月と太陽がすれ違う時

月と太陽がすれ違う時75

 ←月と太陽がすれ違う時74 →月と太陽がすれ違う時76

マズい。絶対にマズいと思う。

流星様と日菜太くんが仲たがいしてからどれぐらい経ったのだろう。ボスが流星様の家に行くようになって3週間ほどだからその間ずっとすれ違っている。

日菜太くんは流星様と離れたくないと言っていたが、どうすればいいのかわからずにいるみたいだし、流星様は日菜太くんの事が気になりながらも行動をおこそうとしない。まだ日菜太くんの事が好きなんだという事に気が付いていないようだ。全くだから初恋は難しいんだ。特に流星様はその手の事に鈍感というのか、感情を知らなさすぎるというのか…。厄介な事極まりない。

日菜太くんも流星様と女性の事が引っかかっているんだろう。いつもの行動力がない。目の前で女性とのキスを見たら…日菜太くんの事だ後々までダメージが来るのだろう。

私だって英知が女性とキスしているのを見たら、引いてしまうかもしれない。同性を好きという事は異性を好きになるよりも辛いと思うのは私だけだろうか。

同性を好きという事はライバルが女性にも男性にもいるという事じゃないだろうか。相手がバイの場合は特に。英知もバイだしいつもそれに怯えているのだ。愛されていると思っていても、いつかは別の人を選ぶのではないかと怯えている。それが同性なら英知を渡したりしない。でも女性なら私はためらう事なく身を引くだろう。それが英知の本当に愛してる人ならば…。だから日菜太くんが行動出来ない気持ちもわからなくもないのだ。

でも今回の女性の場合は流星様が本気で愛してる女性などではない。そんな女性はいなかった。日菜太くんより流星様の日常に詳しい私が言うのだから間違いはない。

二人は学校でも話をしていないようだし、日菜太くんも流星様の家に女性がいたらと思うと行けないみたいだし無理やりにでも二人になって話をする必要がある。ただ今の状態では流星様が日菜太くんと二人になる事は避けるだろう。

ここは私がひと肌脱ぐほうがいいだろう。しかしセッティングするにしても日菜太くんに話しておいた方がいい?悩むところだ。日菜太くんに話して、流星様に話してないとなると後々流星様から信用を失いそうだし…。やはりここはお互いにサプライズな方がいいかもしれない。

そうと決まれば早いに越した事はないとさっそく流星様に電話する。夕方だからもう帰っているはず。

「もしもし流星様、片桐です。今大丈夫ですか?」

「ああ。何だ。あの人なら来ていないぞ。そうだ。片桐に聞きたかったんだ。こんなにここに来てあの人は大丈夫なのか?本家と何かあったんじゃないだろうな?」

「社長の事なら大丈夫です。私がうまくスケジュールを立てておりますので流星様が心配するような事はございませんよ。安心なさってください。」

流星様も何だかんだといいながら社長の事が心配になっている。正直まだ社長の事を許したわけではないのだろうけど、何度もお会いになって社長という人を知れば受け入れる部分も大きくなっていくのだろう。今までは会わなさ過ぎたのだ。今はその会わなかった時間をお互いに埋めているのだろう。社長の顔も日増しに嬉しそうになっている。

「ならいいんだ。で、何の用だ?学校ならちゃんと行っている。」

「いえ、英知が…。失礼しましたDRがその後の身体の状態を見たいので来てほしいと伝言がありまして、急で申し訳ないのですが土曜日の午後に来てほしいとの事なのです。土曜日なら昼から時間が取れるのでその日が良いとの事なのですが流星様ご予定はありますか?」

「診察か…。土曜日の昼からだな。俺は大丈夫だ。」

不審には思われなかったようで安心した。英知の名前をダシに使ってごめん…。

「では私が迎えに参りますが、外に出ておりますので駅前で待ち合わせでもよろしいですか?」

「構わないが俺一人でも行けるぞ。」

「いえ、私も一緒に行って流星様のお身体の状態を知っておきたいのです。社長にもお伝えしないといけませんし。」

「そうか。わかった。時間が決まれば教えてくれ。」

「では駅前に14時でどうでしょうか?」

「わかった。14時だな。」

「はい。お願いします。」

電話を切って一息つく。流星様は疑う事なく信じてくれたようだ。次は日菜太くんだな。

「もしもし日菜太くん?片桐です。今大丈夫ですか?」

「あ、片桐さん?こんにちは。どうしたんですか?」

「だいぶ日菜太くんと会ってないなあと思いまして、日菜太くんさえよかったら会いませんか?」

「片桐さんとデートですか?ええ俺も片桐さんに会って話をしたいと思ってたんです。」

「じゃ今度の土曜日はどうですか?」

「はい俺は大丈夫です。」

「では土曜日の14時に駅前で待ち合わせしましょう。よろしいですか?」

「はい。14時に駅前ですね。すごく楽しみです。」

「私もです。では土曜日に…。」

これで土曜日の約束は取り付けた。

二人で話し合うためのセッティングはしましたが、これをどう生かすかはお二人次第ですよと心の中で呟く。本当なら遠くで二人の様子を見守りたいとも思うが、もし見つかってしまえばセッティングも無駄になってしまうので後で様子を聞く事にする。

「お二人とも正直に向かい合って下さいね。」

小さな声で呟いて二人の未来を祈る。

この時は上手くいくと思っていた。ただお互いの言葉が少なすぎてすれ違っているのだと。二人で話せば溝は埋まると思っていた。私が流星様に電話をしてしまった事で日菜太くんに勘違いさせてしまうとは思わなかったのだ。

ランキングに参加しています。ポチッと押してくだされば嬉しいです。いつもありがとうございます・:*(〃・ェ・〃人)*:・

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト





もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ご挨拶
もくじ  3kaku_s_L.png 貴方の腕の中で
総もくじ  3kaku_s_L.png キミと空とネコと
もくじ  3kaku_s_L.png S.S
もくじ  3kaku_s_L.png イラスト
もくじ  3kaku_s_L.png 頂きもの☆
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 新撰組物語
  • [月と太陽がすれ違う時74]へ
  • [月と太陽がすれ違う時76]へ

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • [月と太陽がすれ違う時74]へ
  • [月と太陽がすれ違う時76]へ