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土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス56

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店の雰囲気がパッと明るくなったような、艶やかな雰囲気になったというか、男の多い店だったが、ちらほらいた女性が征一郎と言う男を見てため息をついたような顔をしている。

男でさえ憧れのようなまなざしで見ているのがわかる。

後ろを見なくても征一郎がオレの方へ来るのがわかる。それだけの存在感を背中に感じるのだ。

それだけの圧倒的な存在感なのに嫌味がない。むしろ誰をも受け入れる抱擁感とでもいうのか、それだけ男の違いを登場しただけで感じさせる男だった。明日叶が惚れても仕方がないと思うくらいに…。ずっと好きだ。1番になれなくても2番目でも存在してればいいと思うくらいに好きなのだと言わしめるのだと納得してしまった。

「こんばんは。菅沼さん?」

「こんばんは。菅沼 鷹之です。」

「何かオレに話があるって?あ、オレ多田 征一郎です。って言っても知ってるよね。ま、一応名刺渡しておくよ。」

「失礼しました。私も…。」

「ふうん。喫茶店の名刺かと思った。」

「あの店はすみれの店で、オレは手伝っているだけなんです。」

「あーー。堅苦しいのやめてくれない?ただでさえ仕事で堅苦しくてさ、ここでは羽を伸ばす事にしてるから。オレも鷹之くんって呼ばせてもらう。オレの事も適当に呼んでくれて構わない。マスター、いつもの出して?オレ鷹之くん飲んでないの?」

「オーナー言ったじゃないですか。鷹之さんは車なのでアルコールはダメなんですよ。」

「そうだったな。遥斗。腹減った。」

「オ-ナー、ここでは名前呼びはダメです。パスタでもいいですか?今日、すごくいいアンチョビが手に入ったんです。」

「マスターのパスタは絶品だからな。そのアンチョビ、家にも持って帰れる?」

「オーナーがお気に召したのでしたら持って帰ります。私は好きなんですけどお試しでオ―ナーに召し上がって頂いてからと思ったのでまだ出してないんです。」

「さすがマスター。おいしかったら店で出すのやめような。」

「ダメですよ。オーナー。また他の美味しい物を見つけて来ますからそれを秘密にしましょう。」

「そう言われちゃそうするしかないじゃないか。ほんとにマスターには手玉に取られている気がする。」

「気のせいですよ。この店だってオーナーがいるからお客様が来て下さるんです。そうでした。奥のBOX席に香川様が部下の方とお見えです。久しぶりですし挨拶なさっては?部下の方の栄転祝いだとおっしゃられていましたよ。」

「そうか。じゃ少し挨拶してくる。鷹之くんすまないが待っててくれるか?」

「かまいません。どうぞ。」

じゃと征一郎…征一郎さんは席を立って奥に消える。その間に遥斗さんはアンチョビでパスタを作るようだ。あの時の雰囲気とは全然違うのは外だし、他の人の目もあるからだろう。

しかしこの二人の阿吽の呼吸には驚いた。お互いの鷹之の立場をわかりあって補い合える関係。男と男として仕事を中心にプライベートの関係に甘えているだけじゃない。仕事もきちんとカバーし合っている。この二人の間になど入る事は出来ないと明日叶が思うのも無理はないと思った。あの時は頭に血が昇っていて二人の様子なんて見てもいなかったし、考えてもいなかった。

奥に消えた征一郎さん(もはや征一郎などと呼び捨てに出来る相手だと思えなくなった)はその後も、いろんなテーブルから声をかけられ、にこやかに受け答えしている。

遥斗さんを見ているだけでも来たくなる店だが、征一郎さんがいるとそれだけで得したような気分になるのもうなづける。この店は二人の店なんだ。

征一郎さんの名刺は大手の飲食業のチェーン店の取締役である事が記されていたが、この店の名前はなかった。きっと全くのプライベートでの店で表向きは遥斗さんの店になっているんだろう。



「いやあ、まいった。みんなに掴まっちゃって。あー腹減った。鷹之くんすまないな。」

「いえかまいません。この店いい店ですね。何度でも来たくなる店だ。常連さんが多いのもわかります。」

「そう?みんなマスター見たさと、マスターのカクテルの味に惹かれてやって来るんだよ。マスターがいなくちゃダメなんだぜ。オレがカウンターに立ったときなんか、オレだってカクテル作れるのにやれ、味が違うってみんなワインとか、簡単なカクテルしか注文しなかったもんな。」

「そんな事ありませんよ。私しかいなかったらこんなにお客様はきてくれません。マスターの人柄に惹かれて来て下さるんですよ。さあちょうどパスタが出来ました。今日は春キャベツとおいしそうなエビがあったのでそれとアンチョビソースを使ってみました。」

「どれ…。うん‼Buono‼最高。これやっぱ店で出したくないなあ。家レシピにしてよ。」

「子供みたいな事を言う人でしょう?じゃこのレシピは家レシピにしますが、アンチョビソースは店でも使っても構いませんか?」

「うん。さすがマスターだね。この塩とかあんまり効かせてないでしょう?アンチョビソースの味だよね。」

「ええ。アンチョビソースにしっかりと味が付いてるので他の味付けはあまり要らないんです。白ワインにしましたよ。いつものカクテルではこのパスタには合わないので。」

「ああ。この白ワインとぴったりだ。カクテルはまた今度にしよう。鷹之くんパスタ食べたら家に行くよ。どうやらここでは静かに話は出来そうもないからね。」

そう征一郎さんが言う通りにあちこちからこのカウンターに視線が注がれている。いつ話しかけようか、いつこのテーブルに征一郎さんが来てくれるのかと手ぐすねを引いているのがわかった。

「マスターは店が終わるまで帰れないよね。」

「そうですね。今日は無理でしょう。冷蔵庫につまみになりそうなものがありますし、チーズもありますからオーナーにお任せしてもよろしいですか?」

「ああ。適当にしかもてなせないけどね。しかしこのパスタ本当においしいよ。鷹之くんも食べれば良かったのに。」

「すいません。オレ少し食べてきたから…。」

「あ、帰りにこのアンチョビソース持って帰るからね。」

「表通りのビゴのバケット買ってありますからあれにアンチョビソースをつけてもおいしいと思いますよ。」

「それいいね。酒のあてにぴったりだ。鷹之くんもそれくらいなら食べられるよな。ぜったいにこのアンチョビソースを食べて見るべきだ。」

「無理に食べなくてもいいですからね。オーナー無理やりはダメですよ。」

「わかってるよ。マスターも早めに帰っておいで。そういえば明日叶は来ないのか?」

「明日叶は仕事で連日残業で忙しいそうですよ。何だかやみくもに仕事をしているみたいで心配なんですけどね。あの子、仕事に集中しだすと何も食べずにいますからね。」

「そうだなあ。差し入れしてやった方がいいかもしれないな。それとなく電話して聞いてみてやってくれるか?店の誰かに持って行かせればいいだろう。遥斗何か消化のいいものを持たせてやってくれ。」

「わかりました。」

明日叶の名前が出てドキリとした。二人は平気で会話をしているがこっちは何だか胸が痛かった。二人に思われているのはわかるが、それは明日叶の求めているものではない事がわかったからだ。遥斗さんは名前呼び去れた事に苦笑していた。プライベートの話になると自然に呼んでしまうようだ。

それでも二人が明日叶を大事に思ってくれている事も伝わって来てなんとも言えない気持ちになった。怒りに任せていたあの時とは違う。冷静な自分で二人を見ているから…。



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