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さよならが言えなくて。

さよならが言えなくて。7

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携帯のアドレスを交換してから数日は何の連絡もなくて、彼らを見かける事もなかった。

どうやら同じ講義は外国語だけのようで、きっと学部も違うんだと思う。

もしかして携帯のアドレスを交換したのって僕は大きな意味でとらえてたけど、友達がすぐに出来そうな彼らにしてみれば社交辞令のようなものなのかもしれないと思い始めていた。

敦兄と有紀も僕がその後何も言わないので気になっているようだ。時折何か言いたそうな顔をしている。答える事が出来ない僕は気が付かないふりをしているけど、喜ばせてしまったから少し後ろめたいような気持ちになっていた。自分で積極的に話すと言いながらも話す機会がない。

携帯にアドレスがあるんだから電話をかけるのは無理でもメールでもすればいいのに、何て打てばいいのかわからずに打つことも出来ない。

相変わらず一人で過ごす毎日だけど、図書館通いが一つの楽しみになっていた。

今日も講義の合間に図書館で過ごしていた。静寂に包まれて大好きな本に囲まれ心地よい時間を過ごすのは何よりの贅沢だと思う。

今日の1冊はサスペンス。意外な人物のよるトリックに先が読めずにのめり込む。

誰が犯人なのかわからない。逃げる主人公が森の中で蔦に足を取られて犯人に追い詰められ、ナイフが振り下ろされようと言う時に携帯が震えて僕の身体も驚きで震えた。

こんな時間に敦兄も有紀もメールなんてして来ない。誰だろう…。


『樹、今すぐコーヒーを買って第3大講義室まで持って来い。ちゃんとドリップしたコーヒーにしろよ。ブラックで』


隆也さんからだけど…。コーヒー買って来いって事だよね。ドリップって…。コンビニでもいいのかな?

読んでいた本を棚に直し、僕は大学を出てコンビニは止めてコーヒーショップに向った。どうせなら美味しい方がいいかなと思ったからだ。

僕がコーヒーを持って第3大講義室に行くと、面白くなさそうな顔をした隆也さんと楽しそうに話してる智也さんがいつものように女の子に囲まれていた。

僕はコーヒーを持ったままそこから動けずに立ち尽くしていた。忘れてた。彼らの居るところにはたくさんの人がいたんだった。あの中を入って行くのには相当の覚悟がいる。

どうしようかとオロオロしていたら隆也さんが僕に気が付いてくれた。

え?今隆也さん僕と目が合ったよね。なのに隆也さんは知らんぷりで窓の外を見ている。

気が付かなかった?そんなはずない。ちゃんと目が合った。

多分僕は間抜けな顔をしていたのだろう。隆也さんが口の端だけで笑ったのに気が付く。

僕をバカにしてる?そう思ったらカーっと顔が赤くなった。大人しい僕でもバカにされれば腹は立つ。でも大きな声をだして怒る事は出来なくて、手に持っていたコーヒーを近くのテーブルに置くと部屋を出た。

隆也さんに美味しいコーヒーをってショップまで行ったのがバカみたいだ。からかわれたんだ。

隆也さんは僕の事が嫌いなのかな?とろいからイライラするのかな?だからこんな事をするの?

知らず知らずに視界がぼやける。悔しくて涙が込み上げてきた。

メールの着信が鳴る。


『樹、遅い。でもコーヒーはうまかった。今度コーヒー奢る』


何これ?

何か複雑な気持ちだった。涙は止まっている。怒っていたはずなのに怒りの矛先が向かうところを失って戸惑う。無視される。からかわれたんだと思ってたのにメールをくれた。

隆也さんがわからない。隆也さんが掴めない。もう少し仲良くなれば隆也さんがわかるのだろうか?

隆也さんがどうしてこんな事をするのか?もしかしたら僕は試されている?何で試すような事をするのかわからないけど、何か理由があるのかもしれない。

今まで周りにいなかったタイプの人で、つかみどころがない。どう接していいのかもわからないけど、妙に惹きつけられている。周りに同調せずに自分を持っている隆也さんに憧れている。




それからも忘れた頃にお使いみたいに使われる事が数度あった。女の子に囲まれているところに行く事はなかったけど、いつも隆也さんは指定した場所にいなくて、代わりに智也さんが受け取ってくれていた。

「樹ちゃんごめんね。隆也頼むだけ頼んどいてまたどっかに行っちゃったんだ。」

「いいんです。気にしないで下さい。」

最初は隆也さんがいなくてガックリしたけど、さすがに何度も続くとあまり期待しないようになる。買い物をしたお金は智也さんに渡してくれていて僕がお金を出したのは最初のコーヒーだけだ。

「でも隆也、樹ちゃんの事気に入ってるんだと思うよ」

「そうですか?そんな風には思えないんですけど」

「気に入らない相手だとこんな風に何度もお使いさせないからね。隆也ってちょっと変わってるから。お使いさせてその人を見るというか…。まあ人を見るなんて傲慢だよね。ほんとにごめん。でも見放さないでやって欲しいんだ」

「見放す?僕が見放されるんじゃなくて?」

「隆也は樹ちゃんを見放したりしないよ。気に入ってるっていったでしょ」

「そうなのかなあ。隆也さんの事わからない」

「あいつをわかろうと思ったら時間がかかるよ」

「でも智也さんはわかってるんですよね」

「付き合い長いからね。中学の時からだから。隆也が誤解されないようにと思ったらこんなに付き合いが長くなっちゃってた」

「智也さんは隆也さんを大切に思ってるんですね。仲のいい友達でいいですね」

「俺と樹ちゃんも友達だろ」

え?今僕と友達だって言ってくれた?

「僕も友達・・・」

「え?違うの?俺友達だと思ってたんだけど」

心臓がバクバクと音をたてる。すごく興奮してる。友達だって。

「僕、友達作るの苦手で、友達らしい友達って出来なくて…。そんな僕なのに智也さんは友達だって言ってくれて…。ほんとに?」

「うっわ~~~。樹ちゃん可愛いっ。ハグしていい?」

「ハグ?だ、ダメです。無理無理。」

「ますます可愛いし。ダメって言ってもしちゃうもんね。ほらっ」

友達としてのハグだけど、こんなに近くで体温を感じたことがないから固まってしまう。顔は絶対に真っ赤だ。何で隆也さんの話からこんな事になってるの?

「固まっちゃって可愛いなあ。樹ちゃん、友達なんだから智也って呼んで。さん付けなしだよ。あと敬語もやめてね。やめないとこのままキスしちゃうよ」

「だ、ダメ。僕はこれでも男です。ダメ。」

「わかってるよ。可愛いけど樹ちゃんは男。でも言う事聞かないとキスするよ。樹ちゃんの唇、桜色でぷくっとしておいしそうだし、全然問題なし」

「僕は問題大有りですっ。敬語やめますから…っやめるから智也もう離して~~~」

ぜーぜーと肩で呼吸する。ぎゅっと羽交い絞めにされていた身体が離れて見上げると嬉しそうな智也の顔があった。

「そうそう。樹ちゃんに「智也」って言われると自分の名前がすごく良い物に聞こえるよ。これからもその調子で名前呼んでね」

「わ、わかった。」

何か上手く智也に丸め込まれたみたいだと思った。



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