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土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス71

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鷹之の口調はこれ以上の嘘は認めないと言っているようなものだった。

ああ、これでオレがずっと鷹之が好きだった事がわかってしまった。隠しておかないといけない想いなのに…。

涙が零れてオレの頬に添えられている鷹之の手を濡らした。

その涙がオレがずっと鷹之の事を好きだと言っているようなものだ。

「明日叶はずっとオレの事が好きだったのか?」

今度は優しい口調で言われて涙を指で拭われてもう想いが止められなかった。

「オレは鷹之がずっと好きだった…。」

言ってしまえば不思議と心がそれを納得させてくれる。心が解放されて喜んでいるのがわかる。

ずっと言いたくて言ってはいけないと我慢してた言葉。

とうとう言ってしまった。

涙が溢れるのは鷹之への好きだと言う想いと、言ってしまってどうしたらいいのかわからない戸惑いからだった。

言ったところで鷹之にはもう家族がいるのに…。

困惑した表情のオレを見て優しく鷹之が微笑む。

「やっと言ったな。この天邪鬼め。」

鷹之はオレの鷹之への想いに気が付いていたのか?

「ずっと不安に思ってた。明日叶は本当にオレの事が好きなんだろうかって…。自分に自信がなかったのはオレも同じだ。明日叶の気持ちを聞けて嬉しいよ。」

鷹之は何で嬉しいと思うんだろう?迷惑なんじゃないだろうか?だって家族がいるのに、ましてやオレは男なのに。

きゅっと鷹之がオレを抱きしめたのでビクリと身体が揺れた。鷹之の気持ちがどうなのか考えてて鷹之がオレを抱きしめようと動いたのに気が付かなかった。

「オレの事を好きなのになんで別れようなんて言った?どうして何も言わずにオレの前から消えたんだ?」

そうさせたのは鷹之だろ。オレが何も知らないからってそんな風にオレが悪かったみたいに言われてあの頃の気持ちが胸を揺する。あの時に言えずに自分の中に飲み込んだ言葉が次の瞬間にはオレの口から飛び出していた。

「何で別れようって言ったかって?それは鷹之がオレ以外に好きな奴がいたからだろう。それも女ならオレが敵うわけない。鷹之にとってオレは好奇心でしかなかったって事だ。それなのに鷹之はそのままオレと付き合うつもりだったのか‼オレをバカにするなっ‼」

オレは抱きしめていた鷹之の身体を突き飛ばした。

卒業式のあの場面が浮かび上がる。

女の事を抱きしめ「好きだ」と鷹之が言っていた場面が…。

鷹之はオレが知らなかったら、あのままオレとも付き合うつもりだったのか?そんな男じゃないと思ってたのに…。

突き飛ばされた鷹之は茫然とした顔をしていたが、その後真剣な顔で考え事をしている。どうやらオレの言った事を聞いてその女の子の事を思い出そうとしているみたいだけど、なかなか思い出せないようだ。

いくらなんでも自分の好きになった女のことを忘れる?そんな事はないよな。しかも卒業式なんてメモリアルな日に告った相手だぞ。

「ごめん。明日叶。オレちっとも明日叶の言った事がわからない。あの頃オレが好きだったのは明日叶だけなんだけど。」

本当に思い出さない?どういう事だ?

「卒業式の日。鷹之、裏庭で女の子と抱き合って『好きだ』って言ってたじゃないか。好きだって言って抱きしめて、その子にもう一回言ってって言われて『何回でも言うよ。好きだよ。』って言ってたじゃないか。オレが知らないと思って隠そうとしてたのか?」

「卒業式…。」

また鷹之は考え込む。

そんなに覚えてない好きな子って何?オレは5年間も鷹之の事を忘れられなかったって言うのに。

鷹之がしばらく考え込んで「ああ。」と納得したように呟く。

「それ明日叶の完全な誤解だから。」

は?その場面をちゃんと見たのに誤解?そんな言い訳通じるとでも思ってるのか。

「あいにくオレはそれをちゃんとこの目で見たんだ。誤解なわけないだろうが。」

「その子、オレと明日叶の事知ってたんだよ。いつだったか冬で薄暗くて誰もいないからってオレが裏庭で明日叶にキスしたことがあったんだけど覚えてるか?」

そんな事有ったかどうか定かじゃないけど、してないとは言えない。好きだったからいつでも鷹之に触れたかった。触れられると嬉しかったし、鷹之のキスが好きだった。

「それをその子に見られてて、その子はずっとオレと明日叶を観察してて付き合ってると確信したみたいだ。オレの事が好きだったって言って来て、オレが明日叶と付き合ってるのがわかってたし、オレが明日叶以外に興味ないのわかってたからせめて「好きだ」って抱きしめてくれって。そうすれば付き合ってる事は言わないって言ったからその通りにした。まさか明日叶に見られてるとは思ってもいなかったな。でもそこだけ見てるとはなあ。どうせなら初めから見ておいてくれれば誤解される事もなかったのに。」

ずいぶん勝手な言い草だ。そんな誤解の為にオレは鷹之と別れたのか。

いや、そうじゃない。オレが鷹之を信じられなかったんだ。自分に自信がなかったから。オレは男だから。鷹之には次々に女の子が告白しているのを知っていたから。いつかは鷹之はオレに飽きて、女の子の方がいいって言うんじゃないかと思ってたから…。

勇気を出してあの子は何だって聞いてれば誤解する事もなかった。

結局は自分が悪い。

力なく頭が下を向く。

そんな誤解で鷹之と別れて、逃げて、自分を傷つけて鷹之を失った。

ほんとにオレってバカ。

ふわりと身体が温かい温もりに包まれる。

鷹之がオレを抱きしめたんだと気が付いた時にぎゅっと抱きしめられて息が出来なくなった。

「ごめん。明日叶のせいじゃないよな。ちゃんと話さなかったオレが悪い。好きな子じゃないし、明日叶がオレと付き合ってる事を他の奴に知られたくないだろうと思った。好きだって言うだけでいいならいいかと軽く考えたんだ。オレが浅はかだった。もっと気を付けておかなくちゃいけない事ぐらいわかってたのに、明日叶といると抑えられなくなってキスしてしまったのはオレだから、オレが何とかしなくちゃいけないって。でもそれで明日叶を失ってたら何にもならないよな。本当にあの頃のオレは子供だった。」

「オレも…。自分に自信がなくて鷹之に聞く勇気がなかった。あの時勇気を出して聞いてればよかったんだ。」

過去を振り返っても元に戻る事など出来ない。もうあの時から5年も経ってるんだ。

力なくオレは鷹之の背中に手を回して抱きしめ返す。本当はぎゅっと抱きしめたいけど触れるだけにした。もうオレの鷹之じゃない。鷹之には他に抱きしめる相手がいるから…。


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