月と太陽がすれ違う時

月と太陽がすれ違う時82

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病院の冷たい椅子に座ってどれくらいたったのだろう。

病室の扉は固く閉ざされたままで、ここだけがやたらと静かに思えて不安になる。

夕方だからもっと騒めいていていいはずなのに静かすぎて嫌な考えが浮かびそうになりブルブルと頭を振った。

時間の経つのが遅く感じられて、何度も何度もスマホの時計を確かめて…。

「流星早く来て。一人じゃ怖いよ…。」

祈るように頭を垂れてその上で手を組む。

「早く。早く流星来て…。」

その願いが通じたようにこちらに向かって来る足音が聞こえて顔をあげる。

「日菜太遅くなった。どうだ?」

流星だ。流星が来てくれた。

流星の問いに答える事も出来ず、立ち上がると流星の傍に行き両手を掴んだ。

「流星。おじさんが…。」

「ああ。大丈夫だ。心配をかけてすまない。」

「本当に大丈夫なの?」

「ああ。きっと大丈夫だ。担当が優秀なDRだからな。」

「そう。でもドア…。」

固く締まっている病室の扉を見ると、ちょうどドアが開き看護士が出てくるところだった。

「病状はどうなんですか?」

静かに流星が問う。

「ご家族様ですか?DRよりお話がありますので中にお入り下さい。」

流星は俺を見ると「大丈夫だから」と両手を握っている俺の手に手を乗せる。思っていたより温かい手のぬくもりにホッとする。

「日菜太悪いけどここで待っていてくれるか?」

「う、うん。わかった。待ってるよ。」

流星が病室に入るのを見送るとドスンと椅子に座った。

流星、すごく落ち着いていたけど病気の事知ってたんだよな。俺はオロオロしているだけで何の役にも立たなかった…。

ダメだ。俺がへこんでどうするんだよ。

パチパチと両頬を叩いているとドアが開き流星が出て来た。

「流星‼おじさんは?」

「ああ。大丈夫だ。心配かけたな。さっき意識が回復して、今は薬で眠ってる。帰るぞ。」

「え?帰る?傍に付いてなくていいのか?」

「ああ。もうすぐ片桐も本家の家族も来るから。」

それ以上は何も言わずに歩き出した流星を慌てて追いかけた。

本家…。そっか。おじさんの本妻さん達が来るならそこに流星がいない方がいいに決まっている。おじさんにとっても流星にとっても。

流星の横を何も言わずについて行く。こんな時どうしたら流星を元気に出来るのだろう。

俺の出来る流星を元気に出来る事。


「流星。お腹すかない?俺すっごくすいたんだけど。」

「ああ。もうそんな時間か。何か食べて行くか?」

「どこかで食べるより流星の家で食べたい。」

「俺の家?何も食べるものなんてないぞ。」

「わかってる。俺作るからさ、ス―パーに寄って帰ろう。何か食べたいものないか?」

「…。日菜太のオムライス。」

珍しい流星からのリクエストに嬉しくなった。

「そんなんでいいのか?でかいの作ってやるよ。」

「いや。そんなに大きくなくていい。普通のにしてくれ。」

目が合って流星が少し柔らかい表情をしたのでますます嬉しくなって流星を追い抜かして歩く。

だって顔が赤くなってるのが自分でもわかる。

あんな優しい顔をした流星を見るのは久し振りなんだ。

不意打ちでその顔はダメだよ流星。心臓が射抜かれてしまうだろ。

優しい顔をした流星を見るだけでこんなになるほどって…。俺ってホントに流星が好きなんだよな。


「おい。日菜太どこまで行くんだ?」

顔を見られたくなくてズンズンと歩いてタクシー乗り場を通り越していた。タクシーの傍で立っている流星が不思議そうに俺を見るのでますます顔が赤くなる。

そのまま歩いて行くわけにも行かず、流星の傍に戻ると顔を見られない様に下を向いた。

「顔…。」

「早く流星先に乗って。」

ぎゅうぎゅうと流星の身体を中に押し込むように押す。もちろん顔は下向いたまま。

流星はあんまりにも俺が押すからか、それ以上は何も言わずにタクシーに乗ってくれた。

その後1回深呼吸してから乗り込んだ。少しは顔の赤みも取れてて欲しいと祈りながら。

流星は何も言わず二人してスーパーに寄って買い物をしてから流星のマンションに戻った。



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読んで頂きましてありがとうございます。久しぶりに再開したのに読んで下さる方がいて下さって本当に嬉しくありがたく思っております。本当にありがとうございます。

ところで、又私やってしまいました。ええ。UPが遅かったですよね。81話。ちゃんとUPしたはずなのに何でUPされてないんだ?と気が付いたのが家に帰って来てから。

前に送信されてなかった事があったのでそれかと思いきや、何の事はない予約投稿日の間違いでした。31日を抜かしておりました。「ニシムクサムライ」ですよね。本当にすいません。今日はちゃんと予約日時を確認しておりますので大丈夫だとは思うのですが…。ドキドキする(;◔ิд◔ิ) ドキドキ・・・ 。訪問して下さった方申し訳ありませんでしたm(._.*)mペコッ

ところで、Gya0!で久し振りに竹宮恵子さんの「地球へ」のアニメを見て、ソルジャーがすごく好きだったことを思い出しました。全巻集めたはずなのにいつの間にか母親に捨てられてた(>A<。)

一番嫌いなのはやはりフィフスですね。最後のシーンでトドメ。大嫌いになりました。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、ケッって思ったのは確かです(笑)
アマゾンにならまだあるかな?覗いてみよう。

明日はってもう今日ですが、仕事終わったらアニメイト三宮にマンガの大人買いと『枢やな』のイラスト集を買いに行って来ます。予約してたのに2週間も取りに行けてなくてやっと行けます。そう『黒執事』の作者さんです。どんなイラストがあるのか、色使いなのか、セバスチャンとシエルに萌えれるのを楽しみにしているのです(灬╹ω╹灬)ドキドキ

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