土曜の雨のジンクス
土曜の雨のジンクス25(ややR 気味)
無理やりに腕を掴まれて立たされる。
オレを逃がさない様にする為か、掴まれた腕が痛くて振りほどこうとすると尚一層強く掴まれて相手を睨みつけるとそいつは何故か嬉しそうに下唇を舐めた。
「暴れれば暴れるだけオレを喜ばせるってわかっててやってんの?そう言えば前ん時もそうやってオレを煽ってくれたよな。明日叶は縛られるのが好きだった。少し痛めつけられるのがいいんだったよな。」
思い出した。こいつ嗜虐することを喜ぶ奴だった。オレは本当に嫌だったのに無理やり痛めつけるようなSEXをされた事を思い出す。逃げれば逃げるほど喜び、痛めつける事で興奮を得るタイプの人間だった。
それでもSEX以外は優しくていい男だったから何回か付き合ったけど、SEXが苦痛になって別れた。こいつも本気で恋愛をするタイプではなかったから別れるのも簡単だったから記憶から抜けていた。
今日はどうやらこいつはSEXしたいモードなんだろう。そう言う時は乱暴に扱われるのが常だった。今みたいに…。相手の気持ちなんか関係なく自分の欲求を満たすためだけに身体を繋げるのだ。
「オレじゃなくても他にいくらでも相手がいるだろう?」
「ん?ああいるぜ。でも明日叶見て明日叶とやりてーと思った。やりてーんだろ。そんな顔してるぜ。」
「そんなわけあるか。腕を離せよ。」
「今の明日叶の顔見てっとオレの中で明日叶を痛めつけたいって欲求が湧いてくるんだ。オレだって普通のSEXもするんだぜ。でもなぜか明日叶限定では痛めつけたくなる。お前を啼かせたくてたまんねー。」
「勝手な事言うな。誰がお前のいいようになるか。離せっ。」
オレだって渾身の力で男の腕を振り払おうとしてるのにびくともせず体力だけが奪われて行く。路地の狭い通りに連れ込まれて強く腰を引き寄せられて唇を奪われる。嫌だと顔をそむけようとしたら強く顎を掴まれて身体は後ろの壁に押しつけられて身動きが出来ない。
「そんな猫みたいに威嚇すんな。明日叶とは何回かしか寝てねーけどお前の弱いところは覚えてるんだぜ。オレは明日叶とのSEXが好きだった。忘れらんねーくらいにな。」
膝の間に足を入れられ尚も唇を犯される。凶暴なまでの舌がオレの中を蹂躪して舌の付け根や上顎のオレの弱い部分を巧みに貪り、膝の間に入れられた足は狙いをつけてオレの股間を刷り上げる。
嫌だと思う心とは裏腹に、快感を知っている身体は正直に反応を示す。虚勢を張っていても身体は弛緩し力が入らなくなる。
「相変わらず敏感な厭らしい身体してんな。これからもっとよくしてやるよ。『お願い。挿れて』って泣くまで可愛がってやる。」
「いや…だ…。」
「もう力も入らないくせに強情なところもかわんねーな。でももうここも期待して尖がってるぜ。」
「あぅ…っ…。」
突然シャツの上から胸の尖りを擦られてビクリと身体が揺れる。それに気を良くしたのか再び口を貪りながら尖りをつままれ引っ張られるとふさがっている口から小さな吐息が漏れてしまう。執拗に2つの尖りを刺激され身体が振るえる。
嫌なはずなのにもっと触って欲しいと、壁に押しつけられた背中に薄っすらと汗をかく。この快楽に溺れればこの時だけは何もかもを忘れられるだろうか。乱暴にされてもいいかもしれない。鷹之の幸せを心から祝う事の出来ない醜いオレに罰を与えて欲しい。
愛だの恋だのそんなものはいらない。快感の中でグズグズに溶けてしまえば考えなくてすむ。このままこの男に好きなように抱かれてもいい。どうせオレは汚れている。鷹之と付き合っていた頃のような身体ではない。
好きでもない男に抱かれ、何人に身体を許したかもわからないほど汚い身体だ。今更、綺麗なSEXが出来るなんて思っちゃいない。
「わかった。でもこんなとこじゃ嫌だ。」
「そうだな。こんなところじゃゆっくり楽しめねー。今晩は丁寧に可愛がってやるよ。」
力の入らない足が崩れそうになり腰を引き寄せられる。間近になった顔が近づき軽くキスをされても頭は冷え冷えと冷めていた。こんなキスはいらない。SEXするためのキスならさっきみたいに心が快感に負けるけど、それ以外のキスはかえって気持ちが冷めるだけだ。
顔をそらして唇から逃げると早く行くぞとばかりに足を何とか進める。
路地裏から通りに出て腰に廻されていた手をほどいた。いくら夜でもどこで誰かに見られているかわからない。
「逃げないからあまりひっつくな。」
名前も覚えていないと男の身体を押しやり歩き出す。
「明日も仕事だから乱暴なのはやめてくれ。それが無理だっていうならオレはしない。」
「わかってるって。オレは明日叶とやれりゃーいいんだよ。さっきは痛めつけるような事言ったけど、明日叶を散々泣かして懇願させるってのもいいな。」
「悪趣味だな。どうにでも好きにすればいい。ただし今日だけだ。身体だけ満足させてくれればいい。約束だぞ。」
「1回だけかよ。ま、いっか。ほんとならそれもなかったかもしんねーんだからな。相変わらず一人に定めてないんだな。明日叶のビッチは顕在って事だ。」
「そんな事はもうしてない。今日は特別だ。もうあの頃とは違うんだ。こんなオレを抱きたいなんて奴ももういないさ。」
「明日叶はわかってねー。お前ダサくして目立たないようにしてるつもりなんだろうけど、見たらすぐわかるぜ。男が引き寄せられる雰囲気はダサくしたところで消えるもんじゃねー。特にお前のフェロモンだだもれしてんぞ。だからオレもお前を見つけられたようなもんだ。」
慌ててポケットにしまっていた眼鏡をかけようとして取り上げられた。
「今更だろ。こんな度の入ってないダサい眼鏡かけてんのか。こんなもん捨ててしまえ。オレといる間は綺麗な顔見せてろ。」
こともあろうかオレの眼鏡はポイと車道にほり投げられ走って来た車にグシャリと踏み潰された。
「何するんだ。オレの眼鏡なのに勝手な事すんな‼」
「どうせ伊達だろ。いらねーじゃん。それより早く行こうぜ。もうオレ明日叶に突っ込みたくてしかたねー。」
下世話な男だ。どうしてこんな奴とSEXしようとしてるんだ?もっと乱暴にオレに有無を言わさないように振り回してくれたなら心を置き去りにしたまま抱かれる事が出来るのに…。こいつじゃダメだ。
「悪いが気分が変わった。お前とはしたくない。他を当たってくれ。オレじゃなくても相手はいると言っていただろう。オレの眼鏡を壊してくれたんだ。お前としたくなくなったって理由には十分だろう。」
「な、何いってんだよ。ここまできといてそれはないだろ?眼鏡の事は謝るから、なんだったから弁償するから行こうぜ。」
「別に弁償して欲しいとはいっていない。お前とはSEXしたくなくなったって言ってるだけだ。じゃあな。これから会ったとしても声は掛けないでくれ。別にお互いに恋人でもなんでもないんだからかまわないだろう。」
「明日叶待てよっ‼」
振り返りもせずに駅に向おうとして慌てて追いかけてきた男に捕まる。しつこい男だ。
「もう話す事はない。こんな人前で男2人がもめていると目立つぞ。」
「明日叶。帰さねーっていっただろ。無理やりにでも連れて行く。縛り付けてでも今日は許さない。」
オレに冷たくされてコイツのプライドが許さないんだろう。目の奥に欲情ではなく怒りの炎が蠢いている。さっさと切り上げたくて言った事がまずかったと気が付いたが今更何を言っても聞きはしないだろう。
「オレの言い方が悪かったなら謝る。すまない。だけどもうそんな気分じゃないんだ。期待させたみたいで悪かった。」
「悪かったで済むか。悪いと思うのなら身体で返せ。」
無茶を言う男だ。もともとオレは嫌だと言ったんだ。久しぶりのキスで身体がグズグズになりかけたのはオレだけど、こればかりは仕方ない。男ならわかるはずだ。まして男の身体を十分に知ってるのだからその先の行為を身体が求めてしまうのは仕方ないだろう。
このまま言いあっても平行線のまま拉致が明かないと思ったオレが逃げようとしたとたん、今度は反対の頬を平手打ちされた。
思い通りにならないと暴力を振るい、恐怖で支配するそう言うつもりなのだろうけど、オレは何とも思わなかった。暴力は痛いし怖い。でも身体の痛みは時間と共に消えるけど心の痛みは消えない。暴力でオレの心は動かせない。
夜とはいえ街中で男2人が喧嘩をしていたら誰もが目に止める。ましてやオレは口の端に血を滲ませていた。それでも何も言わずに睨みつけていたらもう一度殴ろうと相手の手が振りかざされた。
気が済むのなら何度でも殴ればいい。半ば投げやりな気分で手が振り下ろされるのを待った。これで転倒して頭でも打って意識が飛んでくれないかなとかバカな事を考えていた。
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