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土曜の雨のジンクス

土曜の雨のジンクス76

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車から降りて二人は無言でエントランスを抜けてエレベーターに向かう。エレベーターはちょうど1階に止まっていて、二人だけを乗せて鷹之の部屋のある階へと昇って行った。

その間も二人は言葉を交わす事はなかったけど、肩が触れ合うほどに身体は近く、エレベーターの中のカメラに映らないように後ろで手を繋いでいた。

お互いに何も言わず。顔も見ないけれど繋いだ手がお互いの熱を伝えあったいた。

ポンと言う音と共にエレベーターのドアが開く。

繋いだ手は離されるかと思われたが離そうとした明日叶の手を鷹之は離さなかった。

結局、カメラには写ってしまったのに、鷹之は何とも思っていないようで、明日叶の方が焦った。

鷹之はここの住人だから管理人とかカメラを見た人に変に思われてしまうのではないかと心配したのだ。

口には出せずに鷹之を見た明日叶に「気にする事なんてない」と鷹之は言った。

それでも落ち着かない明日叶だった。外では絶対に鷹之に迷惑をかけるような事はしたくないと思っている。

この5年間で、少しは男同士だと迷惑になる場面を学んだつもりだ。

鷹之はオレを好きだと言ってくれた。それだけで十分に嬉しい。二人だけでいられる空間の時は恋人でいるけど、それ以外の人がいる時は友達を装う。いや、外に出られなくてもいい。どこにもいかずに部屋だけで過ごせればいいと思っていた。鷹之は社長だから、仕事的にもオレの存在はいてはならないものだから。

鷹之には言ってないし、公にするつもりは黄桃ない。誰にも知られなくていい。二人だけが知ってればいいと思っていた。征一郎と遥斗、鈴城さんは明日叶の片思いが実った事を喜んでくれるだろう。それだけで十分幸せだと思う。

諦めていた、好きになってもらえないと思っていた鷹之が、こんな自分の事を好きだと言ってくれる事実だけで明日叶には十分だった。

部屋の前で立ち止まった鷹之が明日叶の手を繋いだまま鍵を開ける。

鷹之に促されて玄関で靴を脱ぐと、そのまま真っ直ぐに歩いてリビングに入った。

綺麗だけどあまり生活感の感じられない部屋だなと明日叶は思う。

「ここはほんとに寝るだけの部屋だからな。部屋がたくさんあるだけの家だ。会社で寝泊まりする事も多かった。」

そう言って鷹之は苦笑した。

喫茶店は7時ごろに閉めていたから、それから会社に行ってたんだ。きっと昼間に仕事が出来ない分、夜にしていたのだろう。じゃ、これからもすれ違いが多くなるのかな?ふとそんな事が頭を掠める。

「そんな顔するな。これからは店に出る必要はなくなったんだ。」

「え?」

「親父、仕事辞めて店だけに専念するんだって。すみれが倒れたのにそばに居られなかった事が決意させたみたいだ。子供も出来る事だし、父親は傍にいないとなって言ってたよ。すみれ嬉しそうだった。仕事だからって電話だけじゃ余計に会いたくなるよな。電話代だけできっとスゴイ事になってるんじゃないかな。」

すみれさんの嬉しそうな笑顔が浮かんでこっちまであったかい気持ちになる。

家族は離れていたらダメになる。そうじゃないかもしれないけど、明日叶は離れていたから父親との溝は埋められないままだ。だから余計に傍に居なくちゃいけないと思う。鷹之の父親の選択は明日叶にも微笑みをもたらした。

「すごく決心するのに勇気がいったんだろうな。お父さんすごいな。でもきっと幸せな家庭が作れるよ。家族は一緒にいなくちゃダメだ。」

「そうだな。親父もそう思ったんだろ。だからオレは自由にさせてもらうって言っといた。ああ、孫も作るつもりないから、弟か妹に頼んでくれって言っといた。そうすれば親父も長生きしなくちゃいけなくなるだろうしな。」

「バ、バカか。そんな事言う必要ないだろう。きっとお父さんビックリしてる。どうするんだよ。」

「だってオレはこの先明日叶以外と付き合うつもりないから。明日叶は違うのか?」

「違わないけど、でもお父さんを悲しませちゃダメだよ。」

「親父笑ってたぜ?長生きするからお前は好きにしろって。親父、オレが明日叶と付き合ってた事知ってたみたいだった。まあ、高校の時はよく明日叶泊まりに来てたし、オレも明日叶の家に泊まってたからな。感づいてもおかしくはないな。あれで鋭いところのある人だから。」

「オレ…鷹之のお父さんには顔会わせられない…。」

「もう知られちゃってるんだから開き直れば?それより何か飲むか?」

鷹之のお父さんに知られてると聞いて妙に喉が渇いていたから何でもいいから飲みたいと言うと、冷蔵庫からビールを手渡してくれる。

二人でソファーに座りビールを飲んでるのが何だか不思議な気がする。

少し前まではこんな風な時間を過ごす事はなかったんだ。ホテルであって、身体を繋げ終わればシャワーを浴びて別れるだけだったのに、今はホテルじゃなく、鷹之の家で隣同士でビールを飲んでる。

すっと鷹之が立ち上がって奥の部屋に入るとすぐに戻って来て肩にカーディガンを羽織らせてくれた。

「またぶり返したら困るだろ。身体冷やさないようにしないとな。ビールじゃなくて焼酎のお湯割りとかにすればよかったな。」

本当に気の付く優しい男だ。オレは羽織ったカーディガンの肩をなでた。

「もう寝ようか。明日は仕事だろう。」

寝れるようにしてくると言って鷹之はリビングを出て行った。

寝るってやっぱりするのかな?

まだ正直戸惑っている部分が無いわけではない。

ついこの間までセフレのような繋がりしか持ってなかったから、恋人としての繋がりをどうしていいのかわからない。高校生の時の事を思い出そうとしたけど今とでは状況も全然違う。

恋人同士ってどんなだったっけ?

考えを思いめぐらしてると鷹之が戻って来た。

「明日叶、風呂入ってあったまって来い。風呂も入れておいたから。でも長湯はダメだ。さっと汗流しすだけな。会社に行くなら風呂入っておきたいだろう。」

「ああ。じゃ風呂入って来る。」

「ビールも少し飲んでるから気を付けろよ。」

「わかってる。」

ドキドキしながら風呂にさっと入り、上がってから何を着ればいいか迷ってパジャマが出されているのに気が付く。これを着ろって事だよな。

それはさっき着ていたのとは違って、鷹之のものらしくひどくだぼついていたけど、鷹之のものだと思うと嬉しい。

オレが出て行くと「風呂に入って来るから明日叶は先に寝てろと」言われて、ますますドキドキしてベッドに入り込んだ。

風呂から上がって来た鷹之ももちろん同じベッドに入って来るけど、鷹之もパジャマを着ていた。

「今日は明日叶を抱きしめて寝てもいいか?昔のように…。」

「え?しないの?」

「明日叶、明日会社だろう。明日叶の体調が万全なときに思い切り時間をかけて愛したい。あ、明日叶を抱きたくないわけじゃないぞ。今日は初めて二人で一つの布団で寝た時みたいにしたいんだ。ダメか?」

付き合って初めて鷹之の家に泊まった時は知識もなくて、ただ二人で抱きしめ合って寝た事を思い出す。それだけですごく幸せで仕方なかった。

「ダメじゃない。いいな。そこから始めるのも。」

いつもは鷹之から抱きしめてくれた。今日はオレから鷹之に抱き付く。オレより広い鷹之の胸に頬を寄せると鷹之がオレを抱きしめてくれた。

あの時と同じ気持ち。すごく幸せだ。身体を繋げなくても鷹之の体温を感じる特等席に自分がいるという幸せ。抱きしめられているだけで愛されているんだとわかる事が感じられる幸せ。

「鷹之愛してる。」

「明日叶オレもお前を愛してる。」

その後訪れたキスは唇に少し長い間とどまっていたけど、欲情するようなキスじゃなくて、愛を伝えあうキス。

「おやすみ明日叶。」

「おやすみ鷹之。」

そうして朝まで抱きしめ合ってその日は眠った。

すごく幸せな気持ちでぐっすりと朝まで目が覚める事はなかった。久しぶりの深い眠りだった。


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