キミと空とネコと
キミと空とネコと15
エレベーターが7階に着くとエレベーターホールに人影が見えた。
「ねぇ、家でHしょうよぉ。響夜ぁ。」甘えた女の人が響夜の首に抱きつき、響夜はその女の人の腰に手を回していた。
「ダメだって。今、人が入れるような家じゃないんだ。汚くてさぁ。」
「響夜はいつもそう言うんだからぁ。せっかく来たのにぃ。」
「だからホテルに行こうっていってるじゃん。」
エレベーターホールからは死角になっているので、オレがいることには気がついていないようだ。
(こんなところでいちゃつくなよっ。場所を考えろ。野獣めっ。)
胃は痛いし、頭も痛い。おまけに左手はズキズキと疼くし、聞きたくも無い会話は聞こえてくるし、オレは最悪の気分だった。
吐き気をもよおし、エレベーターから出ると家に向かって走り出す。
「おい。」って響夜の声が聞こえたけど、無視して急いで鍵を開けトイレに駆け込む。
「うぐっ・・・。」
せっかく食べたカルボナーラもすべて吐き出し、それでも嘔気は収まらず胃液が上がってくる。
苦しくて顔は冷や汗と涙でべちょべちょでハァハァと息もあがる。
でもすべてを吐いてしまったことで少し楽になった気がする。
オレは放心状態でトイレの壁にもたれていた。
インターホンが鳴る。きっと響夜だ。
鍵閉めたっけ?呆然とそんな事を考える。出るつもりは毛頭ない。
「海人。どうしたんだよ。顔色悪かったけど大丈夫か?」
響夜の声が聞こえる。
「うるさいっ。ほっといてくれ。オマエはホテルでも何処にでも行けっ。オレにかまうなっ!!」
大きな声を出したのでハァハァと息切れがする。
「ねぇ、何なのよ。響夜。早く行こうよ。ほっとけって言ってるじゃん。」
女の人の声が聞こえる。
早くどっかに行ってくれ!!
「海人。オレが心配したらダメなのか?」
「頼むから、一人にしてくれよぉ・・・。もうほっといて。」
もう嫌だ。そう思うと響夜に懇願するように言っていた。
「海人・・・。」
響夜と女の人の足音が遠くなっていく。
何なんだよ。アイツ。心配とかしてくれなくていいよ。
ダメだ。落ち込みまで加わり、このままではどうにかなりそうだ。
オレは重い腰をあげ、そのまま風呂場へ行き熱いシャワーを浴びた。
まだ明るいけど、今日は薬を飲んでもう寝たほうがいい。
シャワーから出ると、玄関の鍵を確かめ、武蔵のご飯をして武蔵に声をかける。
「武蔵、早いけどご飯置いとくな。オレ今日はダメだ。薬飲んで寝るわ。」
武蔵はオレの顔を見上げ、わかったと言うように足に頭を摺り寄せるとご飯を少し食べる。
オレは左手首に包帯を巻くと、胃薬と鎮痛剤と精神安定剤と睡眠薬を取り出す。
「あ、もう薬無くなるな。明日にでも病院に行かないと・・・。」
今日みたいな事があるから、薬は切らしてはいけない。
冷蔵庫からミネラルウォーターをだし、薬を口に含むと水で流し込む。
髪の毛も乾かさず、そのままベッドへ潜り込む。
武蔵も潜り込んできて、オレを慰めるかのように顔をペロペロと舐めてくれた。
「武蔵、ありがとな。オレ今日は疲れたよ。武蔵と二人がやっぱりいい・・・。」
しばらくすると薬が効いてきたのか深い闇がオレを包みこんだ。
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「ねぇ、家でHしょうよぉ。響夜ぁ。」甘えた女の人が響夜の首に抱きつき、響夜はその女の人の腰に手を回していた。
「ダメだって。今、人が入れるような家じゃないんだ。汚くてさぁ。」
「響夜はいつもそう言うんだからぁ。せっかく来たのにぃ。」
「だからホテルに行こうっていってるじゃん。」
エレベーターホールからは死角になっているので、オレがいることには気がついていないようだ。
(こんなところでいちゃつくなよっ。場所を考えろ。野獣めっ。)
胃は痛いし、頭も痛い。おまけに左手はズキズキと疼くし、聞きたくも無い会話は聞こえてくるし、オレは最悪の気分だった。
吐き気をもよおし、エレベーターから出ると家に向かって走り出す。
「おい。」って響夜の声が聞こえたけど、無視して急いで鍵を開けトイレに駆け込む。
「うぐっ・・・。」
せっかく食べたカルボナーラもすべて吐き出し、それでも嘔気は収まらず胃液が上がってくる。
苦しくて顔は冷や汗と涙でべちょべちょでハァハァと息もあがる。
でもすべてを吐いてしまったことで少し楽になった気がする。
オレは放心状態でトイレの壁にもたれていた。
インターホンが鳴る。きっと響夜だ。
鍵閉めたっけ?呆然とそんな事を考える。出るつもりは毛頭ない。
「海人。どうしたんだよ。顔色悪かったけど大丈夫か?」
響夜の声が聞こえる。
「うるさいっ。ほっといてくれ。オマエはホテルでも何処にでも行けっ。オレにかまうなっ!!」
大きな声を出したのでハァハァと息切れがする。
「ねぇ、何なのよ。響夜。早く行こうよ。ほっとけって言ってるじゃん。」
女の人の声が聞こえる。
早くどっかに行ってくれ!!
「海人。オレが心配したらダメなのか?」
「頼むから、一人にしてくれよぉ・・・。もうほっといて。」
もう嫌だ。そう思うと響夜に懇願するように言っていた。
「海人・・・。」
響夜と女の人の足音が遠くなっていく。
何なんだよ。アイツ。心配とかしてくれなくていいよ。
ダメだ。落ち込みまで加わり、このままではどうにかなりそうだ。
オレは重い腰をあげ、そのまま風呂場へ行き熱いシャワーを浴びた。
まだ明るいけど、今日は薬を飲んでもう寝たほうがいい。
シャワーから出ると、玄関の鍵を確かめ、武蔵のご飯をして武蔵に声をかける。
「武蔵、早いけどご飯置いとくな。オレ今日はダメだ。薬飲んで寝るわ。」
武蔵はオレの顔を見上げ、わかったと言うように足に頭を摺り寄せるとご飯を少し食べる。
オレは左手首に包帯を巻くと、胃薬と鎮痛剤と精神安定剤と睡眠薬を取り出す。
「あ、もう薬無くなるな。明日にでも病院に行かないと・・・。」
今日みたいな事があるから、薬は切らしてはいけない。
冷蔵庫からミネラルウォーターをだし、薬を口に含むと水で流し込む。
髪の毛も乾かさず、そのままベッドへ潜り込む。
武蔵も潜り込んできて、オレを慰めるかのように顔をペロペロと舐めてくれた。
「武蔵、ありがとな。オレ今日は疲れたよ。武蔵と二人がやっぱりいい・・・。」
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✽✽✽目次✽✽✽

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ご挨拶

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貴方の腕の中で

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たとえこの世の終りが来ようとも

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キミが思い出になる前に

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月と太陽がすれ違う時

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S.S

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イラスト

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頂きもの☆

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雑記

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土曜の雨のジンクス

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さよならが言えなくて。

~ Comment ~
Re: あああ‥(/_;)海人くん‥
ハル様おはようございます
今日もいい天気です。パワーストーンたちに太陽の光を浴びせねば・・・。はい、私パワーストーン大好きです。石を買いにいって自分で意味を考えながら作ったりして仲のいい友ダチや家族にあげております。友ダチからも好評なのですよ。石にもパワーがそれぞれ違うので、一つずつ手のひらにのせて感じたものだけを使うんです。
海人にも作ろうかな。作品の中で。うん。いいかも・・・。
海人には試練が続きます。心を引っ掻き回されて追いつかない海人ですが、死のうとした元彼との事もちゃんと自分の中で清算出来てないのにそのままにしてるから・・・。この問題は自分で解決しないとね。
もうちょっと強い男の子になっていただかないと魅力がありませんから。
響夜は自由な人なので。博愛主義とでも言いましょうか(苦笑)でも、響夜も海人とであったことで変わっていって欲しいなぁと思っています。ちょっと愛についてお勉強が必要な響夜です。
『「黒龍の柩』のこといいですね。お互いに土方さんLOVEですもの。読み終わったら語り合いましょう(✪ܫ✪)文庫本が出ているので私は半身浴しながら読んでます。半身浴好きなんですよ。いつも本を持ち込んで読んでて、まぁのぼせちゃうこともありますが・・・。
新聞に連載されていたとは・・・。私は何でも完結してから読むのが好きなので(終りが待てないのです。せっかちなんですね)連載を知っていたらイライラしてたかも。
勝さんとも話をしたとか新撰組の中の土方さんよりも時代の中の土方さんの姿を描いているようですね。「不戦」を望んでいたとか・・・。ほんとハル様とは何かしらのご縁を感じます。
ではでは又お邪魔しますね。
今日もいい天気です。パワーストーンたちに太陽の光を浴びせねば・・・。はい、私パワーストーン大好きです。石を買いにいって自分で意味を考えながら作ったりして仲のいい友ダチや家族にあげております。友ダチからも好評なのですよ。石にもパワーがそれぞれ違うので、一つずつ手のひらにのせて感じたものだけを使うんです。
海人にも作ろうかな。作品の中で。うん。いいかも・・・。
海人には試練が続きます。心を引っ掻き回されて追いつかない海人ですが、死のうとした元彼との事もちゃんと自分の中で清算出来てないのにそのままにしてるから・・・。この問題は自分で解決しないとね。
もうちょっと強い男の子になっていただかないと魅力がありませんから。
響夜は自由な人なので。博愛主義とでも言いましょうか(苦笑)でも、響夜も海人とであったことで変わっていって欲しいなぁと思っています。ちょっと愛についてお勉強が必要な響夜です。
『「黒龍の柩』のこといいですね。お互いに土方さんLOVEですもの。読み終わったら語り合いましょう(✪ܫ✪)文庫本が出ているので私は半身浴しながら読んでます。半身浴好きなんですよ。いつも本を持ち込んで読んでて、まぁのぼせちゃうこともありますが・・・。
新聞に連載されていたとは・・・。私は何でも完結してから読むのが好きなので(終りが待てないのです。せっかちなんですね)連載を知っていたらイライラしてたかも。
勝さんとも話をしたとか新撰組の中の土方さんよりも時代の中の土方さんの姿を描いているようですね。「不戦」を望んでいたとか・・・。ほんとハル様とは何かしらのご縁を感じます。
ではでは又お邪魔しますね。
- #26 † Rin †
- URL
- 2012.02/11 09:12
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あああ‥(/_;)海人くん‥
ますます痛々しい‥(/_;)
それはそうですよ、まだ‥だって、心の傷も体の傷も完全に癒えてないもの。
そういうのは少しづつ‥段々とリハビリしながら
直して行くものですね。
でも誰かが傍にいてくれれば‥治癒力もUP、
免疫力もUP!
でも‥響夜くん‥たらし?
付き合おうと言うなら女関係を清算しなさい、
じゃないとおばさんは許さないよーーっ(笑)
海人くんはとにかく元気になって下さい‥
心が。
「黒龍の柩」のこと少し調べました。
上下巻あるのですね、
上巻のクライマックスは山南さん関連だそうで。
絶賛されてる方が多かったですね、
土方ファンは読むべきだと書いてました。
私は覚えがあって‥
記憶力が良くないのですが、記憶を辿ると
新聞に連載されてる頃に何度か読みました。
丁度松平容保か、徳川慶喜と土方さんが会話していた‥そんな回だったと思います。
もう、会津戦争あたりじゃなかったかな。
Rinさまから伺って‥思い出して‥なんか感慨深いです。
絶対読みますね、そしてお互い感想を話すと言うのは楽しいかもしれません。
ではでは、海人くんの回復を祈りつつ‥
またお邪魔いたしますm(__)m