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土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス54

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すみれは今日も電話から離れずに嬉しそうに話をしている。毎晩何をそんなに話をする事があるのかと不思議に思うが口には出さない。

ああして話す事で穏やかに落ち着き、お腹の子供もすくすくと大きくなっているのだから。もうすぐ生まれる子供の存在が楽しみだ。それはオレもすみれも同じ事。ついお腹を撫でるのがクセになってすみれに笑われる始末だ。

すみれはもう母親の顔になっている。女って強いなって思う。この小さな命を守るのは自分だけだと覚悟し、何に変えても守って見せると言い切ったすみれの顔は輝いていた。

ずっと子供が出来なかったからこそその思いは強いのかもしれない。

オレはすみれのお腹を撫でてその強さを分けてもらう。

今日、征一郎に会って明日叶を守るために。

諦めてしまっている明日叶の代わりにオレが征一郎の本心を聞き、その上で明日叶がどうすれば泣かずに済むのか考えるつもりだ。

今度の週末は明日叶の誕生日だ。だからそれまでに何らかの道筋をたてておきたい。一人で誕生日を祝う事のないようにしてやりたい。それだけだった。悲しむ明日叶を見たくない。



その日は時間が経つのが遅くて、すみれを家に帰してからも鈴城さんからの連絡はなく、クローズした店の中でカウンターに座り明日の用意をと豆を選り分けながらもその作業は遅々として進んでいなかった。

その時やっとスマホが電話を告げる。ワンコールで出たオレに鈴城さんが驚いていた。

「ワンコールでって、どれだけ電話待ってたんだよ。オレやっと職場出たとこ。店に行けばいいのか?」

「いや、おれが迎えに行く。すぐだから会社の前で待っててくれ。」

「車ってBarに行くのに?っておいっ。」

電話を切ると車の鍵を持ち店を閉めて鈴城さんを迎えに行く。

ものの5分とかからない内に鈴城さんをひろうと店まで案内させる。

「何か菅沼さんって伊藤さんの事になると人変わってない?二人に何があったのかなんて聞かないけどさ、菅沼さん伊藤さんの事好きなんだろ?だからオレに嫉妬してたんじゃないの?」

「うるさい。そんな話を今するほどオレには余裕がない。そのうち話すから今日は聞かないでくれ。で、店はどこなんだ?車止めるところあるか?」

「近くにパーキング有ったと思うよ。でも酒飲まないつもり?」

「酒なんか飲んだら冷静に話ができなくなる。酒を飲んで楽しもうってんじゃないんだ。」

「そう。まあいいけど。伊藤さんが悲しむような事とかおせっかいはやめろよ。あの人はとっても繊細な人なんだからな。強そうに見えて脆いぞ。」

「そんな事知ってる。鈴城さんよりもな。」

「うわっ。なんかムカつく。すんごく上から言われた気分。でもオレまだ伊藤さんを諦めたわけじゃないからね。菅沼さんが何も出来なかったら、オレも友人って立場から近づいて行くんだから。せいぜい頑張って。」

「諦めの悪い人だな。」

「諦めたらそこで終わりだからね。」

「まあ、そうだな。」

ほどなく店に着いた。近くのパーキングに車を停め、鈴城さんが店に案内してくれる。

「こんばんは。」

「いらっつしゃいませ。おや、鈴城さんじゃありませんか。久しぶりですね。お変わりありませんか?」

「伊藤さんにはフラれるわ、仕事で毎日追われてるわで散々です。ここに飲みに来る時間さえないですよ。遥斗さんになぐさめてもらいたいのに。」

「私はいつでも歓迎しますよ。なのにどうして今日は来てくだっ去ったんですか?」

「いや、今日はどうしてもここに連れて来いって友人に脅迫されまして。ははは。まあ脅迫ではないですが近いものがありましたね。マスターに紹介します。『菅沼 鷹之』さんです。」

マスターの落ち着いて穏やかなまなざしがオレを捉える。この間の男だ。征一郎と居た男。一見穏やかで優しそうだが、その瞳の奥に強い光を感じた。この人はオレの事知っている?

「初めまして。ここの店のマスターをしております『戸川 遥斗』といいます。よろしければカウンターにどうぞ。鈴城さんはどうなさいます?」

「オレ、まだちょっとしなきゃなんない事あるからこれで帰ります。今度はマスターのおいしいカクテルを飲みに来ますから。」

「わかりました。鈴城さんの好きなスティンガーを用意しておきましょう。」

「マスターのスティンガーは最高だからね。今から楽しみ。さあ、仕事頑張って来ます。」

「気を付けて。」

初対面ではないのに鈴城さんに勘ぐられないようにか初対面のように挨拶されてオレも初めてのふりをした。鈴城さんに勘ぐらとややこしくなりそうだったからだ。


鈴城さんを見送ったマスターがオレの前にやって来る。オレより華奢だし、強そうな感じはしないのに威圧感を感じる。年齢が上だからという感じではない。

「菅沼さんでしたね。何をお飲みになりますか?」

「いや、オレ車できたので酒は…。」

「なるほど。ここへはお酒を飲みに来たのではないという事ですね。しかし店ですから何も出さないというわけには行きませんのでノンアルコールのものでよろしいですか?」

「お任せします。」

否とは言わせない雰囲気に意気込んでいた気持ちがしぼむのを感じる。いや、ダメだ。オレが頑張らないと。そのためにすみれとすみれの子供から力をもらって来たんだ。

「お待たせいたしました。シャーリー・テンプルでございます。ちゃんとノンアルコールですから心配ございませんよ。」

軽くステアされただけのカクテルなのにすごく美味しい。ジンジャーエールが辛すぎないのがグレナデンシロップとの相性をよくしているのだろう。ノンアルコールながら見た目はカクテルに変わりないし、味が上手い。

酒は好きだからいろんな店で飲むが、ノンアルコールでさえこんなに上手いのだ、普通のカクテルはさぞかし上手いだろう。このマスターのセンスと舌が一流だとわかる。

クラシカルな店で、こんな落ち着いた空間でうまい酒を飲めるのなら他の店には行けなくなるだろうなと思った。

「で、今日は何を偵察に来られたんです?伊藤さんの事ですか?」

「単刀直入だな。」

「ええ。今更狐と狸じゃあるまいし化かし合いをしても仕方ないでしょう?」

「あなたは明日叶の事を知っている。」

「明日叶…。この間もそう呼びましたね。明日叶には教えたんですか?明日叶だと気が付いている事を。」

「いいえ。オレはすぐに気が付いてましたよ。すぐには違うか…。週末を過ごすようになってからだな。」

「SEXして思い出したという事ですか。」

あやうく口にしていたカクテルを吹き出すところだった。こいつどこまでオレと明日叶の事を知ってるんだ?



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