キミと空とネコと16

睡眠薬を飲んだのに3時間ほどで目が醒める。

気分は最悪なままで気分は落ち込んだままだ。おまけに全身に汗をかいていて気持ち悪い。

身体が熱いのは熱があるのか。そういえば、髪の毛も乾かさずに寝てしまった。

あまりの気持ち悪さにオレはもう一度、熱いシャワーを浴び、汗を流す。

風呂から出て、何気に携帯が光っているのに気付き開けて見ると雪夜先生からメールが届いていた。

『今日は一緒に食事が出来て楽しかったです。又、ご飯でも食べに行きましょう。』

オレは返信しようとした指を離す。

この兄弟に関わるとオレはおかしくなる。

心が騒がしくて、苦しくて･･･。

これ以上関わらないようにしよう。

そしてそのまま携帯を閉じると、残っていた最後の睡眠薬を飲んでベッドに横になった。

このまま朝まで目が醒めないように祈りながら目を閉じた。

武蔵を抱きかかえながら。


浅い眠りの中で夢を見る。

響夜が女の人とオレを見ている。

「男のオマエとオレが付き合うわけないだろ。」

「そうよ。アンタ気持ち悪い。男のクセに男が好きなの？」

二人であざ笑うかのようにオレを見下ろして笑う。

雪夜先生が現れる。

「響夜、やめろ。高瀬さんが気の毒だろう。」

そう言ってオレを見た雪夜先生も蔑むような目でオレを見る。

「高瀬さんはボクたちとは違うんですね。わかりあえないな。残念だけど。」

優しい口調だけど、受け入れてはもらえない。

ずぶずぶと沈んでいく。

深い暗い穴の中に落ちていく。

落ちた先ではアイツが

「死ぬまで一緒にいられると思ってたのか？オレはそんな事考えたこともない。」

と背中を向けて去っていく。

光が無くなり、オレは真っ暗な暗闇の中に一人座りこんでいる。

武蔵を呼ぶけど、武蔵はいなくてオレは心が痛くて痛くて･･･。

「一人にしないで。」暗闇の中で叫び続けていた。




目が醒めると泣いていてシーツが濡れていた。

心はぽっかりと大きな穴が開いていて空虚感でいっぱいだった。

熱はもっと上がっていて、全身がだるい。

声は掠れてしまい、頭はぼーーーっと熱で犯されていた。

「あ、武蔵のご飯しなくちゃ。」

フラフラしながら武蔵のご飯をするとインターホンが鳴った。

オレは考えの回らぬ頭で確認もせずにドアを開ける。

玄関には響夜と雪夜先生が並んで立っていた。







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