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土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス62

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薄い紫がかった闇の色が濃い濃紺の闇へと移り変わっていく。

窓の外の景色がいろんな色を醸し出し、週末ならではの楽しそうな雰囲気をきっとみんな味わっているのだろう。

なのにオレはこの部屋で一人ポツンとソファーに座っていた。

どうにも落ち着かなくて部屋をウロウロしたところで何も変わらず結局はソファーに座り込んだ。

酒を飲む事も考えたけど、話をしようというのに酒を飲んではダメだろうと冷蔵庫からミネラルウォーターを出して飲む。


時間はもうすぐ10時になろうかとしていた。

いつもなら、さっさとルームサービスで簡単な食事を取り、バスルームかベッドで睦み合い始める時間だ。睦み合うという言葉は合ってないか。セフレだから義務を果たすだけの時間だ。

いつ鷹之が来るかと思ってか、ずっとソファーに座っていたからか、身体が緊張してカチコチで痛くなって来た。

鷹之を待たせることになるかもしれないけど、このままでは緊張し過ぎていう事も出来なくなるかもしれない。

変に汗もかいていて気持ち悪い。

いつもなら身体を繋げるために入る風呂だけど、今日は違うんだと言い聞かせ、バスタブにたっぷり湯を張ると身体を熱い湯の中に沈める。それだけで身体が解れてどんなに緊張してるんだと自分で笑えた。

バスタブの中でならゆっくり出来るだろうと思ったのは初めだけで、その内また鷹之が何をしたいのか、何を言われるのかと言う思考のループにはまる。

良い事なんて何も思い浮かばない。思い浮かぶのは悪い事ばかりだ。どんな罵声を浴びせられるのだろうか…。

気が付くと思っていたよりも時間が経っていて焦る。

鷹之が来ていたら申し訳ないと慌てて外に出て身体を拭く。

SEXするわけじゃないんだからバスローブと言うわけにもいかず慌ててさっき着ていた服に着換え、髪の毛をタオルで拭きながら部屋に戻ると安心したというよりも落胆した。

「やっぱりまだ来てない…。」

そこにはさっきと変わらない何もない風景があった。

飲み残されたミネラルウォーターをごくごくと飲むとどさっとソファーに身体を沈める。

「良かったじゃないか。期待して風呂に入ってたのかとか思われなかっただけましだろ。」

自分を慰めるように一人で呟く。


いつの間にか一つ二つとネオンが消えていく。濃紺の闇は星を移す事も無くただ暗闇だけが広がっていた。

遥に見えるのはおぼろげに薄い雲に隠されそうな細い下弦の三日月。


今日の夕方のニュースでは週末は晴れると言っていたのにこの薄黒い雲はなんだろう。まさかね。いくら土曜日だからって、こんなに晴れていたし、今日のニュースでも週間予報でも雨のマークなんて一つもなかったのに…。

「通り雨かな…。」

そうじゃないだろうとは思いながらも希望的観測を口にする。そうしないと何かが崩れてしまいそうだった。

「土曜の雨のジンクスか…。なんでなんだろうな…。」

ソファーにずぶずぶと身体を沈めながら、待つってこんなにしんどいんだなって思う。

いつも、週末は鷹之が先に来てオレを待っていた。

鷹之は待っている間に何を考えていたのだろう。

すみれさんの事とか生まれてくる子供の事とか?3人で過ごす幸せな毎日とか?

それはないな。いくら性欲のはけ口としてオレを利用してても鷹之はすみれさんに対して罪悪感がないわけではないと思う。そんな男じゃない。多分オレの事も可哀想な奴だと思って相手してくれているのだ。

ずっと好きな男の代わりに別の男に抱かれているオレを…。

きっと待っている間は仕事の事でも考えているんだろう。すごく仕事に真面目だから。鷹之は何に対してでも誠実で真面目な奴だと思う。オレの事も他の誰かで傷つく事をするくらいならオレがやってやるって思ってくれてるんだ。高校の時にしてたんだから安心だろうと…。

違うよ。鷹之。オレがずっと好きなのは鷹之だ。好きな人に抱かれてるんだ。鷹之にはただの性欲処理でもオレには違う。幸せな時間だったんだ。


そのうちいつの間にかソファーに身体を沈めたままウトウトと眠ってしまった。



少し明るい日差しが窓から入って来て朝が来た事を教えてくれる。

ソファーで眠ってしまったから身体が痛くてボキボキと身体を鳴らす

「あ、鷹之‼」

ふとホテルに居る事を思い出し、部屋を見渡すが人影はない。

寝る前に見た部屋の風景と違うところは見当たらず、誰もここに来ていない事を如実に写していた。

「もしかして来たけどオレが眠ってて気が付かなかったから帰ったのかも…。」

カードキーはオレが持って部屋に入った。呼び鈴を鳴らして開けてもらうしかない。

朝早い時間に悪いとは思ったがフロントに電話して鷹之が来なかったか聞くが誰も来なかったとの返事が帰って来た。

「鷹之来なかったんだ…。」

はははと声に出して笑う。

来いって言ったくせに来なかったんだ…。

はははと掠れた笑いが涙が頬を伝うとううっと小さな嗚咽に変わる。

涙がとめどなく溢れ嗚咽では収まらなくなり声を出して泣いた。

男が声を出して泣くなんて女々しいと思われようがここにはオレしかいない。

それほどに悲しくて悔しくてざっくりと胸を切られたようで涙が止まらない。

鷹之はオレに何をしたかったんだ?

話がしたいなんて嘘?

本当は好きな男の代わりなら誰にでも抱かれようとするオレを軽蔑して嫌いだと言う以上にオレを傷つけたかったのか。

汚い男だと、お前は汚れていると抱いたのも気まぐれだったのに気が付かなかったのかと言いたかったのか…。

高校の時の鷹之とは違うのにオレが勝手にそう思い込んでいただけなのかもしれない。

そうだ。オレは汚れてる。汚い人間なんだ。鷹之が少しでも抱いてくれただけ良かったんだ。もう誰にも抱かれない。もう誰にも抱かれたくない。オレが抱かれたいと思うのは鷹之だけなんだから。

会えないと思っていたのに会えると思って舞い上がっていた自分がバカなんだ。

鷹之が来なかった事より、自分のバカさに腹が立っていた。

涙が止まるまで流れるままに泣いた。無理やり止めたところで涙が止まらないのはわかっていたから。

どれくらい泣いていたのか自分でもわからない。

やっと涙が止まった時はもうすぐチェックアウトの時間が近づいていた。

ノロノロと身体を起こし、洗面台で顔を洗う。

「酷い顔だな…。」

目は真っ赤になり瞼は腫れていた。眠れていない事も食べていない事もあり、いつもよりも顔色が青白く歩く事さえ辛かった。

今日はもう家に帰って何も考えず薬を飲んで寝よう。

他にする事も思いつかないし、する気力も何もない…。

鷹之との思い出がある。それだけでしっかりと立つ。すぐに萎れてしまいそうになる心を奮い立たせ財布と携帯を持つと部屋を出る。

「鷹之…。ほんとに…ほんとにさよなら…。」




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