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土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス46

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鷹之と過ごす週末が流れてしまってもオレの毎日は変わりはなかった。

表面上はだ。心の中は寂しいという思いと、身体を合わせるだけの行為をしなくて済んだという気持ちで複雑だった。もしかしたらあの店での別れが鷹之との別れとなるかもしれないと思うと泣きそうに悲しい反面、これでよかったんだという気持ちも少しある。少しなのは未練があるからだろう。ちゃんと「さよなら」を言えてないから…。

でも自分でも思っていたよりも落ち着いていられたのは征一郎さんと遥斗さんのおかげだろう。

あの日、デートの帰りだと大きなアレンジフラワーの花束とチーズとワインを持って寄ってくれた。

「チーズとワインはわかるけど、何で花束なの?」って聞いたら「明日叶が元気が出るように色んな花をアレンジしてもらったんだ。ピンクは風水では恋愛にいいらしいからピンク色にしてやった。いいだろう?」

「男の家に来るのに花束って…。征一郎さんってほんと恥かしいよね。」

「これが素だから困るんだよ。女の子はすぐ誤解してしまうしね。こんな花束もらっちゃったら。」

オレの部屋に花瓶などないのはわかってるから花瓶まで買って来てくれてた。クリスタルの花瓶はきっと遥斗さんが選んだものだ。すごく品が良いのに花を引き立たせるように輝いている。

「何だ。不満なのか?花ってのはな元気をくれるんだ。心を癒してくれるし、香りも気持ちを落ち着かせてくれるんだぞ。」

「それはわかってる。が、それを誰でも彼でもするから征一郎は誤解されて変な人に追いかけられるんだ。求愛の意味も含まれている事を何回言えばわかるんだ。」

「遥斗にも買って来てるだろう。」

「腐るほど毎日な。店用にわざわざ買わなくても良くて経費が浮くから許してるんだ。」

「明日叶。遥斗ってひどくね?」

「オレも毎日は嫌だな。征一郎さんって馬鹿の一つ覚えみたいなとこあるもんね。」

「明日叶までひでー。」

そうやって楽しく笑いながら日が変わるまで飲んで二人は帰って行った。優しい二人の心使いと花の香りに救われて泣く事もなく眠れた。

次の日からは仕事に精をだした。いつも手を抜いているわけじゃないけど、先送りにしていた事を調べたり、新しく出来た商品をリサーチしたりと鷹之の事を考える暇もない程に仕事に没頭した。そうしてる時は鷹之の事を思い出さずに済む。

夜はcriminal mindで遥斗さんとしゃべったり、たまに征一郎さんも加わったりして過ごした。仕事があるから2、3杯軽めのロングカクテルで済まして気持ちよい酔いの中で帰るようにしてた。

もちろん鷹之から何の連絡もくるはずもなく、もう週末に会う事はないんだなあって寂しく思ったりはした。言葉に出すと情けなくなるから言わなかったけど…。




何が有ったって日は登り沈んで毎日は訪れる。

征一郎さんに貰った花束はよっぽど新しい花だったのか、水を丁寧に取り換えたのが良かったのか、まだ何割かは綺麗に咲いてオレの部屋を飾っていてくれた。

そしてやって来た週末。仕事が終わってからもすぐにマンションに帰る気にはなれず、何度も何度も時計を見て、どうしようかとホテルの前を行ったり来たりしていた。

来るはずはないとは思いながらも、もしかしたらと思ってしまうんだ。

ホテルの前の喫茶店でコーヒーを飲みながらあと5分だけ、あと10分だけとホテルの入口を見ていた。鷹之が来ないかと。

さすがにコーヒーを3杯も頼むのは恥ずかしくて2杯目のコーヒーを飲み干したら帰ろうと決めた時にスマホが鳴った。

鷹之のはずはないのに慌てて出ると鈴城さんだった。そう鷹之がこの番号を知っているはずはないんだ。教えてないんだから…。

「伊藤さん?誰かと勘違いでもした?なんか露骨にがっかりした声しないで欲しいなあ。」

電話口で苦笑する鈴城さんに申し訳なくてごめんなさいと謝る。

「元気にしてた?」

「まあまあかな。仕事頑張ってました。」

「だろうな。何かに打ち込んでる時って嫌な事とか忘れられるもんな。オレも仕事に没頭しちゃっておかげで営業で社長賞もらっちゃったよ。」

「すごいじゃないですか。おめでとうございます。」

「まあ伊藤さんがフッてくれたからだけどね。だからこの社長賞で今度ステーキ食べに行こうよ。」

「…。鈴城さんが頑張ったんですからオレじゃなくて鈴城さんに使って下さいよ。」

「伊藤さんのおかげだからさ。実はさあオレ、営業だけどあんまりちゃんと仕事してなかったかもしれない。伊藤さんと何度か会うようになって、伊藤さんの考え方とかにすごい感化されるとこあってさ。フラれたからってのも少し入ってるけど、仕事が楽しいと思えるようになったんだよね。だから伊藤さんとうまい肉を食べたいと思ったわけ。友達なんだからさ食事くらいつきあってくれるよね。」

「そんな風に言われたら断れないじゃないですか。いいですよ。付き合います。でもワリカンで。」

「それじゃ意味ないじゃん。」

「そのかわりビンテージのワインは鈴城さんもちって事で。」

「ははは。OK‼でもあんまり値のはるのはダメだぞ。オレだって薄給なんだから。社長賞って言っても薄っぺらかったんだから。」

「わかってますって。お肉に会ういいワインを楽しめたらそれでいいんです。」

「そうだな。来週はちょっと忙しいからその先になっちゃうけどいいかな?」

「オレは今のとこ急ぎの仕事ないですから鈴城さんに合わせます。連絡はやめに貰えたら都合付けますよ。誘ってくれて嬉しいです。」

「あっと。大事な用事忘れてた。というか言わないで意地悪してやるつもりだったけど伊藤さんの方が可哀想だから伝えとく。」

「え?何ですか?」

「菅沼さんからの伝言。」

鷹之から?伝言?…。

「ちょっと伊藤さん聞いてる?」

「え、あ、ああ聞いてます。すいません。」

「何でオレが伝言うけなくちゃいけないのかすっごく理不尽に思うんだけどさ、伊藤さんの為なら仕方ないから引き受けたんだ。あくまで伊藤さんの為だよ。」

「はい。ありがとうございます。で、要件は何ですか?」

平然とやり取りしながらも心臓はバクバクと今にも飛び出しそうだ。悪い事だったらどうしよう。

「今日、伊藤さんのマンションの前で待ってるって。時間は10時。」

「え?待ってる?10時?もう11時回ってるじゃないですかっ‼」

「だから意地悪したんだって。フラれた男に伝言させるなんて酷い事をする奴にはこれくらいしないとね。それに少しの時間も待てない様じゃ。伊藤さんは菅沼さんに甘すぎるんだ。待たせるくらいの事してやってもおつりが来るくらいだよ。もし今から帰って菅沼さんがいなかったときはオレに電話してきて。伊藤さんを悪く言わせたりはしない。オレが時間を教えなかったって言うから。人を利用なんかせずに自分で行くべきだろう。きっと仕事に差しさわりがあったらとかかんがえたんだろうけどさ、オレならなりふり構わず行くけどね。」

「鷹之は別にオレを好きなんじゃないですから、そんな事までしないですよ。でも帰ってみます。ちゃんと話をしないといけないのはオレも同じです。ちゃんと気持ちにケリをつけないと前に進めない。」

「そうだね。ちゃんと正直な気持ちを言った方がいい。ヤケ酒は付き合うからさ。」

「征一郎さんと遥斗さんにも言われてます。」

「わっ。あの二人とは別口で飲もう。なんかあの二人怖いんだよねー。そこはかとなく…。」

「わかりました。じゃ、伝言ありがとうございました。オレ行きます。」

「おお。頑張れ。」

電話を切ると清算を清ませ通りに出る。

週末という事もあってタクシーがなかなかつかまらない。

気持ちがはやっていつのまにか走り出していた。

電車に乗れば早かったかもしれないのにそんな事を思いも付かず心のままに走る。

こんなに走ったのはいつぶりだろう。まるで高校生にでも戻ったようだ。

がくがくと膝が笑って電柱に手を付き呼吸を整える。喉から血の味みたいなものがする。マラソン大会で走った時みたいだ。

呼吸が落ち着くと又走り出した。

月が明るく道を照らしてくれている。

その間タクシーを捕まえる事も出来ず、マンションに着いた時はもう日付が変わる時刻になろうかという時だった。



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