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さよならが言えなくて。

さよならが言えなくて。30

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一瞬垣間見えた隆也の優しい顔を胸の中にしまい込み、隆也の後を歩く。

背の高い隆也の歩く速度と僕の歩く速度が違うからいつも間が空いてしまう。もちろん隆也が気が付く事もなく、間が空きそうになると慌てて急いで歩くのがいつもの事。女の子と歩く時は気にしてるのかな?いつも腕を組んでるから間が空く事はないんだろうな。隆也と離れないように腕を組める女の子が少し羨ましい。

女の子は女というだけで隆也の特別になれる。少しの間だけでも隆也に関心を持ってもらえる。僕の事を特別扱いしてって隆也に言う人がいるけど、僕は特別なんじゃない。今はたまたま傍にいるけど、僕の代わりはどこにでもいて、僕に関心や興味を持ってるわけじゃない。未だに僕は『ポチ』なのだから。名前を覚えているのかも微妙なのにどこが特別だと言うんだろう。

「おいポチ。腹が減った。なんか作れ」

「食べに行けばいいじゃない」

「今日は外で食いたい気分じゃない。だからポチが作れ」

「作れ」だなんて何て言い方だと思うけど、ここで「作ってくれでしょ」とか言うと「じゃあいい」とか言われるのがわかってるから言わない。僕は少しでも隆也の傍にいたいから。

「隆也の家で作るの?」

「ああ」

隆也の家に行くの初めてだ。家に誘ってくれるなんて思っても見なくて、すごく嬉しい。

「何が食べたい?」

「肉じゃが」

「え?また?」

「肉じゃががいいんだ。ポチの肉じゃがは懐かしい味がして好きなんだ。だから肉じゃががいい」

隆也は肉じゃがに何か思い出があるんだろうか?すごく固執してるような気がする。でも僕の肉じゃがをそんなに気に入ってくれてると思うと隆也に認められてる気がして胸が高鳴った。

「材料はあるの?」

「ない」

「じゃ買い物して行かなくちゃね。近くに買い物するところある?」

「荷物重くなるのか?」

「調味料とかは?」

「ない」

「お鍋は?」

「ない」

「……」

隆也が料理をするとは思えないけど、付き合って来た女の子が料理をしたりとかする事はなかったのかな?調味料も鍋もないって全然キッチンを使ってないって事?

「もしかして包丁…」

「ない」

確実だ。キッチンは使われてないと思った方がいい。

「お皿とかお茶碗とか…」

「ある」

良かった。食器までないとか言われたらどうしようかと思った。肉じゃが作る前に買い物で疲れてしまいそうだもの。

「荷物重くなりそうだな。タクシーで行くか」

「遠いの?」

「ここから5分くらいか」

「もったいないよ」

「俺は重いに持つを持つのは嫌だ。全部ポチが持つのならいいが」

「無理に決まってるでしょう」

「じゃあタクシーだな」

自分が食べたいって言ったくせに自分h何もしようとしないなんてと憤慨する僕の言葉なんて聞いてない隆也は、丁度通りかかったタクシーを止めてさっさと乗り込もうとする。

「早くしろ」

まだためらてる僕に舌打ちをすると腕を引っ張ってタクシーの中に引っ張り込んだ。

すぐに掴んでいた手は離されたけど、捕まれていたところが熱く感じられて顔まで熱くなる。隆也に触れる事なんてないから突然の接触に気持ちがついて行かないんだ。隆也にとっては何でもない事でも、好きな人に触れられる事は僕にとってはとんでもない事なんだ。

初めての恋は僕にいろんな感情や、心のざわめきを教えてくれて、小さな胸は困惑気味だ。恋するって心が忙しい。戸惑ったり、驚いたり、切なくなったり、悲しくなったり、嬉しくなったり…。相手の一つ一つに揺れ動かされる。まるでジェットコースターに乗ってるみたいだ。

スーパーに着くと隆也もタクシーから降りて来てビックリした。きっと買い物は僕一人でするんだと思ってた。「めんどくさいからオレはここで待ってる」ってタクシーで待ってるとばかり思ってた。

隆也は運転手に待ってるように言うと僕を追い抜かしスーパーに入って行く。かごも持たずに行ってしまう隆也を追いかけ、カートにかごを乗せる。

「隆也そんなに先に行かないで。じゃがいも通り越してるよ」

「ああ。そうだった。どれがいいかなんてわからないからポチが選べ」

「わかった」

それから一通りの買い物をしたのだけど、隆也はあまりスーパーにも来た事がないようでめずらしそうにいろんなものを手に取っては見ていた。

「次は肉だな」

「うん。どれがいいかな」

肉じゃが用に牛肉の薄切りを見ていると、隆也がスタスタとパック売り場の横にある専門店に行き、ケースの中を覗いている。

「隆也何見てるの?」

「やっぱり肉は松坂牛だろう。この肉がいい」

隆也が指さした肉は100g3000円で驚いた僕は注文しようとする隆也を慌てて引っ張って店から離れる。

「何で引っ張る。買えないじゃないか」

「あのね隆也。僕が作るのは肉じゃがなの。肉じゃが‼あんないい肉を使うなんておかしいのっ‼ああいうのはすき焼きとかに使うんだよ。A5ランクの肉なんて恐ろしくて料理出来ないよ。何グラム買うつもりだったの?」

「500じゃ足りないか?1キロ?」

「500ってそれだけで15,000円じゃないか」

呆れて開いた口が塞げない。隆也の金銭感覚ってどうなってんの?料理を作らないみたいだからわからなくても当たり前かもしれないけど、だからって肉じゃがの肉に15,000円って…。

「外食したらもっといるぞ。安いものなんじゃないのか?」

隆也は毎日のように外食なはず。毎日そんなにお金を使ってるのか?おかしいとは思わないのか?

「この前家で食べた肉じゃがのお肉は不満足だった?」

「いいや。柔らかくておいしかったぞ。じゃがいもとあってて良かった」

「じゃあのくらいの肉でも大丈夫だね。隆也に教えてあげる。肉じゃがは高級料理じゃないから安い肉でいいの」

精肉売り場でパックに入った肉を選ぶ。ちょっと贅沢して国産和牛にした。100g630円の肉で肉じゃがなんてありえないと思うのに、それでも隆也は納得できないと言う顔をしている。

隆也に任せていたらとんでもない買い物になりそうなので、作るのは僕なんだからとカートを押して選んでいく。隆也は何も言わずに僕の後を付いて来て僕がカートに入れる商品をまじまじと見ていた。

買い物を終え、タクシーに戻った時には日が傾きかけていた。

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