スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←さよならが言えなくて。27 →さよならが言えなくて。29
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ご挨拶
もくじ  3kaku_s_L.png 貴方の腕の中で
総もくじ  3kaku_s_L.png キミと空とネコと
もくじ  3kaku_s_L.png S.S
もくじ  3kaku_s_L.png イラスト
もくじ  3kaku_s_L.png 頂きもの☆
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 新撰組物語
  • [さよならが言えなくて。27]へ
  • [さよならが言えなくて。29]へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit

さよならが言えなくて。

さよならが言えなくて。28

 ←さよならが言えなくて。27 →さよならが言えなくて。29

結局隆也とは連絡がとれないままで、何度か連絡が欲しいと留守電にもメッセージを入れたけど連絡はないまま。

もしかしたら連絡があるんじゃないかとまんじりともしなかった夜。さすがに日付が変わった頃にはもう連絡はないだろうと思ったけど寝付けなかった。早く隆也と話をして元通りになりたかった。僕が傍に医てもいいんだって隆也に言って欲しかった。友達でいいから傍にいたいと思っていた。

叶う事のない想いを抱えてでも隆也の傍に居たかった。隆也の気持ちが僕に向かないってわかってても、それでも傍に居たかった。傍にいれば少しはこの切ない想いも救われるような気がしてた。後で、それがどんなに辛い事なのか知るのだけれど、この時はそう思ってたんだ。

今も隆也の事を思えば胸が熱くて痛くて苦しい。自分の気持ちを自覚してしまったから余計だ。でも絶対に誰にも知られてはいけない事だけはわかっている。

ちゃんとしてなくちゃ、何もなかったようにしなくちゃ有紀が訝しむ。そう思って下に降りて朝食の用意をする。ロクに眠れてなくて頭は重いけど、笑顔でいつもの朝のようにしなくちゃ。

そんな僕の気持ちが通じたのか、敦兄も有紀もいつものように朝食を食べ、仕事に学校にと出かけて行った。有紀は何か言いたそうな顔をしてたけど、結局は何も言わなかった。

片付けをして自分も出かける用意をする。気を抜くと落ち込みそうになる自分を励まし、隆也とちゃんと話をするんだと言い聞かせた。

もしかしたらと電話してみたけど電源が落とされていて連絡はつかなかった。一応留守電にメッセージは入れておいたけど聞いてくれるかどうかはわからない。

重い足取りになってしまうのは悪い方に考えてしまうから。もし隆也が怒っていて、二度と僕とは口も聞きたくなくて避けられてるとしたら…。そんな隆也に何か言える勇気が僕にあるだろうか…。

俯きながら歩いていて、前に人が居るのに気が付かずにぶつかってしまって慌てて謝る。

「すいません。前見てなくて…」

「ふふっ。おはよう樹ちゃん。どうしたの?また一段と暗い顔しちゃって。あれもしかして昨日あんまり寝てないんじゃないの?目の下に薄くクマが出来てるよ」

僕の顔を覗き込んで智也が言う。

「見ないでくれる。何か智也に見られるといたたまれない気持ちになるよ。僕も智也みたいだったら自信が持てるのかな?」

「何言ってるの。樹ちゃん可愛いんだからもっと自信持ちなさいって。いつも俯きがちだからみんな気が付いてないけど、樹ちゃんそこらへんの女の子よりも可愛いよ」

「智也って目が悪いの?僕は可愛くなんかないよ。暗いし、上手く人ともコミュニケーション取れないし、それに僕は男なんだから万が一可愛かったとしてもなんの役にも立たない。僕を慰めようと言ってくれるのはわかるけど、かえってへこんじゃうよ」

「どうしてそうなるかなあ。樹ちゃんほんとに可愛いのに。樹ちゃんのお兄さんや有紀ちゃんを見ればわかるだろ。二人とも綺麗で可愛いじゃない」

「敦兄と有紀は確かにそうかもしれないけど、僕は似てない」

「似てるけどなあ。どうしてそう思っちゃうかな?」

小さい頃は3人ともよく似てると言われた。まだ性格も定まらず、周りを知らない頃。無邪気な子供でいられた頃は…。でも、今は違う。明るくしっかりとして友達の多い敦兄と有紀は気力に満ち溢れ、生き生きとした瞳がいつもキラキラして僕でも見惚れてしまう。

昔はよく似ていると言ってくれた近所のおばさんも今では敦兄と有紀はそっくりだと言うけれど、僕の事は何も言わなくなった。僕も二人と似ているとは思わない。

「似てないよ。僕はあの二人みたいにキラキラしてないから」

「キラキラ?そっか。そうだね。キラキラか…。樹ちゃんはキラキラと言うよりもホワホワ、フワフワって感じかな。たんぽぽの綿毛みたいな感じ?」

たんぽぽの綿毛?頼りないって事?周りに流されて風に流されて飛んで行ってしまうみたいな?

「なーんか悪い方に取ってない?たんぽぽの綿毛ってさ、見てるだけでなんか癒されるっていうか優しい気持ちにならない?思わず見つけたら微笑んでしまうようなさ。樹ちゃん見てると俺はすごく癒されるよ。ギスギスしてなくてさ、優しい空気を纏ってて思わず抱きしめたくなるような感じ」

「恥かしい事言わないでくれる?男を抱きしめてどうするの。ちっとも嬉しくないよ」

なんかすごく恥ずかしい事を真顔で言われて、言われたこっちが赤くなる。智也は時々こうしててらいもなく言うから困る。

「ちょっと樹ちゃん俺置いて一人で行かないで‼」

立ち止まって話してたから周りの注目を浴びてる。一緒にいるのが智也だから注目の的になっていた。余計に恥かしい。僕の事を可愛いだなんて言ってたの聞かれてないよね。きっとみんなバカじゃないのって思ってるよ。僕が可愛いわけないじゃないか。恥かしいったら…。

そのまま智也とは離れていようと思ったのに追いついた智也になだめられて学食のケーキセットにつられてしまった。だって学食のケーキセットは日替わりのショートケーキがつくのだけれど、限定数のために昼過ぎにはなくなってしまうほどの人気で、特に今日はイチゴショートの日だからいつもよりも早くに売切れてしまうんだ。

おまけにバイトをしてない僕の使えるお金はそんなになくて、ケーキセットを食べるなんて贅沢な事は出来ない。それをわかってて智也はケーキセットで僕を釣ったんだ。まあつられた僕も僕だけど…。

「やっぱりここのイチゴショートは美味しい。久しぶりに食べたから余計にそう思うよ。智也ありがとね」

「いえいえ。ケーキセットでこんな幸せそうな樹ちゃんを見れるなら毎日でも奢りますよ」

「智也、それはお金の無駄遣いでしょ。たんまにだから僕も奢ってもらうの。これが毎日なら奢ってもらったりしないから」

「わかってるよ。それより昨日隆也、樹ちゃんの家に行ったんだって?」

「…なんで知ってるの?」

「有紀ちゃんから電話あった。あいつなんなの~~~ってすっごい怒ってて根掘り葉掘り聞かれたよ」

「有紀ってば……。昼食一緒に食べる事になって僕が隆也に作ってあげるからって家に呼んだんだ。昼間なら家族いないしいいかなって思って」

「隆也、家族と会うの嫌がるもんな」

「でご飯食べた後、隆也が寝ちゃって起きた隆也に僕が余計な事言って怒らせちゃったんだ」

昨日の事を思い出して項垂れる。隆也すごく怒ってた。

「隆也が樹ちゃんに怒ったの?」

「うん」

僕が隆也に突き飛ばされた事は言わなかった。言ったら隆也が悪者になるような気がしたから。そうさせたのは僕だから言わなかった。

「それでか。昨日用事があって隆也に電話したんだけど話す前に切られてそれから電源落としてるんだ。隆也の奴」

「そうなの?僕も繋がらなくてメッセージ残したけど返事ないんだ。きっとすごく怒ってるんだろうな。もしかしたら僕の事、嫌いになったかもしれない。隆也、友達なんていないって言ったんだ。いらないって」

「だろうな。俺にも同じ事言ったよ。それでも俺は隆也の事、友達だと思ってるからくっついてるんだけどね。樹ちゃんも隆也と友達でいたいと思うなら離れちゃダメだよ。離れてしまうとあいつからは近寄って来ないから、もう二度と傍には居れなくなるからね。自分から離れるものはあいつ遠慮なく遮断してしまうから」

隆也らしいんだろう。自分から離れて行くものを追いかけないのは興味がないからだ。居ても居なくても隆也の中では同じなんだろう。







ランキングに参加しています。ポチッと押してくだされば嬉しいです。拍手とポチをいつもありがとうございます・:*(〃・ェ・〃人)*:・ 感謝です(ஐ╹◡╹)ノ

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村 小説ブログ BL小説へ
にほんブログ村
関連記事
スポンサーサイト


もくじ  3kaku_s_L.png 未分類
もくじ  3kaku_s_L.png ご挨拶
もくじ  3kaku_s_L.png 貴方の腕の中で
総もくじ  3kaku_s_L.png キミと空とネコと
もくじ  3kaku_s_L.png S.S
もくじ  3kaku_s_L.png イラスト
もくじ  3kaku_s_L.png 頂きもの☆
もくじ  3kaku_s_L.png 雑記
総もくじ  3kaku_s_L.png 新撰組物語
  • [さよならが言えなくて。27]へ
  • [さよならが言えなくて。29]へ

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • [さよならが言えなくて。27]へ
  • [さよならが言えなくて。29]へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。