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土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス47

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はあはあと荒い息をつき、真っ直ぐに立っていられず膝に手をついて息を整えようとするけど、久しぶりの全速力は思ったように肺に呼吸を送ってくれなくて涙が滲んだ。

口の中は相変わらず血の味はしてるし、髪の毛は乱れ、額に張り付いて気持ち悪い。

10時にマンションでと伝言を受けた鈴城さんがオレに教えてくれたのは11時。で、今はもうとっくに日付をまたいで12時を回っていた。

ようやく落ち着いて顔を上げてマンションの周りを見る。

街頭が優しく周りを照らして傍の木がサワサワと揺れているだけでそこには誰もいなかった。もしかしたらとマンションの周りを歩いてみたけど人影一つ見当たらない。

エントランスも同様だ。

「そうだよな。もう2時間以上もたってるんだもんな。当たり前だ。」

そう思うものの思ったよりもショックを受けている自分に気が付く。

会って何を話すというのか。自分の気持ちを言おうと思っていたけど、それは自分の自己満足で鷹之にとっては迷惑な事なのだ。

鷹之への思いに決着をつけるなんて、鈴城さんに言っておいて会えなかったとたんにネガティブに陥る。

汗をかいてシャツがへばりついて気持ち悪い。

とにかく部屋に帰ってシャワーでも浴びようと重い足取りでエレベーターに乗り部屋の鍵を出しながら廊下に出た。

オレの部屋の前に誰かいる。

ドクンっと心臓がなりその場を動けない。

寝やの前にいる人はドアの前に座り込んで下を向いていて顔は見えないけどシルエットで鷹之だとすぐにわかった。

動けなくて強張った指から家に鍵が落ちてカチャンと廊下に音が響き、下を向いていた鷹之が顔を上げてオレを見た。

「す、がぬまさ…。」

オレの言葉は最後まで発する事が出来ず、鷹之にぎゅっと身体を抱きしめられた。

何で?どうして鷹之がオレを抱きしめるんだ?

ずっと待っていたのだろう、鷹之の身体は冷たくなっていた。

走って汗をかいて熱くなったオレの身体とは反対に鷹之の身体は冷たかった。

「菅沼さん。ちょっと…。離れて下さい。」

「嫌だ。」

「嫌だって…。遅くなってすいません。教えてもらったのがさっきで菅沼さんを待たせてるなんて知らなかったんです。すいませんでした。ずっと待ってたんですか?すごく身体が冷えてます。取りあえず部屋に入りましょう。」

「あのホテルに行こう。予約してある。」

「ホテルですか?予約って…」

動こうとしないオレに焦れたのか鷹之がオレの手を引っ張ってマンションを出る。

オレがマンションを目指してる時には1台も通らなかったのに、簡単にタクシーが停まりホテルまで連れていかれる。その間も鷹之はオレの手を離そうとしないし、いつもと違う雰囲気にオレは何も言えずについて行くしかなかった。

日付も変わっているというのにカウンターで名前を告げるとすぐにカードキーを出された。

時間は遅くなる事を鷹之が電話していたらしい。来なくても部屋はキャンセルにしないでくれとも言ったようだ。

部屋に入ると鷹之は茫然としたまま動かなくなった。身体は冷たいままだ。このままじゃ鷹之が風邪をひく。

「ソファーに座って。オレコーヒーでも淹れますから。インスタントだからおいしくないでしょうけど身体を温めると思って我慢して下さい。お風呂にも入った方がいい。そのままじゃ風邪引きますよ。早く座って。」

所帯なさげに立っている鷹之の手を引いて無理やりソファーに座らせると、コーヒーメーカーをセットし、風呂場に行って湯を張る。

戻ると鷹之が部屋に行けられている花を見ていた。

「綺麗ですね。部屋に花があると良いですよね。この前オレも花束をもらったんです。よっぽど新鮮だったのか今でものこっ得る花が癒してくれます。男の部屋に花があるのも変ですけどね。」

テーブルの上に鷹之のコーヒーを置き、向かいに座ってオレも一口飲む。

不思議なものでもっと気持ちが乱れてぐちゃぐちゃに言ってしまうかと思ってたけど、鷹之が何だか思いつめた様子でいつもと違うからか返って落ち着いていた。

「やっぱり菅沼さんのコーヒーには敵いませんね。」

「どうしてミルクだけだって知ってるんだ?」

「え?」

鷹之はいつもコーヒーに砂糖は入れずにミルクだけだった。Blackも飲まない。ただ、高校の時にそうだったから考えもせずにミルクだけを出していた。

「あ、砂糖いります?オレの知り合い砂糖使う人少ないんです。それでくせでミルクだけにしちゃったんです。すいません。」

「いや、砂糖はいらない。でも鈴城さんは砂糖入れるだろう?」

「何で鈴城さんがでてくるんです?オレ鈴城さんにコーヒー入れた事ないんです。」

「鈴城さんを部屋に呼んでない?」

「オレ、他人を家に入れるのあんまり好きじゃなくて、特定の人しか入れないんです。あ、菅沼さんは入った事ありましたね。それこそ特別です。ここに来るのは限られた人だけです。父親でさえ1度しか来てませんから。」

「特定の人か…。オレの場合は押しつけたって感じだからな。歓迎されているわけじゃない。」

「そんな風に言わないで下さい。あ、お風呂湧いたみたいだから温まって来て下さい。」

「そうだな。ちょっと身体が冷えてるから甘えさせてもらう。」

鷹之が風呂場に入りシャワーの音が聞こえて少しホッとする。今日の鷹之は何だか変だ。何かあったのかな?

オレはその間に一度カップを洗い、新しくコーヒーを淹れた。

自分も汗をかいていた事を思い出し、鷹之が出たらオレもシャワーを浴美させてもらおう。

「いい香りがするな。」

鷹之が髪の毛からしずくを落としながら入って来る。

「菅沼さんちゃんと髪の毛拭いて下さい。雫が垂れてるじゃないですか。それになんで腰にタオル巻いただけなんです?」

「風呂から出たばかりで熱いんだ。後で着る。」

「そうですか。オレ汗かいて気持ち悪いんでシャワー浴びて来ます。」

「ああ。」

何だかいつもと違う鷹之に戸惑いながらも気持ち悪さが嫌でシャワーを浴びに行く。

頭から熱いシャワーを浴びると不快さが消えて気持ちよくなる。


鷹之が何の為にわざわざ鈴城さんに伝言までしてオレに会いたがったのかとか、2時間も待ち続けていたのかとかそんな事を考える事もなくシャワーを浴びていた。

鷹之がどうして…と考えるより、時間が経つにつれ自分がどうしたらいいのか迷いだして来たんだ。

シャワーを出たらどうしたらいい?何の話をすればいい?オレはオレの正直な気持ちを言ってもいいのか?オレが明日叶だと名乗ってもいいのか?

グルグルと考えて湯船にブクブクと浸かる。

言うにぢろ言わないにしろ、これがラストチャンスかもしれない。

鷹之がオレに会いたいと待っていてくれた。それだけでも幸せだ。会いたいと思ってもらえたんだから。

ならオレはちゃんと鷹之に嘘をつかずに答えなければいけない。5年前逃げた。今も逃げたままでオレは何も変わってない。このままじゃダメだ。

何度も同じ事を決意しては崩れてきた。でも今日は崩れない。例えたを苦しめる事になったとしても今の幸せな鷹之なら許してくれるかもしれない。いや許してもらおうとは思わない。もう会えなくなる事になるだろうけど、最後は綺麗に別れたかった。


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