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さよならが言えなくて。

さよならが言えなくて。26

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「隆也が僕にキスした!?」

驚いて閉じてしまった目をゆっくりと開けると隆也は何もなかったかのように目を閉じて寝息をたてていた。

寝てる…よね。狸寝入りじゃない。隆也、ほんとに寝てる。

さっきの…気のせい?隆也の唇が触れたと思ったけど違うのかな?僕の思い違い?

でも…。

自分の唇にそっと触れて見る。

思い違いなんかじゃない。指なんかじゃない、柔らかい物が確かに触れた。

「隆也寝ぼけたのかな?それとも誰かと間違えてキスした?」

初めて家族以外の人と触れた唇。

どうしてだろう。不思議とショックではなかった。驚いたけど、嫌悪感はなかった。男同士でキスをしたのに…。隆也だから?

「初めてのキス…。隆也にされた…」

何度も唇を指でなぞる内にキスをしたと言う実感が沸いて来て顔が赤くなっているのがわかる。

「何で顔赤くなるかな。初めてだからだよね。うん。きっとそうだ。隆也にとっては他愛のないキスだろうけど、僕にしてみれば初めてのキスだ。女の子じゃないんだから気にするのはおかしいのかもしれないけど、初めてが隆也ならいいや」

そう思っている自分がおかしいなんて思いもしなかった。普通に考えたらおかしいよね。でももうこの時には隆也に僕は囚われていたんだとおもう。気が付いていないだけで…。


結局、隆也はその後深く眠ってしまった。僕はそんな隆也を起こす気もなく、大学にも戻らなかった。

何となく、隆也と二人で過ごす方が魅力的に思えてしまった。講義はいつでも受けられるけど、例え隆也が寝ていて、意識がなくても二人きりで狭い空間で過ごすことなんてそんなにあるわけじゃない。そう思ってしまったんだ。

「ん…。何だ俺眠ってしまったのか。ポチ?」

「あ、隆也起きた?良く眠ってたから起こさなかったんだけど大丈夫だった?携帯なったら起こそうかとも思ったんだけど鳴らなかった」

「ああ電源落としてた。大学行かなかったのか?」

「別に絶対に出席しなくちゃいけない事もなかったしね。1回くらい休んでも問題ないから。隆也良く眠ってたし…。もしかして昨日あんまり寝てない?」

「まあな。でもいつもこんなもんだ。俺に気を使ったつもりかもしれないが、余計なお世話だ。眠っているのを見られるのは気分が悪い。もし今度俺が寝そうだったら起こせ。まあ俺が寝なければ良い事か…。人の家で寝てしまうなんて俺とした事が、とんだ失態だ」

何で寝顔を見られるのが嫌なんだろう?弱みを握られるように感じるのかな?僕はそんな事思わないのに。

「あの…。隆也、僕は隆也の寝顔を見られて嬉しかったよ。何か、安心してくれてるのかなって…っつ」

バンッと身体を押されて背中をテーブルにぶつけて痛みで息が出来なくて顔が歪む。

「…っ…はっ…な、に?」

「安心?何言ってる。俺が安心しているだと?バカも休み休み言え。誰がポチごときに」

はぁはぁと息を整えている僕を隆也が上から見下ろしている。その瞳の奥には怒り…。そして悲しみ?

「ただいま。樹帰って来てるの?お客様?もしかして智也さん?」

学校から帰って来た有紀がリビングに入って来て、蹲っている僕を見て慌てて駆け寄って来た。

「何?どうしたの樹。大丈夫?あんた誰?樹に何したのよっ」

「有紀止めて。何でもないよ。僕が勝手に転んでテーブルでぶつけただけだから」

「嘘っ。あんたが樹に何かしたんでしょ。あんた誰よ」

「お前に関係ない。邪魔したな」

「待ちなさいよっ」

「有紀止めて。もういいから。隆也ごめん」

「隆也?この人が?樹を助けてくれた人?信じられない」

「別に俺はポチを助けようと思ったわけじゃない。たまたま助けてしまっただけだ。気まぐれだな。もしかしたらほっておいたかもしれない。俺の気が向いて助けられて良かったな」

「何?この人何なの?樹はこの人と本当に友達なの?」

「友達ね…。俺に友達なんていないよ。俺に友達はいらない。あってもうるさいだけだ。じゃあなポチ」

茫然とする僕と有紀を見る事も無く隆也は出て行ってしまった。

『俺に友達なんていないよ』

その言葉が頭から離れない。僕は隆也に友達だと思ってもらえてなかった。隆也の中に友達はいない…。智也も?

「樹、あんな奴と友達じゃなくて良かったよ。酷い奴じゃない。自分勝手でどうしようもないよ。樹、本当はあいつに突き飛ばされたとか乱暴されたんでしょ」

「乱暴なんてされてないっ。あんな事言ってるけど隆也は本当は優しいんだ。僕の事を気にかけてくれてるんだよ。隆也を悪く言わないで」

「樹…」

「ごめん。僕少し横になるね。夕食悪いけど有紀作ってくれる?僕はいらないから」

「樹…」

部屋に戻るとボスンとベッドに腰掛けた。そのまま横に倒れる。

隆也といい感じだと思ってたのにな。友達だって思ってくれてると勝手に思いこんでた。隆也の寝顔に安心してくれてると嬉しい気持ちになってた。

けど…。

それは僕が勝手に思っていた事で、隆也にとっては迷惑だった?

家族がいるなら家に来ないと言った隆也。有紀に会って、有紀に責められて良い気分じゃなかっただろうな。でも有紀が悪いわけじゃない。有紀は僕を心配してくれたんだから。

隆也にも有紀にもちゃんと話せなかった僕が悪い。このままじゃ隆也は悪者になってしまう。有紀にちゃんと隆也をわかつてもらわなくちゃいけない。

でも…。

どう話したらわかってもらえる?僕は説明が上手くないし、隆也をわかっていると言うには隆也の事を知らなさすぎる。こんな僕の話で有紀が納得するわけない。

どうしたらいい?

有紀が敦兄に話したらますますややこしくなる。あの調子じゃ隆也の事を悪く言うに決まってる。確かに突き飛ばした隆也も悪いと思うけど、そうさせてしまった僕にも過ちがあったんじゃないだろうか。隆也の中のなにか触れてはいけないものに触れてしまったんじゃないか。それが何だったのかはわからないけど、瞳の奥の怒りの底に見えたような気がした悲しみは隆也の他人に見せない内面じゃないかな。それを僕は無神経に触ってしまった。

「イタッ」

身体をひねると腰が痛む。さっきテーブルでぶつけたところだ。

「これきっと青痣になるよね」

痛む腰をさすりながら隆也はあれからどうしたろうと思う。

イライラした気分を落ち着けるところはあるのかどうか。そんな心配僕なんかにされたくないかもしれない。そんな心配しなくても隆也には他に安心出来る場所があるのかもしれない。

「ほんとに僕は隆也の事を何も知らないんだな」

もしかしたらもう隆也は僕の事を見限ったかもしれない…。そう思うと何だかとても悲しくて切なくて心が痛くて胸を押さえて小さく丸くなった。こんなに僕の中は隆也でいっぱいだ。これって友情?友達の事でこんなにいっぱいになるもの?切なくて切なくて泣きたくなる。

「僕は隆也の事好きなの?」

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