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土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス57

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しばらくパスタをおいしそうに頬張り、遥斗さんとやり取りしていたかと思えば、いきなり征一郎さんは席を立った。

驚いているオレを見て「ああ」と言うような顔をしてから遥斗さんに振り返る。

「じゃ、オレ鷹之くん家に連れてくわ。仕事終わったら真っ直ぐに返って来いよ。なんなら迎えに行くが。」

「いいえ、私の事はお気になさらずに。明日叶への差し入れもちゃんとしておきますから安心して下さい。」

「そっか。じゃ頼むな。鷹之くん行くよ。」

二人の会話を聞いているだけで動こうとしないオレに目を向けて早く行くぞと促されてやっと席を立った。

遥斗さんに御礼を言い、征一郎さんに続いて店を出る。

「鷹之くん車だっけ?でもきっとすぐに話は終わらないしなあ。オレ絶対に酒飲むし…。コインパーキング?」

車をどこに止めているのか聞かれているのだと気が付き、傍のパーキングに止めていた車を指さす。

「ヒューッ‼マセラティじゃん‼グラントゥーリズモじゃなくて、クワトロポルテなのは意味あんの?」

「もともと車好きで、マセラティが欲しかったんですよ。でグランと迷ったんですけどポルテにしました。」

「ま、そんだけの車買えるんだから儲かってんだな。さて、家にはタクシーで行くぞ。」

それとなくオレを値踏みしているのか観察されているのだと今ごろになってわかった。ほんとにオレはこういう事が悟れるのに遅れてしまう。

「征一郎さんは車乗らないんですか?」

「乗るよ。オレ、ジャガーをこよなく愛してるんだけど、悪目立ちすぎるって遥斗から禁止されてんの。普通のベンツだよ。面白味のない車さ。だからあんまり乗らない。今度、ポルテ運転させてよ。」

「え?」

「ウソウソ。ロクに知りもしない相手に車貸したりなんか出来ないよな。ほらタクシー来たぜ。」

先に征一郎さんが乗り込むと運転手に行先を告げる。その姿さえ様になっている。

オレはこの人の今の年齢になってもこうはいかないだろうなと完敗させられた気分で、話しかける事も出来ず、征一郎さんもスマホで仕事のやり取りらしきものをしていたので車の中は征一郎さんの声しかしなかった。

タクシーを降りるとそこには高級としか言いようのないマンションがそびえたっていた。

征一郎さんはこともなげにカードキーで入って行くが、そこには監視カメラと管理人がオレを見据えている。管理人は人の良さそうな顔をしているが、目の底には相手の青や特徴をプログラムセットするかのように見ていた。決して不快に思わせないほどの凝視。時間で言うなら数秒の事だが、普通の管理人でない事は窺えた。

セキュリティーの整ったマンションは各階にコンシュルジュのような人物がいて、出来る事なら何でも対応してくれるらしい。賃貸でなく分譲で購入したと征一郎さんは言っていたがどれほどの値段がするのかさえ想像できない。

「これくらいのセキュリティーがないと遥斗や自分、自分に関わる人を守れないんだ」と征一郎さんは言った。

征一郎さんと遥斗さんの部屋は最上階にあった。

男は1番でないとななどと征一郎さんは言っていたが単に高いところから見下ろす風景が好きなようだ。外を見る事で落ちないように頑張れるんだと言う。今は成功者のように見えるが、明日はわからないし、昔は失敗ばかりで遥斗に苦労させたし、泣かせたと話す征一郎さんからは深い遥斗さんへの愛情が溢れんばかりだ。

オレは明日叶の為にと意気込んでここまで来たが、オレは何を言えばいいのか、それよりも明日叶にも言わず勝手に征一郎さんに会って何とかしてやろうとか明日叶の望んでもいない事をしようとしている。

これは明日叶の為だと言いながら、本当にそうなのか?オレの自己満足でしかないんじゃないのか?

そんな気持ちで一杯になっていた。

どれくらいソファーに腰掛けて考え事をしていたのか…。やはりここはオレの出る幕ではないそう思ったオレはその場から立って謝罪して出て行こうと思った。

「あ、征一郎さんオレ…。」

考え込んで時間が経っていたのだろう、目の前のテーブルにはカナッペやら、生ハムや野菜スティック、バケットにアンチョビソースを塗ったものが所狭しと並べられ、琥珀色の液体のグラスを手渡された。

「遥斗が冷蔵庫に作ってくれてたものばかりだから上手いぜ。アンチョビソースのバケットはつまみ食いしたらマジうまかったから食べて見な。あ、それはブランデーな。オレ遥斗みたいに上手くカクテルつくれねーし、そんな事の為にここにきたわけじゃねーだろ。」

「はい。」

手渡されたグラスの氷が溶けてカランと言い音をたてる。

クリスタルのグラスもきっとバカラかなんかだろう。氷でさえ透明度が高く、取り寄せの氷なんじゃないかと思う。

「あのさ、オレ別に成金じゃないから。もしかしてバカラのグラスとか思ってる?それどっかからのもらいもん。高い物じゃないぜ。氷も冷蔵庫の製氷機のだし。最近の冷蔵庫って綺麗な氷が出来るんだぜ。オレは必要なものにしか金は使わない主義なんだ。マンションは必要なもんだろ。自分のプライベートの部分だ。生身の自分をさらす事が出来る場所。ここでなら自分の鎧を外せる。車も出来るだけ頑丈なものって事でベンツ。オレは遥斗がいるから死ねない。飲食業のTOPとなってくるときな臭い話も出てくるからな。」

そう言われてみるとマンションの調度品はそんなにこだわりがあるようには見えない。昨日性は高そうだし、統一感はあるけどイタリア製とか言うのではなさそうだ。でも…。

「ああ、あのテーブルか?」

綺麗なクリスタルの花瓶にオールドローズがいけられている。これはきっとバカラに違いない。その下のテーブルはどう見てもマホガニーだ。

「マホガニーだよ。あれだけは特別だ。そのマホガニーのコンソール・テーブルは遥斗の祖父の形見でな、そのオールドローズはロサ・ケンティフォリアという品種で遥斗の母が愛した花なんだ。マリーアントアネットも愛してたらしいぜ。そこは遥斗しか触れない聖域だから見るだけにしておいてくれ。明日叶もそこは触らない。遥斗以外誰もな。」

どうやら遥斗さんのにもいろいろな事があったらしいと伺えたがそれは口にしない。オレには関係のない事だし、知られたいとも思わないだろう。

すっかり帰るタイミングを失い、ソファーに座ると琥珀色のブランデーを一口含む。濃厚な香りと芳醇な味わいに酒が好きなオレはすっかり心を囚われてしまう。先まで車だからと我慢してたから余計だ。

「あ、酒飲んじゃった。」

「上手いだろう。オレのお気に入りのブランデーだ。鷹之くんに出す価値があるのかどうか吟味させてもらうとするか。もう飲んでしまったんだから諦めな。今日は客間にでも泊まらせてやるよ。部屋だけは多いって遥斗が言ってただろ。最上階はオレの家しかないから暴れても大きな声を出しても大丈夫だから安心して潰れてしまえ。」

「潰れるほど飲むつもりはありませんから。」

「ははっ。まあいい。粋がる男は嫌いじゃない。ましてや明日叶の噂の『鷹之』だからな。」

意味深に言われてムッとする。遥斗さんにも同じような事を言われた。

「オレは征一郎さんや、遥斗さんみたいに大人じゃないですけど、これでも社会人です。子供扱いしないで欲しい。」

「明日叶と同じような事を言うな。明日叶も子ども扱いするなってすぐに怒る。オレや遥斗にとってはお前らなんて子供だよ。まあ、だけど男として今日は話をしようか。その方がいいんだろう?」

「そうです。オレは貴方に明日叶を任せてもいい人なのか確かめたい。」







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