土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス37

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この店、この街並み…。この先には小さな公園があって、向かいにはコンビニがあるはず。

どんどん知ってる街並みの中に車は進んで行く。

オレはただ無言で激しく波打つ心臓の音を感じていた。

「どこに行くつもり?」

そんな些細な事さえ口に出せないほど狼狽していたんだ。

このまま直進すればそう鷹之の店だ。

動かない口を開けて「嫌だ。行きたくない。」って言いたいのに強張った口は息を吐くだけで言葉にならない。

このまま店を通り過ぎてどこかに行くんだってそう思いたい。

でも最悪な事にやっぱり鈴城さんは鷹之の店の駐車場に車を停めた。

「どうして…。」

やっと出た声は掠れて小さなものだった。涙さえ溢れそうになる。

せっかく鷹之との週末を離れていられたのに。

いつもの暗い夜じゃなくて青い空の下で過ごせていたのに、どうして最後がここなの?

何だか鈴城さんが憎らしくなって睨みつけると鈴城さんは苦笑する。

「今日はオレに付き合ってくれるって言ったよね。」

「言ったけどここは嫌だ。」

「前に言ったでしょ。1日1杯はここのコーヒーを飲むんだって。」

「言ってたけどオレを連れてこなくてもいいでしょう。一人で行けばいい。オレここで待ってる。」

「もう。案外子供みたいなことを言うんだな。新発見。ちょっと嬉しかったりする。」

「ならもういいでしょう。鈴城さんがここでコーヒーを飲むって言うんならオレ帰る。」

「それはダーメ。今日はオレに付き合うって言ったでしょ。約束はちゃんと守ってもらわないとね。なんたってオレフラれちゃったんだから。」

「でもそれとこれとは違う。」

「いいから早く車から降りる。大丈夫。今は菅沼さんいないから。」

「え?」

「さっき店に電話したらアルバイトくんしかいないみたいだった。ね、だからコーヒー飲むくらい付き合ってよ。」

「ほんとに?」

本当だと鈴城さんが頷くので恐る恐る店の中に入ると確かにバイトの男の子だけだった。お客もいない。

「ね、いないでしょう。だから安心してコーヒーを飲もう。」

「飲んだらすぐに出るから。」

「はいはい。了解。すいませんコーヒー二つ。」

まだ安心出来ないと入口からもカウンターからも見えにくいところを選んで座ると鈴城さんが仕方ないなあって顔をするからムッとする。

だってオレの気持ちを知ってるくせにここに連れてくるなんて嫌がらせとしか思えないじゃないか。

「オレが鈴城さんの事を断ったから嫌がらせのつもり?」

「ひねくれた考え方をするんだなあ。ただコーヒーを飲みたかったんだって。だからちゃんと電話して菅沼さんがいない事を確かめたんじゃないか。」

「でも今はいなくてもすぐに帰って来るかもしれないじゃないか。」

「フフフ。伊藤さんは感情が現れると敬語が吹っ飛んじゃうからいいね。伊藤さん…下の名前なんだったっけ?明日叶だったよね。そう呼んでもいい?」

「ダメ。絶対にダメです。ここで呼んだりしたらもう二度と鈴城さんとはしゃべらないから。名前呼ばれたらオレの事ばれちゃうじゃないですか。」

「あ、そうか。じゃここ以外でならいいわけ?」

「ダメです。鈴城さんはちゃんと使い分け出来なさそうだからダメ。」

「ちぇっ。まあいいけどね。その内に呼んで見せるさ。」

「絶対に呼ばせません。」

クスクスと笑ってるとコーヒーが運ばれてくる。

「やっぱりここのコーヒーはおいしいよな。バイトくんでもこんなにおいしいんだからなあ。」

「鈴城さん失礼だなあ。ボクだってちゃんと淹れ方を教えてもらって合格したから一人でまかされてるんですよ。」

「ごめんごめん。悪気はなかったんだ。」

聞こえちゃったなって鈴城さんが茶目っ気たっぷりに笑うからつられてクスリと笑いがこぼれる。

「やっぱり伊藤さんは笑った方が魅力的だな。うん。そうやって笑ってなさい。」

「征一郎さんや遥斗さんみたいなことを言う。そうやって子ども扱いしないで欲しいな。」

「オレより2つも3つも下なんだからしょうがないじゃん。」

そう言ってグリグリと頭を撫でられて…。もうって腕を払いのけた時に表から鷹之とすみれさんが入って来た。

思わずオレは固まって動けなくなる。鷹之の目がオレを睨んでたのがわかったから。

店の隅の席に座ってた。入口からはすぐに目が入らない位置だったのに鷹之は目ざとくオレを見つけたんだ。

「こんにちは。菅沼さん、すみれちゃんお邪魔してるよ。」

「あら鈴城さんいらっしゃい。もしかして伊藤さんって…。」

「そうそう。この人が伊藤さん。」

「いつだったか雨の日にタカが連れてきた人ですよね。」

「…は…い。…あの時はお世話になりました。」

「風邪ひかなかったですか?あの日はすごい雨でしたもんね。」

「おかげさまで…大丈夫でした。」

「すみれ、こんなとこで話してたら身体に障るだろ。早く奥にいって休め。ココアでも入れて持って行ってやるから。」

「そうね。じゃ鈴城さん、伊藤さんごゆっくり。」

そう言うと鷹之はすみれさんを労わるように店の奥に連れて行く。

優しくすみれさんを見ていた目がオレを見る時は睨んでいてビクリと身体が強張った。

何でオレがあんな目で睨まれなくちゃいけないんだ?

なんで睨まれるのかわからないけど、睨まれて怖いと思った。何かしら鷹之の気に障った事をしたのかもしれない。嫌われたらどうしよう…。

頭の中がパニックを起こしていた。



「伊藤さん。伊藤さんてばっ。」

ハッと我に返ると心配そうに鈴城さんがオレを見ていた。

「あ…。だい…じょ…ぶ…。」

「ちっとも大丈夫じゃないじゃないよな。ごめん。こんなに早く菅沼さんが帰って来るとは思ってなかった。でも菅沼さん何怒ってるんだろうね。オレすんごい睨まれちゃったんだけど。」

「え?鈴城さんじゃないですよ。睨まれてたのはオレです。きっと週末なのに鈴城さんといたから怒ってたんじゃないかな。」

「そうかなあ?でもさ、週末の約束を破らせたのはオレなんだからオレにじゃないの?」

「違うと思います。オレの事、すごく睨んでましたから…。嫌われちゃったかな…。」


★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。。★゜・。。・゜゜・。。・゜☆

何だかたくさんのポチを頂いてて…。ビックリ(*_*)しました。皆様、本当にありがとうございます。昨日はドジして0時更新になってなくてスイマセンでしたm(*- -*)mス・スイマセーン

中編で終わらせようとしているのですが、なかなか進まなくてスイマセンm(。_。;))m ペコペコ…でももうすぐですから←ほんまかいっ‼

でもお話の中盤ではあるんですよ。ほんとに∑(; ̄□ ̄A アセアセ
『キミ空』のようにはならないっす‼『ドヨ雨』は中編のつもりですから(〃゚д゚;A アセアセ・・・

最近悩んでる事…。突然ですが…。『新劇の巨人』を集めるかどうかって事(笑)
土曜日にアニメイトで迷ったんですよ。かなり…。でも他に15冊ほど買ってたので(笑)なんか特装版の1巻が復活してるんですよねえ。Amazonでは2000円近くのプレミヤの付いた値段でしたが、アニメイトで買えば840円だったかな?

25日にカーニヴァルの13巻買いに仕事終わりに三宮まで行かないといけないからそん時まで残ってるかなあ。あったらきっと全巻大人買いすると思う(爆)

大和名瀬さんが同人誌で書いてるんですよね。葛井美鳥さんも書いてる。アニメもチラッと見ただけなんですが、BL要素満載ですよねえ。やっぱ買うべき?
何か少年漫画なのに『青エク』にしても『黒バス』にしても『ハイキュー』にしても私の買うマンガって2次BL多いのは気のせいかしら(笑)

長々と呟いてしまいました。最後まで読んで下さってd(ŐдŐ๑)☆スペシャルサンクス☆(๑ŐдŐ)bです。

†Rin†


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