時間を奪ってないかい?」

「そんな事はありません。日菜太のおかげで友達というものを知りましたし、俺の知らないいろんな事を日菜太が教えてくれています。」

事実そうだった。友達のいない俺はどんな事が今流行しているのだとか、どんな遊びをするのか、どんな本が流行っていて、どんな音楽をみんなが聴いてるのかなんて知らずにいた。

もちろんパソコンで流行りを知る事は出来るが、一人なら知ろうともしなかったと思う。

「さあごはんが出来ましたよ。日菜太運ぶの手伝ってくれる?」

「うん。これを運べばいいの?」

日菜太は嫌がる事もなく進んで料理を運ぶ。

母親と楽しそうに話をしながら…。

俺はその光景から目を離せずに見ていた。

俺には経験する事の出来ない温もりだから羨ましかったのかもしれない。

「流星くんは一人で住んでるって日菜太に聞いたんだけど、寂しくないのかい?」

じっと二人を見ていた俺に優しい声でおじさんが話しかけて来た。

「寂しいですか…。どうかな?高校生になってから一人暮らしだし、それまでも一人でいたようなものですから、寂しいとかいう感覚が鈍くなっているのかもしれません。」

「そうか。君は寂しいという感覚が薄くなるほど一人で過ごして来たんだね。」

「でも今は日菜太もラルクもいますから、楽しいんだと思います。他人を自分の家に入れた事さえなかったんですが、日菜太はそれをさせてくれませんでしたから。」

苦笑しながら言うと「そうだろうな」とおじさんは笑った。

「何二人で笑いながら話してんの?」

料理を運び終えて日菜太が俺の横に座る。

「日菜太の話だよ。日菜太はいい子だって話してたんだ。」

「ほんとかな?流星に変な話しないでよ。」

おばさんも食卓について4人で食事をする。

心のこもった料理は温かく、日菜太の作る料理と同じ味がする。

話をしながらの食事は食欲を呼び、いつもよりも食べていた。

「流星くんが酒が飲めたら良かったのにな。」

一人晩酌をしながらおじさんが言う。

「お父さんダメですよ。流星くんは未成年なんですからね。」

「わかってるよ母さん。だからすすめてないだろう?でも20歳になったら一緒に飲みに行こうな。」

「何で俺じゃなくて流星なんだよ。俺も一緒に行く。」

「日菜太は母さんと同じで酒に強くないだろう?正月のお屠蘇で酔っぱらったのは誰だい?」

「そうだけど…。父さんと流星だけなんてずるいよ。流星は俺の友達なのに母さんも父さんも流星を取ろうとするんだから。」

「だって流星くんイケメンなんだもの。母さん好みよ。」

「母さん。ちょっとそれは聞き捨てならないな。母さんには父さんがいるだろう?」

「いやだ。わかってますよ。お父さんが一番に決まってるじゃないですか。」

仲良さそうに目を見合わせて微笑みあう姿に微笑ましくなる。

「流星これいつもの事だから。この二人今でもこうなんだ。仲が良すぎて困っちゃうよ。」

なんだかんだ言いながらも日菜太もその様子に微笑んでいる。

「日菜太の家族はいい家族だな。温かくて…。日菜太が明るく素直に育ったのがわかる。」

血があまり繋がっていなくても、ちゃんと絆で結ばれた家族だ。

少し一緒にいただけでいい家族なんだとわかる。

愛情にあふれた家族。

日菜太が愛を信じられるのはこの両親がいるからだ。

「食事が終わったら流星くん先にお風呂に入ってね。」

「ありがとうございます。」

俺は楽しい食事の後、すすめられるままに風呂に入った。

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昨日の記事で凪と海人の頂きもののイラストの記事をUPしましたが、その中で坂崎 若様のブログのリンクが貼り付けられてなくてごめんなさい。若様、大変失礼いたしました。修正させていただいております。リンクから飛ぼうとされた皆様申し訳ございませんでした。改めてここに坂崎 若様のブログをリンクさせて頂きます☆+ Neo Universe~BL illustration +です。


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